概要(PDF:304KB)

ひょうご水ビジョン
1.水需給の見通し
2,500
80
2,000
60
1,500
40
1,000
20
500
0
0
H14の割合
伏流水
地下水
H24の割合
H14水源水量
5.基本方針に基づく施策と取組
ダム直流
H24水源水量
生活用水・工業用水の日最大給水量の推移
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
H5
H7
H9
H11
工業用水日最大給水量
H13
H15
H17
」
①おいしい水をつくる (兵庫の森や土が、兵庫のおいしい「水」をつくり「食」を育む。森林保全、安定した水道供給等を推進。)
②水をもっと上手に使う (水は限りある資源。渇水リスクが高まる中、さらに有効利用を推進。節水、雨水の利用、エネルギー源にも。)
③水のおそれ(畏れ、恐れ)を知り備える (大規模化する豪雨災害、水を正しく知り備える。総合治水の推進、防災情報の強化。)
④水の豊かさを守る、つくる (季節によって表情豊かな兵庫の水辺を、守り、育てる。水辺環境の保全、水の環境教育の推進。)
⑤水の文化、伝統を育む (多様な自然から育まれた兵庫の水文化を次の世代に。水文化の継承、交流の促進、伝統産業の振興。)
基本方針
(千㎥/日)
~水を知り、水を活かし、水に備える~
4.5つの基本方針
①おいしい水をつくる
H19
H21
H23
生活用水日最大給水量
H25
④水の豊かさを守る、 ⑤ 水の文化、伝統
つくる
を育む
2.水を取り巻く現状と課題
千㎥/日
100 %
③水へのおそれ(
畏
れ、恐れ)
を知り備
える
(4)将来の水需給の見通し
1)生活用水、工業用水
平成42年の生活用水と工業用水の需要量は、約381
万㎥/日に対し安定供給可能量が約531万㎥/日。供
給に余力。丹波地域の需給バランスが均衡。
2)農業用水
農業用水使用量は、年間約 20 億㎥と推計。
自己水源の占める割合の変化
河川自流
「 水、さと、まちの共生
目標年次 平成 42 年度
自然、社会環境が大きく変化する中で、「水」の恵みにより成り立つ「さと」や「まち」における人々の営みが、水が生み出す
自然環境を損なうことなく持続、発展し、水と共生する県民生活の構築を目指す。
②水をもっと上手に
使う
(1)水源
1)降水量
近年約100年の本県の年平均降水量は、全国平均と同様、少雨化傾向。少雨年と
多雨年の差も拡大傾向にあり、渇水リスクが増大。一方、日本全国で時間雨量
50mm 以上となる豪雨が頻発化。H26 年 8 月丹波豪雨は、最大時間雨量 91mm、
24 時間が 414mm。
2)森林
森林の持つ水源かん養や土砂流出防止等の公益的機能は健全な水循環の確保
に不可欠。森林管理 100%作戦等を着実に実施。林業の担い手不足、鹿による人
工林被害も拡大する中、さらに森林の適正管理が必要。水源地を守るハイカーのトイ
レ対策も必要。
3)農地、ため池
農地の公益的機能を保全する必要。開発や耕作放棄などで農地面積は減少の傾
向。農業者の減少、高齢化により管理の行き届かない農地やため池が増加。
4)生活用水の水源
本県の生活用水の水源は、安定水源量約 310 万㎥/日のうち、河川水 70%、地
下水 16%、ダム貯水 10%、伏流水 3%。近年、河川水への依存が増加。
(2)水利用(需要)
本県の生活用水の日最大給水量は、平成 9 年の約 270 万㎥をピークに減少。平
成24 年は約215 万㎥。工業用水も平成9 年の約225 万㎥をピークに減少。平成
24 年は約 165 万㎥。
(3)用水供給
上水道の日最大給水量は 208 万㎥。このうち、阪水や県水などによる市町への
用水供給は 117 万㎥。県水による工業用水は 64 万㎥。水道事業は、需要が減
少する中、施設の老朽化、耐震化の対応が必要。水道事業の広域連携など持
続可能な事業の再構築が大きな課題。災害等危機時の水融通、生活・工業用
水等の用途間の相互融通、水道水の質の確保と PR などの課題に対応。
3.めざすべき姿
平成 27 年度改定
施策
代表的な事業・取組
森林等の適正管理と保全 ・森林等の保全
による水源かん養
・農地、ため池等の保全
・水源地域の保全、開発抑制
新ひょうごの森づくり、災害に強い森づくり
優良農地の確保、ほ場整備、ため池整備
保安林指定の拡大検討、登山者達へのバイオトイレ設置等
安定した水道供給の確保 ・持続可能な水道事業の構築
・飲料水の質の確保
・柔軟な供給の仕組みづくり
水道施設の共同管理(集約・廃止)等の広域化の検討
水質検査の充実と安全安心な水づくり
生活用水、工業用水、農業用水の相互融通の検討
兵庫のおいしい「食」生活 ・「食」のブランド化と水の PR
の推進
・豊かな瀬戸内海の達成
水と関わりの深い「食」を広報媒体でPR
下水処理場の栄養塩管理運転、ため池のかいぼりを拡大
雨水、再生水、井水の
利用推進
・雨水の有効利用
・再生水、井水の生活雑用水利用
雨水貯留マス設置に関する補助
下水処理水の利用、避難所となる学校等の井戸設置支援
節水生活の普及
・節水意識の向上
水の作文コンクール、水道週間で広報・啓発
節水エコポイント制度の導入検討
水のエネルギー利用の ・中小水力発電の導入促進
推進
・水熱の活用検討
・下水汚泥等の活用推進
利水ダム等での発電施設整備
下水熱、河川熱など熱エネルギーの利用を検討
施設更新時にエネルギー化施設等の導入を検討
流域全体で取り組む治水
対策等の推進
防災教育と情報提供の
推進
渇水への備えの強化
流域対策の実施(利水ダム、ため池、校庭、水田等)
都市緑化、校庭・駐車場の芝生化等
水辺環境の保全と創造
・都市・農村地域等の治水安全度の向上
・市街地における雨水貯留浸透対策
・豪雨災害に備える早めの避難
・水難事故の防止
・水融通の体制整備
・農業用水の効率的利用
・水辺の自然環境と水辺空間の保全
CGハザードマップ、河川氾濫予測情報等
ビデオ等による事故防止啓発、学校防災教育
浄水場間の連絡管建設、災害時の相互応援等
用水路のパイプライン化、地下かんがいシステムの導入
環境創造型農業の推進、地域住民による水辺保全
活動、流下阻害となる植生の除去
(1)水質
生態系の保全と回復
・多自然川・農地づくりの推進
環境・景観に配慮した護岸整備
生活排水処理率は、平成 26 年度末で 98.6%。河川や海域の公共用水域で水質が改善。一方、瀬戸内海では、栄養塩不足による
・河川流量の確保
水源かん養機能(森林、農地)の保全
養殖ノリの色落ち等の問題が発生。下水処理場の栄養塩管理運転の試行やため池のかいぼりに漁業者も参加した取組も開始。
・特定外来生物等の駆除
市等による特定外来生物等の駆除活動
(2)自然環境と水辺空間
水の環境教育の推進
・水循環全体の周知
小学校の総合学習(ため池教室、疏水見学等)等
河川やため池は豊かな生態系を形成する場。自然に配慮した河川やため池づくりを実施。河川取水や生物の生息・生育環境、
を活用した水循環全体の周知、啓発
水質等を維持するため年間を通じた河川流量の確保、地域固有の生態系を乱す外来生物への対応が必要。棚田などの美しい
祭り、昔話、水のさと・まちの風景、水百景、水
水文化の継承と創造
・地域の水文化、水のさと・まちのPR
水景観、自然豊かな水辺環境を保全。
・ため池、疏水に見る生活文化の継承 百選、ため池百選、川遊び等のPR
(3)自然災害と水難事故
小学校の総合学習でのため池教室、疏水見学等の実施
頻発する水害や土砂災害に対し、河川整備等の洪水対策だけでは追い付けない状況。治水施設だけでなく流域全体を対象に、
伝統品のPR、ブランド創出の企画・立案、新製
伝統産業の振興
・伝統品・産業の継承
水田やため池、学校等を活用した一時貯留など、総合治水対策を推進。避難勧告の遅れや逃げ遅れもある状況で、迅速・的
品・新技術の開発等の支援
確な災害危険情報を発信する必要。また、全国的に水難事故も後をたたない状況で、県民への防災教育も必要。
アドプト、
流域内外の交流促進
(漁業者の森づくり、
水がつなぐ交流の推進
・川づくりと地域の交流の促進
(4)水とのかかわり、水への関心
里海交流、琵琶湖・淀川など水源地域との連携)
祭りや神事など水に関わる文化や伝統行事は、地域固有の風土を形成。一方、地域の文化や風土に関心の薄れ。ため池や疏水
は生活文化の一つで、環境学習の場。川づくりを通じた地域の交流から、漁業者と農業者、都市と農村といった流域の交流へと拡 6.水ビジョンを推進する基本姿勢
大化。琵琶湖・淀川流域との連携も重要。水に関わりの深い和紙などの伝統品・産業の継承、振興も水の文化を育む上で重要。
①県民の参画と協働 ②相互に対をなす関係の連携強化 ③多様な風土と豊かな文化の反映