国語科学習指導案

公開授業②
公開授業②
場所 5年2組教室
場所 5年2組教室
1. 単元名
「11歳の声
国語科学習指導案
国語科学習指導案
5年2組 岩﨑 千佳
5年2組 岩﨑 千佳
〜調べたことを報告しよう〜」
「主体的な表現者」を育む、カリキュラムづくりの視点
~ 「学びの言語」の習得と活用 ~
2. 単元設定の理由
(1)単元について
本単元は、既習事項である学びの言語の中の「説明」
「報告」を活かして、児童が問題意識を持ち、
それを自分自身で調べ表現できるようにするために設定した単元である。児童は、学びの言語であ
る「説明」や「報告」の仕方については既に学習している。6 月単元「新聞記事を読み比べよう」
では、臨海学舎の活動報告を新聞にまとめ、5W1H を書くことや、見出しやキャプション、資料な
どの工夫によって、同じ出来事でも伝わり方が変わることを学んだ。10 月単元「和の文化を受けつ
ごう」では、自分が調べた和の文化について、資料を活用して「説明」する活動を行った。この単
元では、自分が調べたいものについて、観点を決めて調べてまとめ、それをグループに分かれて発
表する学習をした。11 月単元「みんなの平野ダッシュ村の活動報告をまとめよう」では、総合的学
習の活動報告をリーフレットにまとめる活動を行った。この単元では、
「報告」する際には、過去の
出来事を時間軸に沿って詳しく書くことが必要であることを学習した。また、
「報告」の方法につい
て、直接発表を聞いてもらうことが難しい相手である場合、どのような方法で報告すればよいかを
考え、その結果写真やグラフなどの資料を用いつつ、時間軸に沿って詳しく書くことのできるリー
フレットを選ぶという、「報告」のまとめ方についても学習することができた。
それらの学びを活かし、本単元では、他教科領域および実生活の中で、自分自身が疑問に思ったこ
とやもっと知りたいことについて調べ、調査報告文としてまとめて友だちに「報告」するという学習
を行う。他教科領域および実生活の中で生み出されたものを、国語の力を活かして解決する活動は、
学びの必然性が生み出され、今まで培ってきた国語科の学習が活かされることを実感できる瞬間とな
ると考える。この調査報告文の中には、「報告」、そしてその事柄に対しての「説明」、更に調べたこ
とに対して自分の意見を述べる「意見」という、様々な要素が入ってくる。1年間のまとめとなる今、
今までに国語科で培ってきた学びを活かし、自分が立てた問いについて調べ、報告文にまとめる経験
をすることで、学びが活かされることが実感でき、今後の学びを創り続ける基となっていくと考える。
(2)単元の目標
○ 自分が伝えたいことに興味をもって取材し、進んで必要な資料を収集したり文章を書いたりする
ことができる。(関心・意欲・態度)
○ 必要な情報や資料を整理して集め、調べたことを報告する部分と、それに対する自分の考えの部
分とを分けて、調査報告文を書くことができる。(書くこと)
○ 調べたことを報告し、問いの立て方や表現の仕方などについて助言し合うことができる。(書く
こと)
(3)活動構成の仮説
○他教科領域および実生活での経験から国語科へとつなげることで学びを創り続けるカリキュラム
をつくることができる
本単元は、国語科の調べたことを「報告する」という学びの言語の活用を、他教科領域での学びや
実生活での経験と関連づけて設定した。国語科以外での場で抱いた疑問や興味を、国語科での学びを
活かして、自ら問いを立てて調査し文章にまとめていく。他教科領域および実生活の中で生み出され
たものを、国語科の学習を通して解決できるようにカリキュラムを組むことで、子どもにとっての学
びの必然性が生み出され、学びを創り続けるカリキュラムをつくることができるのではないかと考え
る。国語科での学びが実際に自分の中で役立つ力として働き、「国語科での学びが活かせる」という
国語の力への必要感が生まれ、その結果学びの必然性が生み出されて、より意欲的に学びを創り続け
ていくことができるのではないかと考える。
○問いを連鎖させることによって、学びを創り出す力を高めることができる
本単元では、調査報告文を書く際に、問いを1つだけではなく、2つ、3つと連鎖させて調査を進
めていく活動を設定した。自分が調査したことに対して新たに問いを生み出していく力は、ひいては
学びを創り出す力へとつながると考えられる。既習の学びの言語「説明」「報告」を活かして、自分
が立てた問いに対して追究し、聞き手からの意見も基に問いを連鎖させ、まとめられる力を養いたい。
—
31 —
3 .指導計画(全 11 時間 本時 6 / 11 )
月
4
5
計画カリキュラム
6
7
他教科・
学校行事
実施カリキュラム
8
9
10
資料を生かして考えたこ
とを書こう(資料活用・
ポスター・説明)
立場を決めて
討論しよう(根
拠の提示)
総合
大討論会
新聞記事を
読み比べよう
(資料の効果)
和の文化を
受 けつ ごう (説 明
文・調べ学習)
立場を決めて
討論しよう(根
拠の提示)
11
12
1
観点別に 説明
(グラフ・年表
調べ学習)
総合
ダッシュ村
資料を生かして考えたこ
とを書こう(資料活用・
ポスター・説明)
みんなの平野ダッシュ
村の活動報告をまとめ
よう(活動報告)
学習活動の流れと子どもたちの意識の流れ
1.単元のめあてを決め、疑問に思ったことを調べて報告する文章を書く上で、何が必要か、今までの学習でど
んなことが活かせるか考えながら、学習計画を立てる。(1時間)
過程②解決への見通し
・
2学期にしたダッシュ村の活動報告のリーフレッ
トづくりが活かせるかもしれないな。
・
・
解決活動
—
32 —
げ、自分が調べたいテーマを決定し、活動計画を立てる。(1時間)
問❷
4.①問い❷について、解決にふさわしい方法で調べ、必要な情報を書き溜めていく。
②調べたことを班の友だちに発表して意見をもらい、新たな問い❸を立てる。(2時間)
(本時 2/2 時間)
問いの連鎖・共有
問❶
今度東京でオリンピックがあるが、オリンピックはど
うやって始まったのか、調べてみたいな。
3.①問い❶を立て、解決にふさわしい方法で調べ、必要な情報を書き溜めていく。
②調べたことを班の友だちに発表して意見をもらい、新たな問い❷を立てる。(2時間)
問❸
5.問い❸について、解決にふさわしい方法で調べ必要な情報を書き溜めていく。(1 時間)
問い❶について調べたことで、みんなはこんなこ
とを知りたいと思っているんだ。じゃあ、次はこ
んな問いを立てようかな。
<書く内容>
問い❶のときは、本で調べることができたが、問い❷
については、クラスのみんなへのインタビューやアン
ケートをする必要がありそうだな。
はじめ
中
過程③学びのふりかえり
8. 単 元 の 学 習 を振 り返 り、学 ん だ こと や 今 後 に 生か し てい き た い こと を「 国語 の 知 恵 袋 」に ま と める 。
(1時間)
□ 授業中の発言やノート・ワークシートへの記述を評価する。
○ 既習学習を振り返り、進んで活かせそうなことを見つけ出し
ている。
▲ 既習事項を振り返ろうとせず、今までの学習を活かそうとし
ていない。
◇
国語の知恵袋やノートを振り返られるように声かけをする。
書くこと
過程②より
□ 調べたことのメモや書き上げた調査報告文を評価する。
○ 自分が立てた問いに対する情報を選んで集めることができて
いる。
○ 問いを連鎖させていて、調べたことが、時間的順序に沿って、
工夫して書かれている。
▲ 調べたことに対して、必要な情報だけでなく、とりあえず抜
き出したことを書き留めている。情報が整理されていない。
▲ 問いが連鎖されたり、友だちの意見が活かされたりすること
なく、はじめに立てた問いから深まりがない。また、調べた
ことが報告するときの順番にまとめられていない。
◇
調べている内容についてアドバイスをしたり、調べている目
的がはっきりするように声かけをしたりする。
◇
新たな問いが生まれるような問いかけをしたり、報告すると
きの順序を確認したりする。
調べたこと、調べた人、調べたきっかけ(理由)
1(問い①、調べた方法、調べた内容、そこからわかったこと、新たな疑問)
□・・・評価の方法
3(新たな問いを立て、1と同じ内容を書く。)
○・・・満足できる姿
今まで調べたことでわかったこと、自分の考えや意見(意味付け)、
▲・・・支援を要する姿
自分の主張
◇・・・支援の方法
・
交流するときに、「報告」「説明」「意見」のそれぞれの内容と書き方を意識しながら聞くこと
ができるよう、評価シートを活用する。
・
今後の学習に活かすことができるよう、自分が大切と思うところや、ぜひ次に活かしたいと
思うことを書き留めておくよう、声かけをする。
これは、時間軸に沿って調べたことが書かれていてわ
かりやすかったな。
評価の観点
関心・意欲・態度 過程①より
2
おわり
最後には、調べたことから自分の意見を入れてまとめると
いいね。
7.出来上がった調査報告文を友だちと交流し、相互評価をする。(1時間)
これは、はじめの問いから3つ目の問いにかけて深まり
が見られて、わかりやすい報告文になっているな。
本単元では、今までの国語の学習を活かし、自分自身が問題意識を持ち、自分で問い
を立て、それについて調べまとめられる力をつけることを目的としていることを確認する。
今まで学習した「説明」と「報告」について思い出せるよう国語の知恵袋を活用するよう声
かけをする。
既習事項をまとめて教室に掲示しておき、本単元でいかせるようにする。
「報告」をどの形でまとめるとよいか既習事項をもとに考えられるよう声かけをする。
調べるテーマを決めるとき、次の視点で考えてみるよう声かけをする。
→なぜ〜? どうして〜? どうやって〜? 本当は〜?
・ 自分が調べたいテーマについて書き出した後、実際にそれを調べられるかどうかを考え
るために、計画を立ててみる。
・ 自分の立てた問いに対して調べたことについて、必要な情報を書き溜めていく。
・ 情報を集める時に、何をメモしておくのかを確認し、正しく情報を集められるようにする。
・ 自分で問いを立てた後、調べて終わるのではなく、調べたことを友だちと報告し合い、意
見を伝え合うことで、聞き手の意見を捉えた上で新たな問いを生み出したり、調べる方法
をさらに考えたりと、自分の報告文を広げたり深めたりできるようにする。
・ それぞれの調査報告文が、「報告」する文章として正しく書かれているかを相互評価で
確かめられるようにする。また、最後の意見文の部分については、相手の主張に対する
自分の考えを書けるようにしておく。
6.今まで調べてきた情報をもとに、報告する文章を書き、最後に自分の主張を書き加え、調査報告文を完成さ
せる。(2時間)
問いを3つ立てたので、これを時間軸に沿ってまとめる
とわかりやすいな。
調べたことを調査報告
説明と報告の使い分け
(問いの連鎖)
・
2.日頃疑問に思っていること(実生活)や、他教科・領域で、もっと詳しく知りたいことなどをたくさん挙
総合的学習で学んだ外来種はなぜとったらい
けないのか、詳しく調べたいな。
リーフレットで
活動報告
(時間軸に沿って)
11歳の声〜調
べたことを報告
しよう〜
指導上の留意点
・
過程①学ぶ対象との出合い
調べたいことを自分で調べてまとめられたら便利だな。
今
まで気になっていたことを調べてみたい。
資料を使って 説明
(資料別効果の違い)
3
伝えよう、
委員会活動
(活動報告)
内容
新聞で
根拠を明確に
活動報告
意見文
(写真・見出し) (根拠・調べ学習)
2
和の文化を
受 けつ ごう (説 明
文・資料読み取り)
平野フェス
ティバル
臨海学舎
新聞記事を
読み比べよう
(資料の効果)
過程③より
□国語の知恵袋を評価する。
○調査報告のまとめかたについて、必要な要素が書かれている。
▲調査報告の仕方とは違う点しか書かれていない。
◇調査報告を書くときに必要な事を確認する。