第14回 全日本 学生フォーミュラ大会 車検ガイド 火災事故対策

火災事故対策
振 り 返 り
過去8年は毎年、ボヤ/火災発生し消防車騒ぎになった!
2015年は来なかった!(発火を炭酸ガス消火器で鎮火)
火災発生後、深夜まで続いた現場検証の様子(2014)
目
次
1、燃料ライン
2、燃料タンク
3、エンジン破損
4、ファイヤーウォール
5、シェイクダウン
6、まとめ
燃料ライン
火災事故を起こさないためには、まず燃料を漏らさないこと
漏れやすいのは「継手」部で以下を推奨
燃料ホースクランプ
燃料ホース継手
http://www.monotaro.com/g/01257435/?t.q=%83z%81%5
B%83X%20%83N%83%89%83%93%83v&parp=1444118430
487
http://japanese.alibaba.com/product-gs/an04-aluminum180-degree-fuel-pipe-connector-1530556234.html
燃料ライン
次に燃料ポンプの固定が緩く振
動すると継手部からの燃料漏れ
を招く
クランプで確実な固定を推奨
燃料ポンプ等のクランプ例
燃料ライン
洗浄
浸透
現像
燃料もれ、オイル漏れの早期発見にはこれ!!
カラーチェックの現像スプレーとは?
本来は 洗浄(黄)>浸透(赤)>洗浄(黄)>現像(水色)で主に金属の
クラックを検出するもの。
この現像液のみを使ってガソリン、オイル等の滲みを発見することがで
きる。
あらかじめ吹き付け、乾燥させておく。
エンジンの運転中、後でも、わずかな漏れでも発見することができる。
燃料タンク
燃料タンク気密確認
大気圧+0.01Kpa~0.02Kpa
水中
エアーコンプレッサー
燃料タンク
万が一、燃料が漏れた場合は、
確実に路面へ落とすこと。
コースマーシャルが早期発見できる。
Fuel
Tank
完全に覆われる場合は漏れが広がらないようにD25mm穴2個
以上のドレインを持つベリーパンで受ける。 側面から点検で
きること。 チルト試験でも確認できること。
エンジン破損
大会における火災事例の大半が、実はエンジン破損に起因し
た大量のオイル飛散からの発火です。
コンロッドが脚を出してブロックを破損するには
①潤滑不良から焼き付き
②整備不良からコンロッド外れ・・・・の大きく2要因あります。
エンジン破損:潤滑不良
油圧警報ランプ
油圧センサー
・潤滑不良の対応として、油圧低下が確認できる手段を備える。
・オイル量の点検は油圧警告灯を頼らずにオイルレベルを定期的に確認
すること。
エンジン破損:潤滑不良
横Gに対するケア
ウエットサンプ方式
ドライサンプ方式
YAMAHA HP より
・横Gがかかると、オイルパン内のオイルが偏り、ストレーナーからオイルが
吸えなくなり、潤滑不良を起こす。
・対策1:ドライサンプ化する。(オイルタンクで潤滑を継続できる)
・対策2:オイルパンにバッフルを追加し、油面の偏りを防ぐ。
・対策3:同一方向に横Gをかけ続けない。(特にプラクティス)
ファイヤーウォール:ドライバーを守る
ファイヤーウォール
あらゆる熱源からドライバーを守ること。
ファイヤーウォールの高さはヘルメットの中央部まで隠せること。
板厚 アルミならt0.7mm 鉄板ならt0.5mm 以上を推奨
対象となる熱源の温度に対応できる材質で隙間の無いように製作すること
(例:冷却水なら、金属で張る必要はない)
ファイヤーウォール:実例
FSAEはアメリカで生まれた学生向けの競技です。 NASCARシリーズのルールも参考
にしていると思われます。 鉄パイプフレーム、トラス構造、サイドインパクト構造、
そしてファイヤーウォール。 エンジンルームと鉄板で仕切り、隙間無く溶接しドライ
バー側の非常時の安全空間を確保する目的で設置されています。
NASCAR TOYOTA CAMRY V8 5700cc OHV
シェイクダウン
①定置でエンジンを回し、燃料&オイル漏れを何度
も確認!
②走行は徐々に速度を上げて試走!
③加速、旋回、停止で、サス&ブレーキ確認!!
※無理な大会出場は事故を誘発し、他車両へ迷惑を掛ける
事を忘れない!!
シェイクダウン:証明映像
提出映像要件
メディアプレイヤーで再生出来る
mpg or wmv 形式のファイルで、容量20MB以下のこと
映像構成:発進、加速、停止を含む(確認できる)こと
EVクラス:シャットダウンボタンの作動確認映像(大会規則 第12条)
動画内のプレート記載内容
①学校名 ②カーNo. ③撮影場所 ④撮影日 ⑤FA署名
(チームページ掲載のサンプル動画を参考のこと)
※走行の際はドライバー装備とインパクトアッテネータを必ず装着し、安
全な場所で走行する事!
ま と め
・「絶対に火災を起こさない」
ということを肝に銘じてほしい。
・「マシンが壊れた」は、自分たちがリタイアす
れば済むこと。
・「火災発生」は、競技全体に影響し、最悪競技
“中止!!”もあり得る。
自分たち“だけ”では済まない。
2015本大会では、プラクティス含め多くの燃料・潤滑油漏れが発
生した事を忘れないで欲しい!