高校生アンケート・ヒアリング(PDF:212KB)

資料編
高校生アンケート・ヒアリング結果
自転車の安全利用について、現役高校生はどのように考えているのでしょうか。
今回、10 次計画を策定するに当たり、県内 22 校、合計で 1,634 人(ヒアリング実施
者 20 人)の現役高校生に、自転車の安全利用について、アンケート調査(ヒアリング調
査)を行いました。
結果は下記のとおりです。
1
2
調査時期
調査対象校
平成 28 年 1 月
県内 22 校(県立高校 17 校、市立高校 1 校、私立高校 4 校)
うち 4 校はヒアリングも実施
3 調査対象者
(1)アンケート
1 年生 1004 人(男子 545 人 女子 459 人)
2 年生
392 人(男子 181 人 女子 211 人)
3 年生
238 人(男子 143 人 女子 95 人)
合計 1,634 人
(2)ヒアリング
1 年生
5 人(男子 4 人
2 年生
9 人(男子 6 人
3 年生
6 人(男子 4 人
合計 20 人
4
女子 1 人)
女子 3 人)
女子 2 人)
調査結果
(1)アンケート
①自転車の交通安全教育について
◆自転車の交通安全教育を受けたことがありますか。(高等学校以前も含む)
1374
はい
258
いいえ
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
高等学校以前を含め、自転車の交通安全教育を受けたことがある生徒が約 84%、
受講していないと回答した生徒が約 15%であった。
128
◆どのような交通安全教育を受けたことがありますか。(複数回答)
自転車 の安全 な乗り方及 び
交通ルール に ついて
1351
自転車 の加害責任 に ついて
(賠償 に関 す る自 転車保険 の ことも含 む)
762
自転車 の運 転者講習制度 に ついて
380
自転車 の整備 に ついて
417
13
その他
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
自転車の安全な乗り方及び交通ルールについて学んだ、という回答が圧倒的に
多いが、平成 27 年 6 月から施行された「自転車の運転者講習制度について」につ
いて学んだという回答も、約 28%いた。
◆どのような交通安全教育が効果的でしたか。
自転車 の 安全な 乗り方及び
交通 ルール に ついて
1132
自 転 車 の 加 害 責 任 に ついて
(賠 償 に関 す る自 転 車 保 険 の ことも 含
む)
624
自転 車 の 運 転者 講習 制度 に ついて
239
自 転車 の 整備 に ついて
264
20
その 他
0
200
400
600
800
1000
1200
どのように効果的だったかを、具体的な内容についても聞いたところ、自転車
の基本的な乗り方(左側通行や歩行者優先であること)や、イヤホン・スマホ・傘
差しが禁止されていること、標識の見方と標識を守る意識、自らも加害者になって
しまう可能性があること、自転車整備の必要性などについて、よくわかった、とい
う回答が多かった。
129
[具体的な内容]
①安全な乗り方について
自転車も左側通行ということ
ヘルメットをつけるようにした
傘差しは違反ということ
スタントマンを使った体験教室で身に迫っ
2 人乗り、スマホは禁止ということ
て危険を学ぶことができた
歩道や信号のある交差点の通行方法
標識を理解できるようになった
標識の意味がわかった
並列走行は危険
自転車事故の原因について
一時停止をしっかりとする
歩行者優先であること
交差点の安全確認
ブレーキをしっかりかけること
自転車は、人に対してベルを鳴らしてはいけ
ないこと
②自転車の加害責任について
自分が加害者になった時の責任
事故を起こしたら家族にも多大な被害が及
どのような罪になるのか
ぶこと
自転車保険の必要性
自転車に乗る人には重大な責任があり、気を
つけて運転しなければならないこと
③自転車の運転者講習制度について
違反すると講習があるので、よりルールを守
新しいルールを学べた
るようになった
④自転車の整備について
乗る前に整備をする習慣がついた
ブレーキやライトの確認をするようになっ
自転車整備の重要性について理解できた
た
⑤その他
自転車を止めた場所を通る人のことを考え
大型トラックの内輪差によって自転車が巻
るようになった
き込まれること
130
②自転車のルール等について
高校生等に自転車のルールやマナーを守ってもらうために、効果的な方法はどの
ようなものが考えられますか。
470
講義形式の交通安全教室を実施する
787
体 験 を通 じた交 通 安 全 教 室 を 実 施 す る
376
啓 発 活 動 を行 う
テ レ ビ や ラ ジ オ 、 イ ン タ ー ネ ット を 通 じ た
CM等による
522
その他
25
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
「体験を通じた交通安全教師の実施」が最も多く、次いで「テレビなどの媒体を通
じた広報啓発の強化」が効果的であると考えられていることがわかった。
[具体的な内容]
交通安全教室や啓発活動を継続的に推進する
取締り及び罰則を強化する
法律を整備して必ず授業で取り入れるように
警察のパトロールを強化する
する
ルールやマナーについてのチラシを配る
③自転車保険について
◆あなたは自転車事故により生じる損害賠償責任に備えて、自転車保険に加入し
ていますか。
311
はい
280
いいえ
929
わ か らな い
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
1000
自転車保険に加入していると回答した人は約 300 人で、全体の約 2 割弱であっ
131
たが、加入していない人も同数程度いた。また、全体の約 6 割以上は、加入してい
るかどうかわからない、という回答であった。
◆どのような保険に加入していますか。
113
TS マ ー ク 付 き 付 帯 保 険
92
個 人 賠 償 保 険 (自 転 車 専 用 保 険
等 )
39
保 護 者 の 自 動 車 保 険 等 の 特 約
14
全 国 高 P 連 賠 償 責 任 保 障 制 度 に
よ る 保 険
32
そ の 他
0
20
40
60
80
100
120
どのような保険に加入しているかについては、TSマーク付き付帯保険が最も
多かったが、次いで個人賠償保険に加入している人が多かった。
④自転車を安全に利用するためには、どのようなことが必要だと思いますか。
905
交 通 安 全 教 育 など 啓 発 活 動 を 強 化 す る 。
467
警 察 の 取 り締 ま りを強 化 す る 。
615
道 路 の 形 状 を 変 え る。
テ レ ビ や ラ ジ オ 、 イ ンタ ー ネ ット 等 を 通 じた C M
等に
よる啓 発 活 動 を 行 う。
503
20
その 他
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900 1000
自転車を安全に利用するために必要なことを聞いたところ、「啓発活動の強化」
が最も多く、次いで「道路の形状を変える」「テレビなどの媒体を通じたCMによ
る啓発」が多かった。
132
⑤自転車を利用して、日頃感じていること
自転車を利用して、日頃感じていることについて、自由に記述してもらったとこ
ろ、907 件の回答があった。
「自転車のルールやマナーに関すること」「歩行者に関すること」「自動車に関する
こと」
「道路環境等の整備に関すること」
「自転車の整備に関すること」
「その他」に
分類したところ、下のグラフのようになった。
「道路環境等の整備に関すること」が
全体の約 4 割を占め、次いで、「自転車のルールやマナーに関すること」と続いた。
自転車のルールやマナーに関する
13 件
99 件
こと
242 件
354 件
歩行者に関すること
120 件
自動車に関すること
道路環境等の整備に関すること
79 件
自転車の整備に関すること
その他
多くの高校生が自由意見の中で述べていたことは、道路環境等の整備や、車との接触
の怖さについてである。例えば、「道が狭くて、車が通るのが危ない」「自転車専用レー
ンが少ないし、路上駐車が多い」「自転車に車道を走れと言われても、実際に走っている
と車にクラクションを鳴らされる」
「自転車は、歩道、車道のどちらでも邪魔者扱いされ
る」などの切実な意見があった。
また、「歩行者側にもルールを守ってほしい」とか「高齢者の自転車運転は危ない」等
の意見や、
「自転車の通行ルールが、具体的によくわからない」などの意見がある一方で、
一般的なルール(スマホや傘さしは禁止、信号や標識は守らなければならないなど)に
ついては、知識としては有している印象を受けた。
調査対象者の約 56%が自由意見を記述しており、自転車のメインユーザーとして、何
らかの発言をしたい気持ちが、多くの高校生にあったことがうかがえる。
この自由記述からは、今後は、より、交通ルールについての理解を深める必要がある
133
とともに、自転車が利用しやすい道路環境の整備を進めることも重要である、というこ
とが明らかになった。
134
(2)ヒアリング
ヒアリングでは、主に自転車の交通安全啓発活動(マナーアップ隊)の活動内容に
ついて質問した。
主な活動内容としては、
○自転車置場の整頓
○自転車の乗り方等の講習会への参加
○自転車置場での呼びかけ(鍵かけ、ルールの順守など)
○登校時、下校時の声かけ活動
○月 1 回、15 日に路地などで活動。警察署の警察官も一緒に指導していただいた。
○自転車の点検(年に 2 回)ステッカーやブレーキ、ライトなどを項目に従って
点検を行い、改善されるまで行う。
○ポスターの制作掲示
○交通安全運動時のイベントへの参加
○施錠の呼びかけ
また、この活動を通じて、自分自身がどう変わったか、という質問に対しては
○ルールを守るようになった
○カーブミラーなどで安全確認するようになった
○曲がり角でスピードを落とすようになった
○スピードを出さないようになった
○以前よりも気をつけて自転車を運転するようになった
○自転車の置き方や、駅での停め方に気をつけるようになった
○車や歩行者に気を配りながら運転するようになった
○声をかける側になって、自分がよくしなければならないと思い、気をつけるよ
うになった
○イヤホンをして運転することが危険だということが自覚できるようになった
○自転車置場が狭いのだが、自分が最初に来たら後の人が停めやすいように脇に
停めるようになった
○歩行者に気をつけて走るようになった
など、自分が呼びかける側になったことで、安全な乗り方を意識できるようにな
ったとの回答が大半であった。
このヒアリング結果からは、今後とも、このような自主的な取り組みを支援し、
自ら安全な行動がとれるようにしていくことが非常に有効である、ということが明ら
かになった。
135