PRESS RELEASE 第6回東京アンデパンダン展 人気投票上位者展 色 団 栗 研 究 室 個 展 「 春 の 森 、竜 の 寝 息 」 【会期】2016 年 3月 3 日(木)- 3月 13 日(日) 月曜休廊 【時間】11:00 - 19:00(最終日は 17:00 終了) 【会場】〒135-0042 東京都江東区木場 3-18-17 1F EARTH+GALLERY 【入場】無料 3月 3 日(木)18:00∼ レセプションパーティー お気軽にご参加ください。(参加無料) 花竜 / 2016 年 / H90×W200×D200mm 萌え出ずる、空想の種 渡辺進と渡辺萌由は、富山大学芸術文化学部を卒業したのち、2014 年に結婚し、それを機に夫婦でアートユニット を結成した。2015 年から研究室兼アトリエ「 色団栗研究室」 (あめいろどんぐりけんきゅうしつ)として、世界の どこかにあるとも知れない森や遺跡を巡っては、素敵で不思議な面白いものを持ち帰り、標本箱を作ったり、試験 管で植物を培養したり、当時の姿に復元したりする活動を続けている。個展・グループ展開催やイベント参加の 一環として、昨年 11 月に開催された「第 6 回東京アンデパンダン」にも参加し、その人気投票「入札アンデパン ダン」で得票数 1 位に輝いて、今回の個展の機会を得たものである。 彼らが標本化した主なものを例にとって紹介すると、例えば、 「種花」は、葉もなく、根も出さず、種から茎と花のみ が伸びる植物が、高さ 12cm の試験管に入れられた標本である。様々な形の花を咲かせることから、かつて「花の 遺跡」では占いに使われていたという。また「母岩草」は、 「星の洞窟」に自生する浮遊性の水草の浮き部分である。 中には水晶のような結晶が育っている。 「 団栗」は、その名のとおり、光を受けてとろけた のように甘く輝くドン グリであり、これに漆で蒔絵を施した加飾 色団栗「種護」は、植物の種を信仰する古い文明の発掘物を再現した もの。その紋様はかつて「花の遺跡」で種を守るために描かれていたものだ。 研究室では、こうした標本の制作行為を「造形」とは呼ばず、 「未知の収集」と名付けている。それは、作家が芸術目 的で見いだした筈の「未知のもの」の標本について、 「木を削って塗装する」とか、 「粘土をこねて色を塗る」とか、 「紙を切って貼る」と表現してしまうと、作品が忽ち作りものとしか思えなくなってしまうからだ。こうしたこと を、仏師の立場から言えば、 「木の中から仏を彫りだす作業を通して、仏の自分に対面している」 (高野山法徳寺)のだ という。擬えて表現してみると、研究所では、 「素材の中から標本を造り出す作業を通じて、自分たちの中の発掘物に 対面している」ということになるのではないか。 「木の中の仏と出会うということと、自分の仏性と出会うこととは、同時なんですな。最初のうちは、自己とはつま らんものだと思うてます。自分よりもっともっとすばらしい、いいものを彫りたいと思います。そういうものを 目指して、一生懸命やればやる程自分になってしまうのです。 (中略)自分になったときに、初めて、 出けてるな と思うんですな。そうしているうちに、これはわたしの知らないわたしが、もう一つわたしの奥にいて、わたしを 見つめているのだな、ということを、フッと分からせて貰ろたんです。 」 (松久朋琳『仏の聲を彫る』より) 研究室の二人は、 「折角の緑萌え出ずる春に開催される展覧会なので、集めていた種や球根が発芽したところを展示 したい」のだという。首尾よく発芽した場合、その中には、球根のような部分が竜の形に見える「竜の雛」など、 とても珍しいものも含められる予定だという。さてさて。そういうことならば、観客の皆様とともに、楽しみに 観覧しようか。春の森、竜の寝息を。 深瀬記念視覚芸術保存基金代表 深瀬鋭一郎 PRESS RELEASE 種の瓶詰め / 2016 年 / H120×W40×D40mm アートユニット「 花の遺跡 / 2016 年 / H180×W400mm / 素材:朴の葉、アクリル絵具 色団栗研究室」(Caramel Acorn Laboratory) アートユニットとしての活動 2014 Photons Art Gallery 2015 EARTH GALLERY daydream Vol.8 「 色団栗研究室」 結成以前の活動歴 渡辺進 2013 未知の収集 / 2015 年 / H750×W750×D50mm 素材:非公開 渡辺萌由 63 42 64 43 64 展示 に 関 す る お 問 い 合わせ 〒1 3 5 - 0 0 4 2 東 京 都江東区木場 3 -1 8-1 7 1F Tel/Fax 03-5809-9949 Mail [email protected] HP http://earth-plus.net 担当:山中
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