第 24 回全国小学生作文コンクール 「わたしたちのまちのおまわりさん」 審査員特別賞(高学年の部) タイトル: ギョウザが教えてくれたお巡りさんの優しさ 氏名:谷川 あさひ 小学校名:佐賀県 佐賀市立高木瀬小学校 五年 事件は7月10日夕方、トイプードルのギョウザとの散歩中に起きました。 「痛っつ」 「犬にかまれた」男子高校生の声がしました。そして、数分後、高校生のお父 さんが怖い顔をしてやってきました。「この犬がかんだのか。あんたの犬ね」ひどくどなら れ、私は声も出せず、こくりとうなずきました。 「救急車を呼ぼう」 「それに警察」そんな言葉が次々に聞こえ不安になりました。 高校生が救急車に乗る頃、連絡を受けたママが駆けつけてくれました。ママの顔を見てホ ッとしたけど、高校生のお父さんが大声でママにどなりつけたので、私は更に不安になり、 次から次に涙が出ました。 おまわりさんが来るまで、とてもとても長く感じました。 赤色灯が校門に見えたとき、私は、何と言ってよいかわからない緊張感と不安になりま した。 「もう終わり。ろう屋に入れられる。」その時思った正直な気持ちです。 薄暗がりから影が浮かび上がり、街灯に照らされ、制服姿の警察官が現れました。 のどが渇き、呼吸するのも苦しい、手はぶるぶる震えていました。私は、片手で、ママ のスカートを握りしめ、もう片方はギョウザのリードをしっかり握りしめていました。 若いおまわりさんが、すっとしゃがみ込み「こんばんは、何も心配しなくていいよ、あ なたは何も悪いことをしたんじゃないから」にっこり笑って話しかけてくれました。その 瞬間、全身の力が抜け涙がどっと流れ出ました。 はじめは、大泣きしたので息も切れ切れで上手く話せなかったけど、お巡りさんが、優 しく丁寧に、一つ一つ聞いてくれたので、だんだん話せるようになりました。説明が終わ ると、 「怖かったでしょう。よく頑張ったね。しっかり話してくれたので、お巡りさんも助 かりました。 」そう言って、頭をなでてくれました。そして、「ギョウザはかわいいね、毎 日お世話をするなんてすごいね。これからもがんばって散歩してあげてね」と言いました。 まさか自分が犯人になって、お巡さんから話を聞かれるなど夢にも思っていませんでし た。それまでは、テレビで見る犯人を捕まえる警察官はとても怖く、また、取り調べ室や ろう屋など怖いイメージばかりでした。しかし、私たちの生活を守ってくれている警察官、 交番前や交差点で私たちの交通指導をしてくれるお巡りさんは、とても優しい人だと分か りました。 今回の事件で、本当のお巡りさんの姿を見ることができました。家の近くに、日の出交 番があります。今度一度遊びに行ってみようかな。ちなみに、後で聞いたのですが、ケガ をされた高校生は出血もせず、うっすらと歯形がついただけだったそうです。安心しまし た。
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