第3章 - つくば市

パブリックコメント資料
3
第
章
緑の推進施策の方針
パブリックコメント資料
(1) 計画の基本方針
目標を実現していくための,取り組みの柱となる基本方針を設定します。
基本方針1
協働の仕組みをつくる
市民や団体,学校,事業者などの主体が連携・協働しながら取り組んでいくため
に,意識の啓発や仕組みづくりを進めます。
1.緑を守り育てる意識づくり
2.市民などの参加・参画を支える仕組みづくり
3.緑の維持管理の充実と循環の仕組みづくり
基本方針2
田園の緑を守り育てる
つくば市の緑の基盤となっている平地林,斜面林,屋敷林,農地などの田園の
緑を守り,育て,活用していきます。
4.つくばらしい田園の緑の保全と育成
5.田園と都市を結ぶ市民の里づくり
基本方針3
環境を支える緑の骨格を強化する
つくば市の緑の骨格となっている筑波山や牛久沼周辺,小貝川,桜川,その他
の河川,幹線道路などの緑の育成を図ります。
6.筑波山・牛久沼の緑の保全と活用
7.水と緑の回廊づくり
基本方針4
緑に親しむ拠点や道をつくる
緑とともにある暮らしを快適なものとする公園・オープンスペースの整備
と活用を進めるとともに,学校,ペデストリアンデッキなどの緑の整備と
育成を図ります。
8.つくばライフを楽しむ緑の拠点づくり
9.地域と一体となった緑の学校づくり
基本方針5
豊かな緑のまちなみをつくる
研究所,大学,住宅地,公共公益施設,工業団地やまちの中心部などにお
いて,質の高い緑を積極的に確保するよう制度の活用を図ります。
11.研究所・大学などの緑の保全と活用
12.地域の環境と調和する緑のまちなみづくり
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パブリックコメント資料
(2) 目標水準
計画を推進する際の指標を見直し,以下のような目標水準を設定します。
緑の総量に関する指標
●樹林地,農地,公園緑地などをあわせ,市域の60%以上の緑を維持します。
つくば市の環境を支える現状の緑を維持していくことを目指します。
※土地利用上の緑地の現況量市域の約 63%です(H24年度 都市計画基礎調査)。
公園に関する指標
●都市公園を市民1人当たり10㎡以上確保します。
都市公園をバランス良く配置し,増やしていくことを目指します。
※現状は 9.39 ㎡/人です(H27.3 現在)。
●魅力ある公園づくりや公園のリニューアルを5箇所以上で進めます。
老朽化した公園など,公園の魅力づくりやリニューアルを5箇所以上で
進めることを目指します。
緑の市民参加に関する指標
●アダプト・プログラムなどによる活動団体を100団体以上に増やします。
より多くの市民や団体,事業者が公園,道路,河川,農地などの維持管理
にかかわることを目指します。
※現状は 82 団体です(H27.10 現在)。
●市民などが主体で管理・運営する緑地を3箇所以上確保します。
市民や団体,事業者が管理・運営する公園を増やしていくことを目指し
ます。
※現状はありません。
緑の満足度に関する指標
●緑や水辺の保全や自然環境に対する満足度を75%以上に増やします。
多くの市民がつくば市の緑や水辺に愛着を持ち満足している状態を目指
します。
※緑や水辺の保全や自然環境に対する満足度は,約 60%です(市民アンケート)。
●公園や遊び場の管理の状況に対する満足度を50%以上に増やします。
公園の適切な維持管理や再整備,管理運営などを通して,満足度の向
上を目指します。
※管理に対する満足度は,約 29%です(市民アンケート)。
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パブリックコメント資料
(3) 施策の体系
緑の推進施策は,5つの基本方針に基づき展開するものとします。
基本方針
1
緑の将来像
協働の仕組みをつくる
ガーデン シ テ ィ
人と緑が共生する田園都市・つくば
計画の目標
緑のエコロジカルネットワークと
緑を楽しむ暮らしが息づいたまち
2
田園の緑を守り育てる
緑の連携・協働のネットワークが
支えているまち
3
環境を支える
緑の骨格を強化する
目標水準
● 樹林地,農地,公園緑地などをあわせ,市域
の 60%以上の緑を維持します。
● 都市公園を市民1人当たり 10 ㎡以上確保
します。
● 魅力ある公園づくりや公園のリニューアルを5
箇所以上で進めます。
● アダプト・プログラムなどによる活動団体を
4
緑に親しむ
拠点や道をつくる
100 団体以上に増やします。
● 市民などが主体で管理・運営する緑地を3箇
所以上確保します。
● 緑や水辺の保全や自然環境に対する満足度
を 75%以上に増やします。
● 公園や遊び場の管理の状況に対する満足度
を 40%以上に増やします。
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5
豊かな緑の
まちなみをつくる
パブリックコメント資料
★・・・改訂に当たって施策の拡充・見直しを行ったもの
推進施策
個別施策
1.緑を守り育てる意識づくり
(1)緑に関する情報提供の充実 ★
(2)緑に関するイベントの開催
(3)表彰制度などの創設
(4)緑や環境について学ぶプログラムの充実
2.市民などの参加・参画を
支える仕組みづくり
(1)緑に関するモニタリングと調査研究の充実
(2)緑のまちづくりにかかわる主体が共有できる情報ネットワークの構築
(3)市民などが参画できる機会の提供 ★
(4)緑の保全や緑化推進を支援する制度づくり
(5)緑のまちづくりを担っていく人材の育成・活用 ★
3.緑の維持管理の充実と
循環の仕組みづくり
(1)緑の維持管理の運営のあり方を考える仕組みづくり ★
(2)アダプト・プログラムの拡充 ★
(3)緑のリサイクルの推進
4.つくばらしい田園の
緑の保全と育成
(1)平地林・斜面林などの保全・活用 ★
(2)屋敷林・社寺林や貴重な樹木の保全・育成 ★
(3)農地などの保全・活用
5.田園と都市を結ぶ市民の里づくり ★
6.筑波山・牛久沼の
緑の保全と活用
(1)筑波山と周辺の緑の保全・活用 ★
(2)牛久沼周辺の緑の保全・活用
7.水と緑の回廊づくり
(1)小貝川・桜川回廊づくり
(2)身近な川の回廊づくり
(3)学園東大通り線・学園西大通り線・牛久学園線と沿道の緑の回廊づくり
(4)新都市中央通り線などと沿道の緑の回廊づくり
(5)身近な緑の回廊づくり
8.つくばライフを楽しむ
緑の拠点づくり
(1)緑の拠点づくり
(2)都市公園などの整備 ★
(3)地域に愛される魅力ある公園づくり ★
9.地域と一体となった緑の学校づくり
10.緑の遊歩道のネットワークづくり
11.研究所・大学などの緑の保全と活用 ★
12.地域の環境と調和する
緑のまちなみづくり
(1)都市の中心や駅周辺におけるシンボル的な緑の表情づくり
(2)地域の中心における集落の緑を活かしたまちなみづくり
(3)緑化重点地区のまちなみづくり
(4)公共公益施設の緑の創出・育成
(5)住宅・住宅地の緑の創出・育成 ★
(6)工業団地・事業所などにおける緑の創出・育成
(7)鉄道・高速道路の緑の創出・育成
(8)開発にあわせた緑の確保 ★
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パブリックコメント資料
基本方針1 協働の仕組みをつくる
1.緑を守り育てる意識づくり
緑を守り育てていくためには,緑に対する意識を高めることが最も基本となります。このため,
さまざまな機会や媒体をとおして緑に関する情報の提供を充実させていくよう努めます。
また,このような意識は,子どもの時から育てていくことも重要となることから,市内の多様
な緑を活用し,学校教育と連携したプログラムづくりとその充実を図ります。
(1) 緑に関する情報提供の充実 ★
市民の緑や環境に対する理解を高め,郷土意識の醸成を図っていくために,イベントなど
のさまざまな機会やホームページなどの媒体をとおして,緑の基本計画をはじめとして,つくば
の特徴ある緑の資源のPRや,緑のまちづくりにかかわる情報の提供の充実に努めます。
具体的な取り組み
○生垣設置奨励補助制度などの普及
市民や事業者による生垣緑化を進めていくために,制度の普及を図るとともに,その他の
国の制度などについても周知を図ります。
○市民参加にかかわる取り組みに関する情報の発信
市民が緑の保全・創出や維持管理などにかかわる取り組みに参加するきっかけとなるよう,
積極的に情報の紹介していくよう努めます。
○地域の緑の資源の選定と顕彰
地域のシンボルとして親しまれている巨樹・古木等の緑の資源について,積極的な広報や
顕彰に努めます。
地域に親しまれている
巨樹・古木を顕彰する
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パブリックコメント資料
(2) 緑に関するイベントの開催
緑にふれあうことができる具体的な機会を持つことは,緑の保全・創出や維持管理の重要
性とともに,その取り組みが行政だけでは不可能であることを認識してもらう上で有益です。こ
のような緑をテーマとしたイベントなどを,市民団体や NPO 法人などとの連携を図りながら開
催していくよう努めます。
また,市民や団体などの企画によるイベントに対しては,支援に努めます。
(3) 表彰制度などの創設
緑の保全・創出や維持管理にかかわる取り組みを促進し,活性化するために,市
民や団体などの優れた事例や活動を表彰していくよう努めます。
また,事業所などにおける優れた取り組みについても,積極的に紹介するよう努
めます。
具体的な取り組み
○緑のまちづくりに貢献した活動に対する顕彰
市民や事業者が主体となった緑のまちづくり活
動や緑地保全に協力した土地所有者などに対す
る顕彰を検討します。
○緑に関するコンテストやコンクールなどの実施
緑について意識の向上を図っていくために,コン
テストやコンクールなどの実施や参加を進めます。
○地域の緑の資源の選定と顕彰(再掲)
地域のシンボルとして親しまれている巨樹・古木
等の緑の資源について,積極的な広報や顕彰に
努めます。
平成27年度 「いばらきコンテスト」
において最優秀賞を獲得した竹園
西小学校の緑のカーテン
(4) 緑や環境について学ぶプログラムの充実
学校教育や研究機関などとの連携に
よって,緑や環境について学ぶ公開講座
と緑の資源をフィールドとした学習プログ
ラムの充実を図ります。
筑波山の自然環境を活用した環境教育
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2. 市民などの参加・参画を支える仕組みづくり
緑のまちづくりは,市民のみなさんを抜きに進めるということは考えられません。特に,今後
は緑を守り育てるという面だけでなく,維持管理または運営していくという面も求められていま
す。
このようなことから,計画の推進に当たっては,市民の誰もがかかわることができるような仕
組みづくりを進めていきます。また,本市には,緑や環境を守る活動を進めている市民団体や
NPO 法人も多く,緑を専門としている研究機関の専門家も多いことから,積極的に連携を図
るよう努めます。
(1) 緑に関するモニタリングと調査研究の実施
市民のみなさんが実際に目にしたり,体験したりして得られる,つくば市の緑や
環境に対する実感を活かし,環境をとらえる指標としていくために,緑に関するモ
ニタリングを検討します。これには,市民が参加できるものと,専門的な知見によ
るものを検討します。また,市民や研究機関などとの連携によって,緑に関する調
査の実施に努めます。
具体的な取り組み
○緑の市民モニター制度の創設
地域の緑に関する基礎的な情報を収集していくため,市民の参加によって実施する緑の
モニター制度の創設を検討します。
○緑の調査研究の実施
つくば市の緑の現況について,定期的に調査や研究を進め,今後の施策に役立てていくよ
う,研究機関などとの連携によって専門的な情報の収集システムの構築を図るよう努めま
す。
また,調査結果などは公開するとともに,意見聴取などを実施していくものとします。
■モニタリングのイメージ
地域の意見
収集
市
地域の意見
収集
民
地域のモニター
インターネットなどによる
意見・評価の収集
地域のモニター
意見・評価
集約
データの公表・蓄積
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パブリックコメント資料
(2) 緑のまちづくりにかかわる主体が共有できる情報ネットワークの構築
緑のまちづくりにかかわる各主体の情報や取り組みをホームページなどで提供し,共有す
ることができる双方向の情報ネットワークシステムの構築に努めます。
■情報ネットワークのイメージ
意向(山林を管理してほしい)
や管理の実状など
研究者・研究テーマ・研究成果など
(今後の林のあり方,バイオマスなど)
市
意向(山林の管理に
参加したい)など
(全体のとりまとめ)
土地所有者など
研究機関・大学
民間事業者
事業所活動・情報など
みんなが共有できる
情報ネットワーク
市民
市民ボランティア
JA・農家
農家の取り組み
(堆肥づくりなど)
市民団体・
NPO 法人
活動内容や実績,意向(緑地保
全や緑化活動を進めたい)など
(3) 市民などが参加できる機会の提供 ★
市民などが,具体的に公園づくりや緑の保全・創出にかかわることができる機会の提供や
場づくりに努めます。
具体的な取り組み
○市民参加の公園づくり
公園の整備・再整備に際して,意見交換会やワークショップの実施などにより,整備や利用
ルールについて,市民の意向を踏まえた公園づくりに努めます。
○市民の里づくりの仕組みづくり
土地所有者の情報と里山づくりを希望する市民や団体の情報の把握に努め,それらを結
びつけ,支援や情報提供などを行う仕組みづくりを検討します。
○市民との協働によるウェルカムフラワーCityつくばの推進
市内各所で,市民との協働によって,花を活かした彩りのある表情づくりを進めます。
○コミュニティガーデンづくりの検討
公有地や民間の未利用地を活用し,市民などが主体となり,「地域の庭」となる暫定的な
オープンスペースを確保する仕組みづくりを検討します。
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パブリックコメント資料
(4) 緑の保全や緑化推進を支援する制度づくり
緑の保全や緑化を市民が推進していくためには,さまざまな面から支えていくことが求めら
れます。このため,緑に関する技術的な支援などを行うための仕組みづくりや制度づくりを進
めます。
具体的な取り組み
○生垣設置奨励補助制度の拡充
地域における生垣の設置をより促進するよう,制度の拡充を検討します。
○緑に関する技術的支援
緑に関する技術的な支援として,緑化相談の実施,アドバイザー制度創設の検討(業界
団体,研究機関研究員,樹木医などの専門家の紹介・派遣など)を検討します。
○緑の保全や緑化の推進を総合的・計画的に支える新たな仕組みの創設
緑のまちづくりを総合的に推進する条例などの制定や,緑の基金,新たな助成制度などの
創設を検討します
(5) 緑のまちづくりを担っていく人材の育成・活用 ★
意識啓発をさらに進め,より専門的な部分において,つくば市民だけでなく,本市の緑の保
全にかかわる市外の人を含めて,担っていく人材の育成を図ります。
また,市民団体や NPO 法人に対しては,緑のまちづくりをともに担っていく主体として連携・
協働体制をつくるよう努めます。
具体的な取り組み
○緑に理解のある市民の育成・活用
緑に関する連続したプログラムによる講習会などを実施し,人材の育成を図るとともに,そ
のような人材が活躍できるよう登録制度などの創設を検討します。
○市民ボランティア活動の支援
緑の保全・創出や維持管理にかかわる市民ボランティアに対し支援の充実に努めていき
ます。
また,市民ボランティアの活動を効果的に展開していくために,団体間の交流や連携の強
化に努めます。
○市民団体・NPO 法人との連携
独自に活動している市民団体や NPO 法人との連携を図り,緑の保全や緑化推進などにか
かわる事業の委託などについて検討します。
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パブリックコメント資料
3.緑の維持管理の充実と循環の仕組みづくり
本市の緑の多くは,適切に手を入れながら守り育てていく必要があります。このためには,
維持管理ということが重要となります。
維持管理のあり方は,場所や施設ごとに異なることから,その場にふさわしい維持管理とと
もに,望ましい姿を目指した仕組みづくりを,市民の意見を取り入れ,また実際に手を借りな
がら進めていきます。
さらに,維持管理によって発生した草や落ち葉などについては,環境に負荷をかけない循
環型の地域社会づくりを目指し,有効利用を推進していくものとします。
(1) 緑の維持管理のあり方を考える仕組みづくり ★
緑の維持管理の充実や施設の再整備について,地域の特性やニーズなどに配慮し
たあり方を検討する仕組みづくりを検討します。
具体的な取り組み
○適切な維持管理を進める仕組みづくり
施設の適切な維持管理を進めるために,維持管理指針の策定,適切な維持管理を進め
る体制づくり,専門家などの意見を取り入れた維持管理の仕組みづくりなどを検討します。
○地域の声やニーズに対応した緑づくり
市民アンケートから,適切な維持管理が行われていない,うっそうとした緑の環境は防犯面
から不安があると指摘されていることから,市民などとの協働によって,地域のニーズに対応
した良好な緑づくりに努めます。
○公園施設の安全点検や長寿命化
公園については,遊具などの公園施設の安全点検を実施や,施設の長寿命化を図りま
す。
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パブリックコメント資料
(2) アダプト・プログラムの拡充 ★
アンケートの結果などから,公園や道路などの緑とかかわっていきたいとする市民のニーズ
は少なくないことがわかります。
このため,現在,主に公園の清掃を行っているアダプト・ア・パーク事業について,制度の拡
充と周知を強化するとともに,今後は維持管理・運営へと,その内容を広げていくよう努めま
す。
さらに,道路の清掃や花植えなどを行うアダプト・ア・ロード事業や,河川周辺の清掃や花
植えなどを行うアダプト・ア・リバー事業のほか,農地・水路・農道などの地域資源の保全活動
も推進します。
具体的な取り組み
○アダプト・プログラムの広報
アダプト・プログラムについて,参加団体を増やしていくために,積極的な制度の広報を行
います。
○アダプト・プログラムの支援の拡充
アダプト・プログラムに参加している市民ボランティアの活動の支援に努めるとともに,活動
を効果的に展開していくために,団体間の交流や連携のあり方について検討します。
また,公園の清掃を行うアダプト・ア・パーク事業については,清掃に留まらず,公園におけ
る花壇づくりなど,自主的な活動への拡大できるよう検討します。
アダプト・ア・パーク事業による公園の清掃
活動
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地域ぐるみの水路の清掃活動
パブリックコメント資料
(3) 緑のリサイクルの推進
資源の循環という課題は,緑の側面からも求められています。また,堆肥づくりを行う意向
のある市民も比較的多いことから,資源の循環という認識も高いと思われます。
このため,公園や街路樹の維持管理で生じる草や落ち葉などについて,有効利用を進め
ていきます。特に,比較的規模の大きい公園については剪定枝のチップ化などに取り組んで
いきます。
また,木質バイオマスの利用については,研究機関などとの連携を図りながら,検討してい
くものとします。
具体的な取り組み
○落ち葉・剪定枝などの活用
公園などの維持管理の際に発生した草や落ち葉を利用して,堆肥をつくります。
また,つくられた堆肥を配布するなど,有効に利用する仕組みづくりや伐採した樹木や枯
損木の有効利用について検討します(チップ,木質ペレットなど)。
○既存樹木などの移植・活用
施設整備や開発事業において,既存の樹木や表土をでき利限り保存・活用を図るよう誘
導するとともに,可能な場合は,樹木の移植に努めます。
また,不要樹木の再利用する仕組みづくりを検討します。
○木質バイオマスを活かした再生可能エネルギーの検討
木質バイオマスを利用した再生可能エネルギーについては,研究機関などとの連携を図り
ながら,検討していきます。
■緑のリサイクルのイメージ
研究機関
リサイクルに関する
アドバイス
家庭(市民)
●規模の大きな公園
●市民の里
生ゴミ
枝
落ち葉
草
木質バイオマスを活かした
再生可能エネルギーの検討
堆肥化施設など
農園など
堆肥など
堆肥など
堆肥など
堆肥など
公園など
家庭(市民)
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交換など
野菜
農家
パブリックコメント資料
基本方針2 田園の緑を守り育てる
4.つくばらしい田園の緑の保全と育成
本市では,平地林をはじめとした樹林地や水田・畑・果樹園などの田園の緑が織りなして
固有の景観を形成しているだけでなく,身近な自然として多様な生態系の維持にも役立って
います。
これらの緑については,環境を支える基盤として適切な保全に努めるとともに,市民の利用
が可能なオープンスペースなどとしての活用を図り,強化していきます。
(1) 平地林・斜面林などの保全・活用 ★
台地上に点在している平地林や,台地の端部に連なり緑のふちどりを形成している斜面林
などの樹林地は,生き物の生息地・生育地となるだけでなく,二酸化炭素(CO2)の吸収源,
つくばらしい景観の形成など多くの役割を担っています。
これらの樹林地について,適切なに保全・育成に努めるとともに,可能なものについては,
市民が利用できるオープンスペースとして積極的な活用を図ります。
高崎自然の森
葛城ふれあいの森
具体的な取り組み
○平地林の保全・整備
「つくば市森林整備計画」などを推進するとともに,平地林などの整備(下刈り・除間伐な
ど)と整備後の管理協定の締結を行います。
○自然に親しむ森としての活用
豊里ゆかりの森では,自然に親しめる空間として適切な管理運営を進めるほか,高崎自然
の森・おぐろくの森・茎崎こもれび六斗の森一帯では,樹林地の保全と,ウォーキングロードや
自然観察などの場としての活用を図ります。
○市民・団体や民間事業者との協働によるモデル事業の推進
葛城ふれあいの森において,民間事業者や団体などとの協働により,緑地を活用したモデ
ル的な事業の推進を検討していきます。
54
パブリックコメント資料
○特別緑地保全地区制度などの樹林地を保全する制度の活用
市街地やその周辺に残された貴重な樹林地や河川の源流などの生き物の生息地となっ
ている樹林地などについて,現状凍結的に保全する制度である「特別緑地保全地区」の指
定や,まとまりのある樹林地について,比較的緩やかな行為の規制により,一定の土地利用
との調和を図りながら保全する制度である「緑地保全地域」の指定などを検討します。
また,既に指定されている「緑地環境保全地域」や「保安林」の維持に努めます。
○市民緑地の設置
身近な自然とのふれあいの場として,土地所有者から土地を借り,市民に公開する制度で
ある「市民緑地」の設置を進めます。
○樹林地の公開
土地所有者の協力により,時期や時間を限定した樹林地を公開し,市民に樹林地の大切
さや管理の課題についての普及啓発,環境学種の場としての活用を図る取り組みを検討しま
す。
■平地林・斜面林の保全・活用のイメージ
平地林の保全・活用
斜面林の保全・活用
平地林の公開
ため池周辺のオープンスペースの整備
生き物の生息地の保全
ため池
55
周辺の樹林地の
保全や活用
パブリックコメント資料
(2) 屋敷林・社寺林や貴重な樹木の保全・育成 ★
本市には,集落地に屋敷林や地域の歴史を伝える社寺林,地域のシンボルとなる巨樹・
古木などが随所にみられ,良好な景観を形成しています。
これらの緑は,貴重な緑の資源として,適切な維持管理を含め保全を図っていきます。
具体的な取り組み
○特別緑地保全地区制度などの樹林地を保全する制度の活用(再掲)
市街地やその周辺に残された貴重な樹林地や河川の源流などの生き物の生息地となっ
ている樹林地などについて,現状凍結的に保全する制度である「特別緑地保全地区」の指
定などを検討します。
○樹林地の公開(再掲)
土地所有者の協力により,時期や時間を限定した樹林地を公開し,市民に樹林地の大切
さや管理の課題についての普及啓発,環境学種の場としての活用を図る取り組みを検討しま
す。
○貴重な樹木の保全・保護
地域のシンボルとなる巨樹・古木や景観形成の特徴となる樹木の所在などを調査するとと
もに,これらのうち,特に貴重なものは文化財や景観重要樹木として指定し,保護・保全する
よう努めます。
また,社寺林などの林や貴重な樹木を保全・活用したオープンスペースの整備を図りま
す。
市の天然記念物の大けやきを含む香取神
社の林を活かし,周囲を一体的に公園とし
て整備したまもりの杜公園
56
テーダ松の並木(研究学園)
パブリックコメント資料
(3) 農地などの保全・活用
低地部に広がる水田,台地上の畑や果樹園などの農地については,農作物の生産の場と
して,環境に配慮した農業施策の推進を図りながら,農地の保全・確保や活用を図っていき
ます。
具体的な取り組み
○優良農地の保全
「つくば市農業振興地域整備計画」に基づき,計画的に優良農地の保全・確保を図りま
す。
また,市街化区域内の農地を保全するために,必要に応じて,生産緑地地区の導入を検
討します。
○グリーンバンク制度の活用
耕作不能となった農地については,グリーンバンク制度を活用して集約を図るなど,耕作
放棄地の抑止と解消を目指します。
○農地などの活用
地域と連携した市民参加による農地の活用を図るために,市民が土に親しめる市民農園
や福祉農園の支援や,市民ファーマー制度の活用促進を図ります。
また,景観形成作物の栽培や,ため池や湿地などを活用した市民が利用できるオープン
スペースの整備に努めます。
○農業・農村の多面的機能の活用
農業・農村の有する多面的機能の維持・発揮を図るため,地域の共同活動に係る支援を
行い,地域資源の適切な維持・管理を推進します。
広がりのある水田(玉取付近)
畑地(遠東)
57
パブリックコメント資料
5.田園と都市を結ぶ市民の里づくり
★
平地林などの樹林地は農業と密接にかかわっていた緑でしたが,農業と切り離され,また
土地所有者の高齢化などによって,手入れされないものも多くなっています。手入れされず
放置された樹林地は,生き物の生息地としての環境の悪化を招き,ゴミなどが捨てられやす
く,ますます荒れています。
一方,本市では多くの団体・NPO 法人が樹林地の管理や樹林地を活用した活動を展開し
ているだけでなく,アンケートの結果などからも,緑に親しみたい,管理したいという市民の希
望もみられます。
このようなことから,都市部と田園が出会い,共生していく里山づくりの場を「市民の里」とし
て,土地所有者と市民・団体などと市の協働による,里山の保全と活用を図っていくものとし
ます。
具体的な取り組み
○市民参加の体験プログラムの推進
高崎自然の森や筑波山市有林などに
おいて,引き続き里山体験プログラムを
推進します。
○市民の里づくりの仕組みづくり(再掲)
土地所有者の情報と里山づくりを希望
する市民や団体の情報の把握に努め,
それらを結びつけ,支援や情報提供など
里山体験プログラム
を行う仕組みづくりを検討します。
○市民の里づくり活動の促進・支援
確保された市民の里において,市民や団体などとの協働によって,多様な活用や運営の
プログラムづくりに努めます。
市民の里のイメージ
58
パブリックコメント資料
■市民の里のイメージ
●イベントの場
・ 緑を活かしたイベント
・ 朝市などの開催
●レクリエーション・癒しの場
●伝統的技術伝承の場
・ 竹細工・わら細工・炭焼きなどの実践
・ 散策
・ 森林を活用した遊び
・ 精神の回復
●樹林地管理の講習・演習の場
・ 枝打ちなどの実習
・ 他の樹林地管理への応用
・ 伝統的な樹林地管理技術の蓄積
●体験学習・環境学習の場
・ 学校との連携による展開
●樹林の再生
●資源循環の実験・実践の場
・ 堆肥づくりなど
両者の関係を結ぶ
市民・団体など
土地所有者等
管理作業(下草刈り,枝打ちなど)
樹林地などの開放
市
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研究機関・研究者などのサポート
パブリックコメント資料
基本方針4 環境を支える緑の骨格を強化する
6.筑波山・牛久沼の緑の保全と活用
本市は,北に筑波山を仰ぎ,南に牛久沼に臨むなど,茨城県を代表する自然資源に恵ま
れています。特に,筑波山は本市のランドマークとして,シンボル的な存在であるばかりでなく,
豊かな自然環境を誇っています。
筑波山・牛久沼周辺は,多様な生き物が生息・生育する自然生態系の核となる地域とし
て,その環境を保全していくことを基本とするとともに,観光・レクリエーションエリアとしての活
用を図ります。
(1) 筑波山と周辺の緑の保全・活用 ★
国定公園に指定されている筑波山と周辺地域では,多種多様で貴重な動植物などが生
息する優れた自然環境を保全していくことを基本とし,拠点となる施設やオープンスペースの
整備を図り,内外からの利用者が自然環境に親しむ場としての活用を図ります。
具体的な取り組み
○筑波山の優れた自然環境の保全
筑波山と周辺地域においては,国定公園として引き続き豊かな自然景観の保護とともに,
災害の防止に努めます。
筑波山の森林については,「つくば市森林整備計画」などを推進するとともに,ブナ林など
の貴重な植生・植物の保護に努めます。また,湧水の保全や生き物の生息地・生育地として
の保全を図ります。
さらに,筑波山を活かした良好な景観形成を図るため,つくば市景観計画に基づき,景観
誘導を促進します。
○拠点となる施設やオープンスペースの整備
筑波ふれあいの里,筑波山梅林の充実と拠点施設としての活用を図るほか,筑波山森林
パーク,筑波山四季の道など筑波山中腹の資源を活かした整備,環境を活かしたビジターセ
ンターなどおもてなし空間となる拠点施設の整備,身近な自然に親しむことができる登山道
の整備に努めます。
○宝篋山周辺の自然環境を活用した山麓地域の整備
宝篋山の山麓においては,展望広場,登山道・遊歩道や山麓駐車場の整備に努めます。
また,大形地区採石場跡地の「宝篋山ふるさとの山づくり計画」を推進します。
60
パブリックコメント資料
筑波山
宝篋山
(2) 牛久沼周辺の緑の保全・活用
牛久沼周辺においては,斜面林の連なりや農地を保全するとともに,水辺の環境を活かし,
周辺市などと連携しながら,親水レクリエーションや市民の憩いの場としての活用や多様な生
き物の生息場所としての水辺環境の保全を図ります。
具体的な取り組み
○牛久沼周辺の緑の保全
牛久沼周辺に連なる斜面林や農地の保全・育成を図るとともに,生き物の生息地・生育
地となる水辺環境の保全を図ります。
○観光・レクリエーションエリアの形成
牛久沼の水辺空間と,周辺に分布する茎崎運動公園,泊崎大師堂,茎崎憩いの家など
の施設を「牛久沼観光・レクリエーションエリア」として,各施設と広々とした眺望などの自然や
田園環境をネットワーク化することで,スポーツ,保養,自然散策,農業体験などを楽しめる
多様なレクリエーションエリアの形成を図ります。
牛久沼と周辺の斜面林
谷田川
61
パブリックコメント資料
7.水と緑の回廊づくり
本市の自然の骨格となっている小貝川・桜川をはじめとした河川一帯の区域を川の回廊と
して,また,幹線道路と沿道の緑を一体的にとらえ緑の回廊として位置づけ,それぞれの緑
の適切な保全と整備によって,水と緑の骨格としての強化を図ります。
(1) 小貝川・桜川回廊づくり
小貝川・桜川においては,河畔林などの水辺の緑の保全を図り,生き物の生息地の保全
などに努めるとともに,川沿いの緑と一体となったオープンスペースの整備や環境学習の場
など,水辺の活用を図ります。
具体的な取り組み
○生き物の生息地・生育地と移動経路の保全・活用
河畔林などの水辺の緑の保全や護岸
の緑化などに努め,生き物の生息地・生
育地や移動経路の保全を図ります。
また,自然観察などの学習活動の場と
して活用します。
桜川における稚魚の放流と魚捕り体験
○地域の憩いの場となるオープンスペースなどの整備
環境を活かした散策やレクリエーションの場となる親水空間の形成を検討します。
小貝川
桜川
62
パブリックコメント資料
(2) 身近な川の回廊づくり
谷田川・西谷田川・蓮沼川・小野川・稲荷川・花室川などの河川は,一部農業用排水路と
しても利用されているように,農業と密接にかかわっている身近な水辺空間です。
これらの河川については,周辺の斜面林や農地と一体となった緑のネットワークの軸として
位置づけ,水辺の緑の保全・活用を図るものとします。特に,つくばエクスプレス沿線開発に
かかわる区間については,積極的に水辺を活かした整備を促進します。
具体的な取り組み
○生き物の生息地・生育地と移動経路の保全・活用(再掲)
河畔林などの水辺の緑の保全や護岸の緑化などに努め,生き物の生息地・生育地や移
動経路の保全を図ります。
また,自然観察などの学習活動の場として活用します。
○水辺に親しめるオープンスペースや遊歩道などの整備
つくばエクスプレス沿線開発地内の河川を中心として,調節池や公園などとの一体化によ
る水辺空間の整備を図ります。
谷田川と周辺の農地,斜面林
花室川と周辺の農地
■身近な川の回廊のイメージ
斜面林の保全・活用
遊歩道としての活用
案内サインの整備
河川
農地の保全・活用
生き物が生息できる環境の保全と
自然観察の場などとしての活用
63
パブリックコメント資料
(3) 学園東大通り線・学園西大通り線・牛久学園線と沿道の緑の回廊づくり
学園東大通り線・学園西大通り線・牛久学園線は,南北方向を結ぶ骨格的な道路で,豊
かな街路樹が整備されており,沿道には多くの国や独立行政法人の研究所が立地していま
す。沿道からは,周辺の緑や筑波山への眺望も得られます。
これらの道路と沿道においては,街路樹と沿道の緑の保全と地域にふさわしい緑化を図り,
良好な緑の回廊づくりを促進します。
具体的な取り組み
○街路樹の適切な維持管理と整備・再整備の促進
本市を象徴する緑である街路樹の適切な維持管理と整備・更新により,良好な道路景観
の維持を図ります。
○沿道の緑の保全と創出
沿道の緑の保全や緑化を促進するとともに,「つくば市景観計画」との連携を図り,沿道の
緑への眺めを阻害しない屋外広告物の配慮を進めます。
学園東大通り線
学園西大通り線
■緑の回廊のイメージ
研究所の緑の維持・整備
筑波山や周辺の緑への眺めを
阻害しない広告物
景観に配慮した道路際の整備
街路樹の適切な維持管理
沿道の緑の保全と緑化推進
64
パブリックコメント資料
(4) 新都市中央通り線などと沿道の緑の回廊づくり
つくばエクスプレス沿線開発地区内外で整備される新都市中央通り線と,これに接続され
る幹線道路は,沿線開発地区を相互に結ぶ道路であり,東西方向の歩行者ネットワークの
軸となることが期待されます。
これらの道路と沿道においては,新しい骨格道路にふさわしい緑の整備と沿道緑化に努め,
緑の回廊づくりを推進します。
具体的な取り組み
○都市の骨格を担う道路にふさわしい街路樹などの整備
街路樹の整備や良好な道路景観を支える植栽基盤の確保,誰もが安全で安心して歩け
る十分な幅員を持った歩行者空間の確保に努めます。
○沿道の緑の保全と創出(再掲)
沿道の緑の保全や緑化を促進するとともに,「つくば市景観計画」との連携を図り,沿道の
緑への眺めを阻害しない屋外広告物の配慮を進めます。
新都市中央通り線
65
パブリックコメント資料
(5) 身近な緑の回廊づくり
道路の緑は,歩行者にうるおいを与えるとともに,安全性の確保,良好な景観の形成,騒
音の防止や防塵など,さまざまな役割を果たしています。一方で,街路樹の維持管理につい
ては,樹木の生育環境を考えた場合,課題も多くなっています。
このような状況を踏まえながら,今後は沿道を含めた地域特性や街路樹の生育条件,維
持管理などを考慮して,都市計画道路を中心とした道路の緑化と沿道の緑化を推進し,身
近な緑の回廊づくりに努めます。
具体的な取り組み
○地域の特性やアメニティに配慮した街路樹などの維持・整備
既存の街路樹の適切な維持管理と,バリアフリー化などによる誰もが安全で快適に通行す
ることができる空間の確保に努めます。
○沿道施設における道路と一体となった緑の確保
沿道の土地利用や郷土性などに配慮した緑化や,沿道施設などとの一体的整備などによ
るオープンスペースの確保を促進するとともに,「つくば市景観計画」との連携を図り,沿道の
緑への眺めを阻害しない建築物・広告物などに対する景観誘導を進めます。
■身近な緑の回廊のイメージ
沿道に配慮した街路樹の整備
と適切な維持管理
緑と調和する外壁と広告物の色彩
沿道の緑化推進
透水性舗装
バリアフリー化された
人にやさしい歩道の整備
良好な植栽基盤の確保
66
残地を活用したオープンスペースの整備
(地域住民による管理など)
パブリックコメント資料
基本方針4 緑に親しむ拠点や道をつくる
8.つくばライフを楽しむ緑の拠点づくり
公園や緑地は,レクリエーションや身近な交流の場として重要な施設です。今後は,都市
公園の整備を中心として,さまざまな活動の拠点となる緑とオープンスペースを地域にバラン
ス良く配置するよう努めます。
特に,公園や緑地が不足している地域においては,多様な手法によってその確保に努めま
す。また,今後は維持管理や環境に配慮するとともに,地域に愛される施設整備を進め,生
活をより豊かにする拠点とするものとします。
(1) 緑の拠点づくり
緑の拠点は,一定のまとまりのある緑とオープンスペースを位置づけています。既に整備さ
れた緑の拠点においては,適切な維持管理と積極的な活用を図ります。
また,新たに整備する緑の拠点の整備の考え方は,以下のとおりとします。
■新たに整備する緑の拠点の整備の考え方
緑の拠点
整備の考え方
中根・金田台歴史緑空間
金田官衙遺跡を含むオープンスペースの整備
中根・金田台水辺の里
公園・緑地・調整池が一体的となった水辺に親しめる
オープンスペースの整備
葛城源流の森
河川の源流域を中心とした豊かな緑地の整備
葛城水辺の里
調節池・調整池と河川を中心としたレクリエーション機
能を有するオープンスペースの整備
上河原崎・中西水辺の里
河川・公園・学校が一体となった水辺に親しめるオープ
ンスペースの整備
島名・福田坪大規模緑地
既存の樹林の保全・再生による大規模な緑地の整備
島名・福田坪水辺の里
調節池と河川を中心としたレクリエーション機能を有す
るオープンスペースの整備
萱丸源流の森
トンボなどの生き物の生息に配慮した緑地の整備
67
パブリックコメント資料
(2)公園などの整備・再整備 ★
公園は,研究学園地区やつくばエクスプレス沿線開発地を中心とした市街化区域におい
て計画的に配置されている一方で,周辺地区においては公園や緑地などのオープンスペー
スは不足しています。
このような状況を踏まえ,今後は都市公園を市民1人当たり10㎡以上を確保することを目
指すとともに,多様な手法を含めて公園や緑地などのオープンスペースを地域にバランス良
く確保していくよう努めます。
公園の新規整備や再整備(リニューアル)に際しては,誰もが安全で快適に利用すること
ができるユニバーサルデザインや防犯に配慮するとともに,地域の特性や住民の意見を活か
した公園などの整備に努めます。
具体的な取り組み
○都市公園などの整備
つくばエクスプレス沿線開発地区における公園の整備を推進するほか,大池公園の整備,
さくら運動公園の拡張整備や茎崎運動公園の施設整備,(仮称)大井池公園の整備を検討
します。
また,市民のスポーツ活動の場として,スポーツ・レクリエーション及び防災の拠点となる総
合運動公園の整備を検討します。
○多様な手法による身近な公園の整備
都市公園に限らず身近な公園を地域にバランス良く配置していくために,借地方式や立体
都市公園制度の活用など,多様な手法の活用に努めます。
○公園のリニューアルの推進
施設の老朽化がみられる公園や公務員宿舎跡地周辺などの公園について,住民の意見
を聴きながら公園のリニューアルを進めます。
○市民のニーズに対応した安全で,安心できる公園づくり
高齢者の利用や子どもの遊びに配慮した公園,農園のある公園など,地域のニーズに対
応した公園の整備に努めます
また,植栽の改善,夜間の明るさの確保などの防犯やバリアフリーなどに関する地域の意
見を取り入れるとともに,災害時に利用できる防災機能を整備し,安全で・安心できる公園づ
くりを目指します。
○公園施設の安全点検や長寿命化(再掲)
遊具などの公園施設について,安全点検の実施や施設の長寿命化を図ります。
68
パブリックコメント資料
(3)地域に愛される魅力ある公園づくり ★
公園などの緑は,地域の人々に親しまれ,利用される空間として整える必要があります。
今後は,公園を活用し,市民や民間事業者などとの協働によって,地域のニーズに対応した
魅力ある公園づくりに努めていきます。
具体的な取り組み
○市民参加の公園づくり(再掲)
公園の整備・再整備に際して,意見交換開会やワークショップの実施などにより,整備や利
用ルールについて,市民の意向を踏まえた公園づくりを進めます。
○指定管理者制度の積極的運用
現在,実施されている指定管理者制度について,施設の管理に創意工夫ある企画や効
率的な運営などにより,利用者の多様なニーズに応えた質の高いサービスの提供を図る管
理運営を目指していくよう制度運用を検討します。
○民間などの活力を活かした公園づくり
民間事業者の資金やノウハウなどを活か
し,都市公園法に基づく公園施設の設置
許可制度の活用やPPP(公民連携)の活
用などにより,新たな魅力ある公園づくりに
努めます。
中央公園を活用したカフェ(公共空間活用
実証実験 つくばセンターマルシェ)
○アダプト・プログラムの支援の拡充(再掲)
また,参加している市民ボランティアの活動に対し,支援に努めるとともに,活動を効果的
に展開していくために,団体間の交流や連携のあり方について検討します。
特に,公園の清掃を行うアダプト・ア・パーク事業については,清掃に留まらず,公園におけ
る花壇づくりなど,自主的な活動へと拡大できるよう検討していきます。
○市民などとの協働による公園運営の検討
公園の特性に応じて,市民や団体,事業者が特色ある公園の運営にかかわることができ
る仕組みづくりを検討します。
69
パブリックコメント資料
9.地域と一体となった緑の学校づくり
学校は地域の遊び場として,あるいは防災の視点からも重要であるばかりでなく,地域緑化
の拠点としての役割が期待されます。さらに,学校は子どもたちの日常的な空間であり,緑や
環境について学ぶことができる点で重要な役割を持っていることから,緑豊かな学校づくりに
努めます。
具体的な取り組み
○学校における緑化の推進
学校の敷地において,グラウンドの芝生
化,学校ビオトープの適切な維持管理など
に努めます。
○地域と一体となった学校づくり
学校を地域の中でとらえ,周辺の施設や
緑と連続した緑とオープンスペースの確保,
周辺の樹林地や農地などを活用した学校
芝生化された作岡小学校の校庭
の森・学校農園などの確保に努めます。
■緑の学校づくりのイメージ
エントランス広場やシンボルツリーなどの整備
校庭の芝生化
学校ビオトープの維持管理
周辺の樹林地を活用
した学校の森づくり
未利用地などを活用した広場の確保
70
パブリックコメント資料
10.緑の遊歩道のネットワークづくり
研究学園地区におけるペデストリアンデッキ(歩行者専用道路)とつくばりんりんロードを緑
の遊歩道のネットワークの軸として位置づけ,これらを中心に,既存の道路や河川などと連携
し,通勤・通学など,日常において安全で快適に移動できる遊歩道・サイクリングロードのネット
ワークの形成を図ります。
特に,ペデストリアンデッキについては,防犯面にも配慮した緑の適切な維持管理や更新
を図り,周辺の宅地や公園と一体となった緑の空間として整備に努めます。
具体的な取り組み
○緑の適切な維持管理や再整備
研究学園地区のペデストリアンデッキやつくばりんりんロードにおける適切な維持管理を進
めるとともに,改善が必要な区間は,地域の声を聞きながら再整備に努めます。
また,市の中心部において,にぎわいの創出を図るためのペデストリアンの活用方策を検
討します。
○サイクリングネットワークづくり
「自転車のまち つくば」として,周辺の緑の景観を活用した,快適に走行できる自転車走
行空間ネットワークづくりに努めます。
■緑の遊歩道のネットワークづくりのイメージ
社寺林
街路樹のある道路
公民館など
河川
河川沿いの遊歩道
平地林
畑
案内サインの整備
既存の樹木の保全・活用
平地林の保全・活用
生垣緑化
林床の整備
71
筑波山への眺望
パブリックコメント資料
基本方針5 豊かな緑のまちなみをつくる
11.研究所・大学などの緑の保全と活用
★
市内に立地する国立研究開発法人等の研究所・大学は,広大な面積を有しているだけで
なく,その豊かな緑の景観が大きな特徴となっています。
今後も,これらの施設について,地区計画に基づき敷地の 30%以上の緑地を維持してい
くとともに,よりふさわしい緑の育成と適切な維持管理を促進するものとします。また,一部可
能な施設については,市民に公開された緑地としての活用を検討します。
具体的な取り組み
○良好な緑の整備と維持管理
敷地内に現存する樹林地,草地等については保全・活用に努めるとともに,壁面の位置の
制限で生み出される空地やその他の空地部分について緑化を促進します。
また,緑の適切な維持管理とともに,地域に身近にみられる樹種に配慮した接道部の緑
化の促進を図ります。
○地域に貢献する緑としての活用
可能な施設においては,敷地の一部を市民に公開されたオープンスペースや自然観察の
場などとして活用することも検討します。
■研究所の緑の保全・活用のイメージ
地域に開かれた緑地や自然
観察の場などとしての活用
農業研究センター周辺の緑
柵の位置の後退
敷地の一部の公開など
施設の緑の育成と維持管理
研究所
柵など
72
パブリックコメント資料
12.地域の環境と調和する緑のまちなみづくり
地域の環境と調和を図った緑豊かなまちなみを形成していくために,民有地や公共公益
施設などにおいて,地域の特性や周辺の既存樹林などに配慮した,質の高い緑を確保する
よう努めます。
特に,地域の景観を形成している良好な緑を保全・活用するとともに,人の目に付きやす
い接道部において魅力を与える表情の創出に努めます。
(1) 都市の中心や駅周辺におけるシンボル的な緑の表情づくり
つくば駅周辺と研究学園駅周辺は,本市の中心としての機能の充実が図られることから,
都市の玄関口にふさわしいシンボル的な顔づくりに努めます。
また,つくばエクスプレスの各駅周辺においては,新しいまちの顔として,駅周辺の土地利
用と一体となった緑を活かした魅力ある表情づくりと緑のネットワークの形成に努めます。
具体的な取り組み
○商業・業務施設などの緑化の促進
駅周辺に立地する商業・業務施設や駐車場などにおいて,地域に身近にみられる樹種に
配慮した緑化や屋上緑化・壁面緑化・法面緑化など,特色ある緑化を促進します。
○市民との協働によるウェルカムフラワーCityつくばの推進(再掲)
市内各所で,市民との協働によって,花を活かした彩りのある表情づくりを進めます。
○コミュニティガーデンづくりの検討(再掲)
公有地や民間の未利用地を活用し,市民などが主体となり,「地域の庭」となる暫定的な
オープンスペースを確保する仕組みづくりを検討します。
つくば駅周辺の商業施設の壁面緑化
73
研究学園駅駅前広場の花壇
パブリックコメント資料
(2) 地域の中心における集落の緑を活かしたまちなみづくり
旧町村の中心地であった市街地においては,屋敷林・生垣などの緑や歴史的資源と一体
となった緑の保全を図るとともに,積極的な緑の確保に努め,緑を活かしたまちなみの形成を
図ります。
具体的な取り組み
○貴重な樹木の保全・保護(再掲)
地域のシンボル・目じるしとなる巨樹・古木や景観形成上重要な屋敷林・生垣・高垣など
を保全・保護するために,これらの所在などを調査するとともに,文化財や景観重要樹木など
として指定に努めます。
○生垣緑化の促進(再掲)
生垣設置奨励補助制度などを活用し,生垣の緑化を促進します。
(3) 緑化重点地区のまちなみづくり
中心市街地と,土地区画整理事業により緑を積極的に保全した開発方策が推進されてい
るつくばエクスプレス沿線開発地区を緑化重点地区として位置づけ,公園などの整備と緑化
に努め,先導的なまちなみの維持・整備を進めるものとします。
■緑化重点地区と位置図
中心市街地
葛城地区
島名・福田坪地区
萱丸地区
上河原崎・中西地区
中根・金田台地区
約 207ha
約 485ha
約 243ha
約 293ha
約 168ha
約 190ha
中根・金田台地区
葛城地区
研究学園駅
つくば駅
中心市街地
上河原崎・中西地区
万博記念公園駅
首都圏中央連絡自動車道
島名・福田坪地区
みどりの駅
萱丸地区
つくばエクスプレス
74
常磐自動車道
パブリックコメント資料
■地区ごとの緑の整備・保全,緑化の方針
中心市街地
既存の緑の維持と整備を図りながら,緑を活かした新しい表情をつくり,都心部
にふさわしい景観の創出を図ります。
○ 魅力ある公園や緑地の維持・活用と再整備
○ つくば駅周辺における花や緑を活かした表情づくり
○ 幹線道路とペデストリアンデッキの街路樹の適切な維持管理
○ 商業・業務施設・住宅地の緑豊かなまちなみづくり
○ 公務員宿舎跡地における緑豊かな環境を良好な形で継承する誘導
葛城地区
地区周辺の緑との連続性に配慮するとともに,沿線地区のまちづくりを先導して
いく蓮沼川などの水辺と緑を活かしたネットワークと,良好なまちなみの形成を
図り,地区内において緑被率 30%以上,周辺の緑を合わせて緑被率 40%以
上の確保を目指します。
○ 調節池・調整池と蓮沼川が一体となった公園(葛城水辺の里)などの身
近な公園の整備
○ 大規模緑地(葛城源流の里)の整備
○ 周辺の環境との共生に配慮した緑豊かなまちなみづくり
島名・福田坪地区
地区周辺の緑との連続性に配慮するとともに,谷田川と西谷田川などの水辺
や緑を活かしたネットワークと,緑豊かなまちなみの形成を図り,地区内におい
て緑被率 30%以上,周辺の緑を合わせて緑被率 40%以上の確保を目指し
ます。
○ 調節池を活かした親水レクリエーション空間となる公園(島名・福田坪水
辺の里)などの身近な公園の整備
○ 島名・福田坪大規模緑地の整備
○ 周辺の環境との共生に配慮した緑豊かなまちなみづくり
萱丸地区
地区周辺の緑との連続性に配慮するとともに,自然資源を積極的に活かした
西谷田川などの水と緑のネットワークと,新しい田園生活スタイルの実現に資す
るまちなみの形成を図り,地区内において緑被率 30%以上,周辺の緑を合わ
せて緑被率 40%以上の確保を目指します。
○ 西谷田川と一体となった公園などの身近な公園の整備
○ トンボ池を保全した緑地(萱丸源流の森)の整備
○ 周辺の環境との共生に配慮した緑豊かなまちなみづくり
上河原崎・中西地区 地区周辺における西谷田川と西谷田川支川などの水辺や緑との連続性に配
慮したネットワークと,緑豊かなまちなみの形成を図り,地区内において緑被率
30%以上,周辺の緑を合わせて緑被率 40%以上の確保を目指します。
○ 西谷田川支川と一体となった公園(上河原崎・中西水辺の里)などの身
近な公園の整備
○ 周辺の環境との共生に配慮した緑豊かなまちなみづくり
中根・金田台地区
地区周辺の緑との連続性に配慮するとともに,奈良・平安時代の郡役所跡で
国指定の金田官衙遺跡と一体となったオープンスペースを核としたネットワーク
と,宅地内の緑の積極的な活用により,景観緑地のある住宅地の緑豊かなま
ちなみの形成を図り,地区内において緑被率 30%以上,周辺の緑を合わせて
緑被率 40%以上の確保を目指します。
○ 金田官衙遺跡を含むオープンスペース(中根・金田台歴史緑空間)の整
備
○ 調整池と一体となった公園(中根・金田台水辺の里)などの身近な公園の
整備
○ 周辺の環境との共生に配慮した緑豊かなまちなみづくり
75
パブリックコメント資料
(4) 公共公益施設の緑の創出・育成
公共公益施設は,緑のまちなみづくりを進める上で先導的な役割を果たすべき施設です。
このため,各施設においては,質の高い多様な緑の整備が求められます。
市の施設の建設に当たっては,本計画の趣旨を踏まえて,緑のモデルとなる整備を推進
します。また,国・県などの施設については,緑化と適切な維持管理を促進します。
具体的な取り組み
○モデルとなる緑づくりの推進
公共公益施設の敷地を活かし,シンボ
ルツリーの整備や緑のカーテンづくり,エン
トランスなどと一体となったオープンスペー
スの確保など,モデルとなる緑化を進めま
す。
また,市民との協働による花壇づくりなど
を検討します。
○良好な緑の確保を誘導する仕組みづくり
つくば市役所の花壇
公共公益施設に緑が確保されるよう,
緑化基準やガイドラインなどの策定などの
新たな仕組みづくりを検討します。
■公共公益施設の緑化のイメージ
地域にふさわしいシンボルツリー
駐車場まわりの緑化
公共公益施設
緑のカーテン
エントランスと一体となったオープンスペース
76
透水性舗装
パブリックコメント資料
(5) 住宅・住宅地の緑の創出・育成 ★
本市には,筑波研究学園都市の建設に伴い整備された公務員宿舎や各研究・教育機関
所有の宿舎などの計画的住宅地が多くあります。これらには,既存のマツ林を保全・活用した
ものも多く,全体的に緑が豊かな住宅地が形成されています。
今後は,計画住宅地の緑の適切な維持管理の促進に努めるとともに,その他の住宅・住
宅地においても,市民の創意工夫も活かし,良好な緑を確保したまちなみづくりを図ります。
特に,廃止・処分が進められている公務員宿舎等については,民間事業者などによる跡地
における住宅地の整備に際して,地区計画を定めるなど,これまで形成してきた緑豊かな環
境を良好な形で継承するよう積極的に誘導するものとします。
具体的な取り組み
○制度を活用した緑の整備・確保
「つくば市中高層建築物等指導要綱」に基づき,一定規模を超える建築行為や開発行為
に対して緑化を誘導していきます。
また,まとまりのある住宅地などの開発に対しては,や「つくば市景観計画」に基づき,周辺
の景観との調和に配慮していきます。また,地区計画制度の活用や緑地協定,景観協定な
どの締結促進,ガイドラインの運用などに努め,良好な緑の確保や保全を図ります。
○市民の緑化の取り組みの支援
生垣設置奨励補助制度の活用に努めるほか,個人の庭を公開するオープンガーデンやガ
ーデニングなど,市民の創意工夫による緑のまちなみづくりを進めます。
公園のリニューアルとアダプト・
ア・パーク事業による清掃など
■住宅地の緑化のイメージ
既存樹林の保全
市民による
公園の花壇づくり
集合住宅
ペデストリアンデッキと
一体となった緑づくり
(オープンガーデンな
ペデストリアンデッキと
一体となった緑づくり
(オープンガーデンな
ペデストリアンデッキ
幹線道路沿いの
戸建て住宅
グリーンベルトの保全
集合住宅
生垣緑化
歩行者通路の確保
立体駐車場の緑化
77
パブリックコメント資料
(6) 工業団地・事業所などにおける緑の創出・育成
既存の工業団地においては,豊かな緑の維持管理を促進します。また,その他の工場や
事業所などにおいては,周辺の緑に配慮し,質の高い緑化を促進するものとします。
具体的な取り組み
○緑地協定,環境景観協定などに基づく緑の維持・整備
緑地協定,環境景観協定などに基づき緑を確保している工業団地などでは,引き続きの
協定の維持・更新を図り,緑の維持管理に努めます。
また,地区計画制度の活用などにより,良好な緑の確保や保全を図ります。
○事業所敷地の緑化の促進
地域に身近にみられる樹種などに配慮し,事業所の敷地内において,積極的な緑化の誘
導を図ります。
筑波北部工業団地
筑波西部工業団地
(7) 鉄道・高速道路の緑の創出・育成
つくばエクスプレスは,主に高架構造によって整備されているため,沿線の敷地と連携した
緑によって,その圧迫感・違和感をできる限り軽減するよう努めます。
また,本市の南部を東西に通過している常磐自動車道については,植樹帯の維持整備と
法面緑化を促進するとともに,首都圏中央連絡自動車道については,周辺の景観との調和
に配慮した緑化を促進します。さらに,インターチェンジ・ジャンクションにおいては,市の広域
的な交通結節点として,玄関口にふさわしい緑の表情づくりを促進します。
78
パブリックコメント資料
(8) 開発にあわせた緑の確保 ★
開発事業などは,良好な緑を創出する機会ととらえることもできます。開発に際して,緑を
量だけでなく,質の高いものとして確保していく誘導方策の活用や新たな仕組みづくりなどを
検討します。
具体的な取り組み
○制度を活用した緑の整備・確保(再掲)
「つくば市中高層建築物等指導要綱」や「つくば市景観計画」に基づき,一定規模を超える
建築行為や開発行為に対して緑化を誘導していきます。
また,まとまりのある住宅地などの開発に対しては,地区計画制度の活用や緑地協定,景
観協定などの締結促進,ガイドラインの運用などに努め,良好な緑の確保や保全を図りま
す。
○新たな仕組みの検討
新たな仕組みとして,良好な緑の確保を誘導する緑化基準などの策定に努めるほか,必
要に応じて,都市計画制度によって緑を確保する緑化地域制度の活用を検討します。
また,社会や環境に対して貢献度の高い優れた緑を評価・認定する制度である社会・環
境貢献緑地評価システム(SEGES シージェス),建築物総合環境性能評価システム
(CASBEE キャスビー)など)の活用を検討します。
79
パブリックコメント資料
パブリックコメント資料
4
第
章
推進のための取り組み
パブリックコメント資料
1.緑のまちづくりを支える各主体の役割
市民・団体・事業者は,それぞれが緑のまちづくりの重要な担い手であり,主体であるこ
とを認識し,以下に掲げる役割を果たしていくことが必要です。同時に,各主体が持つ役
割を理解し,協力・連携していく姿勢が求められます。
(1)市民の取り組み
市民は,緑のまちづくりを担う中心的な役割を果たしていくことが期待されます。このた
め,自然や緑の価値・機能を理解するとともに,地域の緑を資源として認識することが求
められます。身近な緑を大切に思う姿勢が,まちづくりに参加する第一歩であるということ
を理解し,地域に対して主体性や責任感をもって参加・協力していくことが求められます。
具体的な取り組み
・ 地域の環境を守るように行動していく
・ 緑に関する市民モニターに参加する
・ 緑に関する学習活動やイベントなどに参加する
・ 身近な緑化に努める
・ 公園や平地林などの緑の維持管理に協力する
(2)市民ボランティア・団体・NPO 法人などの取り組み
本市の市民ボランティア・団体・NPO 法人の数は多く,その活動内容も多岐にわたって
います。これらの団体は市と協力しながら,市民と市の間をつなぐ役割を担い,地域に対
して主体性をもって緑のまちづくりを先導していくことが期待されます。
具体的な取り組み
・ 市民に対する意識啓発に努める
・ 緑に関する市民モニターに参加する
・ 緑化活動を推進する
・ 緑に関する学習活動やイベントなどを企画する
・ 公園や平地林などの緑の維持管理に協力する
・ 団体間の交流・連携の強化に努める
82
パブリックコメント資料
(3)農地・樹林地などの土地所有者等の取り組み
これまでの本市の緑の豊かさは,農地や樹林地の保全に取り組んできた土地所有者
等によるものであり,その緑が地域の環境を支えてきたといっても過言ではありません。し
かし,生活様式の変化に伴い,緑を維持していく環境は年々厳しくなる状況にあります。
これらの土地所有者等は,緑の重要性や公益的な機能に対する認識を高め,樹林地
や農地の保全・活用に関する市の施策などに協力することが重要となります。
具体的な取り組み
・ 平地林・屋敷林・農地などの保全と育成に努める
・ 平地林などを必要に応じて開放することについて協力する
・ 緑に関する市民モニターに参加する
(4)民間事業者の取り組み
民間事業者は,地域の一員として緑を含めた環境の保全・活用に貢献するよう努める
ことが求められます。また,事業活動が緑や環境に対して影響を与えないように配慮する
とともに,市などの施策に協力するなど,緑のまちづくりに積極的に貢献していくことが求め
られます。
具体的な取り組み
・ 良好な緑の維持管理を含めて,緑の質の向上に努める
・ 敷地内において,地域の緑との調和に配慮した質の高い緑化に努める
・ 公園や平地林などの緑の維持管理に協力する
・ 地域の緑の保全活動や緑化活動に協力する
・ 市民・団体・市などとの連携に努める
(5)国立研究開発法人等の研究機関や大学の取り組み
本市に立地する多くの国立研究開発法人等の研究機関・大学は,これまで以上に地
域との結び付きを強め,地域の一員として緑を含めた環境の保全・活用に貢献するよう努
めることが求められます。特に,緑を扱う研究機関においては,専門家として市民や団体
等の技術的支援を行うことが期待されます。
具体的な取り組み
・ 敷地内の緑の適切な維持管理と整備に努める
・ 専門家として調査研究成果の提供や技術的な支援に努める
・ 必要に応じて,敷地の一部を緑地として開放することについて協力する
・ 市民・団体・市などとの連携に努める
83
パブリックコメント資料
(6)市の取り組み
市は緑のまちづくりの先導役であり,すべての施策について責任をもって推進していくこ
とが求められます。特に今後は,市民・団体・研究機関・大学と土地所有者等を結ぶコー
ディネーターとしての役割が重要となると考えられることから,必要な情報の提供や交流
の場づくりに積極的に取り組むとともに,制度の活用や整備に努めるものとします。
具体的な取り組み
・ 市民に対して情報の提供やモニタリングなどの仕組みを整備するとともに,意識啓発
に努める
・ 市民ボランティア・NPO 法人との連携を強め,協働を図る
・ 市民・団体と樹林地などの土地所有者等との仲介役を果たし,市民の里づくりに努め
る
・ 公園や緑地などのオープンスペースの整備・再整備・維持管理に当たっては,地域
住民の意見を聴きながら進めるよう努める
・ 公務員宿舎等の処分に当たり,条件等を付与し緑地の保全に努める
・ 公共公益施設の緑化を進める
・ 筑波山と周辺地域の緑豊かな環境の保全に努める
・ 地域地区・地区計画や条例などの緑を保全・創出する制度の創設や活用に努める
・ 助成を含めた必要な制度の整備に努める
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パブリックコメント資料
2.計画の推進を支える取り組み
計画の推進をフォローし,市民・団体などとの連携・協働を進めていくために,
以下の仕組みづくりに努めます。
(1)計画の推進をフォローする体制・仕組みづくり
計画を推進する体制として,市民や専門家も加わった検討組織づくりなどに努
めます。
具体的な取り組み
・ 庁内の関連部局との連携の強化
・ 市民・専門家を含めた緑に関する施策の検討組織づくり
・ 市民の里などの緑の保全や緑化を専門に取り組む組織づくり
(2)計画を管理・評価する仕組みづくり
本計画の進行を管理するとともに,本計画の理念にかかわる市民ボランティ
ア・NPO 法人や民間事業者などの優れた取り組みを評価し顕彰する仕組みづくり
に努めます。このために,市民が参加することができる審議体制や,庁内体制の
整備に努めるとともに,市民から意見を聴く機会の提供や市民への広報・PRの
充実に努めます。
あわせて,施策の実施状況や社会情勢の変化などを踏まえ,次期計画に反映し
ていくものとします。
(3)近隣市などとの連携
緑は市域外にも連続していることから,近隣市などとの連携を含めて,広域連
携の強化に努めます。また,国や県に対しても必要な要望を行うとともに,国や
県が実施する各種の事業との連携を図ります。
85
パブリックコメント資料
パブリックコメント資料
参考資料
パブリックコメント資料
1.市民アンケート 自由回答のまとめ
市民アンケートの「つくば市の緑に対するご意見」(自由回答)は,520 通ありました。概要を
まとめると以下のとおりとなります。
(回答数 520)
●つくば市の緑の魅力に関する評価
つくば市は緑が多く住みやすいこと,公園が多いこと,街路樹やペデストリアンデッキの緑の豊かさ
が評価されています。
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《主な意見の概要》
つくばに越してきて,美しい緑のまちだと思った。
つくばは公園が点在して多く,それを結ぶペデストリアンデッキも整備されている。
緑も豊かでとても住みやすい。都内から帰ってくるとホッとする。
つくば市は緑が多いまちである。筑波山,桜川,小貝川,牛久沼と水辺も多い。
高度な科学技術の研究所と豊かな緑の共存はつくば市の素晴らしい特徴である。
他の県,東京から来た人は,ここは全体が公園のようだ,緑が多く素晴らしい,と褒める。
つくばは他の都市と比べて緑が多く住みやすい。
つくば市は大きく育った街路樹が多く,緑と青空のコントラストが美しいまちである。
つくば市は緑が多く鳥たちもたくさん飛んできて好きなまちである。
つくば市はあまり緑がなく,雑草だけ多いような気がする。
●緑に関する問題点
《開発のあり方に関する意見》
研究学園駅周辺などにおいて,里山や屋敷林などの緑が急速に失われていることや生き物の生
息環境が失われていることを危惧しています。
開発を抑制すること,現在の緑の維持していくことを求めています。
公務員宿舎の廃止に伴う緑の減少とつくばらしさが喪失しているとしている印象を持っています。
《主な意見の概要》
・ 里山や屋敷林が伐採され,宅地化が進んでいる。これを早急に規制すべきである。このまま放置する
と,東京の近郊住宅のように砂漠化し,つくばらしさは失われるであろう。
・ 今の緑の量を維持してほしい。
・ 山林をつぶすのなら,代わりに別の場所に植林するなどして,緑を確保していくようにしてもよいのでは
ないか。
・ TX が開通してから沿線に開発が進み,多くの山林が宅地や店舗になった。生活が便利になることと引
き換えに,緑や木がなくなるのか残念なことである。
・ 緑が多いことがつくばの魅力であるのに研究学園駅のあたりがだんだんと市街化されて残念に思う。特
に大通りなどはどのまちにもある,ありふれた大型店舗で埋め尽くされ,緑を感じることがない。
・ ここ近年のつくば市の都市計画は,何の目的も意思もないようにしか見えない。TX 研究学園駅北側の
ように,既存林をすべて伐採し,どこにでもあるようなまちをつくることは,日本で唯一の研究学園都市
にふさわしくない。
・ 緑が急速に減ってしまい,つくばのよさがなくなってしまった。
・ 新しい施設に目を向けるより,今ある緑,公園,施設を大切に気持ちよく活用し続けることを強く望む。
・ ソーラーパネルの設置が増えてきている。電気も大事だが,大切な緑地のことも忘れてはいけない。
・ 宅地開発によって自然の森がなくなってしまい,動物たち(ウサギ,タヌキ)のすむところがなくなりそうで
心配である。
・ TX つくば駅周辺から吾妻・竹園あたりまでも,今後公務員宿舎の跡地の大規模開発が見込まれるが,
このままでは,どこにでもある安っぽい何の魅力もないまちになってしまいそうである。
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パブリックコメント資料
・ 公務員宿舎の緑が失われ,緑豊かなつくばのイメージが損なわれている。
・ 公務員宿舎がよい個性とはいわないが,どこにでもあるまちに変化してしまうと魅力はなくなってしまうと
思う。
・ 公務員宿舎跡地の開発が進められている際に,緑化率の義務を制定するなど,現在レベルの緑化を
維持することを積極的に進めてほしい。
・ 周辺のペデストリアンとの連続性,一体性が失われていると感じる。
《緑の維持管理に関する意見》
緑の多さを評価する一方,公園,街路樹,ペデストリアンデッキ,道路の路面の維持管理の不備の
指摘(雑草が伸び放題,落ち葉で排水溝が詰まる,根が上がってでこぼこになっている,遊具・トイレ
が管理されていないなど)が非常に多くありました。
このほか,樹木の剪定や生長を考慮した選定,費用面(経費をかけない),維持管理の作業に対
する不満(道路を塞ぎ,交通渋滞が起きているなど),防犯面の不安(見通しのききにくさ,街灯の不足
など)に対する意見も多くありました。
民有地の緑(山林など)に対しても,手入れされていないことにより,防犯,ゴミの投棄などの不安が
あることがうかがえます。
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《主な意見の概要》
つくばは緑豊かでよいと思うが,その管理に関しては街路樹等や雑草がのびすぎて視界が遮られ,事
故等の危険がある場所がみられる。
道路の両側にある街路樹の根が行き場がないのか,盛り上がってきていて歩道がガタガタして歩きづら
いし,自転車,ベビーカーなどは危険である。街路樹の枝も,バッサリ切ってしまうことがあり,あそこまで
切る必要があるのかと思うことがある。
公園が多く,子どもたちの遊び場として活用できるところがよいと思うが,木が多くまわりから遮られてい
るため,安全面が心配で,あまり遊ばせられない。周囲に植えられた木を少し切ったが夏場は葉が茂
り,不十分である。死角をなくし,安心して遊ばせられる公園づくりをお願いしたい。
緑が多すぎて維持管理が充実できていないと感じている。荒れた公園など利用する気になれないの
で,緑の数を減らしても管理を整えた方がよい。
維持管理には人手や費用がかかるが,今の景観を守り続けてほしいと願っている。市民ボランティアを
頼りにしてもよいのではないか
街路樹は植えるだけでなく,維持管理が必須。植えっぱなしで枝払いをしていない箇所が多すぎて見
えづらい。つくば市は他の都市と比べて街灯が極端に少ないので,防犯によくない。
街路樹に落葉樹が多いため,落葉する季節になると落ち葉の清掃で車線規制され渋滞の原因となっ
ている。
緑は維持してほしいが,個人所有の山林や竹林などは手入れされないため,ゴミが投棄されたり道路
まで枝がのびたりして危険な場所もあるように思う。
つくば市全体でみると緑は多いように思うが耕作できずに新手居る畑や林にササ,慢性植物が茂り危
険箇所が多いように思う。林などできればボランティアの手を借り,楽しみながら見通しのよくなるよう,
根などを刈れればよい。
公園など緑が多すぎてうっそうとした雰囲気の場所がある。道路沿いの緑が多すぎて左右折時に見通
しが悪くなることがあるなど,維持管理で気になることがいくつかある。
枝を切るために東大通りや西大通りの車線をふさぐのはやめてほしい。
●公園整備や利用のルールに関する問題点・要望
子どもたちが安心して遊べる公園,高齢者やハンディのある人も利用しやすい公園整備,水辺のあ
る公園整備,駐車場の整備などに対する要望がありました。
新たに公園をつくるのではなく,既存の公園の魅力化などを重視する意見や公園は必要でないと
する意見,ペットの利用に関する問題点,ゴミの始末などのマナーに関する意見がありました。
《主な意見の概要》
・ 子どもが思いきり走り回って遊べる公園や自然とふれあえる公園が少ないように感じる。
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パブリックコメント資料
・ 大人達も近くの公園で集えることも必要であると思う。是非,公園にベンチを置いて,これからのシルバ
ーが利用できる公園がほしい。
・ 花がきれいな公園があると,市民の緑への関心が高まると思う。気軽に参加できるいろいろな講習会,
自然観察からガーデニングまで幅広く行ってほしい。
・ 小さな公園はたくさんあるが,大きい一日ゆったりできるような公園がほしい。スポーツをする公園もな
いのでは。
・ ハンディをもった人でも公園を利用し楽しむことができるよう,隣接する駐車場を無料で利用できる時
間を延ばしてほしい。
・ 防災につながる公園(エリア)や健康促進をし,コミュニティの場となり運動施設のある公園などの整備
も必要である。
・ 公園の数は十分であると思うが,既存の公園をもっと魅力的にするための管理が必要である。
・ 使用している人のマナーが悪いのには迷惑している。芝生の中で犬に平気で糞をさせる。公園でランチ
を食べて,缶ややゴミをそのまま捨てていく人がいる。
・ 公園にゴミが多い。小さな子どもと遊びに行ったとき小学生が当たり前のようにゴミを捨てていた。利用
者のマナー形成に力を入れるとよい。
・ 公園や緑地は,量よりは質が重要である。
●中心部と周辺部の格差
中心部だけでなく,つくば市全体に目を向けるべきであるとする意見や地域の実情を訴える声も多
くありました。
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《主な意見の概要》
学園地区と周辺地区(市街化調整区域)との緑の整備状況に差がある。
中心部と周辺で緑の整備で,同じ税金の使い方が望ましい。
学園地区とその周辺地区では「緑」についての見方や考え方に大きな違いがある。
筑波山麓では,イノシシ被害が切実な悩みである。
中心部以外にも目を向けてほしい。つくば市はいろいろな意味でバランスが崩れている。
●予算・コスト
維持管理に対するコストを含め,多く予算を使うことを対する懸念していることがうかがえます。
《主な意見の概要》
・ 公園や緑地をつくることは結局,維持管理に費やす費用が,つくった以上に将来費用がかかるので,考
えものである。
・ 予算(税金)をどれだけ使わないで市民の参画によって緑の維持・増進を進めるかを考えるべき。最重
要のポイントは予算を減らすこと。減らしながら,どのように緑の保全と維持を図るかという点にあると考
える。これを実現するために,森林関係の研究所や大学のOBを加えた委員会を設ける。
・ 「緑」というイメージがよいために,やみくもに増やすばかりで,後のことを視野に入れているか。増やす前
に管理,管理するために必要なコストを考えてほしい。
・ 緑化に税金をかけすぎないこと。特に維持に費用を擁する緑化事業に手を出さないこと。その費用を
街灯の整備などの安全に向けること。
●今後のまちづくりのあり方・アイディア
市民の参加・協力,意識啓発の必要性のほか,今後のつくば市の緑のまちづくりに関する意見・ア
イディアが寄せられました。
《主な意見の概要》
・ 都心から近いアクセス性をいかし市内に点在する里山景観を保全・活用することが最重要である。さら
に筑波山をアピールして市のシンボルとしていくかを考えることも重要。つくば市のように緑豊かな都市
はあまりない。それを形づくっているのが多く残っている自然の緑と研究緑地,道路の植樹帯であるの
で,これらを残していく施策を推進することが重要である。
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パブリックコメント資料
・ 研究機関,TX 開発地区の緑化率は 40%くらいにすべきではないか。開発現場を見ると 30%では低
すぎる。世界に胸を張れる緑の都市にするためには他の市の基準と横並びではなく一段上の厳しい基
準を掲げてほしい。
・ 「研究機関や大学」と「田園都市」というキャッチフレーズがあるが,今はこの 2 つが乖離しているように
思える。市内各地に緑豊かな文化財,史跡,神社仏閣等が多くある。人工的な公園だけでなく,このよ
うな歴史的建造物に地域をこえて集い,その地の自然に親しむことができるような機会を増やすとつく
ば市にふさわしい緑のあり方がわかってくると思う。
・ 四季の花,木で,道路,公園の整備をする。いつも美しく楽しいまちなみと憩いの場所を整備して
ほしい。
・ 山林を保有しているが何十年も手入れしていない。時間にゆとりがあり自然を大切にする人に開放して
緑をよみがえらせてもらいたいと考えている。
・ 市内の緑化は十分にあると思うので,公園の清掃など,市民がもっと協力しやすく,やりやすい方法をと
っていくことで,さらにどの公園もきれいに緑化されたものとなると思う。
・ 緑の空間を市民活動の場としてとらえ(園芸などではなく),ピクニックや遊び場,イベント会場,食事の
場などとして活用していく方が,市民の緑に対する認識や注目は強まる。
・ 車で動くことなしで利用しにくいのが最大の問題ではないか。気軽に徒歩,自転車で公園に行けるよう
に整備することが不可欠。あるいは公園を巡回するバスを走らせることも必要である。
・ 身近に気がついた緑の保全のために気軽に活動できるように市の公認ボランティアヴェストを作成し,
レンタル一時貸与してはどうか(例:つくば市緑ボランティア等)。身近な里山,公道,河川敷等で申請
して活動できるようにする
・ 学校のボランティアなどで市民が参加できる活動をしている。作業は夏の暑いときが多く,飲み物等,
少しの資金の支援があるとよい。
・ 今までは市やグループの緑化活動などに参加したことはなかったが,気軽に参加できるものがあればや
ってみたい。
・ 市民団体への資金等の提供が本当に効果的な考慮する必要がある。
●その他
緑の基本計画について知りたいとする意見や周知していくべきとする意見がありました。
また,総合運動公園については,経費や進め方の面で反対とする意見の一方,必要とする意見も
ありました。
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・
《主な意見の概要》
「緑の基本計画」がウェブ上でも見あたらない。重要な施策であるなら,情報にアクセスできるようにす
べきである。
緑の基本計画について市民に説明し,興味を持ってもらう機会が必要である。
行政でしかできない仕事もある。アンケート調査だけで終わらせないように,1つでも2つでも行動できる
よう市民は望んでいる。
緑の基本計画とはどのようなものなのかということを市民に広報し,一人でも多くの市民に参加してもら
うことも大切。
アンケートを通じてまわりの緑について考えさせられた。だんだん減少していく緑に危機感を感じつつも,
何もしていない現状を認識した。何か機会があれば積極的に緑の保全にかかわっていきたい。
極端に大規模な計画でなく,市民のためのいこいの場レベルの公園を市民は望んでいると思う。金額
をかけるから市民は喜ぶわけではなく,地域や規模,予算などが妥当であれば反対しなかったと思う。
総合運動公園の予定地だった所は別の開発に利用しないでほしい。近い将来その先の未来のために
運動公園を実現してほしい。
「総合運動公園」には反対票を入れた。子どもがスポーツをしているので大いに賛成であったが,完成
後の管理コストの計算が甘いと考えたのが大きな理由である。
運動公園が計画中止になったが,市の北の方の地区で憩える森のような公園があればよい(散歩やジ
ョギングができる)。
市民が求めていないものを一部の声だけをきいて計画するのではなく,やろうとしているこ
との透明性を高めて,市民を交えて話し合う仕組みをつくっていただきたい。
91
パブリックコメント資料
2.用語解説
【 あ
】
●アダプト・プログラム
公共の場所を養子に見立て,市民が里親となって清掃などを行う制度。アダプトは養
子にするという意味。
●オープンガーデン
特定の日に私有地である庭を開放し,不特定多数の鑑賞者を受け入れる仕組み。
【 か
】
●グリーンバンク制度
耕作放棄地の抑止・解消を目的として,耕作不能な農地を市に登録してもらい,耕作
地を増やしたい農家へ照会を行う,つくば市が進める農地仲介制度。
●景観重要樹木
景観法に基づき,景観計画区域内の景観上重要な樹木について,地域の個性ある景
観づくりの核として,維持・保全・継承するために,市長(景観行政団体の長)が指定する
もの。
●建築物総合環境性能評価システム (キャスビーCASBEE)
建築物の環境性能・品質(居住性,機能性,緑,街並みなど),外部に与える環境負
荷(省エネルギー,省資源・リサイクルなど)に関する取り組みを総合的に評価し格付けす
る仕組み。CASBEE は Comprehensive Assessment System for Building Environmental
Efficiency の略。
【 さ
】
●市民の里
本計画では,土地所有者等・市民・団体と市の協働によって保全または活用する里山
の緑を位置づけている。市民の里は,田園と都市が共生していく場となることが期待され
る。
●市民ファーマー制度
年間 150 日間以上農業に従事できる人であれば誰でも利用することができるつくば市
独自の制度。市に登録されている 1,000 ㎡未満の農地を最大 3 年間契約して農業を行
うことができる。
92
パブリックコメント資料
●市民緑地
都市緑地法に基づき,地方公共団体などと緑地の所有者が契約を交わして借り受け,
一定の期間に市民に開放する緑地。
●社会・環境貢献緑地評価システム(シージェス SEGES)
環境を保全し,潤いと安らぎのある美しいまちづくりに貢献し良好に維持管理されている
優れた緑を評価認定する制度。財団法人都市緑化基金が,企業などが積極的に保全・
維持・活用に取り組む優良な緑地を認定している。SEGES は Social and Environmental
Green Evalution System の略。
●指定管理者制度
公の施設の管理について,地方公共団体の指定を受けた「指定管理者」が管理を行う
制度。
【 た
】
●地下水の涵養
降雨などの地表水を地中にしみ込ませ,一時的に貯えて調節し,水資源などを保全す
る働きをいう。
●地区計画制度
地区の特性を活かした良好な環境の整備や保全を目的として,都市計画法に基づき,
その地区の道路・公園・広場などの公共施設や居住環境,まちなみ景観などについて,
住民の考えを取り入れながら,まちづくりを進める制度。
●チップ
植栽管理時に伐採・剪定される樹木や枝を,公園の園路の敷ならしなどに用いるため
に粉砕機で砕かれたもの。
●特別緑地保全地区
都市緑地法に基づき,都市計画区域内の緑地のうち,風致や景観が優れているなど,
一定の要件に該当する良好な自然的環境を形成している緑地について,それを保全す
るため,都道府県または市町村が都市計画に定める地区。
●都市公園
都市公園法に基づき,地方公共団体または国が都市計画区域内に設置する公園ま
たは緑地のこと。
93
パブリックコメント資料
【 な
】
●農業・農村の多面的機能
「国土の保全,水源の涵養,自然環境の保全,良好な景観の形成,文化の伝承等,
農村で農業生産活動が行われることにより生じる,食料そのたの農産物の供給の機能以
外の多面にわたる機能」のこと。
【 は
】
●バイオマス
バイオ(生物,生物資源)とマス(量)からなることばで,再生可能な,生物由来の有機
性資源で化石資源以外のもの。
●PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)
公共と民間が連携して公共サービスの提供を行う手法。公民連携という。
●ビジターセンター
地域の自然への理解と自然に親しむために必要な情報の提供や,自然に関するさまざ
まな活動を行うための拠点となる施設。
【
ま
】
●木質ペレット
木材や樹皮などを粉砕し,直径数ミリ程度の円筒状に成形固化したもの。チップよりも
高密度で,重量当たりの発熱量が高い。
【 ら
】
●緑化地域
都市緑地法に基づき,用途地域内において特に緑化の推進を図るべき区域について,
都市計画に定める地域地区。緑化地域においては,大規模な敷地に対して緑化率を規
制することができる。
●緑地協定
都市緑地法に基づき,都市計画区域内の相当規模の一団の土地などの所有者全員
の合意によって,市町村の認可を受けて締結される緑地の保全または緑化の推進に関
する協定。
●緑地保全地域
都市緑地法に基づき,都市計画区域内の一定の要件に該当する相当規模の緑地を
保全するために都道府県等が都市計画に定める地域地区。緑地保全地域においては,
行為の届出が義務づけられ,必要に応じて行為の制限等を命じることができる。
94