No.657(2016年2月1日)

りそな
マーケットフラッシュ ウィークリー
◎注意事項をよくお読みください。
先週の動きと今週の見通し
No.657
(2016 年 2 月 1 日∼2016 年 2 月 5 日)
■ポイント
— 日銀のマイナス金利導入、効果は暫く続く
— 実体経済への効果は未知数
— 円短期金利、久しぶりの「動く相場」
短期金利
長期金利
円/円スワップ
米国金利
株式相場
為替相場
無担保(翌日物)
円TIBOR(3ヶ月)
新発10年債
先物中心限月
5年
10年
ドルLIBOR(3ヶ月)
T-Note(10年)
日経平均
NYダウ
ドル・円
ユーロ・ドル
ユーロ・円
先週末値
%
0.066
%
0.171
%
0.095
150.42 円
%
0.14
%
0.39
%
0.613
%
1.921
17,518.30 円
16,466.30 ドル
121.14 円
1.0831 ドル
131.21 円
■ウィーリー コメント
突然のマイナス金利
「量」・「質」・「金利」の 3 次
元
マイナス金利とは・・・
日銀への預金にのみ適用
日銀からマイナス金利で借
りることはできない
金利低下
もみ合い
金利低下
金利低下
もみ合い
金利低下
上昇
上昇
ドル上昇
ユーロ下落
ユーロ上昇
今週の予想
0.060
0.170
0.000
150.20
0.00
0.20
0.60
1.85
17,000
16,000
119.50
1.0700
130.00
∼
∼
∼
∼
∼
∼
∼
∼
∼
∼
∼
∼
∼
0.080
0.180
0.150
151.00
0.05
0.30
0.62
2.00
18,000
17,000
123.00
1.1000
133.00
%
%
%
円
%
%
%
%
円
ドル
円
ドル
円
〈 チーフストラテジスト 高梨 彰 〉
「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」
「プレミアム付き商品券」みたいですが、日銀がマイナス金利導入に合わせ
て名付けた新しい金融緩和の名称です。今までの「量的・質的金融緩和」
に、文字通り「マイナス金利」を付けた金融政策という意味で、日銀では「量」・
「質」・「金利」の 3 つの次元で、追加的な金融緩和を講じる、としています。
「マイナス金利とは」がネットやメディアを中心に駆け回っています。ここでも
少し挑戦してみますと、先ず、日銀のような中央銀行が扱うマイナス金利は、
「市中銀行『が』、中央銀行『に』預けるおカネ」にのみ適用される、から申し上
げる必要があるかと思います。
「市中銀行『が』、中央銀行『から』借りるおカネにマイナス金利を適用させ
ることは極めて困難、様々な制約を付けない限りできません。何の制約もな
く、市中銀行が中央銀行から「マイナス金利でおカネを借りる」ことが可能とな
れば、例えば「市中銀行が 100 万円を借りて、99 万円だけ後で返す」こととな
り、この場合、何もしなくても 1 万円の益が発生してしまいます。敢えてこうし
た事象が発生する条件を考えてみますと、(以下次頁)
◎注意事項
*当資料に記載された情報は信頼に足る情報源から得たデータ等に基づいて作成しておりますが、その内容に
ついては明示されていると否とに拘わらず、弊社がその正確性、確実性を保証するものではありません。ま
た、ここに記載された内容が事前の連絡なしに変更されることもあります。
*また、当資料は情報提供を目的としており、金融商品等の売買を勧誘するものではありません。取引時期な
どの最終決定はお客さまご自身の判断でなされるようお願い致します。
1
りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
(前頁より続く)「おカネの価値が将来『必ず』目減りする」ことなどがあるかと
は思いますが、この場合はおカネに「信用」が無い状態であるとも言えまして、
そこでは敢えて「信用」ないおカネなど持たず、外貨に交換する作業の方が
先となるはずです。いわゆる「資本流出」の方が先に本格化するはずです。
世の中でどんな変化が起きるかといえば、欧州の例を参考にしますと、銀
行間取引にて適用される金利にマイナスが適用されても不思議ではない、と
いったところです(図表 1)。金利が適用されるくらいですから、おカネを貸す
ことも投資に使うこともなく、置き場に困ることが往々にしてあるのですが、そん
なときに他の銀行におカネを置かせてもらうことによって、その場をしのぐ動き
が出てきます。そこで適用されるマイナス金利は、おカネの置き場に掛かる
「手数料」のようなものです。これは日銀当座預金に適用されるマイナス金利
にも同じ事が言えます。課税と言い換えても差し支えないものです。
銀行間取引でもマイナス金
利は適用される
もし、マイナス金利適用を避けるのであれば、日銀にも他の銀行にも預け
ず、現金、紙幣の形で保有すれば、おカネがネズミにでも食べられない限り、
100 万円であれば 100 万円のままで保つことが可能です。「タンス預金」に適
用される金利などありません。市中銀行が扱う資金は多額ですし、おカネは
日々動いています。紙幣の形で持つことはさほど現実的ではありませんが、
紙幣を保管する金庫や倉庫の維持管理コストよりもマイナス金利による手数
料・課税的負担の方が大きいとなれば、市中銀行でも「タンス預金」活用の可
能性は生じます。個人に至っては言うまでもなく、もし預貯金等の金利にマイ
ナスが適用されれば、「タンス預金」の額は間違いなく増えるはずです。事実、
既にマイナス金利が適用されているスイスでは、高額紙幣による「タンス預金」
が拡大しているとのことです。
「タンス預金」ならば、金利は
0%だけど・・・
ちなみに、日銀は今回の決定の中で「金融機関の現金保有額が基準期間
から大きく増加した場合には、その増加額をマクロ加算残高から控除する」と
の文言を加えています。「タンス預金はダメ」だそうです。
日銀、「金融機関のタンス預
金はダメ」の立場
これまで黒田日銀総裁はマイナス金利導入に否定的な発言を繰り返してき
ました。しかも、マイナス金利が導入されている欧州でもインフレターゲット達
成は中々進まない状況です。これらを踏まえると、「日本経済に変化が生じる
かどうかは未知数」または「変わらない」との論が多くを占めそうです。
黒田日銀総裁、これまでマイ
ナス金利導入を否定
しかし、市場にしてみれば「新たな材料の発生」です。しかも、金融の根っこ
とも言うべき翌日物金利に対する見方が変わる材料の登場です。この材料を
軽々に扱うのもどうかというものです。しかも外国為替市場では、円買いポジ
ションが増えつつあった矢先でした。この円買いにしても日銀の手詰まり感が
あって起こったものであるはずで、円買いポジションを保つのも難しいかと。
「新たな材料の発生」
また今後については「もし誰も反応せず、市場も物価も元に戻ったら」を考
えてみるのも一つの方策です。一番困るのは、恐らく日銀です。金融政策が
反故にされては何かと不都合であり、「必要な場合、さらに金利を引き下げる」
へと至ります。そ日銀が万策尽きるか、市場にて耐える力が尽きるかといった
比較をすることになるのですけど、答えは自明のようにみえます。
日銀の万策尽きるか、市場
にて耐える力が尽きるか
図表1:
ユーロ翌日物実効金利平均(EONIA)
図表2:
円/ドル
127
%
5
125
4
3
123
2
121
1
119
0
117
‐1
2007年1月
ドル円の推移
2008年5月
2009年9月
2011年1月
2012年5月
2013年9月
115
2015年1月
2015年1月
出所:Bloomberg、りそな銀行
2015年3月
2015年5月
2015年7月
出所: Bloomberg、りそな銀行
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2
2015年9月
2015年11月
2016年1月
りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
■今週のひとコマ
図表3:
日本 10 年国債利回り推移
%
0.4
0.35
0.3
0.25
0.2
0.15
0.1
0.05
0
10月1日
10月21日
11月10日
11月30日
12月20日
1月9日
1月29日
出所:Bloomberg、りそな銀行
長期金利もマイナスですか
10 年国債利回り、ゼロまであ
と一歩
国債利回り低下、日銀の影響
が大きい
長期金利マイナス、大いに有
り得る
実体経済には、ゼロ金利制約
が大きい
マイナス金利で資金を借りるこ
とはできない
上のチャートは、「長期金利の基準」とも言うべき、日本の 10 年国債利回りの
推移です。日銀が 1 月 29 日に「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入
したことを受けて、日本の長期金利も低下、利回りゼロまであと一歩というところま
で来ています。
一般的に長期金利は以下の式で表されます。
長期金利=(潜在)成長率+物価上昇率+リスクプレミアム(信用度など)
日本の成長率は取り敢えず 0%台として、物価上昇率は今後も低水準に留ま
りそうです。それでもこの両者を合わせると 1%台の計算は成り立ちます。
そう考えると、ほぼ 0%にある日本の長期金利は、「リスクプレミアムがマイナ
ス」という説明の仕方が可能です。
「リスクプレミアム」とは「リスク=将来の不確実性」に対して上乗せされる金利
幅です。これが「マイナス」ということは、「不確実性を上回る金利低下要因が入
っている」という意味に繋がります。勿論、この大部分は年間 80 兆円規模で残高
を増やしている日銀の買い入れによる効果です。
他にも米ドル調達コスト上昇に合わせた円調達金利低下や、日銀が導入した
マイナス金利の効果そのもの等も勘案する必要があります。
ここで、日銀の金融緩和を受けて将来物価が上昇していくのであれば、長期
金利には上昇圧力が働くはずです。しかし、現在の金利水準は物価上昇よりも
日銀の買い入れ効果の方が圧倒的に強いことを示唆しています。
ところで、国債利回りは将来受け取る利息と償還金に対して、現在の価格が
「計算上示す」利回りが何%かという、便宜的な値です。そのため、預金金利が
マイナスになること程には、市場にも抵抗感はありません。長期金利マイナスも大
いに有り得ます。
一方、これを受けて長期の貸出や住宅ローン金利が国債利回り低下と共に
下がるかどうかは微妙です。仮に市場の長期金利が-2%のような水準となって
も、貸出金利をそれに合わせてマイナスにすることは出来ません。担保さえあれ
ば、タダでマイナス金利分だけ銀行からお客様へと資金を渡すことになってしま
うためです。市場金利でのマイナスはあっても、実体経済にはゼロ金利制約があ
ります。こうした市場と実体経済との差が今後浮かび出てきそうな気配です。
各マーケット・コメントは 2 月 1 日(月)09:00 現在
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3
りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
■外国為替市場
米ドル
予想
ドル円:
ドル円は上昇
119.50 −123.00 円
ユーロ
予想
ユーロ円:
ユーロ円は上昇
130.00 −133.00 円
ユーロドル:
ユーロドルは下落
1.0700 −1.1000 ドル
豪ドル・NZ ドル
予想
豪ドル円:
豪ドル円は上昇
83.50 −88.00 円
NZ ドル円:
NZドル円は上昇
76.50 −80.00 円
図表4:
125
124
123
122
121
120
119
118
117
116
115
先週のドル円は上昇。週末まで概ね 118 円台で推移した。週初は、前週末
に欧州 ECB 定例理事会でドラギ総裁が追加緩和を検討すると示唆した流れ
から、ドル円は直近高値の 118 円台後半で取引を開始。原油安に振らされ一
時 117 円 54 銭まで下落する場面があった一方、日銀金融政策決定会合でマ
イナス金利が導入されると、ドル円は上昇し、121 円を超えた。
今週のドル円は上昇を想定。先週末に日銀金融政策決定会合でマイナス
金利が導入されたことをきっかけに、リスク選好の高まりに合わせて円売りが強
まる展開を見込む。原油安や中国財新サービス業 PMI などに注意が必要だ
が、市場心理の改善が為替相場を下支えしよう。(中條)
先週のユーロ円、ユーロドルは共に上昇。ユーロ円は円高一服を受けて底
堅く推移し、29日に日銀がマイナス金利の導入を決定すると円安が進むなか
131円台まで上昇した。ユーロドルは弱い米経済指標などを背景にドルが軟
化するなか堅調に推移したものの、強い米個人消費などを受けてドルが値幅
を伴って上昇すると週初来上昇分の大半を失った。
今週のユーロ円は上昇、ユーロドルは下落を想定。ユーロ円は先週末から
の円安進行の流れを引き継いで堅調に推移しよう。尚、3月のECB理事会で
追加金融緩和の実施が見込まれているが、足元ではその内容への期待感が
後退していることからユーロ安方向には進みづらい。ユーロドルはリスク選好
の改善を通して米ドルが堅調に推移するなか上値重く推移する展開を予想す
る。(岩城)
先週の豪ドル円、NZドル円は共に上昇。豪ドル円はリスク選好の改善を受
けてしっかり。強い10-12月期CPIも買いにつながった。その後、日銀のマイナ
ス金利導入を受けて円安が進むと85円台を回復した。NZドル円は中銀がイン
フレ率の低下を背景に追加利下げを示唆したことで売りが出る場面もみられ
たが、日銀決定会合後の円安進行を受けてプラス圏まで浮上した。
今週の豪ドル円、NZドル円は共に上昇を想定。豪ドル円はリスク資産の地
合いの改善や日銀のマイナス金利導入後の円安進行を受けて底堅く推移し
よう。ただ、原油相場や中国株の動向には引続き注意を要する必要があり、上
値追いには慎重さがみられるだろう。NZドル円も円安の進行を背景に底堅い
値動きが続くだろうが、NZ中銀が低インフレを背景に追加利下げを示唆したこ
とが意識されるなか上値余地は限定的だろう。(岩城)
米ドル円
図表5:
円/ドル
2015/11/27
135
ユーロ円
円/ユーロ
133
131
129
127
2015/12/18
2016/1/8
125
2016/1/29
2015/11/27
出所:Bloomberg、りそな銀行
2015/12/18
2016/1/8
2016/1/29
出所:Bloomberg、りそな銀行
各マーケット・コメントは 2 月 1 日(月)09:00 現在
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4
図表6:
91
90
89
88
87
86
85
84
83
82
81
80
79
78
豪ドル円
図表7:
円/豪ドル
2015/11/27
2015/12/18
2016/1/8
NZ ドル円
円/NZドル
85
84
83
82
81
80
79
78
77
76
75
74
73
2015/11/27
2015/12/18
2016/1/29
出所:Bloomberg、りそな銀行
2016/1/8
2016/1/29
出所:Bloomberg、りそな銀行
■債券市場
国内
予想
金利は低下
TIBOR(3M):0.170 -0.180 %
長期金利(新発 10 年債):
0.00 -0.15 %
米国
予想
金利は低下
ドル LIBOR(3M):
0.60 -0.62 %
T-note(10 年):1.85 -2.00 %
図表8:
先週の国内債は上昇(金利は低下)。株が買われるなかでも国内債は日
銀の国債買い入れオペを支えにしっかり。日銀決定会合を前に追加金融
緩和への期待感が高まったことも買いにつながった。その後、日銀が大方
の予想に反してマイナス金利を導入することを決定すると一本調子で金利
は低下し、長期債利回りは 0.090%まで低下した。
今週の国内債は上昇を想定(金利は低下)。日銀のマイナス金利導入後
の地合いを引き継いで金利低下余地を模索する展開となるだろう。年限別
では先週末までの段階で 7 年債利回りまでマイナスとなっていることから、
未だ金利の残っている超長期債が堅調だろう。尚、スイス中銀がマイナス
金利を適用して以降、スイスの 10 年債利回りはマイナス圏に沈んでいるな
ど、国内 10 年債利回りが 0%を割り込む可能性も考えられる。(岩城)
先週の米国債は上昇(金利は低下)。週の序盤は原油安・株安を背景に
買いが優勢。その後、原油・資源価格の下落が続くなかでも、FOMC で年
3・4 回程度とされていた利上げ回数の見通しについて目立った言及がな
かったことで株が売られるなか債券は上げ幅を拡大。加えて、日銀のマイ
ナス金利導入を受けて投資妙味からその後上値を模索する展開となった。
今週の米国債は上昇を想定(金利は低下)。日銀のマイナス金利導入後
の地合いを引き継いで直近高値圏での値動きが継続しよう。緩和的な金融
政策を背景に欧州や日本の債券利回りが揃って低下するなか、投資妙味
から米国債には買いが入りやすい。今週は米雇用統計が発表されるが、市
場予想対比で良好な結果となって売りが出たとしても金利上昇局面では押
し目買いに下値は支えられるだろう。(岩城)
日米短期金利
図表9:
日本
%
0.19
米国(右軸)
%
1.0
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
15/1
%
0.70
0.60
0.18
0.50
0.40
0.17
0.30
0.16
15/1
15/4
15/7
15/10
0.20
16/1
出所:Bloomberg、りそな銀行
日米長期金利
日本
15/4
米国(右軸)
15/7
15/10
%
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
16/1
出所:Bloomberg、りそな銀行
各マーケット・コメントは 2 月 1 日(月)09:00 現在
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5
■株式市場
先週の日経平均は上昇。欧米株の上昇、円安、原油の反発を好感し
て、日本株は 17,000 円台前半での推移が多かった。ただ、火曜日は原油
安を嫌気して 16,000 円台後半まで下落。一方、週末は日銀金融政策決定
会合でマイナス金利の導入が決まると、円安の進行と共に、幅広い銘柄に
買いが広がり、一時 17,638 円まで上昇した。
日経平均
予想
日経平均は上昇
17,000 −18,000 円
今週の日経平均は上昇を想定。先週末の日銀金融政策決定会合の内
容を受けて、日本株は高値で推移する展開を見込む。円安進行を好感し
て、輸出関連株などが上昇しよう。市場心理の改善が株式市場を下支えし
ようが、銀行株は下落しており注意も必要。週末の米雇用統計前は様子見
が広がろう。(中條)
先週のダウは上昇。産油国の減産絡みの報道を受けて原油相場が上昇
したことに伴いエネルギー関連株が堅調に推移したほか、好決算銘柄を物
色する動きもみられた。FOMC で年 3・4 回の利上げ見通しについて特段
言及がなかったことで売りが出る場面もあったが、日銀のマイナス金利導入
を受けて世界的に株高が進むなか再度買われ展開となった。
NY ダウ
予想
ダウは上昇
16,000 −17,000 ドル
今週のダウは上昇を想定。日銀がマイナス金利を導入したことで市場心
理が好転した流れを引き継ぐだろう。1 日朝方に中国国家統計局から発表
された中国製造業 PMI は前月から低下したものの相場に与える影響は限
定的だったことをみても地合いは悪くない。ただ、引き続き原油相場の動向
には留意する必要があるほか、今週もエネルギー大手の一角をはじめ多く
の企業の決算発表が予定されているなど、原油・企業決算の動向に左右さ
れて高下する場面も出てくるだろう。その他、5 日発表の米雇用統計にも注
目が集まる。(岩城)
図表10: 日経平均
円
20500
20000
19500
19000
18500
18000
17500
17000
16500
16000
15500
2015/11/27
図表11: NY ダウ
18000
ドル
17500
17000
16500
16000
15500
2015/12/18
2016/1/8
15000
2015/11/27
2016/1/29
出所:Bloomberg、りそな銀行
中国株
下落、資金流出懸念を背
景に売られる
インド株
上昇、国外の緩和的な金
融政策を好感
ブラジル株
上昇、資源・エネルギー関
連株を中心に買われる
2015/12/18
2016/1/8
2016/1/29
出所:Bloomberg、りそな銀行
中国株は下落。中国人民銀行が幾度かリバースレポで市場に資金供給行
ったにも拘わらず、国内からの資金流出懸念などを背景に売りが強まる展開と
なった。金融緩和の拡大が期待されるなか人民銀行総裁が預金準備率を安
易に引き下げることはしないと述べたことなども嫌気された。一方、週の後半に
掛けては押し目買いが入る形で下げ幅を縮小させた。(岩城)
インド株は上昇。28 日のデリバティブ商品の決済期日を前に方向感を欠く
展開が続いたが、29 日に日銀がマイナス金利を導入したことを好感する向き
から、その後値幅を伴って上昇した。この週は、原油・資源価格の上昇を受け
てエネルギー関連銘柄の上昇が目立った。(岩城)
ブラジル株は上昇。不正融資問題を巡って告発された食肉加工大手の下
落が重しとなって週の序盤は売りが優勢となったものの、原油・資源価格の上
昇を受けて国営石油会社や資源大手が買われたことでその後上昇に転じた。
(岩城)
各マーケット・コメントは 2 月 1 日(月)09:00 現在
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6
ロシア株は上昇。産油国の減産期待を背景に原油相場が反転したことで
ルーブル安が一服。エネルギー関連株をはじめ、幅広い銘柄に買いが入っ
た。この週は同業他社とロシア国内のネットワーク通信網を共有することを発
表した通信事業大手の上昇なども目立った。(岩城)
ロシア株
上昇、ルーブル安が一服
図表12: 中国上海総合指数
3800
図表13: ムンバイ SENSEX 指数
ポイント
27000
ポイント
3600
26000
3400
3200
25000
3000
2800
24000
2600
2400
2015/11/27
2015/12/18
2016/1/8
23000
2015/11/27
2016/1/29
図表14: ブラジル BOVESPA 指数
49000
1900
47000
1850
45000
1800
43000
1750
41000
1700
39000
1650
37000
1600
2015/12/18
2016/1/8
2015/12/18
2016/1/8
2016/1/29
図表17: NY 金先物(期近物)
1140
ドル/トロイオンス
1120
1100
1080
1060
2016/1/8
1040
2015/11/27
2016/1/29
出所:Bloomberg、りそな銀行
作成 : りそな銀行
2016/1/29
ポイント
1550
2015/11/27
2016/1/29
図表16: WTI 原油先物(期近物)
ドル/バレル
45
43
41
39
37
35
33
31
29
27
25
2015/11/27
2015/12/18
2016/1/8
図表15: ロシア MICEX 指数
ポイント
35000
2015/11/27
2015/12/18
2015/12/18
2016/1/8
2016/1/29
出所:Bloomberg、りそな銀行
総合資金部
高梨 彰
岩城尚也
中條仁美
各マーケット・コメントは 2 月 1 日(月)09:00 現在
◎表紙の注意事項をよくお読みください。
7
りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
■過去 5 年間の相場推移
図表17: 日経平均(左軸)と NY ダウ(右軸)
円
22,000
21,000
20,000
19,000
18,000
17,000
16,000
15,000
14,000
13,000
12,000
11,000
10,000
9,000
8,000
2011/01
図表18:
ドル
NYダウ
日経平均
2011/07
2012/01
2012/07
2013/01
2013/07
2014/01
2014/07
2015/01
2015/07
22,000
21,000
20,000
19,000
18,000
17,000
16,000
15,000
14,000
13,000
12,000
11,000
10,000
9,000
8,000
2016/01
米ドル円とユーロ円
円
円
160
150
ユーロ円
140
150
130
140
120
130
110
120
100
110
100
90
米ドル円
90
80
70
2011/01
図表19:
160
2011/07
2012/01
2012/07
2013/01
2013/07
2014/01
2014/07
2015/01
2015/07
80
2016/01
WTI 原油先物と日本 10 年金利
WTI原油先物(左軸)
ドル
日本10年金利(右軸)
%
1.45
140
1.25
120
1.05
100
0.85
80
0.65
60
0.45
40
0.25
20
2011/01
2012/01
2013/01
2014/01
2015/01
0.05
2016/01
出所:Bloomberg、りそな銀行
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りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
■マーケットカレンダー
日本
米国
1/25(月) ★12月貿易統計
1/26(火) 流動性供給入札
その他
★11月S&Pケースシラー住宅価格指数
★FOMC(-27日)
★(独)1月IFO景況指数
★(独)12月小売売上高
1月リッチモンド連銀製造業景況指数
1月消費者信頼感指数
★12月新築住宅販売
1/27(水)
1/28(木) ★日銀金融政策決定会合(‐29日)
12月商業販売統計
2年債入札
国庫短期証券(3ヶ月)
1/29(金) ★12月CPI
★(独)1月CPI
12月中古住宅販売成約指数
(NZ)準備銀行理事会
★12月鉱工業生産
★日銀展望レポート
★10-12月期GDP速報値
★(EU)1月HICP
1月シカゴ地区製造業PMI
(EU)12月マネーサプライ
12月家計調査
12月雇用統計
12月住宅着工件数
黒田日銀総裁定例会見
前月比、千人
1/31(日)
非農業部門雇用者数
%
5
3ヶ月移動平均
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
コンセンサス予想:
非農業部門雇用者
数+19.0万人
(12月実績:+29.2
万人)
豪・政策金利
コンセンサス予
想:2.00%
(12月実績:
2.00%)
4
3
2
1
0
10/12 11/6 11/12 12/6 12/12 13/6 13/12 14/6 14/12 15/6 15/12
10/12 11/6 11/12 12/6 12/12 13/6 13/12 14/6 14/12 15/6 15/12
出所:Bloomberg、りそな銀行
出所:Bloomberg、りそな銀行
2/1(月)
2/2(火) 10年債入札
1月マネタリーベース
2/3(水) 1月消費動向調査
2/4(木) 国庫短期証券(3ヶ月)
流動性供給入札
2/5(金) 12月景気動向指数
2/8(月) ★1月景気ウォッチャー調査
12月国際収支
12月毎月勤労統計
1月貸出・預金動向
国庫短期証券(6ヶ月)
2/9(火) 1月マネーストック
30年債入札
2/10(水) 国庫短期証券(3ヶ月)
2/11(木) <建国記念日>
2/12(金) 流動性供給入札
12月建設支出
12月個人所得・消費支出
1月ISM製造業景況感指数
1月ADP民間雇用調査
1月ISM非製造業景況感指数
12月製造業受注
(中)1月PMI製造業
(EU)12月失業率
(豪)準備銀行理事会
(EU)12月小売売上高
(豪)12月貿易収支
★1月雇用統計
★(独)12月製造業受注
12月消費者信用残高
12月貿易収支
(豪)12月小売売上高
★(独)12月鉱工業生産
12月卸売在庫
★(独)12月貿易収支
1月財政収支
(英)12月鉱工業生産・製造業生産
★1月小売売上高
(EU)12月鉱工業生産
12月企業在庫
1月輸入物価指数
2/14(日)
2/15(月) ★10-12月期GDP1次速報値
12月稼働率
12月第3次産業活動指数
2/16(火) 20年債入札
2/17(水) ★12月機械受注
国庫短期証券(1年)
2/18(木) ★1月貿易統計
5年債入札
国庫短期証券(3ヶ月)
2/19(金) 12月全産業活動指数
★(中)1月貿易統計
<ワシントン誕生日(大統領記念日)>
12月対米証券投資
2月NY連銀製造業景況指数
★1月鉱工業生産
★1月住宅着工
1月景気先行指数
2月フィラデルフィア連銀製造業景況指数
★1月CPI
★(独)2月ZEW景気期待指数
(英)1月CPI
(英)1月失業率
★(中)1月CPI
(豪)1月失業率
(EU)2月消費者信頼感指数
(独)1月PPI
【以降の主要日程】
<国債入札> 2年債(2/25、3/25、4/27)、5年債(3/10、4/19)、10年債(3/1、4/5)、20年債(3/17、4/21)、30年債(3/8、4/14)、40年債(2/23)
<日銀金融政策決定会合>3/14-15、4/27-28、6/15-16、7/28-29、9/20-21、10-31-11/1、12/19-20
<米・連邦公開市場委員会(FOMC)> 3/15-16、4/26-27、6/14-15、7/26-27、9/20-21、11/1-2、12/13-14
<ECB定例理事会> 3/10、4/21、6/2、7/21、9/8、10/20、12/8
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りそなマーケットフラッシュ ウィークリー
■市場相場動向 (1/25∼1/29)
1/25(月)
0.075
0.17091
日本円TIBOR
0.25727
円短期金利先物
99.845
利付2年国債
-0.028
国
利付5年国債
新発債
0.010
内
利付10年国債
新発債
0.220
金
利付20年国債
新発債
0.920
利
16/3限
債券先物
149.50
2年
0.09072
5年
0.13997
円/円スワップ
10年
0.38247
20年
0.94324
FFレート
0.35
米
TB(3ヵ月)
金
0.285
利
T-NOTE(10年債)
2.001
日本円(3ヵ月)
海 L
0.08071
米ドル(3ヵ月)
外 I
0.62130
ユーロ(3ヵ月)
金 B
(0.16571)
英ポンド(3ヵ月)
利 O
0.58938
R
スイスフラン(3ヵ月)
(0.75100)
豪ドル(3ヵ月)
2.26670
NZ ドル(3ヵ月)
2.72000
ドル・円(仲値)
118.61
ユーロ・円(仲値)
128.10
豪ドル・円(仲値)
82.97
NZ
(
)
ドル・円
仲値
東
76.74
ドル・円(15:30時点)
外 京
118.79
ユーロ・円(15:30時点)
国
128.45
(15
30
)
ユーロ・ドル
:
時点
為
1.0813
ドル円直先スプレッド(3ヵ月、銭/ドル)
替
d 25.7
ドル・円
118.30
N
ユーロ・ドル
1.0849
Y
英ポンド・ドル
1.4249
スイスフラン・ドル
1.0128
日経平均(225種/円)
17110.91
東証株価指数(TOPIX)
1392.63
東
日経ジャスダック指数
2458.23
京
東証マザーズ指数
795.50
東証1部売買高(百万株)
2291.70
株
NYダウ(ドル)
15885.22
式
ナスダック総合指数
4518.49
中国上海総合指数
海
2938.52
SENSEX(インド)
外
24485.95
ブラジルボベスパ指数
M ICEX指数(ロシア/ドル建)
1716.56
金(NY先物、期近)(ドル)
1105.30
商
原油(WTI先物、期近)(ドル)
30.34
品
CRB先物指数
160.46
お問い合わせは、取引店の担当者までご連絡ください
無担保コール
オーバーナイト物
3ヵ月
6ヵ月
16/3限
新発債
1/26(火)
0.079
0.17091
0.25727
99.850
-0.030
0.010
0.215
0.915
149.55
0.09000
0.13843
0.38032
0.93958
0.37
0.310
1.994
0.07929
0.62110
(0.16929)
0.58938
(0.75100)
2.27000
2.71000
118.14
128.18
82.05
76.14
117.86
127.93
1.0854
d 25.2
118.42
1.0870
1.4350
1.0168
16708.90
1360.23
2448.14
788.18
2157.29
16167.23
4567.67
2749.79
37497.48
1705.01
1120.20
31.45
162.68
◎表紙の注意事項をよくお読みください。
10
1/27(水)
0.076
0.17091
0.25727
99.845
-0.030
0.005
0.210
0.905
149.58
0.08754
0.13244
0.36992
0.92617
0.38
0.315
1.999
0.08214
0.61810
(0.17071)
0.58938
(0.75060)
2.30000
2.70000
118.32
128.38
83.24
76.97
118.43
128.58
1.0857
d 24.9
118.68
1.0893
1.4234
1.0151
17163.92
1400.70
2464.14
810.60
2257.57
15944.46
4468.17
2735.56
24492.39
38376.37
1747.57
1115.80
32.30
164.18
1/28(木)
0.074
0.17091
0.25727
99.850
-0.034
0.010
0.220
0.921
149.53
0.08362
0.13375
0.37812
0.94006
0.38
0.326
1.978
0.08214
0.61560
(0.17429)
0.58938
(0.74760)
2.29920
2.70000
118.66
129.34
83.42
76.36
118.66
129.04
1.0875
d 24.7
118.82
1.0940
1.4362
1.0138
17041.45
1392.10
2471.58
823.85
2145.39
16069.64
4506.68
2655.66
24469.57
38630.19
1771.93
1115.60
33.22
165.22
1/29(金)
0.066
0.17091
0.25727
99.910
-0.090
-0.070
0.095
0.814
150.42
0.08627
0.13646
0.38526
0.95357
0.27
0.310
1.921
0.04771
0.61260
(0.18071)
0.58938
(0.75700)
2.26000
2.70500
118.87
129.92
84.22
77.09
120.69
131.67
1.0910
d 27.7
121.14
1.0831
1.4244
1.0231
17518.30
1432.07
2480.55
831.34
4125.05
16466.30
4613.95
2737.60
24870.69
40405.99
1784.92
1116.40
33.62
166.75