議会基本条例「解説入」(素案)[PDF:528KB]

中津市議会基本条例「解説付」(素案)
目次
前文
第1章
総則(第1条)
第2章
議会及び議員の活動原則(第2条―第4条)
第3章
市民と議会の関係(第5条)
第4章
市長等と議会の関係(第6条―第9条)
第5章
自由な討議による合意形成(第10条)
第6章
委員会の運営(第11条)
第7章
議会及び議会事務局の体制整備(第12条―第16条)
第8章
政治倫理(第17条)
第9章
政務活動費(第18条)
第10章
議員定数及び議員報酬(第19条・第20条)
第11章
災害時の対応(第21条)
第12章
最高規範性と見直し手続(第22条―第24条)
附則
平成17年3月1日、中津市と三光村、本耶馬渓町、耶馬溪町、山国町の1市3町
1村の合併により新しい中津市が誕生した。
もう
本市は、独立自尊や平等の精神、さらに地方分権を唱えた啓蒙 思想家であり、かつ、
慶應義塾の創立者でもある福澤諭吉翁のふるさとであるとともに、耶馬日田英彦山国
定公園の一角を占める、歴史、文化、及び自然に恵まれた県北を代表する中核都市で
ある。
中津市議会では、これまでも議会改革マニフェストをもとに様々な議会改革に取り
組んできたが、多様な民意を的確に市政に反映させるためには、より一層議論を通じ
て論点を明らかにし、市民に開かれた信頼される議会運営を行うことが求められてい
る。
こうした中、二元代表制の下での議会の役割は、地方公共団体の意思決定機関であ
ることを踏まえ、市長その他の執行機関と緊張関係を保ち、事務の執行の監視を行う
とともに、積極的な政策立案や提言を行うことで、市民福祉の向上及び市政の発展に
寄与することである。
1
今後さらに、地方公共団体の自主性及び自立性の拡大が求められる中で、地方自治
の本旨に基づいた豊かな中津市を実現するため、議会の果たすべき役割の重要性は増
してきている。
このような役割を果たすため、中津市議会として議会に係る基本的事項を定め、そ
の責務を明らかにし、主権者である市民の負託に真摯に応えることを誓い、全議員の
総意により議会における最高規範としてこの条例を制定する。
第1章
総則
(目的)
第1条
この条例は、中津市議会(以下「議会」という。)及び中津市議会議員(以下
「議員」という。)の役割及び活動に関する基本事項を定めることにより、市長と
ともに二元代表制の一翼を担う合議制の議事機関である議会の役割を明確にし、議
会運営を活性化するとともに市政における論点や課題等を明らかにし、地方自治の
本旨に基づく中津市民(以下「市民」という。)の負託に応える議会を実現し、も
って市民福祉の向上及び市政の発展に寄与することを目的とする。
【解説】
・市長とともに二元代表制の一翼を担う議会の基本的な役割と、議会運営を活性化
することで中津市民の負託に応え、市民福祉の向上及び市政の発展に寄与するとい
う目的を定めています。
第2章
議会及び議員の活動原則
(議会の活動原則)
第2条
議会は、市民を代表する議決機関であることを常に自覚し、市政の公正性、
透明性及び信頼性を確保するため、市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)
の市政の運営を監視するものとする。
2
議会は、市民の多様な意見を把握し市政に反映させるため、議員間相互の自由な
討議を尊重し、政策形成に適切に反映させるため、政策立案、政策提言等を行うも
のとする。
3
議会は、市民に分かりやすい開かれた議会運営を行うため、議会の議決、審査又
は議会活動についてその経緯、理由等を市民に対して説明する責任を果たし、その
2
方法としてインターネットその他の高度情報通信ネットワーク(以下「インターネ
ット等」という。)の活用にも努めるものとする。
4
議会は、市民に分かりやすい議会運営を行うために、中津市議会会議規則(昭和
32年中津市規則第4号)、中津市議会委員会条例(昭和32年中津市条例第20
号)及び議会内での申し合わせ事項について絶えず見直しを行うものとする。
5
議会は、意見書、決議等により、国会又は関係行政庁への意見表明等を行うこと
ができるものとする。
【解説】
・市民を代表する議決・監視機関であることの自覚、市民の意見の反映と議員相互
の討議の尊重による政策立案・政策提言、分かりやすい開かれた議会を行なうため
の説明責任の明確化と、その説明責任を果たす手段としてインターネット(ホーム
ページ、ケーブルテレビ等)その他の高度情報通信ネットワークの活用に努めるこ
ととしています。
・議会は、意見書・決議等により、国会または関係行政庁への意見表明等を行うこ
とを定めています。
(議長及び議員の活動原則)
第3条
議長は、議会の代表として、議会の機能強化に向けての先導的な役割を果た
すものとする。
2
議員は、本会議及び委員会を通じて、常に活発な意見発表に努めるものとする。
3
議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを認識し、議員
間相互の自由な討議を重んじるものとする。
4
議員は、市政全般についての課題、市民の多様な意見等を的確に把握することに
努めるとともに、それらを議論に反映することにより市民福祉の向上を目指すもの
とする。
5
議員は、自己の能力を高める不断の研さんに努め、市民の代表として相応しい活
動をしなければならない。
6
議員は、議員による積極的な条例の提案等を行うよう努めるものとする。
7
議員は、議会の構成員として、一部団体及び地域の代表にとらわれず、市民福祉
の向上を目指して活動するものとする。
3
8
議員は、自らの議会活動について、市民に対する説明責任を果たすものとする。
【解説】
・議会の代表者である議長の先導的な役割の明記及び議員間相互の自由な討議によ
る課題の整理、市民の意見の把握による福祉の向上、そのための議員自らの能力向
上のための活動義務及び議員自らの市民に対する説明責任(議会報告書の発行や議
会報告の実施、インターネット等による情報発信)を明記しています。
・議会の構成員として、一部団体及び地域の代表にとらわれず、市民全体の福祉の
向上を目指して活動するものとしています。
(会派)
第4条
議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができる。
2
会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成するものとする。
3
会派は、議会が政策立案、政策決定及び政策提言等を行おうとするときは、必要
に応じて合意形成に努めるものとする。
【解説】
・会派は、同一の理念を持った議員集団で構成され、必要に応じて他の会派と合意
形成に努めることを規定しています。
第3章
第5条
市民と議会の関係
議会は、その透明性を高めるとともに市民に対する説明責任を果たすため、
議会の活動に関する情報を市民へ積極的に公開するものとする。
2
議会は、本会議のほか常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員
会」という。)を原則公開するとともに、市民が傍聴しやすい環境の整備に努める
ものとする。
3
議会は、請願及び陳情を市民による政策提案と位置付けるとともに、その審議に
おいては、これらの提案者の意見を聴く機会を設けるよう努めるものとする。
4
議会は、市民との意見交換会の開催等により、議会が行う活動に市民が参加でき
る機会を確保するとともに、市民の意見を反映させた政策提言の拡大を図るものと
する。
4
5
議会は、前各項の実効性を確保するため、議会広報紙の発行、インターネット等
の利用、議会報告会の開催等により市民へ議会活動を報告するよう努めるとともに、
当該報告に係る市民の意見を聴取すること等により、議会運営の改善を図るものと
する。
【解説】
・議会が持つ情報の発信、全ての会議の原則公開、請願及び陳情の提案者の意見聴
取に努め、市民との意見交換の場を開催し市民の意見を反映させた政策提言の拡大
を図るものとしています。
・議会広報紙の発行、インターネットの利用、議会報告会の開催等により市民へ議
会活動を報告するよう努め、活動報告の意見を聴取することにより、議会運営の改
善を図ることを定めています。
・議会は、議会報告会及び意見交換会を年1回以上開催することとします。
第4章
市長等と議会の関係
(市長等との関係の基本原則)
第6条
議会は、二元代表制の下、市長等との立場及び権能の違いを踏まえ、常に緊
張ある関係を構築し、事務の執行の監視及び評価を行うとともに政策立案、政策提
言等を通じて市民福祉の向上及び市政の発展に取り組まなければならない。
【解説】
・市長と議員は、直接市民から選ばれます。議員で構成される議会(議事機関)と
市長(執行機関、行政機関)が緊張関係を保ち、相互に抑制・均衡しながら、行政
の運営に当たっていきます。
(一問一答による質疑応答等)
第7条
議会の会議における質疑応答は、市政上の論点及び争点を明確にするため、
一問一答の方式で行うことができる。
2
議会の会議及び委員会において、市長等及びそれらの委任又は嘱託を受けた者並
びに議員は、議員の質問、政策提言、議員提出議案等に関し、議長又は委員長の許
可を得て反問することができる。
5
【解説】
・議会の会議における質疑応答は、市政上の論点、争点を明らかにするため、一問
一答方式によりできる規定を定めています。
・議会の会議及び委員会において、市長等並びに議員は、議員の質問等に対して論
点、争点を明確にするため、議長又は委員長の許可により、反問できる規定を定め
ています。
(政策等の監視及び評価)
第8条
議会は、政策、計画、事業等のうち、市民生活に重要な影響を与えるとして
市長から議案が提案されたもの又は、市がパブリックコメント手続を実施した もの
(以下「重要な政策等」という。)について、次に掲げる事項の説明を求めるもの
とする。
2
(1)
重要な政策等を必要とする現状、課題、対応策
(2)
他の政策案等との比較検討
(3)
市民参加の実施の有無及びその内容
(4)
総合計画における根拠又は位置付け
(5)
関係法令及び条例等
(6)
政策等に掛かる財源措置
(7)
将来にわたる効果及び費用
議会は、前項に規定する重要な政策等については、立案及び執行における論点及
び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるも
のとする。
【解説】
・市長から提案された市民生活に重要な政策やパブリックコメント案件について、
公正・透明性の確保と議会審議での論点の明確化を図るため、政策を必要とする現
状や課題、市民参加の実施の有無等の説明を求めることを定めています。
・また、財源措置や将来にわたる効果及び費用を求めることで、提出される政策の
検証や市の財政に与える影響を考慮した審議を行うことが可能となります。
・議会は、政策の執行後における政策評価に資する審議に努めることとしています。
6
(予算又は決算における政策説明資料の作成)
第9条
議会は、市長が予算又は決算を議会に提出し、議会の審議に付すに当たって
は、分かりやすい施策別又は事業別の政策説明資料の作成を求めるものとする。
【解説】
・予算及び決算のより充実した審議を行うため、分かりやすい施策別又は事業別の
政策説明資料の作成を求めるよう定めています。
第5章
第10条
自由な討議による合意形成
議会は、議案等の審議又は審査においては、議員間相互の自由な討議によ
り議論を尽くして合意形成を図るよう努めるものとする。
2
議長及び委員長は、議員間相互の自由な討議が積極的に行われるように議会の会
議及び委員会を運営しなければならない。
【解説】
・議会は討議の場であるという原則から、議案等の審議又は審査においては、議員
間相互の自由な討議により議論を尽くして合意形成を図るよう努めることとして
います。
・議長及び委員長は、議員間相互の自由な討議が積極的に行われるように議会の会
議及び委員会を運営しなければならないと定めています。
第6章
第11条
委員会の運営
議会は、市政の課題に適切かつ迅速に対応するため、委員会の専門性と特
性を考慮し、委員会を適切に活用するものとする。
2
委員会は、付託された議案等の審査に当たり、重要な案件については特に慎重を
期するために、参考人制度及び公聴会制度を活用して、利害関係を有する者、学識
経験を有する者等から意見を聴き審査の参考とすることができる。
3
委員会は、市民に対し審査の経過等を説明するとともに、委員及び市民が自由に
情報及び意見を交換する懇談会等を開催することができる。
7
4
委員会は、市政の課題に適切かつ速やかに対応するため、専門性と特性を活かし、
所管事務調査の積極的な活用により、その機能を十分発揮するよう努めるものとす
る。
5
前各項に定めるもののほか、委員会に関しては、別に条例で定める。
【解説】
・市政に係る個別の課題は、委員会で具体的に調査研究され、審査されることから、
委員会のあり方を具体的に定めています。
・付託された議案等の審査にあたって、重要な案件については参考人制度等を活用
して、審査の参考とすることができると規定しています。
・市民に対し委員会での審査案件・経過・結果について説明を行うとともに、委員
及び市民が自由に情報及び意見を交換する懇談会等を開催することができると規
定しています。
・各常任委員会は、懇談会等を年1回以上開催するよう努めるものとします。
第7章
議会及び議会事務局の体制整備
(政策形成機能の充実)
第12条
議会は、政策形成機能を充実させるため、本会議において一般質問、代表
質問、自由討議等を行うことができる。
【解説】
・政策形成機能を充実させるため、本会議において一般質問、代表質問、自由討議
等を行うことができると規定しています。
・一般質問は、議員が市の一般事務について執行機関に対して行う質問です。
・代表質問は、会派を代表した議員が、市長の施政方針や予算編成方針に対して行
う質問です。中津市議会では通常、第3回定例会(9月議会)で行うようにしてい
ます。
・自由討議は、議員間による討論を通じて二元代表制の一翼を担う市議会としての
責任と意欲を高め、市政の課題についての認識を深めることや執行部に対し政策提
言を行うことを目的としています。
8
(議員研修の充実)
第13条
議会は、議員の政策形成、政策立案等に係る能力の向上を図るため、議員
研修の充実強化に努めるものとする。
2
議員は、議長への届出により、会派を超えて市政の課題を研究する任意の政策研
究会を設けることができる。
【解説】
・議員の政策形成、政策立案等に係る能力の向上を図るため、議員研修の充実強化
と会派を超えて市政の課題を研究する任意の政策研究会を設けることができると
定めています。
(広報広聴の充実)
第14条
議会は、広報広聴委員会を設置して多様な広報手段を活用し情報発信を行
うとともに、多くの市民の意見や提案を把握するために広聴活動に努めるものとす
る。
【解説】
・積極的に情報発信を行うとともに、多くの市民の意見や提案を把握するために広
聴活動に努めることとしています。
・広報広聴委員会は、議会広報紙の発行やホームページ、ケーブルテレビ等のあら
ゆる媒体を活用して積極的に議会情報を発信するとともに議会報告会や意見交換
会を開催します。
(議会事務局体制の充実)
第15条
議長は、議会の政策立案機能を充実させるとともに、円滑かつ効率的な議
会運営を行うため、議会事務局の調査、政策法務その他の機能の充実に努めるもの
とする。
【解説】
・議会事務局職員の任命権者である議長は、職員の調査、政策法務能力を高め、よ
り良い事務局の体制を整えるよう努めることを規定しています。
9
(議会図書室)
第16条
議会は、議員の調査研究に資するために設置する議会図書室を適正に管理
し、運営するとともに、その図書、資料等の充実に努めるものとする。
【解説】
・議員の調査研究に資するために設置する議会図書室を適正に管理、運営し、資料
等の充実に努めることを規定しています。
第8章
第17条
政治倫理
議員は、市政が市民の負託のもとに公平かつ公正に推進されるべきである
ことを認識し、その負託に応えるため、政治倫理の向上と確立に努めなければなら
ない。
2
前項に定めるもののほか、議員の政治倫理に関しては、別に条例で定める。
【解説】
・議員は、市政が市民の負託によるものであることを認識し、その負託 に応えるた
め、政治倫理の向上と確立に努めることを規定しています。
・議員は、主権者である市民から直接選挙により選ばれ、議会活動を行っており、
何よりも市民全体の代表者として、市民の信頼を損なわないよう行動しなければな
りません。
※(別紙)中津市議会議員の政治倫理に関する条例
第9章
第18条
政務活動費
会派及び議員は、政務活動費を有効に活用し、積極的に市政に関する調査
研究、その他の活動を行い、活動報告書及び収支報告書を公表するものとする。
2
前項に定めるもののほか、政務活動費の交付に関しては、別に条例で定める。
10
【解説】
・会派及び議員は、政務活動費を有効に活用し、積極的に市政に関する調査研究を
行い、活動報告書及び収支報告書を公表するものと定めています。
・活動報告書及び収支報告書の公表については、「中津市議会政務活動費の交付に
関する条例」に規定する4月1日から翌年3月31日までの交付に係る政務活動費
について、収支報告書等の提出期限が4月30日までとなっていることから、公表
できる時期については4月30日以降になります。
・なお、公表にあたっては議会広報紙やホームページで行います。
※(別紙)中津市議会政務活動費の交付に関する条例
第10章
議員定数及び議員報酬
(議員定数)
第19条
議員定数は、効率的かつ能率的な議会運営の視点からだけでなく、市政の
現状、課題、将来の予測及び展望を十分に考慮し、市民の代表である議会が、市民
の意思を市政へ十分に反映させることが可能となるように定めなければならない。
2
議会は、定数の改定に当たっては、人口、面積、財政力及び市の事業課題を勘案
し、並びに類似する他市の議員定数と比較検討するとともに、市民の意見の聴取及
び反映に努めなければならない。
3
議員定数は、別に条例で定める。
【解説】
・議員の定数は、効率的かつ能率的な議会運営の視点からだけでなく、市が抱える
課題や市の将来予想、又は人口、面積などを勘案した上で、類似市との比較検討を
するとともに、市民からの意見聴取に努めなければならないと規定しています 。
※(別紙)中津市議会議員定数条例
(議員報酬)
11
第20条
議員報酬は、社会経済情勢、本市の財政状況及び類似する他市の議員報酬
等を勘案し、議員の活動状況を反映することを主眼に定めなければならない。
2
議会は、議員提案に係る議員報酬の改定に当たっては、市民の意見を聴取し、適
切な反映に努めなければならない。
3
前2項に定めるもののほか、議員報酬に関しては、別に条例で定める。
【解説】
・議員報酬は、社会経済情勢、市の財政状況、類似する他市の議員報酬等を勘案し、
議員の活動状況を反映することを主眼に定めることと規定しています。
・議員提案による報酬の改定に当たっては、市民からの意見聴取を行い、適切な反
映に努めることとしています。
※(別紙)中津市議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例
第11章
第21条
災害時の対応
議会は、大規模災害等の緊急の事態が発生したときは、市民の生命及び財
産を災害から守るため、中津市議会災害対策会議設置規程に基づき対処するものと
する。
【解説】
・議会は、地震、津波、豪雨その他の大規模災害等が発生した場合においては、中
津市議会災害対策会議設置規程に基づき、議会として市民の生命及び財産を守るた
めの体制の整備を図るよう定めています。
第12章
最高規範性と見直し手続
(最高規範性)
第22条
この条例は、議会の最高規範であり、議会に関する他の条例、規則等を解
釈し、又は制定し、若しくは改廃するに当たっては、この条例の趣旨を尊重し、こ
の条例に定める事項との整合を図らなければならない。
12
【解説】
・議会基本条例は、議会の最高規範であり、議会に関する他の条例等の制定、改廃
に当たって、この条例の趣旨を尊重することを定めています。
(議会及び議員の責務)
第23条
議会及び議員は、この条例及び議会に関する他の条例、規則等を遵守して
議会を運営し、市民の負託に応えなければならない。
2
議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、選挙を経た任期開始後速やか
に、研修を行わなければならない。
【解説】
・議会及び議員は、本条例及び議会に関する他の条例、規則等を遵守して議会を運
営し、市民の負託に応えることを定めています。
・議会は、議員に本条例の理念を再認識また浸透させるための研修を義務付けてい
ます。
(見直し手続)
第24条
議会は、この条例の目的が達成されているかどうかを検証し、必要に応じ
てこの条例の見直しを行うものとする。
【解説】
・本条例の目的が達成されているか否かの検証を義務付け、必要に応じ改正するこ
とを規定しています。
・議会基本条例の推進・検証等については、次年度の6月議会において議会運営委
員会で行います。
附
則
この条例は、公布の日から施行する。
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中津市議会議員の政治倫理に関する条例
(目的)
第1条 この条例は、市政が市民の厳正な信託のもとに公平かつ公正に推進されるべきである
ことを認識し、その信託に応えるため、市議会議員(以下「議員」という。)の政治倫理に
関する規律の基本となる事項を定めることにより、政治倫理の向上と確立に努め、もって清
浄で健全な市政の発展に寄与することを目的とする。
(議員の責務)
第2条 議員は、市民の代表として議会に与えられた権能と責務を深く自覚するとともに、地
方自治の本旨にのっとり、その使命の達成に努めなければならない。
(政治倫理基準)
第3条 議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1) 市が行う許可、認可又は請負その他の契約等に関し、特定企業、団体等のために有利
な取り計らいをしないこと。
(2) 政治活動に関し、企業、団体等から、政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄
附等を受けないものとし、議員の後援団体についても同様に措置すること。
(3) 常に市民全体の利益のみを指針として行動するものとし、その地位を利用して、いか
なる金品も授受しないこと。
(4) 市民の代表者としてその品位と名誉を害するような行為を慎み、その職務に関し、不
正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。
(5) 議員が経営する企業は、市の工事等の請負契約又は指定管理者(地方自治法(昭和 22
年法律第 67 号)第 244 条の2第3項に規定する指定管理者をいう。)の指定を辞退する
よう努めること。ただし、災害等特別な理由があると議長が認めた場合は、この限りで
ない。
(市民の遵守義務及び調査の請求)
第4条 市民は、公正な市政実現のため、議員に対し前条に規定する政治倫理基準に照らし、
その地位による影響力を不正に行使させるような働きをしてはならない。
2 議員が前条に規定する政治倫理基準に違反する疑いがあると認められるときは、選挙権を
有する市民(調査を請求する時点において、中津市の選挙人名簿に登録されている者に限
る。)にあっては、その総数の 30 分の1以上の者の連署、議員にあっては、議員定数の3分
の1以上の者の連署をもって、それぞれ代表者(以下「請求代表者」という。)から当該政
治倫理基準に違反する疑いのあることを証する書類を添えて、市議会議長(以下「議長」と
いう。)に調査を請求することができる。
3 議長は、前項の規定による調査の請求を受理し、その請求が適正であると認めたときは、
会議に諮るものとする。
(政治倫理調査特別委員会の設置)
第5条 前条第3項の会議の議決により、政治倫理調査特別委員会(以下「委員会」という。)
を設置し、請求に関する事件の調査又は審査(以下単に「調査等」という。)を付託するも
のとする。
2 委員会は、付託された請求に関する事件の調査等を行うものとする。
3 委員会は、請求の対象となっている議員(以下「対象議員」という。)に意見を述べる機
会を与えなければならない。
4 委員会の組織及び運営については、この条例に定めるもののほか、中津市議会委員会条例
(昭和 32 年中津市条例第 20 号)の定めるところによる。
(資産等報告書等の提出等)
第6条 委員会は、調査等を行うために必要があると認めるときは、議長を経て、中津市議会
議員の政治倫理に関する条例施行規程(平成 14 年中津市議会告示第1号。以下「規程」と
いう。)で定める内容のうち、委員会が指定する内容を記載した資産等報告書等の提出を対
象議員に求めることができる。
2 委員会は、前項の規定による資産等に関する報告書の提出があった場合において、委員会
が必要と認めるときは、規程で定めるところにより、これを公表することができる。
14
3
何人も、議長に対し、第1項の規定により提出があった資産等報告書等の閲覧を請求する
ことができる。
(対象議員の協力義務)
第7条 対象議員は、委員会の要求があるときは、委員会に必要な資料を提出し、又は委員会
に出席して意見を述べなければならない。
(調査等の終了)
第8条 委員会は、調査等が終了したときは、その結果を会議に諮るものとする。
2 議長は、前項の規定による会議の議決により、対象議員に対し勧告することができる。
3 議長は、第1項の規定による会議の議決結果を請求代表者に通知するとともに、その趣旨
を公表しなければならない。
(名誉等の保持及び信頼の回復)
第9条 議会は、議員が第3条に規定する政治倫理基準に違反したと認めるときは、議会の名
誉と品位を守り、かつ、市民の信頼を回復するため、必要な措置を講じなければならない。
(委任)
第 10 条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、議長が別に
定める。
中津市議会政務活動費の交付に関する条例
(趣旨)
第1条 この条例は、地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号)第 100 条第 14 項から第 16 項ま
での規定に基づき、中津市議会議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部
として、議会における会派又は議員に対し政務活動費を交付することに関し必要な事項を定
めるものとする。
(交付対象及び交付方法)
第2条 政務活動費は、中津市議会における会派(所属議員が1人の場合を含む。以下「会派」
という。)のうち、会派として政務活動費の交付を受ける会派(以下「交付対象会派」とい
う。)又は交付対象会派に属さない議員(以下「交付対象議員」という。)に対して交付する。
2 政務活動費は、各年度につき1回、年額の総額を交付する。
(会派に対して交付する政務活動費)
第3条 交付対象会派に対する政務活動費は、各年度4月1日(以下「基準日」という。)に
おける当該交付対象会派の所属議員の数に年額 240,000 円を乗じて得た額を交付する。
2 年度の途中において新たに交付対象会派となった会派に対しては、政務活動費の年額を 12
で除した額(10 円未満の端数については切り捨てるものとする。以下「月額相当分」という。)
に、当該交付対象会派の所属議員の数と新たに交付対象会派となった日の属する月の翌月か
ら年度末までの月数を乗じて得た額を政務活動費として交付する。
3 政務活動費の交付を受けた交付対象会派が、年度の途中において所属議員の数に異動が生
じた場合、異動が生じた日の属する月の翌月の末日までに、既に交付した政務活動費の額が
異動後の所属議員の数に基づいて算定した政務活動費の額を下回るときは、当該下回る額を
追加して交付し、既に交付した政務活動費の額が異動後の所属議員の数に基づいて算定した
政務活動費の額を上回るときは、交付対象会派は当該上回る額を返還しなければならない。
4 前項の規定による調整は、月額相当分に異動が生じた所属議員の数と異動が生じた日の属
する月の翌月から年度末までの月数を乗じて得た額を追加して交付し、又は返還しなければ
ならない。
5 政務活動費の交付を受けた交付対象会派が、年度の途中において解散したとき又は交付対
象会派でなくなったときは、その事由が生じた日の属する月の翌月分以降の政務活動費を返
還しなければならない。
(議員に対して交付する政務活動費)
第4条 交付対象議員に対する政務活動費は、基準日に在職する交付対象議員に対して年額
240,000 円を交付する。
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年度の途中において新たに交付対象議員となった議員に対しては、月額相当分に、新たに
交付対象議員となった日の属する月の翌月から年度末までの月数を乗じて得た額を政務活
動費として交付する。
3 政務活動費の交付を受けた交付対象議員が、年度の途中において交付対象議員でなくなっ
たとき又は交付対象会派に所属したときは、その事由が生じた日の属する月の翌月分以降の
政務活動費を返還しなければならない。
(政務活動費を充てることができる経費の範囲)
第5条 政務活動費は、交付対象会派又は交付対象議員が行う調査研究、研修、広報、広聴、
住民相談、要請、陳情、各種会議への参加等市政の課題及び市民の意思を把握し、市政に反
映させる活動その他住民福祉の増進を図るために必要な活動(次項において「政務活動」と
いう。)に要する経費に対して交付する。
2 政務活動費は、別表で定める政務活動に要する経費に充てることができるものとする。
(経理責任者)
第6条 交付対象会派は、政務活動費に関する経理責任者を置かなければならない。
(収支報告書等の提出)
第7条 政務活動費の交付を受けた交付対象会派の経理責任者及び交付対象議員は、別記様式
により、領収書又はこれに準ずる書類を添付して政務活動費に係る収入及び支出の報告書
(以下「収支報告書等」という。)を作成し、議長に提出しなければならない。
2 収支報告書等は、前年度の交付に係る政務活動費について、毎年4月 30 日までに提出し
なければならない。
3 政務活動費の交付を受けた交付対象会派が解散したとき若しくは交付対象会派でなくな
ったとき又は政務活動費の交付を受けた交付対象議員が交付対象議員でなくなったとき若
しくは交付対象会派に所属したときは、前項の規定にかかわらず、当該交付対象会派の経理
責任者であった者又は当該交付対象議員であった者は、その事由が生じた日から 30 日以内
に収支報告書等を提出しなければならない。
(政務活動費の返還)
第8条 市長は、政務活動費の交付を受けた交付対象会派又は交付対象議員がその年度におい
て交付を受けた政務活動費の総額から、当該交付対象会派又は交付対象議員がその年度にお
いて第5条に定める経費の範囲に基づいて支出した総額を控除して残余がある場合、当該残
余の額に相当する額の政務活動費の返還を命ずることができる。
(収支報告書等の保存)
第9条 議長は、第7条第2項又は第3項の規定により提出された収支報告書等を、提出期限
の日から起算して5年を経過する日まで保存しなければならない。
2 収支報告書等の公開に適用される中津市情報公開条例(平成元年中津市条例第 35 号)第
2条第2項の実施機関は、議会とする。
(透明性の確保)
第 10 条 議長は、第7条第1項の規定により提出された収支報告書等について必要に応じて
調査を行う等、政務活動費の適正な運用を期すとともに、使途の透明性の確保に努めるもの
とする。
(委任)
第 11 条 この条例に定めるもののほか、政務活動費の交付に関し必要な事項は、市長が規則
で定める。
中津市議会議員定数条例
中津市議会議員の定数は、地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号)第 91 条第1項の規定によ
り、26 人とする。
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中津市議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例
(目的)
第1条 この条例は、地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号)第 203 条第4項の規定により中津
市議会の議員の議員報酬並びに費用弁償及び期末手当に関する事項を定めることを目的と
する。
(議員報酬)
第2条 議会の議長、副議長及び議員の議員報酬は、次のとおりとする。
議長
月額
448,000 円
副議長
〃
406,000 円
議員
〃
388,000 円
第3条 議長、副議長にはその選挙された当日分から議員にはその職についた当日分からそれ
ぞれ議員報酬を支給する。
2 前項の規定により議員報酬を支給する場合は、中津市職員の給与に関する条例(昭和 32
年中津市条例第 23 号)の適用を受ける職員(以下「一般職の職員」という。)の例による。
第4条 議長、副議長及び議員(以下「議員」という。)が任期満了、辞職、失職、除名又は
議会の解散によりその職を離れたときは、その当日分までの議員報酬を支給する。
2 死亡により、その職を離れたときは、その当月分までの議員報酬を支給する。
(費用弁償)
第5条 議員が公務のため旅行したときは、その旅行について費用弁償として旅費を支給す
る。
2 前項の規定により支給する旅費については、中津市職員等の旅費に関する条例(昭和 26
年中津市条例第5号)の特別職の例による。
(議会等に出席したときの費用弁償)
第5条の2 議員が、議会、委員会又は中津市議会会議規則(昭和 32 年中津市規則第4号)
第 117 条第1項若しくは第2項に定める協議等の場に出席したときは、その旅行について費
用弁償として旅費を支給する。
2 前項の規定により支給する旅費の額は、中津市職員等の旅費に関する条例第 23 条の規定
を準用する。
(期末手当)
第6条 期末手当は、6月1日及び 12 月1日(以下この条においてこれらを「基準日」とい
う。)にそれぞれ在職する議員に対して支給する。これらの基準日前1月以内にその職を離
れた者(任期満了による退職者は除く。)についても、同様とする。
2 期末手当の額は、それぞれの基準日現在(前項後段の規定の適用を受ける者にあっては、
その職を離れた日現在)において、議員が受けるべき議員報酬月額及び議員報酬月額に 100
分の 15 を乗じて得た額の合計額に、一般職の職員の例により、6月に支給する場合におい
ては 100 分の 147.5、12 月に支給する場合においては 100 分の 162.5 を乗じて得た額とする。
3 期末手当の支給については、この条例に定めるもののほか、一般職の職員の例(中津市職
員の給与に関する条例(昭和 32 年中津市条例第 23 号)第 18 条の2及び第 18 条の3の規定
を除く。)による。
(規則への委任)
第7条
この条例の施行に関し、必要な事項は、規則で定める。
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