(No.2,128)〈マーケットレポートNo.4,140〉 2015年4月16日 ECBは現行の量的緩和を継続 月600億ユーロの購入を維持 政策金利も据え置き ■欧州中央銀行(ECB)は15日、政策金利、預金 金利を、それぞれ0.05%、マイナス0.20%に据え 置くことを決定しました。また、3月から開始した 月600億ユーロの国債などの購入策を2016年9 月まで継続する方針を維持しました。 ■市場では緩和策の継続が好感され、ドイツの10 年国債利回りは低下し過去最低を更新、欧州株 式は上昇、ユーロは対米ドルで一時下落しまし た。 金融緩和の有効性に言及 緩和縮小観測を打ち消す狙いも ■声明文では、現行の措置によりここ数カ月で、民 間の資金調達コストの低下や借入条件緩和など に大きな改善があったとし、金融緩和策の有効 性に言及しました。さらに、2%近くの物価目標の 達成に向けて現行政策の完全履行に注力する 方針を示しました。 政策金利とユーロの動向 (%) (米ドル/ユーロ) 4 1.4 3 1.3 2 ユーロ対米ドルレート(右軸) 1.2 1 政策金利(左軸) 1.1 0 1.0 預金金利(左軸) 0.9 -1 13/4 13/7 13/10 14/1 14/4 14/7 14/10 15/1 15/4 (年/月) (注)データ期間は2013年4月1日~2015年4月15日。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 (ポイント) 株式・債券市場 (%) 450 4 欧州株価指数(ユーロ・ストックス指数、左軸) 15/3/9 14/12/4 300 3 国 債 購 入 示 唆 150 0 国 債 購 入 開 始 ドイツ10年国債利回り(右軸) ■市場には、ECBの緩和策の効果が期待以上で 緩和縮小観測も一部でとりざたされていたことか (%) ら、総裁は現行政策の継続を強調することで、そ -150 13/4 13/7 13/10 14/1 14/4 14/7 14/10 うした思惑を打ち消す狙いがあったと見られます。 (注)データ期間は2013年4月2日~2015年4月15日。 2 1 0 15/1 15/4 (年/月) (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 物価目標達成に向けて、資産購入を2016年9月まで継続へ ■4月10日時点での国債購入は617億ユーロで、 購入開始直前の3月6日時点と比較すると、その 他の資産を含めて、約756億ユーロの資産が増 加しました。このペースで進むと、2016年9月まで に総額1兆ユーロ強の資産拡大が見込まれます。 強力な金融緩和により、ユーロ圏経済は回復色 が強まっており、物価も原油安の影響が一巡す る今年後半から徐々に目標に近づく動きとなるこ とが期待されます。 ■為替市場では、米ドルに対するユーロ安が見込 まれます。円に対しては、日銀の強力な金融緩 和などから、方向感が出にくいと見られます。 ■債券市場では、金融緩和が長期化し、国債利回 りは低位で推移するという見方が強まっています。 ■株式市場では、金融緩和によるユーロ安で企業 業績見通しが上向いていることから、総じて堅調 な展開が続くと予想されます。 2015年04月15日 IMFの世界経済見通し(2015年4月) 世界経済の緩やかな成長見通しを維持 2015年03月06日 ユーロ圏の金融政策(2015年3月) 3月9日から国債などの購入を開始 ■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘す るものではありません。■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。■当資料の内容は作成基準日現在のもので あり、将来予告なく変更されることがあります。■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想で あり、今後の市場環境等を保証するものではありません。■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完 全性を保証するものではありません。■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者お よび許諾者に帰属します。■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
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