吉野川下流域農地防災事業 北部幹線水路(川端

現
場
代 理 人
レポート
吉野川下流域農地防災事業
北部幹線水路(川端・桧工区)建設工事
本工事では、コミニュケーションの充実を目標に、工事に着手してから、定期的に地権者の方、
土地改良区理事長・用水組合長及び工事現場近隣の方などに工事の状況をお知らせする工事新聞を
配布していました。その中で「是非、トンネルの中を見たい」という声がたくさんあり、地元の方々
を対象とした、現場見学会を開催しました。本工事は、直径2.8m、推進延長が約713mの泥水式推
進工事でありますが、推進管内は、地元の方々にとっては、まさしく、「トンネル」でありました。
見学会当日は、集合時間がAM10:30ということでお知らせしていましたが、待ちきれなかった
方が 9:30頃には来られ、
「この推進管は大きさどれくらい。重さは、一日どれくらい進むの」な
どと、質問攻めにあいました。その間に、集合場所である発進立坑ヤードに、見学会に参加される
方々が徐々に集まりだし、定刻10分前には全員集合されました。
実は、見学会へ参加される方がどなたで何名来るか、当日になるまで分かりませんでした。事前
にお聞き出来た方もいましたが、
「当日にならないと分からない」といわれる方もいらしたためです。
見学会には、地権者の方や近隣営農者の方、用水組合長さん、そして現場近くの神社の宮司さん(地
権者)などに出席頂き、地上にセットした推進管の前で記念撮影をしてから、推進管内(トンネル
内)の見学を行いました。
見学会当日時点で、推進延長が約400mであり、掘進機(推進マシン)までの往復約800mの管内(ト
ンネル内)を見学者の皆さんは、元気に歩かれました。見学者の中にいらした女性で、最初は、
「管
内(トンネル)に入るのが怖い」と言われていた方も、管内(トンネル内)から出てくるころには、
「見れて良かった。すごいね。」と言って出てこられ、最初に怖がっていた素振りは微塵も感じさせ
ませんでした。
いよいよ管内(トンネル内)から皆さん出られて、「見学会も無事終了かな」と思ったとき、見
学会に遅れて来た方が、
「まだ、見れるかな。見せて」と言って来られました。「どうぞ。」と言って、
管内(トンネル内)へ案内しました。遅れて来た方は、現場の近隣営農者の方で「実は稲刈り途中で
来ました。どうしても見たかったから」といわれた時に「本当に開催してよかった」と感じました。
見学会も無事終了し、見学会に参加いただいた方々に見学会で撮影した写真を後日、お配りさせ
ていただいたとき、我々が創っている構造物を将来、使用される営農者の方々である皆さんから「見
せてもらって本当に良かった」「一生の記念になる」などといった言葉、そして、見学会の写真を
自分の家族に自慢げに見せる姿を見た時に、「絶対に良い品物を創るぞ」という思いをあらたにし
ました。
余談でありますが、どこからか「貫通したトンネルも見たい」という声が聞こえてきて、現在、
次の見学会開催について計画しているところです。
株式会社 安藤・間 四国支店 北部幹線川端桧工区作業所 所長 日下 陽一郎
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● 土地改良 292号 2016.1