米国の企業業績動向と当面の株式市場見通し

Market
Report
2016 年 1 月 26 日
Shinko Asset Management Co., Ltd.
米国の企業業績動向と当面の株式市場見通し
◆2015 年 10-12 月期は減益率が拡大
米国主要企業の 2015 年 10-12 月期(第 4 四半期)決算について、S&P500 指数採用企業の 15%が発表を終え
た段階で、同指数採用企業の業績変化率は▲4.5%(前年同期比、1 月 22 日現在、トムソン・ロイターの集計。以
下、同じ。)と推計されており、7-9 月期実績の▲0.8%から減益率が拡大したとみられています。この要因として
は、利益全体に占める比率の高い金融セクターが 2 桁近い増益と健闘したものの、エネルギーや素材セクターの大
幅減益が足を引っ張ったことに加え、工業とテクノロジーが減益に転じたと見込まれることなどが挙げられます。
(前年同期比、%)
15
S&P500指数採用企業の業績変化率の推移
10
5
0
-5
第4四半期
2014年
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
(推計値)
(予想値)
(予想値)
(予想値)
(予想値)
2015年
2016年
期間:2014年第4四半期~2016年第4四半期(四半期、2016年1月22日現在)
出所:トムソン・ロイターのデータを基に新光投信作成 (注)推計値および予想値の集計はトムソン・ロイター
上記グラフは過去の実績、過去の時点における予測値を示したものであり、将来の経済、市況、その他の投資環境にかかる動向などを示唆あるいは保証する
ものではありません。
◆2016 年 1-3 月期は 3 四半期連続の減益も、4-6 月期以降は増益に転じることが予想されている
トムソン・ロイターの集計による S&P500 指数採用企業の四半期別の業績変化率予想(前年同期比)は、2016
年 1-3 月期が▲0.8%と、3 四半期連続で減益が続く見通しとなっています。その要因としては、エネルギーおよび
素材セクターの大幅減益が尾を引くことやテクノロジーセクターの減益継続に加え、金融セクターの利益が前年同
期比でほぼ横ばいと見込まれることなどが挙げられます。
その後、4-6 月期は+1.9%、7-9 月期は+6.4%と、増益に転じることが予想されています。2015 年の大幅減益
の反動もあり、エネルギーセクターの減益率が縮小に向かうことで米国企業業績全体にとってのマイナス効果が和
らぐことなどが要因とみられています。また、10-12 月期はエネルギーを含めた 6 セクターで 2 桁増益が予想され
ていることから、全体でも+13.3%と 2 桁増益へ拡大する見通しとなっています。
ただし、原油価格や為替市場などの動向次第ではこうした見通しが大きく変化する可能性もあり、留意が必要です。
当資料は新光投信が作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類あるいは販売用資料のいずれでもありません。当資料は証券投資の参考と
なる情報の提供を目的とし、投資の勧誘を目的としたものではありません。当資料は信頼できると考えられるデータなどに基づき作成していますが、
その内容の正確性・完全性を保証するものではありません。当資料は事前の通知なしに内容を変更することがあります。特定ファンドの購入のお申し
込みの際は、販売会社から投資信託説明書(交付目論見書)および契約締結前交付書面など(目論見書補完書面を含む)をあらかじめお受け取りのう
え、詳細をよくお読みいただき、投資に関する最終決定は、ご自身の判断でなさるようお願いします。
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2016 年 1 月 26 日
Shinko Asset Management Co., Ltd.
◆米国株式市場が上昇基調を取り戻すには時間がかかる可能性も
中国株急落や人民元大幅下落を受け中国経済の先行きに対する懸念が高まり、米国株式市場は年初から急落しまし
た。また、15 日には WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)原油先物価格が 1 バレル=30 ドルを割
り込んだことで市場では不安心理が拡大し、
20 日に S&P500 指数は 2014 年 4 月以来の安値水準を記録しました。
しかし、翌 21 日以降は欧州で追加金融緩和観測が浮上したことや原油価格が大幅に反発したことなどから、やや落
着きを取り戻す動きとなりました。
年初からの急落に伴い米国株式市場の出来高が足もとで大幅に増加したことに加え、S&P500 指数の予想 PER(株
価収益率)は 15.4 倍と 2015 年末の水準である 17.4 倍からは大きく低下したことで米国株に対する割高感が後退
しており、目先的には買戻しなどを中心にいったん株価の戻りを試す場面が想定されます。
(億株)
160
米国株式市場出来高の推移
(倍)
19
S&P500指数の予想PERの推移
米国株式市場出来高
140
同 5日移動平均
18
120
17
100
80
16
60
15
40
20
15/1
15/3
15/5
15/7
15/9
15/11
期間:2015年1月2日~2016年1月25日(日次)
出所:ブルームバーグのデータを基に新光投信作成
16/1
(年/月)
14
14/1
14/7
15/1
15/7
期間:2014年1月6日~2016年1月25日(日次)
出所:ブルームバーグのデータを基に新光投信作成
16/1
(年/月)
上記グラフは過去の実績、過去の時点における予測値を示したものであり、将来の経済、市況、その他の投資環境にかかる動向などを示唆あるいは保証する
ものではありません。
ただし、中国経済の先行きに対する懸念は根強いほか、原油価格の低迷が長引くとの見方が市場では優勢とみられ、
懸念材料が払拭されたわけではありません。こうしたなか、世界経済全体の先行きについても次第に不透明感が増
してきており、米国株式市場が上昇基調を取り戻すには時間がかかる可能性も考えられます。
したがって、当面は中国経済や原油価格、米国企業業績だけでなく米国の金融政策や景気の動向にも大きな注目が
集まると考えられ、27 日に公表される FOMC(米連邦公開市場委員会)声明や、29 日に発表される 2015 年 10-12
月期 GDP の内容などに一喜一憂する展開が予想されます。
以上
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なる情報の提供を目的とし、投資の勧誘を目的としたものではありません。当資料は信頼できると考えられるデータなどに基づき作成していますが、
その内容の正確性・完全性を保証するものではありません。当資料は事前の通知なしに内容を変更することがあります。特定ファンドの購入のお申し
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