人工尿道括約筋埋め込み術 に関する説明書

人工尿道括約筋埋め込み術
に関する説明書
ID: 氏名: 様
「御本人のみへの説明でよろしいですか?」 □ はい (いいえの場合は同席者の氏名をすべて記載します)
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1.病名: 腹圧性尿失禁
2.目的
尿失禁とは尿が漏れることをいいます。
今回の手術の適応となる方は 尿道括約筋に原因があり、尿道括約筋の機能が十分
果たせないために重症の尿失禁となっている方です。尿道括約筋機能が低下する原因として
先天性(生まれつき)の疾患によるもの、外傷(骨盤骨折など)によるもの、前立腺癌や膀胱癌、
前立腺肥大症などの手術によるものが知られています。今回の手術で根治的前立腺全摘除術
に発生した腹圧性尿失禁の改善を図ります。88〜96%で失禁が改善すると報告されています。
※必ずしも100%の有効率ではなく一部には効果のみられない方もいらっしゃいます。
3.方法
場所は手術室で行い、麻酔は全身麻酔で行います。
砕石位(足を広げる体位)になり、尿道バルーンカテーテルを留置します。会陰部と鼠径部の
皮膚を切開し会陰部より尿道周囲に人工尿道括約筋を埋め込みます。腹壁内にリザーバー
バルーン、陰嚢内にコントロールポンプを埋め込みます。最終的に人工尿道括約筋とバルーン
及びポンプをパイプで連結させ皮膚を縫合します。麻酔下に人工尿道括約筋の作動が正常
であることを確認し手術を終了します。
手術を行った後には2ヶ月程度尿道括約筋をゆるめたまま動かさないで尿道になじませる
必要があります。 これを行わずに早期から動かした場合には尿道の萎縮や炎症による括約筋の
尿道内への脱出が起こりやすいといわれており、最悪の場合には摘出や再手術が行われる場合
もあるので必ず守ってください。
手術後の尿道カテーテルは通常手術翌日に抜去します。
その後には尿失禁はこれまで通り起こると考えられますので、これまで通りの対処をお願い
いたします。
術後1週間程度抗生物質の内服を行っていただきます。
使用する資材に一部金属が含まれていますが、MRI検査に支障はなく飛行機に搭乗する際の
金属探知機にも問題ありません。
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4.合併症について
処置によるもの
①出血
切開創は小さく手術に伴う出血の危険性はあまりありません。
②疼痛
適宜、痛み止めを使用します。
③感染症
十分に清潔操作に心がけて手術を行いますが感染をゼロにすることは困難です。術後
に創部感染が起こった場合には人工尿道括約筋を摘出せざるを得ないことがあります。
手術後1週間は抗生剤を内服していただきます。
※人工尿道括約筋を摘出した場合、再度埋め込み術を行うことは可能です。
④尿道損傷
術中に尿道損傷する可能性がありますが、その場合は修復した上で手術は中止となり、
後日再度施行することとなります。
⑤機械のトラブル
機械のトラブルが3%起こると報告されています。この場合は、再手術が必要になる
可能性があります。
⑥尿失禁の再発
長期に人工括約筋を使用することで尿道萎縮が起こり尿失禁を再発することが報告
されています。多くの場合、再手術が可能です。
⑦尿閉
手術の影響で尿閉になることがあり再手術が必要になることがあります。
⑧尿道のびらん
尿道に炎症が起こり、びらんが発生することがあります。一時的に人工括約筋の使用を
制限する可能性もありますが、改善しない場合には摘出が必要となる可能性があります。
その他
心筋梗塞や脳梗塞が入院中に発症することがあります。
転院等含め、重篤になる前に対応します。
5.健康被害が生じた場合について
この治療によって健康被害が生じた場合の特別な補償制度はありませんが、病院で誠意を
持って治療に当たらせていただきます。治療費は保険を使用した場合の一般診療で行われ
ます。
6.連絡先
【平日8:30~17:15】 四国がんセンター がん相談支援センター (直通番号)089-999-1114
【平日時間外および土・日・祝祭日】 日直/夜間当直師長 (代表番号)089-999-1111
2015.9月作成、承認
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人工尿道括約筋埋め込み術
に関する同意書
独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 院長 殿
私は、下記について担当者から説明を受け、説明を理解したうえで、手術・治療を
受けることに同意します。
手術名: 人工尿道括約筋埋め込み術
<説明および同意内容>
□ 1. 病名
□ 2. 目的
□ 3. 方法
□ 4. 合併症
□ 5. 健康被害が生じた場合
□ 6. 連絡先
説明年月日
年
月
日
年
月
日
説明医署名
説明時同席者
同意年月日
同意者署名(本人)
説明時同席者
(患者との関係 )
代諾人署名
(患者との関係 )
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