日本標準商品分類番号 873969 フォシーガ® 錠をご使用の際は、最新の添付文書をご参照ください。 適正使用のしおり フォシーガ® 錠を処方される際は、 最新添付文書の使用上の注意を よくお読みください。 患者への指導の際には、 患者向け資材(フォシーガ ® 錠を服用される 患者さん・ご家族の方へ) をご使用ください。 フォシーガ® 錠の効能・効果は 「2型糖尿病」です。 【禁忌】 (次の患者には投与しないこと) 1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 2. 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者[輸液、インスリンに よる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。] 3. 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による 血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。] 0120 - 626- 190 TSD420ヘ B801 FXG-Z038 2016年1月作成 の使用上の注意点 用法・用量 本剤5mgを1日1回経口投与してください。 本剤は食事に関係なくいつでも飲むことができますが、毎日決めた時間に 飲むよう患者に指導してください。 本剤の効果が認められない場合は増量できますが、脱水や感染症の発現に 注意してください。 なお、1日当たりの最大投与量は10mgです。 腎疾患を合併している 腎機能が低下している 透析中である 血糖コントロールが 極めて不良である 高齢である 利尿剤を併用している シックデイ※である 屋外で活動をする (農作業、 スポーツ等) 重度の肝機能障害のある患者では、長期の使用経験がありません。 また、代 謝の遅れのため、本剤の曝露量が増加するおそれがあります。 これらの患者では、本剤の利尿作用により脱水を起こすおそれがあります。 脱水が疑われる場合には、休薬や補液等の適切な処置を行ってください。 (「体液量減少」の項参照) ※シックデイとは、発熱・下痢・嘔吐等がある場合や、食思不振で食事が十分 摂れないような場合を指します。 との併用により、相加的に低血糖 GLP-1受容体作動薬又はインスリン製剤) を起こすおそれがあります。 これらの薬剤と併用する場合には、低血糖のリスクを軽減するため、 これら の薬剤の減量を検討してください。 ● 本剤の利尿作用により口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状がみられるこ とがあります。患者には、体液量の減少を防止するため、患者の自己判断 により飲水制限を行わず、適度な水分補給を行うよう指導してください。 (特に夏場) ● 口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場合に は、休薬や補液等の適切な処置を行ってください。 体液量減少を起こしやすい患者(高齢者、腎機能障害のある患者、利尿剤併 用患者等) では、脱水や糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、 脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に注意し、十分に観察してください。 (特に夏場) ● 本剤は糖を尿中に排出するため、血糖コントロールが良好であっても脂 肪酸代謝が亢進し、 ケトーシスがあらわれ、 ケトアシドーシスに至ること があります。 インスリン分泌能の低下、 インスリン製剤の減量や中止、過度な糖 ● 特に、 質摂取制限、食事摂取不良、感染症、脱水を伴う場合にはケトアシドーシ スを発現しやすいので、観察を十分に行ってください。 (図1) ● 本剤の効果は糸球体濾過量に依存するため、重度の腎機能障害のある 患者又は透析中の末期腎不全患者では本剤の効果が期待できないた め、本剤を投与しないでください。 ● 中等度の腎機能障害のある患者では本剤の効果が十分に得られない可 能性があるので、投与の必要性を慎重に判断してください。 また投与に 際しては患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。 さらに、本 剤の排泄が遅れるため曝露量が増加し、体液量減少により脱水や血圧低 下等があらわれるおそれがあります。 ● 本剤投与後早期に腎機能が低下するおそれがあるため、投与後早期に は特に腎機能の低下に留意し、本剤投与中は腎機能を定期的に検査し てください。 他の糖尿病用薬(特に、 スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、 他の糖尿病の薬を服用している 喉が渇く 尿がたくさん出る 排尿の頻度が増えた 血圧が低い 高齢である 腎機能が低下している 利尿薬を服用している 図1 ケトン体上昇・ケトアシドーシス 注意が必要な投与対象 肝疾患を合併している 肝機能が低下している 体液量減少 効能・効果(2型糖尿病) 本剤はSGLT2阻害剤で、腎に作用し糖を体外に排泄する機序により血糖を 低下させる薬剤です。 本剤は、2型糖尿病を対象とした臨床試験を行い有効性及び安全性を確認 しているため、 2型糖尿病と診断された患者に対してのみ使用してください。 1型糖尿病は本剤の適応ではありません。 詳細は、 フォシーガ® 錠の最新添付文書をご参照ください。 ケトアシドーシスを発現しやすい状態(注意が必要) インスリン不足 糖の摂取不足 ・インスリン分泌機能の低下 ・インスリン製剤の減量や中止 ・ 過度な糖質摂取制限 ・シックデイ (食事摂取不良、 感染症、脱水等) 脂肪酸代謝亢進 ケトーシス / ケトアシドーシス 吐き気・嘔吐、食欲が減る、 腹痛、過度な口渇、疲労、 呼吸困難、意識障害等の 症状がある 悪心・嘔吐、 食欲減退、 腹痛、 過度な口渇、 倦怠感、 呼吸困難、 意識障害等の症状 <参考:糖尿病ケトアシドーシスの診断> インスリンの極端な欠乏とインスリン拮抗ホルモンの増加により、①高血 糖(≧250mg/dL)、②高ケトン血症(β-ヒドロキシ酪酸の増加)、③アシ ドーシス (pH<7.30、重炭酸塩濃度<18mEq/L) をきたした状態。 本剤服用中は、余剰な糖が尿中に排出されるため、 「①高血糖」の病態が みられない場合がありますので、血糖値は指標とせず、血中又は尿中ケト ン体測定を含む検査を実施してください。異常が認められた場合には本 剤を中止し、適切な処置を行ってください。 (図2) 図2 糖尿病ケトアシドーシスの診断 脳下垂体や副腎の機能が低下している 糖尿病ケトアシドーシス 一般に「脳下垂体機能不全又は副腎機能不全」、 「栄養不良状態、飢餓状 栄養不良状態である、衰弱している 態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態」、 「激しい筋肉運 動」、 「過度のアルコール摂取者」に該当する患者では、糖尿病用薬により低 よく運動する 血糖を起こすおそれがあります。 よくお酒を飲む 高血糖 (≧250mg/dL) 高ケトン血症 (β-ヒドロキシ酪酸の増加) アシドーシス (pH<7.30、 重炭酸塩濃度<18mEq/L) 科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013,P.263より 尿路感染 ● 患者にケトアシドーシスの症状について説明するとともに、症状が認めら れた場合には直ちに医療機関を受診するよう説明をしてください。 陰部にかゆみ、痛みの 症状がある ● 性器感染は本剤による尿中グルコース排泄促進に関連している可能性 があります。特に女性で発現が多いため、症状及びその対処方法につい て患者に説明をしてください。 ● 腟カンジダ症等の性器感染症を起こすことがあります。発症した場合に は適切な処置を行うとともに、状態に応じて本剤の休薬等を考慮してく ださい。 一般的に糖尿病患者では発癌のリスクが高まると言われています。 本剤と発 癌との因果関係は確立されていませんが、複数の臨床試験の併合解析にお いて、 対照群に比べて本剤群の方が膀胱癌の発現割合が多い傾向が認めら れたことから、特に膀胱癌の合併または既往を投与前に確認してください。 投与中に血尿を認めた場合は泌尿器科を受診するよう指導する等、 悪性腫瘍 が疑われる徴候には留意してください。 SGLT2阻害剤により余剰なグルコー スが尿中へ排泄されるため、高血糖 を認めない場合があります。 悪性腫瘍 性器感染 排尿時に痛みや灼熱感がある 尿が濁る、 悪寒、 発熱、 側腹部痛・背部痛 ● 尿路感染は本剤による尿中グルコース排泄促進に関連している可能性 があります。特に女性で発現が多いため、症状及びその対処方法につい て患者に説明をしてください。 ● 尿路感染から腎盂腎炎、敗血症等の重篤な感染症に至ることがありま す。発症した場合には適切な処置を行うとともに、状態に応じて本剤の休 薬等を考慮してください。 膀胱癌を合併している 膀胱癌の既往がある 悪性腫瘍が疑われる徴候がある 症状が見られた場合は、血糖だけで なく、 ケトン体を測定してください。 フォシーガ® 錠を処方するときに、上表を用いて問診を行ってください。 患者への指導の際には、患者向け資材(フォシーガ® 錠を服用される患者さん・ご家族の方へ) をご使用ください。
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