インド債券市場 追加利下げと長期金利低下(債券価格上昇)

情報提供資料
2016年2月
インド債券市場
追加利下げと長期金利低下(債券価格上昇)による今後のリターン向上に期待
2016年も政策金利は低下する見通し
堅調な実体経済下での利下げは2003年来
インドでは、ファンダメンタルズの改善や高成長へ
の回帰が期待される中、原油等の資源価格下落に
よるインフレ率の低下などを背景に、2015年中、
4回の利下げが行われ、政策金利が8.00%から
6.75%まで引き下げられました(右図:期間②)。
インド準備銀行(RBI、中央銀行)は、2016年も金融
緩和の継続を表明しており、引き続き追加利下げ
が見込まれています。
一方、過去の政策金利の推移を見ると、世界金融
危機時(2008年)や構造改革の遅れ(2012年)など
から、経済成長が鈍化した際には、積極的な利下
げが行われています。 こうした急速な景気後退期
を除くと、足元の環境と同様に景気回復期待の中で
行われた利下げ時の比較対象期間としては、2002
年から2003年にかけての利下げ局面(右図:期間
①)が挙げられます。
インド 政策金利および実質GDP成長率(前年比)の推移
(2001年12月末~2015年12月末)
政策金利(左軸)
(%)
世界同時
金融危機
期間①
10
実質GDP成長率(右軸)
(%)
インフレ懸念
金利上昇
期間②
11
10
9
9
8
8
7
7
6
6
5
5
4
4
2001
2003
2005
2007
2009
2011
2013
3
2015 (年)
出所: Bloomberg L.P.およびIMF世界経済見通しデータベース(2015年10月)の
データに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
足元、10年国債利回りに大きな変化は見られず、8%前後の高水準で推移
政策金利および10年国債利回りの推移を見ると、過去の利下げ局面においては、政策金利の低下に伴い10年
国債利回りも同様に低下(債券価格は上昇)してきたことが分かります。一方、今回の利下げ局面(期間②)では、2015
年の1年間で政策金利が計1.25%低下する中、10年国債利回りには大きな変化は見られず、過去平均を上回る8%
前後で推移を続けています。政策金利と10年国債利回りの差は1%を上回っており、金融緩和の過程にある環境下
では、このかい離は異例に大きな幅であると考えています。
インド 政策金利および10年国債利回りの推移
(%) 期間①
(2001年12月末~2015年12月末)
10年国債利回り
政策金利
期間別変化幅
期間②
10
9
期間①
(2001年末~2003年末)
政策
金利
8
期間②
(2014年末~2015年末)
国債
利回り
7.76%
7
国債
利回り
-0.1%
6.75%
6
-1.3%
5
4
2001
政策
金利
-2.0%
2003
2005
2007
2009
2011
2013
2015 (年)
-2.8%
2 8%
出所: Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
10年国債はBloomberg ジェネリックを使用。Bloombergジェネリックは、期間内に指標銘柄が変更になっている場合があります。
○この資料の最終ページにご留意いただきたい事項を記載しております。必ずご確認ください。
160203(06)
イーストスプリング・インベストメンツ株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第379号/加入協会 一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
情報提供資料
2016年2月
短期的には、政策金利の水準に寄っていく形で、国債の利回りは低下(価格は上昇)する見込み
世界経済の不透明感が警戒され、資源価格の低迷が懸念される環境下、インドではさらなる利下げが期待されていま
すが、国債市場では利回りが相対的に高い水準(価格が相対的に低い水準)に留まり、割安な状態が続いています。
リスク回避の強まりから新興国全体から資金が流出しており 市場の落ち着きとともに成長期待の非常に高いインドは
リスク回避の強まりから新興国全体から資金が流出しており、市場の落ち着きとともに成長期待の非常に高いインドは
相対的に資金の回帰先となると考えています。今後は、国債利回りが現在の政策金利の水準に近づく形で低下する
可能性があるだけでなく、2016年に追加利下げが行われれば、利回り低下(債券価格上昇)の余地は、現在よりもさら
に拡大すると考えています。実際、過去の利下げ局面(期間①)における国債のリターンは、他の期間(2001年末~
2015年末)を大幅に上回っています。
インド 政策金利と国債利回りの変化幅および国債トータルリターン(累積)の推移
期間① (2001年末~2003年末)
期間② (2014年末~2015年末)
(%)
(%)
(%)
(%)
3
40
3
40
2
2
20
国債トータルリターン
(累積、右軸)
1
20
1
0
0
0
0
政策金利変化幅(左軸)
1
-1
-20
-2
-1
-20
-2
-3
2001/12
国債利回り変化幅(左軸)
2002/6
2002/12
-40
2003/12
2003/6
-3
2014/12
2015/6
(年/月)
期間別トータルリターン(年率)の比較
-40
2015/12
(年/月)
全期間
期間 (
(2001年末~2015年末)
年末
年末)
期間① ((2001年末~2003年末)
年末
年末)
期間② ((2014年末~2015年末)
年末
年末)
+7.51%
+15.58%
+7.61%
出所: Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
国債利回りにはJPモルガンGBI-EMインドの最終利回り、国債トータルリターンにはJPモルガンGBI-EMインド(現地通貨ベース)を使用。
2015年の国債トータルリターンから
金利収入によるリターン下支え効果を確認
インド国債 トータルリターン(現地通貨ベース)
債券投資におけるリターンは主に、インカムゲイン
債券投資におけるリターンは主に
インカムゲイン
(金利収入)と、キャピタルゲイン/ロス(債券価格
の変動による損益)で構成されます。
11,000
,
過去1年間の利下げ局面では、利回りの低下
(債券価格の上昇)による効果は見られません
でしたが、相対的に高い金利収入によるトータル
リターンの底上げと、比較的安定した債券価格の
推移を確認することができます。
10,600
ま た 、 イ ン ド は 2016 年 以 降 も 7% を 上 回 る 高 い
実質GDP成長率を達成すると予想されています。
高成長の中、構造改革や財政面での改善が進み、
信用力が改善すれば国債の格上げ等も期待でき、
債券市場への資金流入が期待されます。
10,000
(2014年12月末~2015年12月末)
10,800
インカムゲインなど(累積)
債券元本部分
2015年12月末時点
年 月末時点
10,796
10,400
10,200
9,800
2014年12月末を10,000として指数化。
9,600
2014/12
2015/6
2015/12 (年/月)
出所: Bloomberg L.P. のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。
インド国債はJPモルガンGBI-EMインド(現地通貨ベース)を使用。「インカムゲインなど(累積) 」は、トータルリターンからプライスリターンを差し引いて算出。
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