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特集 技 100 選! 情熱のトランジスタ回路
第3章
アナログ・レコード再生用
500円イコライザ・プリアンプ
黒田 徹
C 16
RIAA周波数特性
が得られる
C 17
アンプのDCゲインを
1倍に落とす
R3
10n
470Ω
R 14
C6
7.5k
D1 D2
1N4148×2
330μ
定電流ダイオード
I1
超高域の発振
を防ぐ回路
2mA
Tr1
2SA970(東芝)
R9
Vin
47Ω
R8
47k
C9
3.3n
C 18 18n
10n
R 11
R5
C 3 33n
R6
R 15
20k
7.5k
91k
82k
R 16 10k
D3
1N4148
R7
Tr3
2SC2240(東芝)
R 12
C7
200Ω
22μ
4
5
Vout
R2
6
100k
C 11
Tr6
22μ
V2
15V
ハイパス・フィルタを形成
し,DCをカットする
Tr8
2SA1015
C 1 100p
1k
C2
Tr5
Tr2
2SA970
100p
R4
470Ω
R 1 100Ω
低雑音
トランジ
スタ
2
3
18n
分圧回路
Tr4
2SK117(東芝)×3
Tr7
2SA1015
(東芝)
C5
22μ
3個並列接続にしてgm を増やし,
ひずみを低減する
V4
15V
図 1 本器の回路図
帰還回路と分圧回路は図 7 と同じ.増幅部は高性能が得られる
プリアンプは,音楽プレーヤなどからの出力を受
けて音質を調整したり,音量を調整するアンプです.
本稿では,アメリカで人気が再燃しているアナロ
グ・ レ コ ー ド 用 の プ リ ア ン プ に 内 蔵 さ れ て い る
RIAA イコライザ・アンプの作り方や低雑音化の方
法を解説します.本器の回路を図 1 に示します.表
1 は,本器の増幅部を代表的なオーディオ用低雑音
OP アンプに置き換えたときの出力雑音です.500
円のディスリート部品であっても,1,200 円の OP ア
ンプ IC に負けないくらいです.
〈編集部〉
● 今こそ LP レコードを再生したい
このところ,ハイレゾ音源でなければ,Hi−Fi にあ
らず,と言わんばかりの雰囲気が世間にあふれていま
す.一方では,アナログ音源を再評価する風潮も出て
きました.
2016 年 1 月号
表 1 本器の増幅部分を代表
的なオーディオ用低雑音 OP
アンプに置き換えたときの出
力雑音比較
雑音帯域:40 Hz∼100 kHz,1 kHz
ゲイン:26.45 dB.測定系残留雑
音:4 μVRMS
1
Tooru Kuroda
C4
N型JFET
プロローグ
1,200 円
高性能
OP
低ひずみ0.001%,
低雑音0.5μVRMS,
アンプに
RIAA偏差±0.5 dBのMMカートリッジ用
負けない
機種名
本アンプ
出力雑音電圧
13.3 μVRMS
OPA1612A
7.4 μVRMS
LME49880MR
10.9 μVRMS
OPA2134PA
16.9 μVRMS
MUSES8920D
18.8 μVRMS
NE5532P
28 μVRMS
LME49720NA
31.5 μVRMS
LME49860NA
41 μVRMS
LM4562NA
52 μVRMS
アナログ音源と言えば,真っ先にアナログ・レコー
ド(LP,Long Playing)が思い浮かびます.1982 年に
CD が現れたとき,LP は早晩,消え去る運命と思われ
ました.たしかに一時は衰退しました.が,どっこい
生き残っています.それどころか,最近はアルバムを
LP で出す事例も少なくありません.
LP を良い音で鳴らすにはお金がかかりますが,自
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