需給動向 ベースメタル国際需給動向 小幅な上昇が続き、1,630US$/t で越月。 ● 亜鉛:10月は1,690.5US $/t でスタート。8日まで は1,600US$/t 台で推移したが、9日に Glencore の 亜鉛減産発表を受けて1,824.5US$/t まで急伸。12 日には1,835US$/t まで上昇したものの、その後 は、中国次期5カ年計画での経済成長率目標引き 下げや、米国年内利上げ実施見通しからドル高が 進み価格を圧迫。 11月に入っても亜鉛価格は下げ止まらず、11 日には1,568US$/t と6年ぶりの安値を更新。19日 には1,487US$/t と1,500US$/t を下回る安値を記 録。下旬は、底値拾いやドル安から買戻しの動 きが見られ、26日には1,600US$/t 台まで回復し たが最終的には1,545US$/t で越月。 ● ニッケル:10月は10,390US$/t でスタート。市場 の事前予想を下回る米国雇用統計から、世界経済 の 先 行 き 懸 念 が 圧 迫 材 料 と な り、2日 に は 10,000US$/t の大台を割り込む。その後、INSG による需給タイト化予測が発表され、また LME 在 庫 の 減 少、 ド ル 安 に 支 え ら れ9日 に は 10,710US$/t まで回復。中旬は、ECB による追加 金融緩和の可能性が示唆されたこと等を好感して 一時上昇する場面があったものの、中国 Q3GDP 成長率鈍化や同国株価下落を受け、10,500US$/t 前後を小幅なレンジでほぼ横ばい推移。23日に 10,600US$/t の値を付けた後は、ドル高基調が圧 迫材料となり下落傾向を辿り、10,135US$/t で越 月。 11月 は、3日 に9,995US$/t と 約1カ 月 ぶ り に 10,000US$/t を割り込んだ後は、中国経済の鈍化 を受け急落。同月23日には約12年半ぶりの安値 となる8,160US$/t を付けた。その後は、中国の ニッケル生産者による減産発表やドル高の進行 が一服したことを好感し、一時9,120US$/t まで 回復したものの、米国年内利上げ観測に伴う緩 やかなドル高進行や中国の経済減速懸念が下方 圧力となり、8,735US$/t まで値を落として11月 を終えた。 【米国経済】 ・10月 10月中旬までは景気に水を差す指標が多く発表さ れドル安傾向で推移。1日発表された8月の建設支出 は前月比0.7%増、前年同月比13.7%増で2008年5月以 来の高水準となったが、同日発表の9月の全米供給管 理協会(ISM)製造業指数が50.2と8月の51.1から悪 化。また2日に発表された9月の非農業部門雇用者数 は142千人増と市場予想の200千人増を下回り、8月の 確定値も下方修正。同日発表された失業率は前月同の 5.1%であった。 8日 に 公 表 さ れ た9月 の 連 邦 公 開 市 場 委 員 会 (FOMC)議事録では、中国経済の減速や金融市場の 混乱が米国のインフレ率や労働市場に与える影響を見 120 (667) 2016.1 金属資源レポート 極めるため、利上げに慎重な姿勢が示された。これも ドル安材料に働き、ドルは対ユーロで1.13US$ 台半ば まで軟化。 しかし22日に ECB ドラギ総裁が12月の追加緩和の 可能性について言及するとドル安の流れは止まり、ド ルは対ユーロで1.10US$ まで上昇。 さらに28日発表された FOMC 声明文で、「世界的 な経済・金融リスク」の表現が削除され、12月利上げ の可能性が高まったことで、ドルの対ユーロレートは 8月以来のドル高水準となる1.0903US$ まで上昇した。 ・11月 11月もドル高傾向が継続。2日発表された10月の ISM 製 造 業 PMI は 前 月 か ら ほ ぼ 変 わ ら ず の50.1と 2013年5月以来の低水準となったが、同日発表の10月 建設支出は前月比0.6%増、前年同月比14.1%増の1.09 兆 US$ と2008年3月以来の高水準を記録し、内需の力 強さを示した。 FRB イエレン議長は4日の議会証言で、経済データ が堅調であれば12月利上げの「現実的な可能性」はあ ると発言し、ドルは対ユーロで1.08US$ まで硬化。 さらに6日発表された10月の非農業部門雇用者数は 271千人増と2014年以来最大の増加。また、失業率は 5.0%と前月比0.1ポイント低下し、FRB が完全雇用状 態と見なす水準まで改善したことで、12月利上げの 可能性がさらに高まった。これを受け、ドルの対ユー ロレートは6カ月半ぶり高値水準となる1.07US$ まで 上昇し、銅価格を押し下げる要因となった。 13日に発表された10月の小売売上高が前月比0.1% 増と市場予想の0.3%増を下回り、景気拡大の期待感 が後退。このため同日のダウ平均株価が200US$ 以上 下落し、ドル安に一時的に振れるも、銅価下支えまで には及ばず。結果、5日から19日まで11営業日連続で 下落し、11日間の下げ幅は約600US$ となった。 19日のドル高一服を好感し、20日の銅価は11営業 日ぶりに小反発を見せたが、翌23日には4,515.5US$/t まで値を下げた(2009年5月以来の水準)。 月初から続いていたドル高傾向は25日に対ユーロ で1.05US$ を付けて以降は踊り場に入り、これに好感 し銅価も4,600US$/t 台まで回復。4,595.5US$/t で越月 した。 【中国経済】 ・10月 10∼11月は8∼9月に株価対策で発動された各種金 融政策の効果を見極める模様眺めの空気が支配。1日 に国家統計局が発表した9月の製造業 PMI は49.8とな り、予想値(49.6)を上回ったものの、前月に引き続 いて50を下回った。 19日発表された Q3の GDP 成長率は対前年同期比 6.9%と前回の7.0%を下回り、景気減速が改めて鮮明 となった。これを受け人民銀行は、貸出金利と預金金 利の引き下げを発表し(昨年11月以降6回目)、流動 性の供給増加による需要喚起を図った。 需給動向 ベースメタル国際需給動向︱銅︱ 図2-2.銅:LME 価格と US$/€ レートの推移(2015年1月∼2016年1月) 2016.1 金属資源レポート 123 (670) を辿っている(図2-5参照)。2015年11月の銅精鉱輸 入量は、対前月比36.5%増の1,437千 t(グロス)、銅 地金は同4.3%増の359千 t(グロス)であった。 需給動向 中国の銅精鉱、地金、スクラップの輸入量推移に ついて見ると、地金とスクラップは2014年後半より 概ね横ばいで推移しているが、精鉱については、若干 の振幅があるものの大きなトレンドとしては増加傾向 ベースメタル国際需給動向︱銅︱ 図2-5.中国の銅輸入量推移(2012年11月∼2015年11月) (出典:安泰科データを基に作成) 中国の輸入価格推移を図2-6に掲げる。LME 銅価格 の下落に伴い中国の輸入単価も低下してきており、 2015年11月における銅精鉱の輸入単価は、対前月比 4.8%減の1,383US$/ グロス t、銅地金は同3.3%減の 5,319 US$/ グロス t であった。 図2-6.中国の銅輸入単価推移(2012年11月∼2015年11月) (出典:安泰科データを基に作成) 2016.1 金属資源レポート 125 (672) Global Trade Atlas のデータを基に、精鉱、地金、 スクラップに係る中国の輸入量と輸入単価を表2-1∼ 2-3に示す。 2015年1-11月の精鉱輸入量は前年同期比で10.7%増加 した(表2-1参照) 。特にペルーからの輸入量は同29.4% 増となり、2015年7月に操業開始を迎えたToromocho 需給動向 表2-1.中国の銅精鉱輸入量と単価 輸入相手国 Chile ベースメタル国際需給動向︱銅︱ Peru Mongolia Australia Mexico United States Canada Kazakhstan Turkey Laos その他 計 2014 年 輸入量 2,942,108 (t) 平均単価 1,938 (US$/t) 輸入量 2,038,112 (t) 平均単価 1,844 (US$/t) 輸入量 1,352,802 (t) 平均単価 2,017 (US$/t) 輸入量 962,378 (t) 平均単価 1,841 (US$/t) 輸入量 777,033 (t) 平均単価 1,798 (US$/t) 輸入量 617,363 (t) 平均単価 1,673 (US$/t) 輸入量 506,230 (t) 平均単価 2,061 (US$/t) 輸入量 401,956 (t) 平均単価 1,756 (US$/t) 輸入量 251,491 (t) 平均単価 1,192 (US$/t) 輸入量 223,261 (t) 平均単価 1,627 (US$/t) 輸入量 1,789,099 (t) 輸入量 11,861,833 (t) 平均単価 1,673 (US$/t) 【参考】 2015 年 2015 年 2015 年 2015 年 2015 年 2015 年 2015 年 2014 年 増減比 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 1∼11 月 1∼11 月 250,401 220,593 392,723 311,521 294,746 1,601 1,529 1,542 1,400 1,401 136,107 205,882 223,209 324,433 200,111 1,500 1,492 1,364 1,449 1,217 124,291 121,009 120,204 130,202 139,565 2,100 1,777 1,539 1,231 1,249 1,439 1,634 1,985 −17.6% 91,873 45,058 72,456 51,592 67,758 126,227 749,999 893,011 −16.0% 1,609 1,702 1,342 1,364 1,472 1,252 1,252 1,830 −31.6% 68,832 67,670 59,062 38,339 48,591 76,289 613,856 754,218 −18.6% 1,656 1,590 1,643 1,506 1,551 1,270 1,625 1,813 −10.4% 67,879 20,338 66,884 48,667 46,585 55,495 633,849 1,492 1,470 1,590 1,585 1,480 1,322 1,322 1,666 −20.7% 48,661 5,171 50,557 53,404 39,308 40,404 386,757 461,190 −16.1% 1,700 1,834 1,345 1,689 1,627 1,610 1,610 2,064 −22.0% 18,840 14,358 14,972 18,490 9,574 41,841 207,724 382,915 −45.8% 1,059 986 988 833 830 834 994 1,776 −44.0% 10,235 8,416 15,620 7,248 13,773 7,305 140,851 233,693 −39.7% 984 1,068 763 860 816 886 988 1,144 −13.6% 31,518 20,027 44 30,202 30,723 10,833 212,661 193,438 9.9% 1,502 1,335 2,023 1,282 1,343 1,349 1,481 1,636 −9.4% 139,700 237,532 136,170 199,320 161,937 200,845 2,025,543 1,649,514 22.8% 988,337 966,054 1,151,901 1,213,418 1,052,671 1,437,317 11,841,507 10,694,839 10.7% 1,492 1,470 1,590 1,585 1,480 455,458 3,311,355 2,598,449 1,292 1,579 1,951 −19.1% 289,863 2,282,655 1,764,145 1,374 1,469 1,531 29.4% 1,857 −20.9% 132,757 1,276,257 1,208,749 1,322 27.4% 555,517 1,666 5.6% 14.1% −8.1% (出典:Global Trade Atlas データ) 126 (673) 2016.1 金属資源レポート 鉱山の生産が寄与しているものと考えられる。 単価については LME 価格下落の影響により大幅に 低下しており、平均単価は同8.1%減となった。 2015年1-11月の地金輸入量については、前年同期 比0.8% の 減 少 と なった(表2-2参 照) 。輸入相手先 トップのチリは同2.9%の増加となったが、インド、 輸入相手国 06/2015 07/2016 08/2017 09/2017 10/2017 11/2017 2015 年 1∼11 月 【参考】 2014 年 1∼11 月 増減比 % 1,265,358 94,573 105,892 93,372 103,693 103,120 120,208 1,162,497 1,129,342 7,076 6,224 5,933 5,525 5,355 5,371 5,130 5,843 7,108 −17.8% 332,297 19,712 7,445 3,090 27,225 38,754 27,518 151,450 305,838 −50.5% 7,084 6,121 5,865 5,406 5,380 5,392 5,259 5,823 7,117 −18.2% 312,917 24,019 22,603 21,419 28,040 23,748 31,599 185,934 289,647 −35.8% 7,120 6,130 5,910 5,509 5,323 5,391 5,159 5,817 7,165 −18.8% 240,050 18,959 21,389 28,026 33,515 18,832 9,471 184,380 220,161 −16.3% 7,090 6,319 5,904 5,625 5,374 5,444 5,423 5,916 7,118 −16.9% 168,166 10,355 13,160 10,349 16,308 14,088 14,765 105,634 158,972 −33.6% 6,991 6,113 5,920 5,563 5,225 5,183 5,120 5,771 7,018 −17.8% 167,228 2,824 1,740 3,775 9,964 15,268 11,538 31,731 156,243 −79.7% 7,097 5,998 5,835 5,190 5,227 5,136 5,063 5,714 7,158 −20.2% 154,546 9,615 13,846 10,734 16,247 12,836 2,274 76,885 141,740 −45.8% 7,067 6,101 5,759 5,370 5,380 5,264 4,985 5,772 7,093 −18.6% 118,480 12,307 16,131 13,748 16,711 15,524 9,690 99,541 6,954 6,220 5,784 5,439 5,341 5,319 5,189 5,768 6,983 −17.4% 117,204 7,809 7,719 9,242 8,320 8,325 12,845 85,255 109,768 −22.3% 7,066 6,231 5,849 5,578 5,208 5,190 5,188 5,816 7,083 −17.9% 112,629 3,700 4,226 2,599 5,315 5,511 9,461 37,909 105,476 −64.1% 7,056 6,439 5,848 5,594 5,349 5,347 5,150 5,836 7,089 −17.7% 646,818 55,327 49,682 71,033 90,108 90,474 111,588 434,197 593,420 −26.8% 3,635,693 259,200 263,833 267,387 355,446 346,480 7,059 6,161 5,867 5,487 5,312 5,308 105,814 360,957 3,291,275 3,316,421 5,155 5,808 2.9% −5.9% −0.8% 7,092 −18.1% (出典:Global Trade Atlas データ) 2016.1 金属資源レポート 127 (674) ベースメタル国際需給動向︱銅︱ 輸入量 (t) Chile 平均単価 (US$/t) 輸入量 (t) India 平均単価 (US$/t) 輸入量 (t) Australia 平均単価 (US$/t) 輸入量 (t) Japan 平均単価 (US$/t) 輸入量 (t) Kazakhstan 平均単価 (US$/t) 輸入量 (t) Zambia 平均単価 (US$/t) 輸入量 (t) Peru 平均単価 (US$/t) 輸入量 (t) Korea South 平均単価 (US$/t) 輸入量 (t) Poland 平均単価 (US$/t) 輸入量 (t) Belgium 平均単価 (US$/t) 輸入量 その他 (t) 輸入量 (t) 計 平均単価 (US$/t) 2014 年 需給動向 表2-2.中国の銅地金輸入量と単価 豪州、日本、カザフスタン、ザンビアは減少となっ た。単価については同18.1%の下落となった。図2-7 に輸入相手先主要3国の内訳を示す。 2015年1-11月の銅スクラップ輸入量は対前年同期 比6.6% 減(表2-3参 照)。 ま た 平 均 輸 入 単 価 は 同 17.7%の低下となった。 需給動向 表2-3.中国の銅スクラップ輸入量と単価 輸入相手国 2014 年 輸入量 781,568 (t) 平均単価 2,850 (US$/t) 輸入量 581,146 (t) Hong Kong 平均輸入単価 2,617 (US$/t) 輸入量 412,274 (t) Australia 平均単価 2,468 (US$/t) 輸入量 264,586 (t) Japan 平均単価 2,946 (US$/t) 輸入量 315,492 (t) Malaysia 平均単価 2,141 (US$/t) 輸入量 219,985 (t) Netherlands 平均単価 2,390 (US$/t) 輸入量 188,784 (t) United Kingdom 平均単価 3,620 (US$/t) 輸入量 230,533 (t) Germany 平均単価 2,713 (US$/t) 輸入量 70,930 (t) Philippines 平均単価 2,870 (US$/t) 輸入量 78,938 (t) Korea South 平均輸入単価 2,379 (US$/t) 輸入量 その他 730,712 (t) 輸入量 3,874,948 (t) 計 平均輸入単価 2,870 (US$/t) United States 【参考】 2015 年 2015 年 2015 年 2015 年 2015 年 2015 年 2015 年 2014 年 増減比 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 1∼11 月 1∼11 月 ベースメタル国際需給動向︱銅︱ 60,003 64,578 45,645 64,779 59,526 56,583 604,220 714,651 −15.5% 2,427 2,607 2,608 2,233 2,196 2,045 2,483 2,880 −13.8% 49,256 51,918 51,469 44,542 39,984 45,247 500,816 1,927 1,969 1,841 1,846 1,853 1,732 1,924 34,279 39,577 39,225 35,723 30,235 34,516 339,881 2,050 2,129 1,996 1,870 1,899 1,761 1,989 2,486 −20.0% 27,232 27,222 8,470 11,333 15,847 17,863 197,861 239,304 −17.3% 2,692 2,587 2,802 2,379 2,278 2,265 2,574 2,938 −12.4% 22,834 30,116 27,425 34,676 26,688 28,100 269,973 1,670 1,657 1,684 1,573 1,456 1,498 1,658 15,173 25,128 17,990 21,785 18,852 14,661 203,505 199,106 2.2% 2,390 2,337 2,594 2,402 2,344 1,911 2,370 2,381 −0.5% 17,738 17,631 13,736 18,820 14,481 16,295 166,540 172,666 −3.5% 2,699 2,844 2,870 2,696 2,634 2,360 2,883 17,593 24,526 19,979 24,025 20,114 22,815 213,895 2,379 2,136 2,232 2,120 1,968 1,652 2,182 9,301 8,831 9,232 13,721 7,242 10,839 92,911 1,469 1,393 1,393 1,256 1,436 1,313 1,417 2,972 −52.3% 7,403 5,433 3,264 8,023 7,962 5,954 62,084 72,920 −14.9% 1,885 1,971 1,578 1,357 1,345 1,507 2,113 2,324 −9.1% 55,925 63,200 53,868 62,900 53,191 50,604 626,845 663,879 −5.6% 316,737 358,160 290,303 340,327 294,122 303,477 3,278,531 3,508,414 −6.6% 2,365 2,424 2,345 2,209 2,176 2,001 2,374 520,780 −3.8% 2,656 −27.6% 374,022 286,902 −9.1% −5.9% 2,141 −22.6% 3,608 −20.1% 204,701 4.5% 2,720 −19.8% 59,483 56.2% 2,885 −17.7% (出典:Global Trade Atlas データ) 128 (675) 2016.1 金属資源レポート 需給動向 (出典:Global Trade Atlas データ) < 供給・鉱山生産 > 国際銅研究会(ICSG)が発表した2015年1-9月の鉱 山生産量は、対前年同期比3.3% 増の1,412.3万 t となっ た。 内 訳 を 見 る と 精 鉱 が 同3.9% 増 の1,130.1万 t、 SxEw は同1.2%増の291.3万 t であった。上位生産国 12カ国の鉱山生産量を表2-4に示す。 2015年10∼11月の銅の鉱山生産をめぐる主な動向 は以下のとおりである。 ・2015年9月 下 旬、 チ リ Collahuasi 銅 鉱 山(Anglo American と Glencore が共同オペレーター)は、年 間 生 産 量3万 t の 減 産 計 画 を 発 表 し た。 減 産 は、 リーチングプラントの操業縮小を通じて実施される ものであり、会社側は労働組合に対して、110名程 度が解雇されると説明したとされるが、労働組合側 は失業者数は200名程度になるものと予想してお り、抗議する構え。Collahuasi 鉱山の2014年の銅生 産量は、47万 t であった。 ・2015年10月3日、Antucoya 銅鉱山(第Ⅱ州)で生産 された銅カソードの輸出が開始された。Antucoya 鉱山は、Antofagasta の北東140 km の位置にあり、 2015年7月に建設工事を完了し、その後、試運転段 階に移行していた。年間の銅カソードの生産規模は 85,000t、2015年の生産目標は10,000t とされる。 ・2015年10月12日、Glencore は、 豪 州 NSW 州 の Cobar 銅鉱山とチリの Lomas Bayas 銅鉱山を売却 する予定であると発表。同社によれば、Cobar 銅鉱 山は高品位の坑内掘りの鉱山であり、年間約5万 t (銅分換算量)の銅精鉱の生産が行われている。ま た、チリの Lomas Bayas 銅鉱山は低コストの露天 掘りの鉱山であり、年間約7.5万 t の銅カソードの生 産が行われている。同社によれば両鉱山の取得に対 して多くの関心が寄せられている。 ・2015年10月13日付けメディア報道によると、Collahuasi 銅鉱山 Gomez社長は、銅価格下落状況を考慮してすべ ての拡張計画を先送りすることを決定したとする内容 の社内通達を出した模様。影響を受ける大型拡張事業 としては第3フェーズ拡張事業(年間生産能力44.4万t を追加する拡張事業で、投資額は65億US$)とリーチ ングパッド拡張事業(投資額:5千万US$)がある。前 者は現在プレFS段階にあり、後者は、2015年1月に提 出した環境影響評価書の承認が取得される見込みと 2015年8月に報じられたところだった。Collahuasi鉱山 は、9月、年間3万tの減産と労働者の解雇(組合側発 表では200名)を実施すると発表している。 ・2015年10月23日、豪 SA 州で Prominent Hill 銅・金 鉱山を操業する Oz Minerals 社は、同鉱山の生産が 順調なため、2015年の銅の年間生産目標を当初の 110,000∼120,000t か ら126,000∼131,000t に 引 き 上 げることを7∼9月期四半期報告で発表した。同社 の7∼9月期の銅生産量は33,518t となり、4∼6月期 よ り も28% 増 加、 前 年 同 期 よ り も1.6% の 増 加 と なった。2015年1∼9月にかけての同社の銅生産量 は過去最高の97,669t となっている。さらに、同社 は 銅 の 生 産 コ ス ト(C1 cash costs)を0.80∼0.95 US$/lb から0.7∼0.8 US$/lb に削減している。7∼9 月期の銅の生産コストは0.74 US$/lb であり、2015 年1∼9月 に か け て の 同 社 の 銅 生 産 コ ス ト は0.71 US$/lb となっている。一方で7∼9月期の金生産量 は23,817 oz(約0.74t)にとどまり、4∼6月期より も3.9%の減少となった。 ・2015年10月21日付け BHP Billiton の2015年第3四半 期操業実績報告によると、同期の Escondida 銅鉱山 (第Ⅱ州)における銅生産量は、230,200t であった。 内 訳 は 銅 精 鉱 分:159,600t、SxEw 銅 カ ソード: 70,900t で、 前 期 生 産 量 と 比 較 す る と そ れ ぞ れ、 35.4%減、20.2%減、前年同期と比較するとそれぞ れ、20.0% 減、2.3% 増 と なった。 採 掘 鉱 石 量 は 110,067千 t で、前期および前年同期を上回ったが、 銅平均品位が1.00%となり、前期の1.32%、あるい は前年同期の1.20%から低下したことが影響した。 Cerro Colorado 銅鉱山(第 I 州)および Spence 銅鉱 山(第Ⅱ州)の生産量(いずれも SxEw 銅カソード) はそれぞれ13,700t(前年同期比12.7%減)、43,100t (前年同期比7.5%増)であった。 2016.1 金属資源レポート 129 (676) ベースメタル国際需給動向︱銅︱ 図2-7.中国の銅精鉱輸入の内訳(2014年1月∼2015年11月) 表2-4.主要生産国別鉱山生産量 (単位:千 t) 2014 年 需給動向 精鉱 豪州 SxEw カナダ ベースメタル国際需給動向︱銅︱ チリ 中国 モンゴル ペルー ロシア 米国 その他 79.2 70.0 2015 5月 72.3 2015 6月 70.0 2015 7月 71.5 2015 8月 77.0 2015 9月 78.0 【参考】 2015 年 2014 年 1-9 月 1-9 月 671.7 691.1 増減 −2.8% 2.8 2.5 2.8 3.7 3.8 3.7 3.8 3.8 3.7 30.7 30.5 0.5% 82.0 77.0 82.0 73.7 76.2 73.7 75.3 80.8 81.7 702.4 721.6 −2.7% 精鉱 694.8 49.2 50.1 62.4 60.1 59.0 59.0 54.5 55.7 59.4 509.3 530.0 −3.9% 0.9 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.0 0.5 SxEw 0.7 −38.9% 計 695.7 49.2 50.1 62.4 60.2 59.1 59.1 54.6 55.8 59.4 509.8 530.8 −4.0% 精鉱 3,905.6 364.3 300.1 331.1 327.3 355.1 357.6 317.3 298.3 323.6 2,974.7 2,903.8 2.4% SxEw 1,844.0 153.8 144.9 141.4 142.0 151.5 152.0 138.7 143.4 144.2 1,311.9 1,353.3 −3.1% 計 5,749.6 518.1 445.0 472.5 469.3 506.6 509.6 456.0 441.7 467.8 4,286.6 4,257.1 0.7% 精鉱 1,741.0 140.0 125.0 139.0 145.0 140.0 145.0 147.0 155.0 156.0 1,292.0 1,301.2 −0.7% 40.0 3.6 3.2 3.9 3.4 3.5 3.4 3.5 3.5 3.4 31.4 29.0 8.3% 計 1,781.0 143.6 128.2 142.9 148.4 143.5 148.4 150.5 158.5 159.4 1,323.4 1,330.3 −0.5% 精鉱 144.2 11.1 10.0 11.1 9.8 10.1 9.8 11.9 11.9 11.6 97.3 SxEw 770.6 69.5 62.8 69.5 68.0 70.3 68.0 67.4 67.4 65.2 608.1 573.8 計 914.8 80.6 72.8 80.6 77.8 80.4 77.8 79.3 79.3 76.8 705.4 686.8 2.7% 精鉱 377.4 41.9 37.9 41.9 50.5 52.2 50.5 52.8 51.1 52.8 431.7 264.3 63.3% 113.0 −13.9% 6.0% 1.4 0.0 0.0 0.0 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.7 計 378.8 41.9 37.9 41.9 50.6 52.3 50.6 53.0 51.3 53.0 432.4 265.3 63.0% 精鉱 335.0 26.9 27.6 27.3 28.9 31.2 27.9 30.1 31.2 29.8 260.9 258.7 0.9% SxEw 180.0 15.4 13.6 15.5 14.9 15.4 15.2 15.5 15.5 16.7 137.7 127.4 8.1% 計 515.0 42.3 41.2 42.8 43.8 46.6 43.1 45.6 46.7 46.5 398.6 386.1 3.2% 精鉱 265.0 21.9 19.8 21.9 28.1 29.1 28.1 29.0 29.0 28.0 234.8 185.0 26.9% 2.5 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 1.9 1.9 0.3% SxEw 1.0 −28.0% 計 267.5 22.1 20.0 22.1 28.3 29.3 28.3 29.2 29.2 28.2 236.7 186.9 26.7% 精鉱 1,295.8 105.2 94.0 122.6 120.0 129.3 139.9 144.2 144.7 142.2 1,142.0 966.2 18.2% SxEw 83.8 6.7 5.7 6.4 5.8 6.0 5.8 6.0 6.4 6.0 54.8 計 1,379.6 111.9 99.7 129.0 125.8 135.3 145.7 150.1 151.1 148.2 1,196.9 1,029.9 精鉱 730.0 62.0 56.0 62.0 60.0 62.0 60.0 62.0 62.0 60.0 546.0 542.6 0.6% 10.0 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 7.5 7.5 −0.3% 計 740.0 62.8 56.8 62.8 60.8 62.8 60.8 62.8 62.8 60.8 553.5 550.1 0.6% 精鉱 871.2 68.8 67.3 77.2 68.1 65.7 65.1 76.0 69.6 65.8 623.6 668.0 −6.6% SxEw 63.7 −14.0% 16.2% 513.5 44.5 40.5 46.6 45.4 45.9 45.9 48.4 52.4 54.5 424.1 376.1 12.8% 計 1,384.7 113.3 107.8 123.8 113.5 111.6 111.0 124.4 122.0 120.3 1,047.7 1,044.1 0.3% 精鉱 522.2 44.1 39.8 44.1 45.2 46.7 45.2 49.8 49.8 48.2 413.0 374.7 10.2% SxEw 188.5 12.5 11.3 12.5 13.6 14.0 13.6 14.0 14.0 13.5 118.7 147.1 −19.3% 計 710.7 56.5 51.1 56.5 58.8 60.7 58.8 63.8 63.8 61.8 531.7 522.0 精鉱 2,801.8 237.4 216.1 238.4 233.6 241.3 234.0 241.2 235.5 225.9 2,103.5 2,082.4 1.0% 225.5 19.2 17.6 20.1 20.6 21.3 20.6 21.9 22.0 21.3 184.5 164.8 12.0% 3,027.2 256.7 233.7 258.5 254.2 262.5 254.6 263.1 257.6 247.2 2,288.1 2,247.2 1.8% 14,611.5 1,252.0 1,118.2 1,258.3 1,246.6 1,293.9 1,292.1 1,287.4 1,270.9 1,281.4 11,300.7 10,880.9 3.9% SxEw 計 精鉱 世界計 74.5 2015 4月 42.0 SxEw ザンビア 79.2 2015 3月 969.5 インドネシア SxEw メキシコ 927.5 2015 2月 計 SxEw DR コンゴ 2015 1月 SxEw 計 3,902.7 329.1 303.0 319.7 318.5 332.9 329.4 320.4 329.7 329.8 2,912.5 1.9% 2,876.9 1.2% 18,514.2 1,581.1 1,421.2 1,578.0 1,565.1 1,626.7 1,621.5 1,607.8 1,600.6 1,611.1 14,213.2 13,758.1 3.3% (出典:ICSG データを基に作成) 130 (677) 2016.1 金属資源レポート 表2-5.チリの銅精鉱輸出量と単価 (単位:千 t) 輸出相手国 China Japan India Korea South Brazil Spain Bulgaria Germany Finland Sweden その他 計 2014年 輸出量 3,005,429 (t) 平均単価 1,768 (US$/t) 輸出量 2,523,835 (t) 平均単価 1,849 (US$/t) 輸出量 1,261,013 (t) 平均単価 1,777 (US$/t) 輸出量 735,902 (t) 平均単価 1,821 (US$/t) 輸出量 448,296 (t) 平均単価 1,756 (US$/t) 輸出量 431,588 (t) 平均単価 1,769 (US$/t) 輸出量 232,531 (t) 平均単価 1,744 (US$/t) 輸出量 213,387 (t) 平均単価 1,773 (US$/t) 輸出量 88,965 (t) 平均単価 1,656 (US$/t) 輸出量 70,994 (t) 平均単価 1,697 (US$/t) 輸出量 157,587 (t) 輸出量 9,169,527 (t) 平均単価 1,798 (US$/t) 2015年 3月 2015年 4月 2015年 5月 2015年 6月 2015年 7月 2015年 8月 2015年 9月 【参考】 2015年 2015年 2014年 10月 1∼10月 1∼10月 140,644 356,728 280,653 244,100 469,810 283,435 369,895 1,481 1,522 1,449 1,438 1,406 1,324 1,193 194,268 202,369 184,918 175,842 256,738 217,692 85,488 1,487 1,571 1,537 1,550 1,434 1,295 1,127 84,695 61,970 83,100 131,302 255,837 31,752 120,504 1,437 1,418 1,768 1,486 1,427 1,246 1,206 1,335 1,452 34,319 118,866 42,034 46,750 95,874 63,470 48,265 68,565 639,851 1,368 1,499 1,534 1,710 1,596 1,361 1,209 1,198 1,485 1,857 −20.0% 0 19,615 41,516 21,520 29,424 20,941 84,276 15,782 283,501 351,359 −19.3% 0 1,689 1,482 1,728 1,535 1,359 1,326 1,236 1,543 1,758 −12.2% 47,847 47,919 81,213 22,909 42,686 2,174 52,167 0 339,877 1,416 1,408 1,587 1,477 1,455 1,017 1,350 0 1,400 11,005 10,990 14,899 21,820 55,965 0 31,924 19,920 216,206 1,447 1,625 1,671 1,382 1,474 0 1,311 1,245 1,461 20,207 33,014 10,904 34,812 43,256 11,097 0 22,326 214,226 1,386 1,311 1,450 1,434 1,324 1,180 0 1,277 1,361 1,780 −23.5% 0 0 0 11,002 0 32,483 0 0 54,291 67,598 −19.7% 0 0 0 1,452 0 1,232 0 0 1,435 1,716 −16.3% 10,393 0 0 0 10,800 9,910 0 0 42,203 60,883 −30.7% 1,338 0 0 0 1,414 1,453 0 0 1,379 1,705 −19.1% 5 15,001 16,830 9,274 8,423 0 9,244 22,074 96,351 543,383 866,472 756,067 719,331 1,268,813 672,953 801,762 1,456 1,514 1,528 1,310 1,208 1,499 1,434 324,556 3,034,699 2,411,576 増減比 1,178 1,421 25.8% 1,795 −20.8% 138,194 1,835,278 2,109,273 −13.0% 1,170 1,438 1,869 −23.1% 69,670 1,137,157 1,127,373 0.9% 1,803 −19.5% 636,260 331,513 0.6% 2.5% 1,784 −21.5% 178,297 21.3% 1,768 −17.3% 193,285 10.8% 106,447 −9.5% 681,086 7,893,640 7,573,864 4.2% 1,202 1,436 1,821 −21.2% (出典:Global Trade Atlas データ) 2016.1 金属資源レポート 131 (678) ベースメタル国際需給動向︱銅︱ 雇を実施する。解雇対象者は、Radomiro Tomic 銅 鉱山を除く各ディビジョンの監督職。今回の解雇方 針発表は、9月に発表された上級管理職47名の解雇 (同職の15.6%)に続くものである。同社は、解雇 は銅価格下落に対応するための措置であり、監督職 人員の8%を削減することで、年間48百万 US$ の経 費削減が可能になる、としている。10月30日付け メディア報道によると、話合いがないまま解雇につ いて発表されたと批判する FESUC(CODELCO 監 督職組合)は、対処方針を決定するための組合集会 を開催する方針とされる。また、Chuquicamata 鉱 需給動向 ・2015年10月22日付け地元紙各紙によると、Toromocho 銅鉱山では、10月21∼22日、昇給に関する労使交渉 が合意に至らなかったことを理由として48時間ストラ イキが実施された。労働者側は8%の昇給を求めてい るのに対し、Chinalco社(本社:中国)は4.2%を提示 している。なおChinalco社のBarrenechea総務部長は、 今回のストライキに関しては緊急対応計画の適用に よって生産への影響は出なかったとしつつ、今後も交 渉を続けていく旨明らかにした。 ・2015年10月29日付け CODELCO のニュースリリー スによると、同社は監督職350名(同職の8%)の解 需給動向 ベースメタル国際需給動向︱銅︱ 山および Andina 鉱山では労働組合側による事務所 占拠が発生したと伝えられている。 ・Antofagasta Plc 社は2015年10月28日付け2015年第 3四半期生産実績報告において、2015年銅生産目標 を635,000t に下方修正すると発表した。Centinela 鉱山の選鉱施設のランプアップの遅延等より、第3 四半期生産量が想定よりも少なかったため。生産目 標の下方修正は4月および7月に続いて3度目。Los Pelambres 鉱 山 で の 地 域 住 民 抗 議 行 動 お よ び Centinela 鉱山での豪雨被害(4月) 、Antucoya 鉱山 のランプアップ遅延(7月)により下方修正された。 当初の2015年銅生産目標は、710,000t。2015年第3 四半期の銅生産量は、前期と同じ157,000t であっ た。1∼9月の累計生産量は、460,400t で、前年同期 比11.0%減となった。モリブデン生産量は、前期と 同 じ2,600t で、1∼9月 の 累 計 生 産 量 は7,300t と な り、前年同期比32.7%増となった。 Global Trade Atlas のデータによるチリとペルーの 各月の精鉱輸出量と輸出単価を表2-5、表2-6に示す。 表2-6.ペルーの銅精鉱輸出量と単価 (単位:千 t) 輸出相手国 2014年 輸出量 2,003,561 (t) China 平均単価 1,709 (US$/t) 輸出量 493,907 (t) Japan 平均単価 1,481 (US$/t) 輸出量 242,752 (t) Germany 平均単価 2,069 (US$/t) 輸出量 162,045 (t) Korea South 平均単価 1,972 (US$/t) 輸出量 134,786 (t) Chile 平均単価 2,404 (US$/t) 輸出量 132,814 (t) Spain 平均単価 1,833 (US$/t) 輸出量 109,174 (t) Bulgaria 平均単価 1,983 (US$/t) 輸出量 105,675 (t) Brazil 平均単価 1,953 (US$/t) 輸出量 87,520 (t) Namibia 平均単価 1,352 (US$/t) 輸出量 73,168 (t) Finland 平均単価 2,063 (US$/t) 輸出量 その他 347,862 (t) 輸出量 3,893,264 (t) 計 平均単価 1,787 (US$/t) 2015年 4月 2015年 5月 2015年 6月 2015年 7月 2015年 8月 2015年 9月 2015年 10月 【参考】 2015年 2014年 1∼10月 1∼10月 328,791 2,124,118 1,617,831 増減比 139,933 142,871 281,415 179,824 282,969 271,991 1,327 1,426 1,332 1,372 1,267 1,168 1,215 1,325 1,725 −23.2% 40,702 31,946 73,416 85,191 31,131 10,451 21,588 429,678 407,787 5.4% 1,386 1,537 1,185 1,480 936 822 1,195 1,242 1,513 −17.9% 47,961 24,869 0 10,037 41,313 19,779 31,036 237,173 221,782 6.9% 1,606 1,692 0 1,388 1,817 980 1,607 1,543 2,096 −26.4% 20,162 18,128 27,601 19,719 6,086 23,287 16,236 160,940 140,437 14.6% 1,571 1,550 1,373 1,541 909 1,449 1,336 1,345 1,956 −31.3% 0 0 0 10,049 10,067 1,550 21,441 43,710 106,878 −59.1% 0 1,171 45,000 2,076 1,990 1,486 1,685 7,048 2,497 182.2% 45,962 11,850 43,162 0 10,450 0 10,054 158,801 105,314 50.8% 1,298 1,853 1,690 0 833 0 2,308 1,596 1,921 −16.9% 0 10,450 10,520 21,938 20,168 0 0 73,553 88,527 −16.9% 0 1,187 2,368 1,282 1,411 0 0 1,679 2,051 −18.2% 0 9,941 11,101 23,851 10,306 16,514 6,338 122,301 74,296 64.6% 0 1,496 1,413 1,831 1,112 861 1,043 1,293 2,083 −37.9% 0 20,764 0 19,599 0 20,141 0 80,872 68,914 17.4% 0 1,162 0 1,020 0 898 0 999 1,408 −29.0% 0 10,584 10,257 10,197 0 20,372 0 66,591 52,716 26.3% 0 1,074 2,040 1,512 0 1,697 0 1,624 2,026 −19.8% 1,232 26,166 49,094 16,102 45,667 49,859 26,644 336,536 262,074 28.4% 295,952 307,569 506,566 396,507 458,157 433,944 462,128 3,834,273 3,146,556 21.9% 1,395 1,418 1,411 1,442 1,287 1,214 1,283 1,355 1,820 31.3% −25.5% (出典:Global Trade Atlas データ) 132 (679) 2016.1 金属資源レポート < 供給・地金生産 > 2015年1-9月の世界の地金生産量(SxEw、一次地 金、二次地金の計)は、前年同期比1.4%増の1,684.5 万 t となった。主要生産国別の地金生産量を表2-7に 示す。 (単位:千 t) チリ 中国 DR コンゴ ドイツ インド 日本 韓国 ポーランド ロシア 米国 ザンビア その他 世界計 SxEw 一次 計 SxEw 一次 計 SxEw 一次 二次 計 SxEw 一次 計 一次 二次 計 一次 計 一次 二次 計 一次 二次 計 一次 二次 計 SxEw 一次 二次 計 SxEw 一次 二次 計 SxEw 一次 計 SxEw 一次 二次 計 SxEw 一次 二次 計 2015 5月 2015 6月 2015 7月 2015 8月 2015 9月 2015 年 1-9 月 42.0 466.5 508.5 1,844.0 885.4 2,729.4 40.0 5,354.0 2,255.0 7,649.0 739.8 40.0 779.8 389.0 285.0 674.0 766.0 766.0 1,296.6 257.6 1,554.2 491.2 110.5 601.7 469.1 107.8 576.9 10.0 664.1 220.1 894.2 513.5 535.3 46.0 1,094.8 209.1 288.8 497.9 494.1 3,018.2 633.5 4,145.9 3,892.5 14,664.2 3,915.5 22,472.2 3.8 29.1 32.9 151.5 74.4 225.9 3.5 449.1 196.3 648.9 68.2 3.4 71.6 32.8 24.2 57.0 69.3 69.3 118.7 15.6 134.3 45.5 11.4 56.9 38.0 8.7 46.7 0.8 56.5 18.7 76.0 45.9 36.4 4.4 86.7 16.2 27.4 43.5 43.0 256.2 53.2 352.4 332.9 1,236.7 332.5 1,902.1 3.7 28.1 31.8 152.0 76.4 228.4 3.4 460.7 200.4 664.4 66.0 3.3 69.3 33.3 23.4 56.7 67.0 67.0 112.6 19.1 131.6 45.1 11.0 56.1 38.0 8.8 46.8 0.8 54.7 18.1 73.6 45.9 41.7 3.3 90.9 15.6 26.5 42.1 42.0 243.4 48.9 334.2 329.4 1,230.6 332.9 1,892.9 3.8 32.8 36.6 138.7 65.7 204.4 3.5 461.7 210.3 675.5 65.7 3.4 69.1 33.5 23.2 56.7 67.0 67.0 109.3 22.9 132.1 45.5 11.4 56.9 40.4 8.7 49.1 0.8 55.5 18.6 74.9 48.4 42.5 3.6 94.5 15.7 28.3 44.0 43.8 249.3 53.8 346.9 320.4 1,234.9 352.5 1,907.8 3.8 32.8 36.6 143.4 75.5 218.9 3.5 448.8 213.3 665.6 65.7 3.4 69.1 32.5 23.2 55.7 64.0 64.0 110.4 22.3 132.7 45.5 11.4 56.9 40.4 8.7 49.1 0.8 55.5 18.6 74.9 52.4 36.7 3.9 93.0 15.7 28.3 44.0 44.4 248.4 52.1 344.9 329.7 1,222.2 353.5 1,905.4 3.7 30.7 33.7 286.9 37.4 317.5 144.2 1,311.9 81.9 646.2 226.1 1,958.1 3.4 31.4 448.3 3,943.3 218.5 1,788.1 670.2 5,762.8 63.6 590.2 3.3 30.0 66.8 620.2 32.5 297.7 23.4 211.2 55.9 508.8 67.0 602.5 67.0 602.5 99.3 967.3 21.1 179.3 120.4 1,146.6 44.1 401.9 11.0 100.2 55.1 502.1 39.1 350.4 8.5 77.7 47.5 428.2 0.8 7.5 54.1 497.9 18.1 164.4 73.0 669.7 54.5 424.1 38.9 356.8 4.2 35.5 97.6 816.4 15.2 136.6 27.4 251.4 42.5 388.0 44.4 380.1 248.2 2,280.8 50.5 462.9 343.1 3,123.8 329.8 2,912.5 1,217.5 10,913.1 355.3 3,019.2 1,902.6 16,844.8 増減 0.5% −18.9% −17.3% −3.1% −1.0% −2.4% 8.3% 1.4% 8.5% 3.5% 7.2% 0.0% 6.9% 2.7% −0.7% 1.3% 6.2% 6.2% −0.7% −7.1% −1.7% 11.6% 34.5% 15.5% 1.0% −5.0% −0.2% −0.3% −0.0% −0.1% −0.1% 12.8% −20.9% 2.2% −5.2% −16.0% 22.8% 5.5% 5.7% 1.8% −2.4% 1.6% 1.5% 0.5% 4.7% 1.4% (出典:ICSG データを基に作成) 2016.1 金属資源レポート 133 (680) ベースメタル国際需給動向︱銅︱ 豪州 2014 年 【参考】 2014 年 1-9 月 30.5 353.6 384.1 1,353.3 653.0 2,006.3 29.0 3,888.7 1,648.2 5,565.9 550.3 30.0 580.3 289.8 212.7 502.5 567.2 567.2 974.1 192.9 1,167.0 360.2 74.5 434.7 347.0 81.8 428.8 7.5 498.1 164.6 670.2 376.1 450.8 34.7 861.6 162.7 204.8 367.9 359.5 2,241.3 474.3 3,075.2 2,869.0 10,858.6 2,883.7 16,611.6 需給動向 表2-7.主要生産国別地金生産量 需給動向 ベースメタル国際需給動向︱銅︱ 2015年10∼11月の銅の地金生産をめぐる主な動向 は以下のとおりである。 ・2015年10月14日付メディア報道によれば、Vedanta Resources 社は Konkola 銅鉱山の生産量を更に減産 す る と い う 見 通 し を 出 し た。 同 社 CEO の Tom Albanese 氏は、銅価格がこのまま低迷する場合、銅 生産をリスクに晒すような可能性を制限しなければ ならないとコメントした。同社は操業の見直しを行 い解雇した133名に加えて、10月2日付で銅価格下 落と電力不足を理由にさらに148名の従業員を解雇 した。同氏によれば、過去数カ月で自社の電力消費 量を250MW から200MW まで20%削減したが、こ れでは同国の電力不足に対応するには未だ不十分で あり、製錬能力を削減し、これに伴い鉱山生産も減 産させるとしている。一方で、同氏はザンビアでの 鉱山操業は今後50年間に渡って継続するという意向 を示しており、同国の長期的な将来性に期待してい るとして、そのためにも我々はコスト削減を進めて 行く必要があるとコメントしている。 ・2015年11月10日、GlencoreはQLD州政府からMount Isa銅製錬所とTownsville銅精錬所の操業を2022年末 まで延長するための環境認可を取得し、操業期間を 延長すると発表した。当初、Mount Isa製錬所は2016 年に、Townsville精錬所は2017年に操業を終了する 計画であったが、同社は12カ月をかけて操業延長に 関する手続きを実施し、QLD州政府から承認を得 た。 操業の延長により、800名分の雇用が維持され る。同社の Mike Westerman 最高執行責任者は、2 つの施設が経済性を有する限り認可期間内の操業を 継続するとコメントしている。 < 需要・地金消費 > 2015年1-9月 の 世 界 の 地 金 消 費 量(見 掛 け)は、 1,681.0万 t と前年同期比1.5%減少した。主要消費国の 銅地金消費量を表2-8に示す。 表2-8.主要消費国別地金消費量 (単位:千 t) 2014年 2015 1月 2015 2月 2015 3月 2015 4月 2015 5月 2015 6月 2015 7月 2015 8月 2015 9月 2015年 1-9月 【参考】 2014年 1-9月 増減 中国 10,995.2 850.5 720.0 866.6 962.7 952.6 947.5 930.0 895.3 977.3 8,102.5 8,053.9 0.6% 米国 1,753.4 161.1 147.9 159.4 159.9 158.8 160.5 160.5 151.9 156.2 1,415.8 1,341.3 5.5% ドイツ 1,163.0 83.2 92.5 106.0 104.5 103.4 98.3 112.5 101.8 97.6 899.9 881.2 2.1% 日本 1,072.0 85.1 79.1 94.0 81.7 70.8 84.5 92.1 67.9 81.5 736.7 800.9 −8.0% 韓国 749.0 63.0 57.7 62.9 62.0 61.9 63.0 61.2 62.3 61.2 555.2 561.0 −1.0% イタリア 575.1 34.9 43.9 48.8 48.5 49.1 48.3 48.1 47.4 48.8 417.7 428.7 −2.5% インド 440.0 38.3 35.1 38.3 37.5 39.3 38.7 38.4 37.9 39.0 342.6 329.0 4.1% 台湾 464.9 43.4 31.8 36.7 41.5 42.5 39.5 37.9 44.5 37.1 354.9 360.0 −1.4% ロシア 611.0 40.6 35.1 39.3 17.6 16.1 17.8 28.0 29.0 28.7 252.2 479.2 −47.4% トルコ 445.0 37.9 34.7 38.6 38.3 36.5 38.3 38.2 37.0 38.2 337.8 333.6 1.2% その他 4,615.8 414.7 349.2 382.1 388.1 404.0 375.8 363.7 353.5 363.6 3,394.8 3,495.0 −2.9% 世界計 22,884.4 1,852.6 1,627.0 1,872.7 1,942.3 1,935.0 1,912.2 1,910.7 1,828.5 1,929.0 16,810.0 17,063.9 −1.5% (出典:ICSG データを基に作成) 2015年の中国の消費量は、1-5月期までは対前年同 期比マイナスで推移していたが、今回の2015年1-7月 期で前年同期比プラスに転じ、1-9月期も0.6%増と僅 かではあるがプラスとなった。1-9月期の世界計は依 然としてマイナスであるが、前回報告した1-7月期 (−1.9%)と比べると減少幅は圧縮されている。 < 需給バランス > 2015年9月までの世界の銅の需給バランスと LME 現 物 価 格 お よ び LME 在 庫 の 推 移 を 図2-8に 示 す。 134 (681) 2016.1 金属資源レポート ICSG によるデータは見かけ消費量であり、中国での 見かけ消費量と実際の需要量との乖離が世界の正確な 需給バランスのデータを捕捉する上での障害となって いるため、ICSG は2014年1月のプレスリリースより、 中国での保税倉庫での在庫分を勘案した需給バランス の数値を公表している。2015年1-9月において、中国 の保税倉庫在庫量は9.5万 t 減少したと推測され、中国 の保税在庫分を考慮した世界全体の需給バランスは6 万 t の供給不足なった。 2014 年 2014 年 1-10 月 2015 年 1-10 月 アジア 6,631 5,424 4,812 中国 4,704 3,820 3,216 1,409 1,178 1,144 北米 中南米 欧州 アフリカ 豪州 世界計 704 594 542 1,850 1,544 1,606 102 85 85 226 199 182 10,921 9,023 8,372 (出典:ILZSG“WORLD LEAD AND ZINC STATISTICS Monthly Bulletin”, December 2015) 表3-4.鉛地金消費量推移(千 t) 2014 年 2014 年 1-10 月 2015 年 1-10 月 アジア 6,848 5,598 5,018 中国 4,709 3,828 3,230 1,687 1,418 1,342 544 462 449 北米 中南米 欧州 1,719 1,445 1,438 アフリカ 96 79 88 豪州 17 15 14 10,911 9,017 8,350 世界計 (出典:ILZSG“WORLD LEAD AND ZINC STATISTICS Monthly Bulletin”, December 2015) ける e-bike(電動自転車)向け鉛バッテリー需要は低 迷しており、新規自動車販売台数は対前年比で増加し ているものの、環境規制強化から次世代自動車の人気 が高まっているため、鉛蓄電池全体の需要が減少傾向 にあることは変わりない模様である。 2016.1 金属資源レポート 139 (686) ベースメタル国際需給動向︱鉛︱ < 地金生産・消費動向 > 表3-3に示す通り、2015年1∼10月の累計鉛地金生 産量は、対前年同期比で欧州を除く全地域で減産して おり、消費についても表3-4に示す通り、世界的に減 少した。 地域別に見ると、北米では季節的な鉛バッテリー 需要減少が消費を縮小させたが、欧州では自動車販売 が好調であることを背景に概ね安定した生産を維持し ている。アジア圏では中国を除けば生産、消費共に概 ね横ばい。亜鉛製錬大手の韓国・KOREA ZINC は 製錬能力拡張中で、2016年には鉛の製錬能力が年間 300千 t から430千 t に拡大される予定である。日本は 国内製錬所の定修や鉛スクラップの国外流出等を要因 に生産減となっている。 安泰科資料によると、中国における2015年1∼9月 の一次鉛生産量は235.5万 t(対前年同期比4.0%減)、 二 次 鉛 生 産 量 は81.6万 t(対 前 年 同 期 比9.9% 減)と なった。中国国内における鉛精鉱の供給不足や鉛蓄電 池需要の低迷、環境安全検査による製錬設備の操業停 止等が影響している。また、中国税関の統計による と、鉛地金輸入量は163.7t(対前年同期比76.0%減) である一方、鉛地金輸出量は25,122.6t(対前年同期比 75.7%増)と大幅に増加した。中国国内の鉛地金生産 は縮小していながらも、依然として生産能力過剰の状 況にある様子が浮き彫りとなっている。一方需要につ いては、鉛の主要用途である鉛蓄電池需要は低迷して いる。2015年は生産能力淘汰目標に組み込まれてお り、既に鉛製錬36万 t、鉛蓄電池は3,020万 kVA の淘 汰を達成したと発表されている。2015年の中国にお 表3-3.鉛地金生産量推移(千 t) 需給動向 る。なお、同鉱山では、8月以降も採掘を終えた鉱石 を処理するために選鉱設備が稼働していたが、12月 14日に最終の出荷を終えた。 そ の 他、2015年8月 に 操 業 開 始 し た カ ナ ダ・ Caribou 鉱山で生産能力が拡張されており、世界最大 の亜鉛鉱山であるインド・Rmpura-Agucha 鉱山でも 生産量が拡大している。 需給動向 ベースメタル国際需給動向︱亜鉛︱ 期 比84.7% 増) 、2015年1∼9月 累 計 で197 万 t(グ ロ ス量、対前年同期比0.35%減)となっており、足元の 精鉱輸入が急激に増加していることから、中国産亜鉛 精鉱の需給が逼迫している様子が伺える。 豪州の増産は、Century 亜鉛鉱山において2015年8 月の閉山に向けて採掘量が増加したためと見られ、同 鉱山閉山後の2015年10月単月では、同国の亜鉛鉱山 生産量は125千 t(対前年同期比17%減)となった。亜 鉛生産量世界第6位の豪州・McArthur River 鉱山も 環 境 汚 染 に よ り NT 準 州 当 局 と 協 議 中 で あ る 他、 Glencore の亜鉛減産計画に含まれていることから、 今後のさらなる減産が想定される。同鉱山で135千 t の減産が計画されている他、Mt Isa 地域の George Fisher 鉱山および Lady Loretta 鉱山で245千 t(Lady Loretta 鉱山は操業停止) 、また南米、カザフスタン の亜鉛鉱山でも減産される予定である。 北米においては、亜鉛鉱山生産が減少傾向にある。 ILZSG の統計によると、カナダでは2015年2月以降9 カ月連続、前年同期比で2∼3割ほど生産量が減少し ている。これは、2015年1月の Wolverine 鉱山の操業 停止、6月の Myra Falls 鉱山の操業停止の影響による ものである。2015年8月には Caribou 鉱山が生産開始 を迎えたことでカナダにおける亜鉛生産は徐々に増大 するものと見られるが、ベルギー・Nyrstar 社が米国 に保有する亜鉛鉱山の操業を停止すると発表したこと から、北米全体における亜鉛鉱山生産は減少に向かう と予測される。 中南米については、ペルー・Antamina 鉱山での増 産やボリビアにおける亜鉛鉱山生産量が伸びている。 < 地金生産・消費動向 > 世界亜鉛地金生産および消費については、ILZSG の最新の月次発表によると、2015年1∼10月累計生産 量は中国における生産量の伸びを背景に11,678千 t (対前年同期比5.2%増) 、消費量は11,465千 t(対前年 同期比1.1%増)となった。 生産については、中国は前年同期比9.2%増加、そ の他地域においても概ね増産傾向だったが、アフリカ についてはナミビアでの減産が影響し大幅な減少と なった。また、2015年1∼8月累計消費量は9,153千 t (対前年同期比2.9%増)と中国が牽引する形で拡大し た。中国では、亜鉛地金生産能力過剰の状況にあり、 さらに国内鉱山生産量も低迷しているため、不足分の 亜鉛精鉱を輸入している状況にある。中国の亜鉛地金 生 産 は2015年 上 半 期 は 対 前 年 同 期 比15% 増 程 度 と なっていたものの、下半期に入り増産のペースは対前 年同期比10%を下回っており、10月は5%程度となっ た。中国税関の発表では、2015年1∼9月の亜鉛地金 輸入量は50.9万 t(対前年同期比22.6%増) 、9月単月 144 (691) 2016.1 金属資源レポート 表4-3.亜鉛地金生産量推移(千 t) 2014 年 2014 年 1-10 月 2015 年 1-10 月 アジア 8,660 7,066 7,637 中国 5,807 4,718 5,154 828 681 707 北米 中南米 欧州 アフリカ 豪州 世界計 931 775 782 2,466 2,053 2,071 137 117 78 488 406 403 13,509 11,098 11,678 (出典:ILZSG“WORLD LEAD AND ZINC STATISTICS Monthly Bulletin”, December 2015) 表4-4.亜鉛地金消費量推移(千 t) 2014 年 2014 年 1-10 月 2015 年 1-10 月 アジア 9,316 7,665 7,749 中国 6,401 5,263 5,360 1,126 940 915 622 518 535 2,327 1,931 1,974 北米 中南米 欧州 アフリカ 158 131 139 豪州 184 155 153 13,733 11,340 11,465 世界計 (出典:ILZSG“WORLD LEAD AND ZINC STATISTICS Monthly Bulletin”, December 2015) では2.9万 t(対前年同期比52.4%増)と亜鉛地金の輸 入も増えており、精鉱不足により亜鉛地金生産がタイ ト化している模様である。 消費についても世界的に拡大傾向にある。安泰科 によれば、中国においては、建設、家電製品向け需要 は低迷しているものの、自動車やインフラ需要が強 まっている。また、欧州においても自動車販売が好調 であり、米国では景気回復と共に建設向け需要が高 まっている。反面、世界4位の亜鉛消費国である韓国 では、2015年7月以降需要が急激に落ち込んでおり、 10月単月では対前年同期比で4割の減少となった。中 国鉄鋼業との輸出競争や国内鉄鋼メーカーの競争激化 している背景もある。中国との競争問題は韓国だけで は な く、 日 本 へ の 影 響 も 大 き い も の と 見 ら れ る。 ILZSG の発表によれば日本の亜鉛需要は2015年3月以 降前年割れが続いており、日本鉄鋼連盟の発表でも自 動車向け需要低迷により、2015年11月までに16カ月 連続で亜鉛めっき鋼板生産量が対前年同月比でマイナ スであったと発表されている。 3.今後の需給見通し 需給動向 ベースメタル国際需給動向︱亜鉛︱ ILZSG が2015年10月の国際鉛亜鉛研究会秋季大会 で発表した2015年および2016年の需給予測を表4-5に 示す。前回の春季大会での2015年の供給不足予測から 一転、今大会では88千 t の供給過剰との予測が発表さ れた。2015年は中国で亜鉛地金輸入量が減少している ことから、中国における亜鉛需要低迷が意識された。 しかし、今後同国内での鉱石生産および地金生産の供 給量は低迷に向かうと推測され、2016年は再び供給不 足になると予測された。なお、本予測は Glencore 含め 生産各社の減産発表前に公表されたものであり、本鉱 石生産量予測にはこれら減産計画は反映されていな い。 2015年10月、LME のリングメンバーである英・Triland Metals社は、2015年の亜鉛価格予想を1,950∼2,050US$/ tに下方修正した(前回予想2,050∼2,200US$/t) 。今後、 亜鉛鉱石供給はタイトになるものの、在庫が豊富であ ることから価格上昇要因として作用しないとの見解で ある。また、中国需要の減退も供給不足を緩和させる ため、需給はバランスすると予測している。2016年以 降は、豪州、アイルランドの大規模鉱山閉山の影響に 加え、価格低迷による鉱山の操業停止が見込まれるこ とから需給はタイト化するが、一定の在庫があること や中国の需要減退から消費量が大きく伸びないことに より供給過剰の状況は維持され、価格はわずかな上昇 に留まると予測された。 2016年は、大規模鉱山閉山の影響に加え、Glencore の亜鉛減産、Nyrstar 社の亜鉛鉱山の操業停止や地金 生産の縮小、また同社が鉱山事業からの全面撤退を検 討しているとの報道もあり、市場が予測していた以上 に供給量は減少すると見込まれる。 それにもかかわらず、2015年11月半ば以降、亜鉛 は鉛を下回る価格が続いており、その価格差は拡大傾 向にある。中国有色金属工業協会は、同国における鉛 亜鉛地金生産について伸び率は鈍化するものの、生産 量は増加すると予測しており、また安泰科も同国の亜 鉛消費も伸び率は低いながらも拡大するとの予測を発 表している。中国の亜鉛製錬大手各社は、亜鉛地金減 産に協調すると発表しており、同国の生産能力過剰の 問題および亜鉛価格低迷からの脱却を図っているもの の、市場の亜鉛供給過剰への懸念は未だ解消されず、 価格回復の見通しは立っていない。さらには米国利上 げおよびドル高ユーロ安による影響が、価格の下押し 要因となっており、亜鉛の需給および価格は低迷が続 くと予想される。 表4-5. 亜鉛需給の実績と予測(ILZSG 春季・秋季大会発表) (単位:千 t) 2014 年実績 鉱山生産量 2015 年予測 (2015 年春季) 2015 年予測 (2015 年秋季) 2016 年予測 13,504 13,835 13,547 13,797 地金生産量(a) 13,498 13,986 13,990 14,215 地金消費量(b) 13,752 14,137 13,902 14,367 需給バランス(a-b) ▲ 254 ▲ 151 + 88 ▲ 152 (出典:ILZSG) 146 (693) 2016.1 金属資源レポート 表5-1. 主要生産国別鉱山生産量(1-10月累計) (単位:千 t) 2014年 1-10月計 2015年 1-10月計 114.4 118.1 マダガスカル 33.1 40.9 23.6% 南アフリカ 46.1 45.3 −1.7% 420.3 445.1 5.9% 85.0 79.0 −7.1% 192.9 188.0 −2.5% 63.3 62.0 −2.1% アフリカ アメリカ ブラジル 鉱山生産を巡る主な動向は以下のとおり。 ・ニューカレドニア政府は、10月27日、中国へのラ テライト鉱石輸出禁止措置を部分的に解禁した。政 府は今年8月初め、豪州への長期供給契約を優先す ることや中国の NPI 大量生産がニッケル価格の暴 落要因となっていることを理由に、中国向けのニッ ケル鉱石輸出を禁止していたが、今回 MKM グルー プに対して中国向けに今後18カ月間で30万 t の輸出 を許可した。 ・豪・Mirabella Nickel は10月30日、ニッケル価格低 迷のため Santa Rita ニッケル鉱山の今年の生産を 1.8万 t/ 年から1.2万 t/ 年へと33% 削減することを発 表した。 ・11月26日付業界紙等によると、Americano Nickel Limited(ANL)は、2015年8月に Glencore から買 収したドミニカ共和国・Falcondo ニッケル鉱山に 関し、2016年半ばには操業を再開する旨を明らか にした。同鉱山に関しては、Glencore が2013年に 買収以降、ニッケル市況の下落・低迷を理由に一時 閉鎖に踏み切り、現在まで操業停止の状態が続いて いた。ANL によると、2016年半ばの操業再開に向 けて、技術的な活動を着実に進めているほか、直接 雇用の鉱山労働者も8月に買収した時点から増加し ている。また、ドミニカ共和国政府とともに、地域 コミュニティとの関係改善に向けた話し合いも進め ている。 カナダ コロンビア キューバ アジア 3.3% 42.0 47.0 11.9% 602.4 555.3 −7.8% 83.4 83.0 −0.5% インドネシア 163.3 108.0 −33.9% フィリピン 331.0 328.0 −0.9% 中国 271.9 260.5 −4.2% EU27 41.8 30.5 −27.1% ロシア 220.0 220.0 0.0% オセアニア 367.4 352.8 −4.0% 豪州 206.5 179.3 −13.2% ニューカレドニア 143.6 152.5 6.1% 1,776.3 1,731.8 −2.5% 欧州 世界計 (出典:INSG データを基に作成) 中国の鉱石輸入量は、2014年1月から4月にかけて 減少していたが、5月よりフィリピンからの調達が増 加し、10月まで月400∼500万 t(グロス量)の輸入量 を確保していた。2014年11月から2015年2月にかけ ては、フィリピンでのモンスーンによる鉱石生産減少 により同国からの輸入が大幅に減少、2月には94万 t 台にまで落ち込んだ。このため中国主要港のニッケル 在庫は急激に減少した模様。一方、フェロニッケル輸 入量が急増しており、国内 NPI 生産の減少による代 替輸入が増えているものと見られる。2014年1∼12月 の 累 計 輸 入 量 は、 前 年 比32.9% 減 の4,772万 t で あっ た。2015年は、2∼7月の輸入量は堅調に推移してい たが、その後は減少傾向に転じている。足元11月の 輸入量は278万 t。 日本の鉱石輸入量は、2014年3∼4月に増加したも のの、5月以降は30万 t 台で推移しており、フィリピ ンとニューカレドニアからの調達により前年に近い水 準で輸入していた。10月以降は減少傾向にあったが、 2015年2月に25万 t まで減少した以降は再び増加し、4 ∼6月は40万 t 水準で横ばいに推移していたが、7月に は32.6万 t まで減少、その後は増加傾向を見せており、 足元10月は43.2万 t となっている。 参考として図5-4および図5-5に中国および日本の ニッケル鉱石輸入元推移を示す。 2016.1 金属資源レポート 149 (696) ベースメタル国際需給動向︱ニッケル︱ < 供給・鉱山生産 > 表5-1に主要生産国別鉱山生産量を示す。これら12 か国で世界供給の約9割を占めている。2015年1∼10 月累計鉱山生産量は、前年同期比2.5%減の173万 t で あった。マダガスカルやキューバで増産があったもの の、インドネシアをはじめとするその他多くの国での 減少がそれを上回った。特にインドネシアは、2014 年1月より施行された新鉱業法に基づく未加工鉱石輸 出禁止により、2013年は世界鉱石生産の32%を占め て い た が、2014年1∼12月 累 計 で は そ の シェア を 8.4%へ落とし、2015年1-10月累計では6.2%とさらに シェアを落としている。 増減比 需給動向 中国においては、この3年では鉱山生産量に急激な 変化は見られない。一次ニッケル生産量は、消費量と ほぼ連動して推移しており、2012年後半から急激に 拡大した後、2013年に入ると増加スピードは減速し、 2014年は概ね6万 t 前後で推移した。2015年2月に入 り5万 t 弱となった後は再び増加傾向にあったが、5月 以降減少しており、8月以降は5万 t を割り込んでい る。 表5-2. 主要生産国別一次ニッケル生産量(1-10月累計) (単位:千 t) 2014年 1-10月計 アフリカ マダガスカル 南アフリカ アメリカ 2015年 1-10月計 増減比 63.2 71.6 13.3% 31.0 38.9 25.4% 28.3 32.7 15.6% 246.2 249.2 1.2% 58.7 −13.9% 133.3 8.2% コロンビア 34.4 30.8 −10.5% キューバ 12.5 13.0 4.0% カナダ アジア 783.9 757.5 −3.4% 中国 582.6 519.3 −10.9% 日本 147.0 156.3 6.3% 403.2 378.0 −6.3% 89.7 85.7 −4.5% 欧州 EU27 ‐フィンランド 34.1 33.1 −3.0% ‐英国 32.0 31.9 −0.4% ノルウェー ロシア オセアニア 豪州 ニューカレドニア 世界計 75.1 75.6 0.7% 198.9 184.9 −7.0% 164.4 172.1 4.7% 113.3 108.7 −4.0% 51.1 63.4 24.0% 1,661.0 1,628.3 −2.0% (出典:INSG データを基に作成) る。同製錬所の今年1-9月の中国向け輸出は5.9万 t と中国のフェロニッケル輸入の12% を占めていた が、利益配分に関する交渉が決裂し、今年9月から 輸出が禁止されている。 ・11月19日、カナダ・Winnipeg で開催された鉱業大 会において、Vale は MB 州西部の Thompson に位置 するニッケルの製精錬の操業を2018年に終了する ことを明らかにした。ニッケル価格の急落が主要因 だが、採掘および選鉱は継続するとしている。同社 は当初、製精錬の操業を2015年中に終了する予定 であったが、労働者等との間で遅ければ2019年ま で操業を継続させることに合意していた。価格低迷 により Thompson での操業で損失を出しているかど うかについては明言を避けたが、鉄鉱石生産者でも ある同社は今年第3四半期に21億 US$ の純損失を計 上している。また、現在 Thompson 鉱体の拡張とな る Footwall Deep 鉱床の FS を実施中で、2016年第1 四半期に完了する予定であるが、その後は中断して ニッケル価格の上昇を待つことも明らかにした。 ・11月24日付インドネシア地元メディアによると、 2015年末までには、PT Macika Mineral Industri お よび PT Aneka Tambang(いずれもフェロニッケ ル)の少なくとも2か所で、中規模製錬所が生産を 2016.1 金属資源レポート 151 (698) ベースメタル国際需給動向︱ニッケル︱ 68.2 123.2 ブラジル 需給動向 < 供給・一次ニッケル生産 > 表5-2に主要生産国別一次ニッケル生産量を示す。 これら14か国で世界供給の約9割を占めている。2015 年1∼10月累計一次ニッケル生産量は、前年同期比 2.0% 減の162.8万 t であった。ニューカレドニアやマ ダガスカル、カナダ等で増産があったものの、中国、 ブラジル等での減産により打ち消される格好となっ た。 一次ニッケル生産を巡る主な動向は以下のとおり。 ・10月20日付インドネシア地元メディアによると、 Vale は同社がインドネシア南 Sulawesi 州 Sorowako で生産しているニッケルマット生産量が2015年第3 四半期に前年比14.5%増の22,100t(ニッケル量)と なり、生産量が増加したと報告した。第3四半期の 生 産 量 は、 第2四 半 期 よ り15.15% 増 加 し て い る。 2015年前半期において、PT Vale Indonesia は第1、 第2および第4炉がメンテナンスを行っており、第3 四半期にフル操業となった。 ・10月12日 付 ロ シ ア 地 元 報 道 等 に よ る と、Kola MMC 社(Norilsk Nickel 社の子会社)の第1ニッケ ル電解プラントで、リニューアル後初のニッケルが 生産された。同プラントの生産再開は、Norilsk Nickel 社発展戦略に基づく Kola MMC 社のニッケ ル生産量拡大の一環である。電解工程で発生した塩 素を湿式製錬工程で利用するという技術により、第 1ニッケル電解プラントでは現場での塩素貯蔵が不 要となったため、生産コストが下がり、危険物輸 送・保管によるリスクが低減した。同プラントのフ ル操業化(年産4万5,000t)は2016年半ばを予定し ている。 ・10月16日、広西華輝新材料は、欽州 NPI 製錬所の 第1期工事を完了したと発表。同製錬所は欽州ニッ ケル製錬および加工プロジェクトの一環で、生産能 力は30万 t/ 年(ニッケル品位10%)。生産ラインの 試験操業を一部11月に開始し、2016年11月までに フル操業に到達する計画。原料は、豪州、マレーシ ア、フィリピン、アフリカ、南米等から調達の予 定。 ・10月28日付インドネシア地元メディアによると、 エネルギー鉱物資源省鉱物・石炭総局長 Bambang Gatot Ariyono 氏は、2016年に完成見込みの製錬所 は2件のみになる、と述べた。同氏によると、現在 35件の製錬所建設プロジェクトがあり、18件のプ ロジェクトが進捗率30%に至っており、そのほと んどはニッケル製錬所である。インドネシアにおけ る製錬所建設プロジェクトは、土地取得および許認 可プロセスの困難さに起因する資金不足から、様々 な障害に直面しているが、現在のコモディティ価格 の下落は状況をより悪化させている。 ・11月11日、 中 国 有 色 金 属 集 団/太 原 鋼 鉄 の Tagaunttown フェロ ニッケ ル 製 錬 所 が、 ミャン マー政府によりフェロニッケル輸出を禁止されてい 需給動向 ベースメタル国際需給動向︱ニッケル︱ 開始する。一方、大規模鉱山の製錬所建設進捗はス ローペース。エネルギー鉱物資源省鉱物・石炭総局 長 Bambang Gatot Ariyono 氏は、前述の中規模製 錬所2か所の他に、2016年4∼7月の間に計4か所の 製錬所が生産を開始し、76万7,000t/ 年の鉱石が処 理される予定としている。2016年7月までに生産を 開始する製錬所は、PT Gebe Industry Nickel、PT Fajar Bhakti Lintas Nusantara(フェロニッケル) 、 PT Sulawesi Mining Investment および PT Bintang Timur Steel( NPI)の4か所。 ・11月27日、中国のニッケル生産者8社が12年ぶり の低水準に落ち込んだニッケル価格を下支えするた め、12月に1.5万 t、2016年に12万 t の減産を実施す ることに合意した。協調減産に参加するのは精製 ニッケル生産者の金川集団、吉林吉恩ニッケル、新 疆新鑫鉱業、NPI 生産者の江蘇徳尤ニッケル、山東 鑫海ニッケル、内モンゴル新華聨ニッケル、江蘇宝 軒ニッケル、青山集団で、これら8社で中国のニッ ケル生産能力のほぼ全量を占める。 <需要・一次ニッケル消費> 表5-3に主要消費国別一次ニッケル消費量を示す。 これら15か国 / 地域で世界消費の約9割を占めてい る。2015年1∼10月累計一次ニッケル消費量は、前年 同期比1.0%増の158万 t であった。中国やインド、ベ ルギー等において前年同期比で増加した。 表5-3. 主要消費国別一次ニッケル消費量(1-10月累計) (単位:千 t) アフリカ 152 (699) 2016.1 金属資源レポート 2015年 1-10月計 18.8 20.4 増減比 8.5% アメリカ 152.1 154.7 1.7% 米国 125.2 127.8 2.1% アジア 1086.7 1116.4 2.7% 中国 787.8 813.7 3.3% 41.2 43.3 5.1% 日本 119.8 118.1 −1.4% 韓国 64.6 65.4 1.2% 台湾 44.2 46.1 4.3% インド 欧州 EU27 ‐ベルギー 300.8 282.3 −6.0% 277.8 263.5 −5.2% 23.6 26.5 12.3% ‐フィンランド 26.1 22.9 −12.4% ‐フランス 23.4 22.7 −3.0% ‐ドイツ 57.5 45.5 −20.9% ‐イタリア 50.3 47.1 −6.4% ‐スペイン 32.2 33.3 3.4% ‐スウェーデン 21.9 23.3 6.4% ‐英国 18.5 17.6 −4.8% 2.3 2.2 −4.3% 0.3 0.2 −33.3% 1,560.7 1,576.5 1.0% オセアニア ニュージーランド 世界計 < 需給バランス > 2015年11月までの世界のニッケルの需給バランス、 LME 現物価格および LME 在庫の推移を図5-6に示す。 需給バランスは、2011年7月∼2014年3月において供 給過剰状態が継続し、2014年1∼12月累計では前年に 比べ過剰幅は縮小したものの、引き続き13.0万 t の供 給過剰となった。2015年に入ってからは3月・4月は 2014年 1-10月計 (出典:INSG データを基に作成) 2カ月連続で供給不足に転じ、5月以降は再び供給過 剰が続いていたが、足元10月は400t の供給不足とほ ぼバランスしている。 LME 在庫は2014年6月以降増加傾向を辿っていた が、2015年7月以降減少傾向を見せている。
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