わくわく宿泊研修2日目 グループ演習回答

第2部
グ ル ー プ 演習
…保護者からの 「疑問」 に、どう答えますか…
Q1.これまでの保育制度は、なぜ 「子ども・子
育て支援新制度」 という新しい制度に変わった
のですか?
↓
A1.これまでの保育制度では、大都市部の待機
児童問題や過疎地の保育の継続の問題など、
保育を必要とする地域の全ての子どもへの対応
が難しくなってきたため、また、保育の質の向上
や保育者の処遇の改善などの対策も講じるべく、
新しい総合的な制度に変わりました。
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Q2.「子ども・子育て支援新制度」 の主な特徴
(目指す取組み) は何ですか?
↓
A2.1つは幼稚園と保育所のいいところを一つ
にした認定こども園の普及。2つめは保育の場
を増やし待機児童を減らして、子育てしやすく、
働きやすい社会を目指すこと。3つめは、幼児
期の学校教育や保育、地域の子育て支援の量
の拡充や質の向上を進めること。4つには、過
疎地域の子育てもしっかりと支援することです。
Q3.保育所と認定こども園の大きな違いは何で
すか?
↓
A3.保育所は、就労や介護などで日中家庭で保
育のできない保護者に代わって保育する施設で、
認定こども園は、幼稚園と保育所の機能・特徴
をあわせ持ち、地域の子育て支援も行う施設
です。なお、認定こども園は平成18年に導入さ
れたものですが、新制度では、幼保連携型認定
こども園のしくみを大きく改正するなどして、幼
稚園や保育所からの移行をしやすくし、今以上
に認定こども園の普及を図ります。
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Q4.幼保連携型認定こども園と、その他の認定
こども園の違いは何ですか?
↓
A4.認定こども園は、幼保連携型の他に、保育
所型、幼稚園型、地方裁量型があります。幼保
連携型認定こども園は、都道府県・政令市・中
核市の認可によるものであり、また児童福祉法
に基づく児童福祉施設と教育基本法に基づく
学校という機能が法律で付与されていることが、
その他の認定こども園と大きく異なる点です。
(保育所型…は、幼稚園機能を有してはいるも
のの施設種別は保育所のままであり、都道府県
等の認定に基づくものです。)
Q5.隣のA園は幼保連携型認定こども園に移行
したとたん、「うちは学校になった」 と言ってます
が、ここ (B保育所) とはどこが違うのですか?
↓
A5.幼保連携型認定こども園は、児童福祉施設
と学校という2つの機能が法律で付与されてお
り、その意味で 「学校になった」 ことになります。
また、法律的には満3歳以上の子どもの保育に
は学校教育が含まれるとされます。一方、保育
所は児童福祉施設であり、法律的には満3歳
以上の子どもの保育には学校教育がないとい
うことになります。ただし、実際の保育には特に
違いはないというのが一般的な考え方です。
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Q6.幼稚園は学校だから教育をしているけれど、
保育所はただ遊ばせているだけで教育はないそ
うですが? (勉強を教えてくれないのですか?)
↓
A6.学校だから教育をしていて、学校でないから
教育がないという考えは間違いです。加えて、保
育所はただ遊ばせているだけ…も、大きな誤解
(問題) です。幼稚園も保育所も、そこでの保育
には教育(学び) があります。そしてその 「学び」
は小学校のような教科の勉強ではなく、環境を
通しての 「遊び」 や 「体験」 を基礎に生きる力
や知恵などを身につけていくことです。
Q7.週4日4時間(月平均70時間程度)のパート
の仕事をしていますが、保育所等には何時間くら
い預けられますか?
↓
A7.保育所等を保護者の就労を理由に利用する
場合は、月48時間(or64時間)以上働いている
ことが条件になりますが、月120時間に満たない
場合は、「保育短時間利用児」 として認定され、
1日最大8時間の利用が可能となります。ただし、
保育短時間利用の設定時間帯は各施設により
異なります。ちなみに120時間を超えて就労して
いる場合は、「保育標準時間利用」 として、1日
最大11時間まで利用が可能です。
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Q8.出産のため、保育所か認定こども園に上の
子(3歳)を預けたいのですが、出産後1年くら
い育児休業する予定です。施設によって上の子
の利用できる・できないに違いがありますか?
↓
A8.保育所は出産後6か月くらいまで (市町村
によって異なる) 上の子を預けることができます
が、その後に保護者が就労を再開しない場合は
退所 (育休退園) させられることになります。
認定こども園は、2号から1号へと認定変更する
ことで、継続して利用が可能となります。ただし、
この 「育休退園」 は各地で問題視され、最近は
全国的に緩和される傾向にあります。
Q9.認定こども園では、滞納が続くと退園させら
れると聞きましたが、本当ですか?
↓
A9.認定こども園は、施設と利用者が保育料・
利用料の支払いや利用時間などについての
「利用契約」 に基づいて保育が実施されます。
この契約には、保育料等の滞納についても明
記されることになります。認定こども園は、公定
価格から保育料を差引いた分が公金から支弁
されるため、未納や滞納は園の経営を大きく左
右しますので、契約に示すように誠実な対応を
してくれない、滞納が長期に及ぶといった場合
は 「退園も止むなし」 もありえます。
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Q10.新制度では、園で自由に保育料を決める
ようになるため高くなると聞きましたが、本当で
すか?(保育料は誰が決めるのですか?)
↓
A10.新制度では、保護者世帯の住民税所得
割額に応じて全て市町村が決定します。園で
決めることができるのは、例えば延長保育 (預
かり保育) や休日保育等の利用料、公定価格
に含まれない保育・行事に要する経費等 (実
費徴収) 、入園料等の上乗せ徴収などですが、
いずれも保護者に根拠や目的、料金の設定が
適正かなどを説明し、十分に同意を得ることが
必要です。
Q11.知り合いから2号認定ではなく1号認定で
認定こども園を利用した方が 「お得になるかも」
と聞きましたが、どういうことですか?
↓
A11.青森県内の市町村では2号認定子どもの
保育料の上限額は25,000~55,000円です。
一方、1号認定子どもの保育料の上限額は、
18,000~25,000円です。その意味で、「お得」
と感じたのでしょう。ただし、1号認定は教育時
間利用が原則ですので、2号認定のように夕方
まで利用したり、土曜日も利用すると追加利用
料が加算されることになります。いずれにしても、
保護者の所得によることになります。
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Q12.1号認定として子どもを認定こども園に預
けた場合、一日の過ごす時間や月に利用できる
日数はどうなりますか?
↓
A12.1号認定子どもは、朝から夕方までの保育
ではなく、幼稚園を利用するように朝から昼過ぎ
の教育を必要とする満3歳以上の子どもですか
ら、その利用時間(教育標準時間)は概ね5時間
程度となり、月曜から金曜までの週5日、月平均
20日の利用が原則となります。ただし、保育の
必要に応じて、預かり保育 (延長保育) や土曜
日 (一時預かり) 等も利用することが可能です。
Q13.1号認定として子どもを認定こども園に預
けた場合は、土曜に開催する運動会やお遊戯
会へ参加する場合は、追加の利用料が必要に
なりますか?
↓
A13.保護者の就労形態等により、土曜や日曜
に園行事をすることが多くなってきています。園
では利用する保護者の意向を把握・尊重しつつ
園行事を実施することになりますが、2号・3号
認定子どもの保護者を優先して、本来1号認定
子どもの利用日でない土曜に園行事を実施する
際の利用料については契約に明記した上で、園
と保護者の同意が必要です。
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Q14.保育士資格は持っていますが、幼稚園教
諭免許はありません。こちらの幼保連携型認定
こども園で働くにあたり、何か支障や必要なこと
はありますか?
↓
A14.幼保連携型認定こども園では保育士資格
と幼稚園教諭免許を併有していなければ、保育
教諭の職に就くことはできませんが、新制度施
行後5年間は特例でどちらか1つを有していれ
ば就くことができるので、当面は保育教諭として
働くことが可能です。ただし、この5年間の内に、
幼稚園教諭免許を取得しなければなりません。
Q15.新制度によって、子どもたちへの保育の質
は本当に高まるのですか?そのために先生方の
働く条件や環境は変わっていくのですか?
↓
A15.新制度では保育者1人が担当する子ども
の数の改善、職員の処遇の改善、職員の研修
のための代替職員の配置に要する経費等を公
定価格に織り込むことで、保育者が余裕を持っ
て質の高い保育ができることを目指しています。
ただし、そのための国の予算 (財源) がいまだ
十分に確保されていないこと、また各法人・施設
により方針が異なったり理解が不十分だったり
等、課題は少なくありません。
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