GBRC Vol.41 No.1 2016.1 2016年新春の御挨拶 一般財団法人日本建築総合試験所 理事長 辻 文三 2016年の新春を迎え、皆様方には平素より当法人の諸事業に対しまして、ご理解と ご高配を賜っていますことを深く感謝いたします。 先ず昨年の出来事をご報告させていただきます。長期経営計画に従いまして、耐火 防火試験室(池田)を新設し、8月より順調に業務を開始しております。また、昭和40 年に開設しました当法人最初の試験室である大淀試験室を同じく8月に閉室いたしま した。試験環境を時代の要請に応じて新陳代謝することは必要であると考えています。 さて、本年の目標ですが、建築技術に関するサービス業務品質のさらなる向上に努 めたいと存じます。サービスの品質は、そのプロセスから考えて、①事前の品質、② 提供過程の品質、③結果の品質に分けることが出来ます。 製品と異なり、サービスの①事前の品質評価は困難であると言われています。サー ビスは受けた時に初めて評価できるという「同時性」が有るからです。しかし、お客 様に信頼してご利用いただくためには、何らかの形で事前評価できる情報発信が必要 です。広報に注力することは当然です。さらに、一昨年に法人としての品質管理委員 会を立ち上げ、システムとして信頼性の維持・向上を目指しています。 ②提供過程の品質評価には多くの要素が有りますが、一般的には以下の5項目が挙 げられます。 「信頼性」 (正確度)、 「反応性」 (やる気、迅速性)、 「確実性」 (知識、礼儀)、 「共 感性」 (配慮、世話)、「有形性」 (施設、設備等)です。対応する職員に依存する要素が 多いのですが、可能な限り組織対応することが必要だと思います。 最後に③結果の品質評価です。一般にサービスは、 「無形性」、 「消滅性」があると言 われています。しかし、当法人のサービスは、結果として報告書や各種認証書、評価 書等々が商品としてお客様に渡されます(有形性)。法人の技術力や信頼性が込めら れており、これらがお客さまにとっての価値の一部となります。もちろん技術的知見 など、無形のサービスを得て下されば有難いと思います。 近年、サービス工学やサービス・サイエンス等の研究が進んでいますが、当法人の 業務がぴったりと当てはまる内容ではありません。しかしそこで得られた知見に基づ き、当法人の業務の在り方を違った目で見直すことは、お客様の満足と価値創造の向 上を図る上で重要なことだと考えています。 本年も役職員が一丸となって努力してまいりますので、皆様の一層のご支援、ご鞭 撻をお願い申し上げます。 1
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