「ICT を活用したプロセス制御とリモート診断による

JS技術開発情報メール №171 号掲載
◇ICT を活用したプロセス制御とリモート診断による効率的水処理運転管理技術実証研究◇
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「ICT を活用したプロセス制御とリモート診断による効率的水処理運転管理技術実証研究」
本研究では、標準活性汚泥法などの反応タンクを対象に硝化機能を維持しながら送風量を
低減し省エネ化を図る新たな運転管理技術の開発・実証を行なっています。
※本研究は、平成 26 年度の国土交通省「下水道革新的技術実証事業」(B-DASH プロジェクト)として採
択され、国土交通省国土技術政策総合研究所の委託研究として、「株式会社東芝・日本下水道事業団・福岡県・
公益財団法人福岡県下水道管理センター共同研究体」が実施しているものです。
本研究で実証する革新的技術は、①NH4-N センサーを活用した曝気風量制御技術
(NH4-N/DO 制御技術)
、②制御性能改善技術、③多変量統計的プロセス監視技術(MSPC
技術)
、
という 3 つの要素技術を組合せた水処理施設の運転管理支援システムです(図-1)。
反応タンクに新規の送風量制御技術(NH4-N/DO 制御技術)を導入すると同時に、これを
リモートから支援する二つの要素技術(制御性能改善技術、MSPC 技術)を組合せること
で、反応タンクにおける硝化性能の維持と省エネ化の両立、維持管理性の向上などを図り
ます。各要素技術の役割は以下の通りです。
① NH4-N/DO 制御技術:反応タンク下流に設置する NH4-N 計の計測値により DO 制御の
目標 DO 濃度を自動で変化させる技術です。これにより、流入負荷の変動などに対して、
硝化機能を維持しながら曝気風量の低減・省エネ化が可能となります。
② 制御性能改善技術:オンラインで収集される運転データに基づき、上述の制御技術の制
御パラメータ値を最適化する技術です。これにより、目標 DO 濃度に対する追随性が向
上し、NH4-N/DO 制御の安定化を図ります。
③ MSPC 技術:オンラインで収集される運転データに基づき、上述の制御技術の状況やそ
の他の運転条件・処理状況の異常を検知し、更に異常要因の推定を行なう技術です。これ
により、NH4-N/DO 制御の機能のみならず水処理施設の運用に係る総合的な異常モニタ
リングを行ない、早期の対応を可能にします。
本研究では、福岡県宝満川流域下水道宝満川浄化センターを実証フィールドとし、標準
活性汚泥法の水処理施設 1 系列(処理能力 2,700 m3/日×2 池)へ本技術を導入して実規模
での実証試験を行っています(図-2)
。本実証施設は平成 26 年 12 月から運転を開始し、
平成 27 年 1 月以降、継続的に実証運転を行なっています。主として NH4-N/DO 制御技術
の設定条件を変えながら、曝気風量の低減や処理水質の維持・安定化などの効果を確認して
います。平成 27 年度内には B-DASH としての実証試験を完了しますが、その成果は、本
技術の「導入ガイドライン(案)」として、国土技術政策総合研究所から公表される予定です。
Copyright©2016 日本下水道事業団技術戦略部
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図-1 「ICT を活用したプロセス制御とリモート診断による効率的水処理運転管理技術」
のシステム構成
NH4-N
リモートサーバ
DO
Ⅰ-1反応タンク
(実証系列)
ネットワーク
(2) ブロワを個別に設置
⇒導入効果の適切な検証
評価が可能
監視・制御
ブロワ
LCD監視制御装置
B
監視・制御
流入
NH4-N
最初沈殿池
DO
最終沈殿池
消毒設備
放流
Ⅰ-2反応タンク
(対照系列)
(1) 2池を並行して運転
⇒短期間で効率的なデータ
収集が可能
⇒各種運転条件での的確な
比較評価が可能
ブロワ
B
注1)赤色の機器・センサーは、本実証研究で追加した主な設備を示す。
注2)リモートサーバは(株)東芝内の設備を使用。
図-2
実証施設の概要
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