B東京水道マスタープラン概要版_表 (覆蓋コメント追加、はじめに追加)v3

安全でおいしい高品質な水の安定供給により
「世界一の都市・東京」を支える
東京水道施設整備
改定版
東 京 水 道 は、施 設 の 老 朽 化 や 大 震 災・災 害 の 脅 威、気 候 変 動 な ど、
水道 事業に影 響を及ぼ す様々な 課題に直 面してい ます。
こ の た め、中 長 期 的 な 施 設 整 備 の 方 向 性 を 示 し、10 年 後 の
整備目標とその目標を達成するための具体的な取組を定めた
「東京水道施設整備マスタープラン」を策定しています。
こ の た び、火 山 噴 火 や テ ロ 行 為 な ど に 備 え る た め の 浄 水 施 設
の覆蓋化や管路の耐震化対策等、危機管理のさらなる充実を図るなどの
改定を行いました。
このマスタープランに基づく施設整備により、
東京 2020 オリンピック・
パラリンピック競技大会期間中も含め、将来にわたり安全でおいしい
高品質な水の安定供給を確保していきます。
計画期間は、平成 28 年度から平成 37 年度までの 10 年間です。
水道施設の老朽化と更新時期の集中
(万㎥/日)
<浄水場の建設年度別施設能力>
○浄水場は、高度経済成長期に全体の約7割を
整備したため平成 30 年代から一斉に更新時期
を迎えます。
○主要管路の一部は、取替工事に必要なバック
アップ管路が確保されていないため、現状で
は取替えが困難です。
大震災・災害の脅威
○首都直下地震が高い確率で発生するとされて
います。
○近年、大型台風やゲリラ豪雨に伴い、水道施
設が冠水し長期にわたる断水被害が日本各地
で発生しています。
○火山噴火やテロ行為等のリスクが高まってき
ています。
気候変動の影響
平成 28(2016)年 2 月
○温暖化に伴う大幅な積雪量の減少と雪どけの
早期化により厳しい渇水が発生するおそれが
あります。
○温暖化に伴う水温上昇により水中生物が異常
に繁殖したり、豪雨などの発生により急激に
原水水質が悪化するおそれがあります。
<震災による水道施設の被害(岩手県)>
( 出典元:厚生労働省・公益社団法人 日本水道協会 )
<少雪化に伴う河川流量とダム貯留量の変化>
「平成23年版日本の水資源」(国土交通省)より
水源の確保
取組1
水源の確保
浄水場の更新を計画的に推進します
浄水場の更新
取組2
浄水場の更新及び浄水施設の覆蓋化
取組3
設備機器の更新
取組4
導水施設の二重化
あらかじめ代替浄水施設を整備した上で、安定給水を
確保しつつ、浄水場の更新に着手します。
代替浄水施設の整備及び浄水場の更新に当たっては、
併せて浄水施設を覆蓋化します。
バックアップ機能の強化
取組5
送水管の二重化・ネットワーク化
取組6
給水所の新設・拡充
取組7
多摩地区の小規模浄水所の再構築等
取組8
多摩地区の配水区域の再編
取組9
貯水池及び取水・導水施設の耐震化
取組10
浄水施設の耐震化
取組11
配水池の耐震化
取組12
配水管等の耐震化
取組13
給水管の耐震化
電力の自立化
取組14
自家用発電設備の増強等
浸水対策
取組15
浸水対策
水質への対応
取組16
多摩川水系の水質対策
取組17
貯水槽水道の適正管理
取組18
直結給水方式への切替え促進
多摩地区の施設整備
施設の耐震化
管路の耐震化
直結給水方式への切替え
代替浄水施設
整備
0
H27
H32
能力増強(低下分を補完)
H37
能力低下
主な取組
● 境浄水場再構築 :H33 年度完成
(東村山浄水場の更新代替)
● 三郷浄水場増強 :H35 年度完成
(金町浄水場の更新代替)
● 東村山浄水場更新:H34 年度着手
● 金町浄水場更新 :H36 年度着手
H42
H47
能力低下なし
<覆蓋化された浄水場(イメージ図)>
導水施設の二重化を図るとともに、広域的な
送水管ネットワークの構築や給水所への送水
の二系統化を図ります。
主な取組
● 第二 原水連絡管(仮称)整備 :H30 年度完成
● 多摩南北幹線(仮称)整備 :H30 年度完成
● 第二 朝霞上井草線(仮称)整備:H32 年度完成
<送水管ネットワーク(イメージ図)>
凡 例
多摩地区の施設整備を推進します <水源の供給能力の評価(イメージ図)>
万㎥/日
700
680
600
597
より厳しい渇水時
→大幅に低下
課題水源
500
主な取組
● 八ッ場ダム建設事業:H31 年度完成
(国土交通省事業)
(万㎥/日)
バックアップ機能を強化します 水源の確保に取り組みます
将来の気候変動による影響を踏まえ
厳しい渇水の際にも給水を確保でき
るよう、安定した水源の確保に取り
組みます。
<代替浄水施設整備の効果(イメージ図)>
約 590
約 520
課題水源
約 550
約 480
課題水源
400
300
安定水源
200
安定水源
気候変動
更新に当たっては、原水水質の状況等に応じ 適切かつ効率的な浄水処理方式を導入します。
主な取組
● 千ヶ瀬第二浄水所更新 :H30 年度完成
● 千ヶ瀬第一浄水所更新 :H33 年度完成
<多摩地区の浄水所更新(イメージ図)>
日原浄水所
奥多摩町
小河内浄水所
安定水源
100
小河内貯水池
0
八ツ場ダム完成後
の水源量
(1/5の安全度)
安定供給可能量
(近 2/20)
(1/10の安全度)
利根川水系の
戦後最大渇水時
の供給可能量
気候変動の影響
大丹波浄水所
青梅市
千ヶ瀬第二
浄水所
千ヶ瀬第一
浄水所
[年]
三つの主要施策「安定給水の確保」「震災対策等の推進」
「安全でおいしい水の供給」の方向性に基づき、18 の取組を推進します
施設の耐震化を推進します
浸水対策を実施します
最新の耐震設計の考え方に基づき、貯水池の堤体強化や
浄水場、給水所の耐震化を推進します。
<沈殿池の耐震化例>
洪水などの浸水によって設備機器等に影響が生じないよう 施設のかさ上げ等の浸水対策を実施します。
<浸水対策の実施例>
主な取組
● 村山上貯水池堤体強化:
H35 年度完成
● 金町浄水場耐震補強:
H35 年度完成
● 練馬給水所耐震補強:
H29 年度完成
主な取組
● 金町浄水場:H28 年度完成
● 朝霞浄水場:H28 年度完成
● 砧浄水場 :H28 年度完成
( 出典元 : 中央防災会議専門調査会 )
耐震補強前
かさ上げ
耐震補強後
管路の耐震化を推進します
水質への対応を図ります
平成 37 年度までに管路の耐震継手率を 61%に向
上させるとともに、平常給水までの復旧日数見込 <重要施設への供給ルート耐震継手化(イメージ図)>
みを平成 26 年度末時点の 27 日から 16 日以内に 大規模救出救助活動拠点(公園・清掃工場等)
短縮します。
主要な駅
新たな課題が発生している多摩川水系において
かび臭を感じない安全でおいしい水を供給する
ため、最適な浄水処理方式の導入に向けた検討
を行います。
給水所
主な取組
● 配水管の耐震継手化:
10 年間で約 5,000km
● 重要施設への供給ルートの耐震継手化:
首都中枢・救急医療機関等 H31 年度完了
主要な駅 H34 年度完了
避難所
せき
止水堰
<かび臭除去を目的とした水処理実験の実施例>
主な取組
● 上流部浄水場(仮称)整備:H33 年度着手
首都中枢機関
救急医療機関
警察・消防署等
耐震継手管
耐震化された給水管
東京2020オリンピック・
パラリンピック競技大会会場等
直結給水方式への切替えを促進します 電力の自立化を図ります 安全でおいしい水をそのままお客さまの蛇口までお届けするため 貯水槽水道方式から直結給水方式への切替えを促進します。
自家用発電設備を整備することで、平成 33 年度に 大規模停電時における給水確保率 100%を達成します。
主な取組
● 金町浄水場 :H31 年度完成
● 和田堀給水所:H33 年度完成
<浄水場における電力自立化(イメージ図)>
大規模停電時
浄水場
自家用発電設備
貯蔵燃料
注 自家用発電設備は都市ガス又は貯蔵燃料によって運転する。
都市ガス
主な取組
● 小中学校の水飲栓
直結給水化モデル事業:
H32 年度終了
<小中学校の水飲栓直結給水化モデル事業(イメージ図)>
<事業実施前>
校舎内の水飲栓は
全て貯水槽経由の水
<事業実施後(右図参照)>
校舎内の水飲栓は
全て直結水
集中的に更新時期を迎える浄水場や首都直下地震への備えなど課題が山積しています。
これらの課題に適切に対応するための施設整備に係る基本的な考え方を示します。
水の使用量(水道需要)
21 の指標を定め、施設整備を着実に推進します。
H26 年度
(実績)
指 標
10 年に1回程度発生する規模の渇水に対応する水源確保率
○最初に着手する浄水場の更新が完了する今後 25 年間程度の水道需要は、平成 30 年代にピーク
を迎え、おおむね日量 600 万㎥になると見通しました。
○現在見込まれる日量 600 万㎥の水道水を確実にお客さまへ届けるために、施設整備を着実に
行います。
浄水場更新率
<施設能力の考え方(イメージ図)>
【平常時】
53
施設能力:日量 680 万㎥程度
供給可能な能力
一日平均配水量レベルを確保
補修等による能力低下
:日量 80 万㎥程度
リスクによる能力低下
○工事により能力が大幅に低下することを避けるため、あらかじめ低下する施設能力相当の
代替浄水施設を整備した上で、更新工事に着手します。
○これにより、安定して水道水をつくりながら、60 年に及ぶ更新工事を計画的に進めます。
○長期にわたる浄水場更新は、将来の水道需要の見通しや新たなリスクの発生等にも考慮しな
がら、段階的に進めます。必要に応じて、施設能力を見直すことで、適切な規模に施設を
再構築します。
○施設更新に当たっては、異物混入などの危機への備えに万全を期すため、浄水施設の覆蓋化
を図ります。
<全浄水場の更新期間(イメージ図)>
H35
(2023)
H50
(2038)
更新準備期
更新始動期
低下する能力を補うため
あらかじめ代替浄水施設を整備
代替浄水施設稼働後、更新対象浄水場を
系列ごとに、順次更新開始
小学校
36
41
大学・高等学校・公民館等
一日当たりの乗車人数 20万人超
44
一日当たりの乗車人数 10万人超20万人以下
43
60
大規模救出救助活動拠点等
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会会場等
44
38
61
85
残留塩素目標達成率
老朽化する浄水場への対応(浄水場更新)
H26
(2014)
36
38
中学校
大規模停電時における給水確保率
供給可能な能力
水道需要
(計画一日最大配水量約 600 万㎥を確保)
首都中枢・救急医療機関等
私道内給水管耐震化率
施設能力:日量 680 万㎥程度
補修等による能力低下
:日量 80 万㎥程度
37
77
避難所・主要な駅の給水管耐震化率
【リスク発生時】
H85
(2073)
70
直結給水率
89
100
100
99
100
61
100
100
100
100
100
100
100
100
100
【H32 年度】
【H36 年度】
【H30 年度】
【H33 年度】
【H31 年度】
【H31 年度】
【H34 年度】
【H31 年度】
【H34 年度】
【H31 年度】
【H31 年度】
【H31 年度】
85
100
100
【H33 年度】
【H28 年度】
75
東京水道の
10 年後の姿です !
水源の確保
浄水場の更新
建設中の
水源の完成
水道施設の耐震化
覆蓋化
水道施設の耐震化
代替浄水施設
の整備
水道管路の
耐震化
浄水場の更新
「10 年に 1 回程度発生する規模の渇水
に対応する水源確保率」は、100%を達
成しています。
境・三 郷 浄 水 場 の 代 替 浄 水 施 設 整 備
が 完 了 し て、東 村 山 浄 水 場 な ど の 更
新に着手しています。
「浄水施設の主要構造物耐震施設率」は、
100%を達成しています。
「管路の耐震継手率」は、61%を達成し
ています。
更新平準期
更新事業量の平準化を図り、更新を着実に実施
水道需要やリスク対応等を考慮し、適切な規模に施設を再構築
19
70
配水池耐震施設率
管路の耐震継手率
○建設時の施設能力は日量 686 万㎥ですが、老朽化による補修工事などにより、現在は日量
600 万㎥程度まで低下しています。これは、水道需要とほぼ同じであり余裕のない状況です。
○今後確保する施設能力は、水道需要に補修等による能力低下量を加えた日量 680 万㎥程度と
します。
○最大級の浄水場が停止するリスクが発生しても、過去 10 年間の一日平均配水量レベルを確
保します。
0
76
ろ過池耐震施設率
初期ダクタイル管解消率
水道水をつくる能力(施設能力)
100
51
浄水施設の主要構造物耐震施設率
H37 年度
(目標)
93
78
事故時の安定給水確保率
(単位:%)
詳しくはホームページを御覧ください。
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/