課題解決に向けて、考えをまとめ、表現できる児童の育成 ~スピーチ・プレゼンテーション能力の向上を目指して~ 名古屋市立大宝小学校 校長 青木 一起 〒456-0062 名古屋市熱田区大宝三丁目8番43号 TEL052-682-6138 FAX052-681-6495 URL http://www.taiho-e.nagoya-c.ed.jp 事業のねらい 事業のねらい 本校では、自分の考えを論理的に述べる「スピーチ力」や、自分が伝えたいことを相 手にきちんと伝える「プレゼンテーション能力」の向上につとめています。そうすること によって、課題解決に向けて、考えをまとめ、表現できる児童を育成するとともに、実生 活に結び付いた生きて働く「ことばの力」の獲得を目指しています。 事業の 事業の内容 学校環境の整備 児童がスピーチしながら、分かりやすく伝えることができる ようにするために、プレゼンテーション用のタブレットを用意し ました。また、より簡単にプレゼンテーションをしやすくするた めに、モバイルスクリーンや電子黒板も導入しました。 業前の「国語タイム」の活用 全学年、業前の「国語タイム」の時間を活用して、「読む」「聞 く」「話す・聞く」の3観点に焦点をあてて学習を進めています。 特に「話す・聞く」の学習では、話し方・聞き方の指導を継続して 行うとともに、テーマスピーチや音読・群読・詩の暗唱などに取 り組んでいます。また、定期的に体育館で詩の群読発表会も行 っています。 プレゼンテーション学習 国際プレゼンテーション協会から講師をお招きして、伝える 力を伸ばす授業を行いました。「結論⇒理由⇒結論」で話すこ とや、「ゆっくりと話す」など、7つの技を覚えながら、児童は自 分たちの思いを楽しく伝えることができました。 「思考のことば」の話型を用いた話し合い活動 意見やまとめ、予想などの伝えたいことを、「思考のことば」と して話型を具体的に示し、それを用いた話し合い活動を行いまし た。話型を活用することで、児童は自分自身の考えをまとめやす くなりました。その結果、以前よりも活発に話し合い活動が行わ れるようになりました。 「思考のことば」の一例 事業の 事業の成果 4月と11月に、10項目にわたる児童の学習意欲に関するアンケートを行った結果、 以下のような変化が見られました。 (名古屋市教育振興基本計画における「学習意欲」に関する成果指標のみ掲載) 1 国語の勉強は好きですか。 2 4月 11月 4月 11月 0% 3 国語の勉強は大切だと思いますか。 20% 40% 60% 80% 100% 国語の授業の内容は、よく分かりましたか。 0% 20% 40% 60% 80% 100% 4 国語で学んだことは、将来役に立つと思いますか。 4月 11月 4月 11月 0% 20% 40% また、語彙力や 読解力を確かめる ために、5・6年生で リーティングテスト を実施した結果、全 国平均を上回る結 果となりました。 60% 80% 100% 20% 40% 90.4% 84.7% 84.0% 84.4% 77.1% 75.2% 100.0 80.0 60.0 40.0 20.0 0.0 0% 60% 80% 100% 56.450.0 68.4% 55.9% 偏差値 1 読字力 2 語彙力 3 文法力 4 読解力 学級平均 83.3% 74.9% 全 体 全国平均 事業の 事業のまとめ アンケートの結果からも分かるように、児童の国語の学習に対する意欲を高める ことができました。学習の場面では、国語に限らず、「思考のことば」を用いて話し合 いをしたり、プレゼンテーションの技を使って発表したりする姿が多く見られるよう になりました。しかし、学んだことが児童にまだまだ定着しておらず、実生活の中で 生かすまでは至っていません。今後も内実を伴ったことばの担い手となり、習得した 知識を活用し探究していけるよう、指導法を工夫していきたいと考えています。
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