第22号

第22号
2016
二〇一六年二月十日 ちいき とこども
2016 年2月 10 日発行 No.22
地域に子どもの仲間と生活を
‌
No
22
〒
発行/少年少女センター全国ネットワーク 発行責任者 神代 洋一
151
●子どもの権利を真ん中に
ちいきとこども編集部
︱
0053
東
京都渋谷区代々木2︱
44
︱
特集「子どもたちの原風景をゆたかに」 ■第6期 21号(2015年)■
第21号
「子どもの権利を真ん中に」
︱
11
101
〇
三(三三七九)七四七九
TEL
■第5期 17号(2013年)~ 20号(2014年)■
第17号
第19号
「地域子ども組織を育てる意味」
「リーダーを必要とする集団を育てる」
●よみがえれ!かけがえのない故郷と
子ども時代 山下 雅彦
●指導するってどういうこと?
第18号
「アレルギー問題と子どもの組織」
「子どもの組織を育てる」
第20号
「ケの活動」
●今こそ遊び・仲間そして共に育ちあ
う地域子ども組織を
柳沢 治信
●子どもたちの<いま>を探る 中西新太郎
少年少女センター全国ネットワーク
■第4期 13号(2010年)~ 16号(2013年)■
第13号「子どもとの関わりで困ったこと」 第15号
「父母の思いと役割」
●今そこにある危険
「教え込まない指導・活動」
●父母の思いそして役割 山田 實
第14号「はじめてみよう遊びの会」
第16号
「地域の異年齢集団活動と子どもの発達」
金澤 利行
●地域で子どもたちの世界を
つくってみませんか?
渋谷 嘉一
●地域の活動と子どもの発達
棚橋 啓一
■第3期 9号(2008年)~ 12号(2009年)■
第9号「こどもとしごと」
号
22
少年少女センター全国ネットワーク
東京成蹊大学 深谷 昌志
頒価五〇〇円
「子どもたちの原風景をゆたかに」
2016年 特集
●「こどもとしごと」
柳沢 治信
●子どもを取り巻く文化と地域生活
第10号「育ちは流れのなかにある」
●地域で子どもと歩むなかで 大釜 正明
第11号「子どもの声を聴く」
●子どもの発達要求と課題
棚橋 啓一
第12号「異年齢集団での子育て」
●「男の子育て」が流行っている?
庭山 登
少年少女センター
全国ネットワーク
正会員 連 絡 先
少年少女センター全国ネットワーク
東京都渋谷区代々木2-44-11
オフィスホワイトバーチ1F
NPO法人東京少年少女センター内
TEL 03(3379)7479
FAX 03(3379)7027
http://netchild.exblog.jp/
少年少女組織を育てる大阪センター
大阪府吹田市東御旅町8-18 上野義雄方
TEL&FAX 06(6383)4781
群馬少年少女センター
群馬県桐生市相生町2-123 庭山方
TEL&FAX 0277(52)6181
http://gunma.children.ne.jp/
福岡東部子ども劇場
福岡県福岡市東区千早5-12-10-2F
TEL 092(661)3304
FAX 092(661)3385
http://www.toubu-kodomo.com
少年少女組織を育てる埼玉センター
埼玉県さいたま市南区松本1-3-10
TEL&FAX 048(839)3601
NPO法人東京少年少女センター
東京都渋谷区代々木2-44-11
オフィスホワイトバーチ1F
TEL 03(3379)7479
FAX 03(3379)7027
http://www.children.ne.jp/
少年少女組織を育てる静岡センター
静岡県静岡市清水区大手3-2-29 渋谷方
TEL 054(366)4028
FAX 054(366)4097
NPO法人あいち少年少女センター
愛知県名古屋市熱田区沢下町9-7 労働会館東館
3F309号
TEL 052(881)2038
FAX 052(746)6021
http://www.aichi-children.org/
京都少年少女センター
京都府京都市下京区西木屋町通上ノ口上る梅湊
町83−1
京都市民活動総合センター2F
メールボックス№52
http://kyoto.children.ne.jp/
少年少女組織を育てる埼玉北部センター
埼玉県本庄市児玉町児玉1327-18 金澤方
TEL&FAX 0495(76)4143
少年少女組織を育てるどろんこの会(川崎)
神奈川県川崎市中原区下沼部1749 柳沢精機2F
TEL&FAX 044(434)3466
少年少女組織を育てるどろんこの会(横浜)
神奈川県横浜市都筑区荏田南町798 くりの木保育室方
TEL 045(911)5690
FAX 045(911)5601
http://www.hat.hi-ho.ne.jp/miho/
子ども会・少年団を育てる左京センター
京都市左京区浄土寺西田町100-50 石田方
TEL 075(722)1957
TEL&FAX 075(752)2190
http://www.kyoto.zaq.ne.jp/sakyokodomo/
表紙の言葉
キタキチョウ(北黄蝶)
元々は「キチョウ」とされていたが、南西諸島に分布している種
を「ミナミキチョウ」、本州~南西諸島に分布している種を「キ
タキチョウ」とDNAの研究により2種に分けられた。キチョウは
成虫で冬越しをするため、秋遅くまた春早くから飛ぶ姿を見るこ
とができる。幼虫の食草は、合歓木や、メドハギなどのマメ科の
植物。食草の近くで蝶の姿を多く見る。
[ⓒcomment & photo by 蝶の道プロジェクト+南 孝彦]
ちいきとこども
2016 第22号
はじめに……………………………………………
特集「子どもたちの原風景をゆたかに」
洋一 ……
「ちいきとこども」編集長 神代
心がときめく原風景を 外に出ようよ 遊ぼうよ
…
………………………………………………
こどもの組織を育てるどろんこの会代表 柳沢 治信 …
…
集 部 ……
「ちいきとこども」 編
アース少年団指導員 内海さやか …
…
啓太 ……
埼玉北部少年少女センター 金澤
遊んでみよう~草花すもう~ ……
………………………
熱中土手すべり ……
……………………………………
主人公を見つけるために ……
……………………
子どもたちと山歩きってたいへん
………………………………………
……
ぐんま少年少女センターしどーいん 芦田 賢治 …
…
誠 ……
……… 福岡県学童保育「よりどりちどり館」支援員 鍋倉
十代の子どもの居場所 ……
功
…………………………………………… 八王子市在住保護者
不登校の我が子と ……
…………………………………………… 静岡東部・ドルフィンズ指導員 中村 哲人
……
「てらこや」の子どもたちと …
……………………… あさやけ少年団保護者 山中 治子
……
……
……
……
……
……
足立子ども組織を育てる会 福田
主体者となるのびやかな心 …………………………………… ひまわり団 荒木風見子
…
子ども活動を通して~おとなの立場から ……
……… ひまわり団・親の会 岩熊 志帆
……
……
…………
四世代の信頼関係が結ばれる中で ……
キャンプ生活で見えてきた子どものようす
年目のひまわり団 ……………………………………… 福岡ひまわり団 鮫島 瑞生
…
地域の中で~コラボと情報発信~ ……
………………………… フェニックス少年団
カット:斎藤 みお 少年少女センター全国ネットワーク通信 ……
………………………………………………
1
2
16 12 10 4
60 57 53 49 44 38 32 28
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9
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目 次
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
はじめに
子どもたちの原風景をゆたかに
ら信頼し合える仲間集団の中でこそ生き生きと
輝 き、 子 ど も た ち の 成 長・ 発 達 の 確 か な 糧 と な
り、 幹 を 太 ら せ、 か ぐ わ し い 花 を 咲 か せ、 豊 か
な実をならせる「力」となっていきます。「家庭」
洋一
さ ま ざ ま な 地 域 で、 さ ま ざ ま な 人 た ち が、 子
や「 家 族 」 も ま た、 他 の 家 庭 や 家 族 と つ な が り
「ちいきとこども」編集長 神代
ど も た ち に「 学 ぶ 楽 し さ、 遊 ぶ 楽 し さ、 働 く 楽
あ い、 結 び あ う こ と で、 喜 び や 悲 し み を 分 か ち
も さ せ て も ら え な い「 三 無 感 」 を 味 わ わ さ れ る
く 遊 べ な い、 家 族 や 他 人 の た め に「 働 く 」 こ と
も 商 品 化 さ れ、 お 金 が な け れ ば 学 べ な い、 楽 し
た こ と、 怒 っ た こ と、 悔 し か っ た こ と、 恥 ず か
楽 し か っ た こ と、 う れ し か っ た こ と、 悲 し か っ
過 ご し た 子 ど も 時 代 の 思 い 出 を 持 っ て い ま す。
誰もが自分が育った家庭や町や家族や仲間と
越えていくことができます。
合 い、 そ れ ぞ れ が 抱 え る 困 難 を 助 け 合 っ て 乗 り
しさ」を伝えようと活動しています。
け れ ど も、 高 度 に 発 達 し た 日 本 の 消 費 社 会 の
つ の「 楽 し さ 」
こ と に な り ま す。 際 限 の な い 労 働 時 間、 格 差 拡
し か っ た こ と、 わ く わ く ド キ ド キ し た こ と、 い
中 で は、 子 ど も に 必 要 な こ の
大 の 中 で 大 量 に 産 み 出 さ れ る 貧 困 は、 温 か い 家
らいらしたこと、悩んだこと、苦しかったこと、
た 豊 か な 人 間 感 情 と と も に、 そ の 瞬 間 に 自 分 を
庭 の 中 で「 ゆ っ く り 休 む、 お い し く 食 べ る、 安
少 年 少 女 セ ン タ ー は、 子 ど も の 成 長・ 発 達 に
中 心 に 広 が る「 風 景 」 を 思 い 浮 か べ る こ と が で
辛 か っ た こ と、 ぬ く も り を 感 じ た こ と、 そ う し
は、「子ども仲間」とそれを支え、守る青年や父
一 人 ひ と り の 成 長 に 深 く か か わ る「 風 景 」 を
きるでしょう。
てきました。「学ぶ・遊ぶ・働く」ことは、心か
母集団が必要不可欠であることを繰り返し説い
心して眠る」ことを大きく阻害しています。
3
2
子どもたちの原風景をゆたかに
時 代 の 変 化 と と も に、 子 ど も た ち を 取 り 巻 く
ら も 厳 し さ の 中 で、 子 ど も た ち を 信 頼 し て「 原
鍋 倉 さ ん や 八 王 子 の お 母 さ ん 等 々。 ど の 文 章 か
い た 山 中 さ ん、 不 登 校 の 子 の 居 場 所 を 模 索 す る
「風景」は大きく変化しています。子どもたちが
風景」を豊かにしようとする心がにじみ出てい
ここでは「原風景」と呼ぶことにします。
共 有 し て き た 主 人 公 に な れ る「 空 間・ 時 間・ 仲
ます。
回 目 と な る「 子 ど も の 組 織 を 育 て る 全 国 集
間 」 が 極 端 に 狭 め ら れ、 反 比 例 す る よ う に バ ー
チ ャ ル な 空 間・ 時 間、 競 争 的 な 空 間・ 時 間 が 広
居 場 所 に な り、 子 ど も 自 身 の 成 長 の 拠 点 と な る
少 年 少 女 セ ン タ ー は、 子 ど も・ 青 年・ 父 母 の
ど の 記 事 か ら も、 子 ど も た ち が 主 体 的 能 動 的
に、それぞれの「原風景」を豊かにしています。
団 か ら の レ ポ ー ト も、 文 化 と 仲 間 づ く り を 基 本
会」を成功させた福岡東部子ども劇場ひまわり
子 ど も 組 織 づ く り を 進 め て き ま し た。 そ ん な 私
に「 ま な び 」「 あ そ び 」「 し ご と 」 に 生 き 生 き と
がり、仲間関係を著しくゆがめています。
た ち の 活 動 は、 い ま の 子 ど も た ち に ど の よ う な
取 り 組 ん で い る 姿 が 見 え る こ と で す。 子 ど も の
子 ど も の 原 風 景 を ゆ た か に す る 仕 事 は、 同 時
「原風景」を作ろうとしているのでしょう。さま
自然との豊かなかかわりを呼びかけた柳沢さ
に 大 人 に と っ て の「 今 」 を ゆ た か に す る こ と と
権 利 を 守 り、 花 開 か せ て い く た め に 大 人 が 適 切
ん、 土 手 で 夢 中 に な っ て 遊 ぶ 子 ど も た ち を 描 い
つ な が っ て い ま す。 記 事 の 背 景 に 広 が る、 そ れ
ざ ま な 地 域 の 人 た ち の 努 力 か ら、 そ の こ と を 学
た 内 海 さ ん、 自 分 た ち で 作 る 山 の 家 で 四 世 代 の
ぞ れ の 原 風 景 を 読 み 解 き、 地 域 活 動 の ヒ ン ト に
に寄り添おうとする姿を感じることができます。
信頼関係を築いてきた福田さん、「てらこや」で
してもらいたいと思います。
びたいと思います。
学 び、 生 活 を 共 に す る 子 ど も た ち の 生 の 姿 を 描
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