ダウンロード - ノバルティスホールディングジャパン

ノバルティスホールディングジャパン株式会社
〒105-6333
東京都港区虎ノ門1丁目23番1号
虎ノ門ヒルズ森タワー
MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG
2016年1月29日
報道関係各位
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2016年1月27日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳
(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。
英語版はhttp://www.novartis.comをご参照ください。
ノバルティスは2015年に売上高およびコア売上高営業利益率を大きく拡大
(実質ベース1);アルコンの成長加速とグループ業務効率化の計画を発表
 2015 年通期は売上高、コア営業利益、コア EPS が大きく伸長(実質ベース)2
o 売上高は 5%増(実質ベース)、コア営業利益は 10%増(実質ベース)
o コア売上高営業利益率は 1.3 ポイント拡大(実質ベース)
o 営業利益(実質ベース 2%減)は新たに取得したオンコロジー製品の償却費が主な
要因となり減少
o 純利益(実質ベース 18%減)は前年に計上された例外的収益(Idenix 社および LTS
社株式の売却益)ならびに 2015 年に発生した例外的費用(ベネズエラの子会社関
連)の影響を受ける
o コア EPS は 10%増(実質ベース)の 5.01 米ドル
o 為替による影響は売上高に対しマイナス 10%、コア営業利益に対しマイナス 15%
o フリーキャッシュフローは 93 億米ドルとなり、為替影響により 15%減少(米ド
ルベース)
 第 4 四半期は売上高が 4%増(実質ベース)、コア営業利益が 9%増(実質ベース)
と堅調な業績を達成
o 医薬品事業部門の好調がアルコンの低迷を補う
 第 4 四半期に主要製品の承認・申請を達成し、イノベーション面での勢いが継続
o Entresto(LCZ696)が慢性心不全治療薬として EU で承認される
o コセンティクスが強直性脊椎炎(AS)および乾癬性関節炎(PsA)の治療薬として
EU で承認され、2016 年 1 月には米国でも承認される
o サンドがエタネルセプトのバイオシミラーを EU で、ペグフィルグラスチムのバイ
オシミラーを米国でそれぞれ申請
 アルコンの事業を主力のサージカルおよびビジョンケアに集中;成長加速計画を推進
o アルコンの眼科用医薬品事業を医薬品事業部門に移管し、アルコンのブランド力に
医薬品事業部門の開発・マーケティング力が備わる
 グループの規模を活用し、さらなる効率化とイノベーションを推進
o 生産計画の最適化とコスト削減を目的に、グループ全体で生産機能を集約
o イノベーションのさらなる推進のために、資源配分・技術・標準化の改善を目指し、
事業部門間で医薬品開発機能の一部を統合
o 改革に伴うコスト削減効果は 2016 年にも表れ始め、2020 年までに年間 10 億ド
ルを超える見込み;一時的な事業再編費約 14 億米ドルを 5 年間に分けて計上
 2016 年 2 月 1 日付ノバルティス経営陣の異動
o ジェフ・ジョージの後任として、マイク・ボールをアルコンの事業部門長兼 CEO に
任命
1 / 18
o ヴァス・ナラシムハンを医薬品開発部門グローバル責任者兼チーフメディカルオフ
ィサーに任命
o アンドレ・ワイスをノバルティス オペレーションズの社長に任命
 2015 年の 1 株当たり配当金は 4%増の 2.70 スイスフランを提案
 2016年通期業績予想2
o 2015年通期実績とほぼ同等の売上高およびコア営業利益を予想(実質ベース)
主要数値
 2015年第4四半期(10~12月)
継続事業2
2014年第4四半期
2015年第4四半期
百万米ドル
売上高
営業利益
純利益
1株当たり純利益(EPS)
フリーキャッシュフロー
コアベース
営業利益
純利益
1株当たり純利益(EPS)
3
12 520
1 677
1 054
億円
15 149
2 029
1 275
百万米ドル
13 075
2 351
2 448
(米ドル)
前年同期比(%)
米ドルベース 実質ベース
-4
-29
-57
4
-12
-34
0.44
2 942
(円)
(米ドル)
0.53
3 560
1.02
3 955
-57
-26
-34
3 057
2 707
3 699
3 275
3 229
2 857
-5
-5
9
7
(米ドル)
(円)
(米ドル)
1.38
1.19
-4
8
1.14
 2015年通期(1~12月)
継続事業2
2014年通期
2015年通期
4
百万米ドル
49 414
8 977
7 028
59 791
10 862
8 504
52 180
11 089
10 727
(米ドル)
百万米ドル
売上高
営業利益
純利益
1株当たり純利益(EPS)
フリーキャッシュフロー
コアベース
営業利益
純利益
1株当たり純利益(EPS)
億円
前年同期比(%)
米ドルベース 実質ベース
-5
-19
-34
5
-2
-18
2.92
9 259
(円)
(米ドル)
3.53
11 203
4.39
10 934
-33
-15
-17
13 790
12 041
16 686
14 570
14 473
12 653
-5
-5
10
9
(米ドル)
(円)
(米ドル)
5.01
6.06
5.19
-3
10
1
実質ベースの数値、コアベースの業績ならびにフリーキャッシュフローは、国際会計基準(IFRS)に準拠していません。こ
れらの IFRS に準拠していない数値の説明は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の 53 ページに記載されています。本
リリースに掲載される成長率は、特に記載される場合を除き、すべて前年同期に対するものです。
2 要約版業績報告書(英文オリジナル版)の 43 ページに定義される継続事業の業績。
3 日本円は、
参考のため表示したもので、1 米ドル=121 円(2015 年 10-12 月の期中平均レート、小数点第 1 位を四捨五入)
4 日本円は、参考のため表示したもので、1 米ドル=121 円(2015 年 1-12 月の期中平均レート、小数点第 1 位を四捨五入)
イタリック体で示されたすべての製品名は、ノバルティス グループ企業が保有またはライセンス供与されている商標です。
2/18
2016年1月27日、スイス・バーゼル発 ― ノバルティスCEOのジョセフ・ジメネスは、業
績について次のようにコメントしています。「私たちは、2015年にポートフォリオ転換を
完了させ、堅調な業績を達成し、為替の影響を大きく受けたにもかかわらずコア売上高営
業利益率を改善しました。本日発表した計画によって、私たちはアルコンの事業を成長基
調に戻すとともに業界首位の位置づけを強化したいと考えています。グループ全体では、
私たちは各事業部門の活動にさらにフォーカスするとともに、医薬品開発機能の統合によ
りイノベーションの創造をさらに推進し、事業部門間での生産機能の集約によりコスト削
減を図ります。ノバルティスはこうした取り組みにより、将来の成長に向け体制を整えて
いきます」
2016年は戦略を前に進める
2015年はノバルティスにとって転換の年となりました。私たちは会社をイノベーションと
グローバルな規模を持つ3つの主力事業部門に集約し、規模の小さい事業部門を売却する
とともに、
資源のより効果的な活用を目指しノバルティス ビジネスサービスの運営を開始
しました。私たちは、Entrestoおよびコセンティクスの承認・上市、BPCIA(Biologics Price
Competition and Innovation Act)の手続きにより米国で初めて承認されたバイオシミラー
など、イノベーション面での大きなマイルストーンを達成しました。
本日、私たちはノバルティスの戦略を強化するさらなるステップを発表します;
各事業部門の活動にフォーカスし、開発・マーケティング力のより有効な活用のため薬効
領域が重なる事業を統合
アルコンの事業を主力のサージカルおよびビジョンケアに集中します。アルコンに関し、
私たちは2016年以降の成長を加速するための主な施策を決定しました;
•
•
•
•
•
眼内レンズの研究開発と営業活動の最適化
将来が期待されるパイプラインへの優先的投資
アイケアの専門家への業界最高のサービス、研修、啓発活動の提供
販売担当者の効率改善
主力ブランドのDTC活動に投資
アルコンの眼科用医薬品(2015年売上高:38億米ドル)を医薬品事業部門に移管すること
により眼科用医薬品事業を強化します。これにより、売上高約60億米ドルの世界最大の眼
科薬事業が誕生します。この事業移管に伴い、ノバルティスの眼科用医薬品事業が簡素化
され、
医薬品事業部門の開発・マーケティング力をもってアルコンのブランド力が活用され
るとともに、アイケア領域におけるイノベーションと成長の加速に寄与することが期待さ
れます。
同時に、古くからあり、プロモーション活動が行われていない一部の医薬品(2015年の合
計売上高:約9億米ドル)を、マチュア製品の取り扱いに実績のあるサンドに移管します。
さらなる効率化を目指し、グループの規模を活用
事業部門を横断して生産機能を一つの組織に集約することで、さらなる効率化を図ります。
新たな生産組織では、生産計画の最適化や簡素化・標準化・経費の最適化によるコスト削減
が期待されます。また、生産機能の集約により、次世代技術の開発や連続生産の実施、事
業部門を超えたベストプラクティスの共有などに関する能力の向上も期待されます。
事業部門を横断して一部の医薬品開発機能を統合し、イノベーションをさらに推進
ノバルティスは、私たちがリードし、成長が期待できるヘルスケア領域でのサイエンスと
イノベーションに引き続き注力していきます。イノベーションをさらに推進するため、私
たちはグループ全体で医薬品開発の連係を強化しています。私たちは、部門横断的に資源
配分・技術・標準化を改善するために医薬品開発部門グローバル責任者という役職を新設
3/18
します。また、グループの医療政策や安全性、ファーマコビジランスポリシーを担当する
チーフメディカルオフィサーの役職を新設し、共通の機能の統合に取り組んでいます。
期待されるコスト削減効果
これらの改革は私たちの戦略の延長線上にあるものであり、イノベーションの推進と組織
の効率化が期待されます。私たちは、これらの改革により 2016 年にも効果が表れ始め、
2020 年までに年間 10 億米ドルを超えるコスト削減効果が得られると見込んでいます。こ
れらの改革に関連し、約 14 億米ドルの一時的な事業再編費が今後 5 年間に分けて計上さ
れる見込みです。コスト削減額の純額はイノベーションへの投資ならびに利益率改善のた
めに活用される予定です。
2015年のグループ業績概要
2015年、ノバルティスは、「力強い業績の達成」「イノベーションの推進」「ポートフォ
リオ転換の完了」「事業部門間の相乗効果の実現」「高パフォーマンス企業の構築」の5
つの優先課題を定めました。私たちは、2015年第4四半期および通期にこれらすべての優
先課題において前進を遂げました。
財務業績
ノバルティスは、2014年4月22日のポートフォリオ転換に関する発表以降、グループの当
年および前年の報告財務データを“継続事業”と“非継続事業”に分けて報告しています。
詳細は要約版業績報告書(英文オリジナル版)の43ページをご覧ください。
以下の説明は、医薬品、アルコン、サンド、コーポレート活動の各事業から構成される継
続事業に関するものです。グラクソ・スミスクライン(GSK)との事業移管が完了した2015
年3月2日以降の継続事業の業績には、新たに取得したGSKのオンコロジー製品の業績なら
びにGSKとのコンシューマーヘルスケア合弁会社の36.5%の持ち分利益(関連会社からの
収益に計上)も含まれます。非継続事業およびグループ全体の業績についても、5ページ
および7ページに報告しています。
2015年第4四半期(10~12月)
継続事業
売上高は125億米ドル(4%減、実質ベース4%増)となりました。成長製品 1の売上高は前
年同期比16%増(米ドルベース)の43億米ドルとなり、売上高全体に占める比率は35%に
達しました。
営業利益は、アルコンの減益と係争和解引当金が主な要因となり17億米ドル(29%減、実
質ベース12%減)となりました。コア営業利益を算出するための営業利益の調整額は、医
薬品事業部門における新たに取得したオンコロジー製品の減価償却費が主な要因となり
14億米ドル(前年同期:9億米ドル)となりました。
コア営業利益は31億米ドル(5%減、実質ベース9%増)でした。実質ベースのコア売上高
営業利益率は、医薬品事業部門の好業績が主な要因となり、1.1ポイント上昇しました。為
替による1.4ポイントのマイナス影響が加わった結果、米ドルベースのコア売上高営業利益
率は0.3ポイント減の24.4%となりました。
純利益は11億米ドル(57%減、実質ベース34%減)となり、前年同期に計上されたLTS
Lohmann Therapie-Systeme AG株式の売却に伴う例外的な税引き前利益4億米ドルならび
に当四半期に発生したベネズエラの子会社関連の3億米ドルの例外的費用の影響を受けま
1 “成長製品”はポートフォリオの若返りの指標となるものであり、主要各市場(EU、米国、日本)において2010年以降
に上市された製品、または主要各市場において少なくとも2019年まで独占的販売権を持つ製品(過去24カ月間に上市され
た製品のみが対象となるサンドを除く)を指します。GSKからのオンコロジー製品群の取得による効果も含まれます。
4/18
した。
1株当たり純利益(EPS)は0.44米ドル(57%減、実質ベース34%減)となり、純利益と同
等の減益率となりました。
コア純利益は27億米ドル(5%減、実質ベース7%増)となり、コア営業利益とほぼ同等の
成長率となりました。
コアEPSは1.14米ドル(4%減、実質ベース8%増)となり、コア純利益とほぼ同等の成長
率を示しました。
第4四半期のフリーキャッシュフローは、営業活動への為替によるマイナス影響とヘッジ
利益の減少、無形資産への投資拡大(主にオファツムマブの残りの権利関連)が主な要因
となり、前年同期から10億米ドル減少し、29億米ドル(26%減)となりました。
医薬品事業部門の売上高は、2015年3月2日にGSKから新たに取得したオンコロジー製品群
(第4四半期の売上高:6億米ドル)を含めた販売数量の14ポイントもの伸びが貢献し、79
億米ドル(0%、実質ベース9%増)となりました。ジェネリック医薬品との競争によるマ
イナス影響は、米国におけるイクセロン パッチ、ディオバン単剤、Vivelle-Dotを中心に、
5ポイントに上りました。価格による影響はほとんどありませんでした。ジレニア、タシグ
ナ、Tafinlar + Mekinist、ジャカビ、レボレード、コセンティクスを含む成長製品の売上高は、
前年同期比34%増(実質ベース)の37億米ドルとなり、医薬品事業部門の売上高全体に占
める比率は47%に達しました。
営業利益は15億米ドル(9%減、実質ベース9%増)となりました。コア営業利益は21億米
ドル(6%増、実質ベース23%増)でした。実質ベースのコア売上高営業利益率は3.3ポイ
ント拡大し、これに為替による1.7ポイントのマイナス影響が加わった結果、米ドルベース
のコア売上高営業利益率は1.6ポイント増の26.8%となりました。
アルコンの第4四半期の売上高は23億米ドル(13%減、実質ベース6%減)でした。サージ
カル製品の売上高(実質ベース5%減)は、眼内レンズでの競合激化と手術用機器の販売
低迷が白内障手術用消耗品の販売好調の継続により一部相殺され、減少しました。眼科用
医薬品の売上高(実質ベース5%減)は、パタノールおよび感染症/炎症治療薬を中心とす
る米国におけるジェネリック医薬品との競争激化による影響が、緑内障向け配合剤および
ドライアイ治療薬Systaneの二桁増収による効果により一部相殺され、減少しました。ビジ
ョンケアの売上高(実質ベース8%減)は、米国におけるエアオプティクス(コンタクト
レンズ)の販売低迷とレンズケア製品の減収継続が、デイリーズ Total1の好調継続により
一部相殺されたことが影響しました。
営業利益は132百万米ドル(64%減、実質ベース36%減)でした。コア営業利益は、売上
高の減少と加齢黄斑変性(AMD)治療薬のRTH258を中心とする研究開発費の増加が主に
影響し、670百万米ドル(25%減、実質ベース13%減)となりました。コア売上高営業利
益率は実質ベースで2.6ポイント低下し、これに為替による2.0ポイントのマイナス影響が
加わった米ドルベースでは4.6ポイント減の28.5%となりました。
サンドの第4四半期の売上高は、販売数量の8ポイントの伸びが価格低下による8ポイント
のマイナス影響によって完全に相殺され、23億米ドル(8%減、実質ベース0%)となりま
した。価格低下による影響は過去の四半期と比べて拡大しましたが、2014年の平均と同等
でした。当四半期の売上高は、主要な小売製品の上市が多かったことやディオバン単剤の
オーソライズドジェネリックによる効果があり、高い水準を示した前年同期の影響を受け
ると同時に、2015年第4四半期の米国における価格低下の拡大やインフルエンザの流行開
始の遅れが影響しました。バイオ医薬品(バイオシミラー、バイオ医薬品の受託生産、
Glatopaを含む)の全世界での売上高は、Glatopaの販売好調もあり41%増(実質ベース)
の218百万米ドルとなりました。感染症治療薬の売上高(受託生産分および最終製品の売
上高からなる)は、インフルエンザの流行開始の遅れを反映し1%増(実質ベース)の368
百万米ドルとなりました。
5/18
営業利益は、当四半期に発生した34百万米ドルの係争費用が主な要因となり、26%減(実
質ベース18%減)の216百万米ドルとなりました。コア営業利益は、米国における価格低
下ならびに為替によるマイナス影響が作用し、397百万米ドル(5%減、実質ベース4%増)
となりました。コア売上高営業利益率は0.6ポイント拡大(実質ベースおよび米ドルベース)
し、17.2%となりました。
非継続事業 1
ポートフォリオ転換関連の事業移管は2015年7月末までにすべて完了したため、2015年第
4四半期の業績にはワクチンやアニマルヘルス、OTCのいかなる売上高も含まれておらず、
前年同期の業績には売却されたすべての事業の3カ月間の業績(売上高:約16億米ドル)
が含まれます。
非継続事業の営業損失は、追加的な事業移管関連費用を含めた94百万米ドルとなりました。
前年同期の営業損失(純額)は、CSL Limited, Australia(CSL)へのインフルエンザワク
チン事業売却に伴う例外的な減損費用11億米ドルが主な要因となり、12億米ドルとなりま
した。
非継続事業のコア営業損失は2百万米ドルとなり、前年同期は93百万米ドルのコア営業利
益を計上しました。
非継続事業の純利益は2百万米ドルとなり、前年同期は961百万米ドルの純損失を計上しま
した。
グループ全体1
グループ全体の純利益は前年同期の15億米ドルから11億米ドルに減少し、基本EPSは前年
同期の0.62米ドルから0.44米ドルに低下しました。
グループ全体のフリーキャッシュフローは30億米ドルとなりました。
2015年通期
継続事業
2015年通期の売上高は494億米ドル(5%減、実質ベース5%増)となりました。成長製品
の売上高は前年比17%増(米ドルベース)の166億米ドルとなり、売上高全体に占める比
率は34%に達しました。
営業利益は、医薬品事業部門において新たに取得したオンコロジー製品の償却費が主な要
因となり、90億米ドル(19%減、実質ベース2%減)となりました。コア営業利益を算出
するための営業利益の調整額は48億米ドル(前年:34億米ドル)となりました。調整額の
増加は、主に医薬品事業部門において新たに取得したオンコロジー製品の償却費によるも
のです。
コア営業利益は138億米ドル(5%減、実質ベース10%増)でした。実質ベースのコア売上
高営業利益率は、主に医薬品事業部門の業績好調により1.3ポイント上昇しました。為替に
よる1.1ポイントのマイナス影響が加わった結果、米ドルベースのコア売上高営業利益率は
0.2ポイント増の27.9%となりました。
純利益は70億米ドル(34%減、実質ベース18%減)となり、前年に計上されたIdenix社株
式の売却益(8億米ドル)およびLTS Lohmann Therapie-Systeme AG株式の売却益(4億米
ドル)からなる合計12億米ドルの例外的な税引き前利益、ならびに当四半期に発生したベ
ネズエラの子会社関連の例外的費用が影響しました。
1株当たり純利益(EPS)は2.92米ドル(33%減、実質ベース17%減)となり、純利益とほ
1
非継続事業およびグループ全体の定義は要約版業績報告書(英文オリジナル版)の43ページに掲載されています。
6/18
ぼ同等の減益率となりました。
コア純利益は120億米ドル(5%減、実質ベース9%増)となり、コア営業利益とほぼ同等
の成長率となりました。
コアEPSは5.01米ドル(3%減、実質ベース10%増)となり、コア純利益とほぼ同等の成長
率を示しました。
2015年通期のフリーキャッシュフローは前年の109億米ドルから減少し、93億米ドル
(15%減)となりました。フリーキャッシュフローの減少は、主に営業活動への為替によ
るマイナス影響によるものです。
医薬品事業部門の2015年通期の売上高は、新たに取得したオンコロジー製品(売上高:18
億米ドル)を含めた販売数量の伸び(13ポイント増)がジェネリック医薬品による影響(7
ポイント減)を上回った結果、304億米ドル(4%減、実質ベース6%増)となりました。
価格による影響はほとんどありませんでした。
2015年通期の営業利益は76億米ドル(10%減、実質ベース5%増)となりました。これは、
無形資産償却費13億米ドルと主にGSKから新たに取得したオンコロジー製品に関わる事
業移管関連費用(純額)2億米ドル、ニューヨーク州南部地区におけるスペシャリティ・フ
ァーマシー(専門性の高い医薬品を扱う薬局)に関わる訴訟の和解金400百万米ドルを含
む訴訟関連費用578百万米ドルが、売却益によって一部相殺されたことによります。コア
営業利益は94億米ドル(1%減、実質ベース14%増)となり、継続した部門コストの削減
と生産性向上の取り組みにより実質ベースでのコア売上高営業利益率の改善に寄与しまし
た。コア売上高営業利益率は実質ベースで2.4ポイント改善し、為替による1.4ポイントの
マイナス影響を加えた米ドルベースでは、1.0ポイント増の30.9%となりました。
アルコンの2015年通期の売上高は98億米ドル(9%減、実質ベース1%減)でした。サージ
カル製品の売上高(実質ベース1%減)は、眼内レンズおよび白内障手術用機器の低迷が
白内障手術用消耗品と硝子体網膜手術用製品の販売好調により一部相殺され、減少しまし
た。眼科用医薬品の売上高は、米国におけるジェネリック医薬品との競争によるマイナス
影響が、緑内障向け配合剤およびドライアイ治療薬Systaneの二桁成長により一部相殺され、
横ばいとなりました。ビジョンケアの売上高(実質ベース2%減)は、デイリーズ Total1
およびエアオプティクス Colorsの力強い成長継続があったものの、レンズケア製品の減収
継続とコンタクトレンズの販売低迷により減少しました。
営業利益は8億米ドル(50%減、実質ベース20%減)でした。コア営業利益は、売上高の
減少と成長加速のための投資に伴う研究開発費および販売費を中心とした費用の拡大、ア
ジアにおける貸倒引当金の増加が影響し、31億米ドル(20%減、実質ベース7%減)とな
りました。コア売上高営業利益率は実質ベースで2.1ポイント低下し、これに為替による1.9
ポイントのマイナス影響を加えた米ドルベースでは4.0ポイント減の31.2%となりました。
サンドの2015年通期の売上高は、販売数量の15ポイントの伸びが価格低下による8ポイン
トのマイナス影響を上回り、92億米ドル(4%減、実質ベース7%増)となりました。2015
年通期は、米国(実質ベース10%増)、西欧諸国(実質ベース3%増)、アジア・パシフィ
ック(実質ベース13%増)、中南米(実質ベース18%増)をはじめ、すべての地域で増収
を達成しました。フランチャイズ別に見た場合、バイオ医薬品の全世界での売上高は、最
近上市された製品の業績が貢献し39%増(実質ベース)の772百万米ドルとなりました。
感染症治療薬の売上高は、年初のインフルエンザの流行拡大と2014年の品質改良後の生産
能力回復を受け、14億米ドル(実質ベース9%増)となりました。
2015年通期の営業利益は、生産拠点関連の事業再編費204百万米ドルの計上があったこと
が主な要因となり、10億米ドル(8%減、実質ベース1%増)となりました。コア営業利益
は6%増(実質ベース17%増)の17億米ドルでした。実質ベースのコア売上高営業利益率
は1.5ポイント拡大し、為替による0.2ポイントのプラス影響を加えた米ドルベースのコア
売上高営業利益率は1.7ポイント増の18.1%となりました。
7/18
非継続事業
2015年通期の非継続事業の業績には、売却されたインフルエンザワクチン事業の2015年7
月31日までの7カ月間の業績、ならびに売却されたインフルエンザ以外のワクチン事業お
よびOTC事業の2015年3月2日までの業績が含まれます。2015年1月1日に売却されたアニ
マルヘルスの業績には、売却益のみが含まれます。前年の業績には売却されたすべての事
業の通期の業績が含まれます。
2015年通期の非継続事業の売上高は、インフルエンザワクチン事業の70百万米ドル、イン
フルエンザ以外のワクチン事業の75百万米ドル、OTCの456百万米ドルを含む、601百万
米ドルとなりました。2014年通期の非継続事業の売上高は58億米ドルでした。
2015年通期の非継続事業の営業利益には、アニマルヘルスの売却(46億米ドル)および
GSKとの事業移管(インフルエンザ以外のワクチン事業関連の28億米ドルと、ノバルティ
スのOTC事業のコンシューマーヘルスケア合弁会社への統合による59億米ドル)に伴う例
外的利益(税引き前)127億米ドルが含まれます。さらに、GSKとの事業移管に伴い、約6
億米ドルの事業移管関連費用が追加されました。
残りの2億米ドルの営業損失は、インフルエンザワクチン事業の7月31日までの業績と、
OTC事業およびインフルエンザ以外のワクチン事業の3月2日までの業績によるものであ
り、前年に計上された減損費用の1億米ドル分の一部戻し入れを加えた純額となっていま
す。
これらの例外的項目を除いた2015年通期の非継続事業のコア営業損失は225百万米ドルと
なりました。2014年には143百万米ドルのコア営業利益を計上していました。
非継続事業の純利益は、GSKおよびリリーとの事業移管に伴う例外的利益が主に影響し
108億米ドルとなり、2014年通期はインフルエンザワクチン事業のCSLへの売却に伴う11
億米ドルの例外的な減損費用が輸血診断事業のグリフォルズ社への売却に伴う9億米ドル
の例外的利益を上回ったことにより、477百万米ドルの純損失を計上しました。
グループ全体
2015年通期のグループ全体の純利益は、非継続事業の純利益に含まれる例外的な売却益が
寄与し、前年の103億米ドルから178億米ドルに増加しました。基本EPSは前年の4.21米ド
ルから7.40米ドルに拡大しました。
グループ全体のフリーキャッシュフローは90億米ドルとなりました。
第4四半期の成長の主な原動力
第4四半期の業績は、ジレニア、タシグナ、Tafinlar + Mekinist、ジャカビ、レボレード、コ
センティクス、Entrestoや、バイオシミラー、新興成長市場を含む成長の主な原動力への継
続したフォーカスに支えられました。
成長製品
 ポートフォリオの若返りの指標となる成長製品は、第4四半期に前年同期比16%の増
収(米ドルベース)を示すとともに継続事業の売上高に占める比率が35%に達しまし
た。医薬品事業部門の成長製品は第4四半期に前年同期比34%の増収(実質ベース)
を示し、事業部門の売上高に占める比率は47%となりました。
 経口MS治療薬のジレニア(724百万米ドル、実質ベース18%増)は、販売数量の大幅な
拡大により第4四半期に二桁増収を達成しました。
 タシグナ(432百万米ドル、実質ベース8%増)は、米国およびその他の市場で販売数
量を大幅に拡大し、慢性骨髄性白血病領域(グリベックも含む)の成長を引き続き牽
引しました。
8/18
 Tafinlar + Mekinist(147百万米ドル)は、切除不能または転移性のBRAF V600遺伝子
変異陽性悪性黒色腫の患者さんに対して初めて承認された併用療法であり、増収とな
りました。
 レボレード(米国での製品名:Promacta)(133百万米ドル)は、唯一承認されてい
る1日1回投与の経口トロンボポエチン受容体作動薬として販売を加速しました。
 ジャカビ(119百万米ドル、実質ベース59%増)は骨髄線維症および真性多血症の治
療薬として承認されている経口JAK阻害剤であり、前年同期からの大幅な増収を達成
しました。
 コセンティクス(121百万米ドル)は、尋常性乾癬治療薬として米国・欧州で初めて承
認されたIL-17A阻害剤であり(2015年第4四半期からは欧州において強直性脊椎炎お
よび関節症性乾癬の治療薬としても承認される)、2015年2月の上市以降好調な推移
を示しています。
 左室駆出率の低下した慢性心不全に対する画期的治療薬であるEntresto(5百万米ド
ル)の第4四半期の売上高は、引き続き全米医薬品コード(NDC)への収載が行われ
なかったことから控え目なものとなりました。
 バイオ医薬品(バイオシミラー、バイオ医薬品の受託生産、Glatopaを含む)の売上
高は41%増(実質ベース)の218百万米ドルとなりました。
新興成長市場
 米国、カナダ、西欧諸国、日本、オーストラリア、ニュージーランドを除く全市場か
らなる新興成長市場の継続事業の第4四半期の売上高は、中国における全般的な景気低
迷の影響を受けたものの、トルコ(実質ベース16%増)およびブラジル(実質ベース
14%増)に牽引され、4%増加(実質ベース)しました。中国での売上高は5%拡大(実
質ベース)しました。
イノベーションの推進
審査当局の肯定的な決定や重要な臨床試験データの公表などにより、第4四半期もパイプ
ラインが進展しました。主な内容は次のとおりです。
新たな承認および承認勧告
 EntrestoがEUで承認される
Entresto(LCZ696)が左室駆出率の低下した症候性の慢性心不全(HFrEF)の成人
患者さんに対する治療薬として欧州委員会(EC)に承認されました。
 コセンティクスのASおよびPsA適応がEUで承認され、1月には米国でも承認される
ECは、コセンティクス(セクキヌマブ)の適応症として、新たに強直性脊椎炎(AS)
および乾癬性関節炎(PsA)の2つを承認しました。2016年1月には、米国食品医薬
品局(FDA)もコセンティクスのASおよびPsA適応を承認しました。
 FDAがCOPD治療薬Utibron Neohalerを承認
FDAは、2剤混合の気管支拡張剤であるUtibron Neohaler(インダカテロール/グリコ
ピロニウム臭化物)を、慢性気管支炎および/または肺気腫を含む慢性閉塞性肺疾患
(COPD)の患者さんの気道閉塞性障害に基づく諸症状に対する長期維持療法薬とし
て承認しました。
 Tafinlar + Mekinistが米国において正式承認を取得
Tafinlar + Mekinistによる全生存率(OS)の改善効果が証明された2つの第III相確認
試験の完了を受け、Tafinlar + Mekinistの併用療法(ダブラフェニブ/トラメチニブ)
がFDAの正式承認を取得しました。この併用療法は、FDAの迅速承認プログラムに
よってすでに米国で承認されていました。
9/18
承認申請
 FDAがアフィニトールの消化管/肺原発の神経内分泌腫瘍の適応を優先審査品目に
指定
FDAは、アフィニトール(エベロリムス)の消化管または肺原発の進行性非機能性
神経内分泌腫瘍(NET)の治療薬としての適応を優先審査品目に指定しました。
 サンドがエタネルセプトのバイオシミラーを欧州で申請
欧州医薬品庁(EMA)は、サンドによるTNF-α阻害剤Enbrel®(エタネルセプト)の
バイオシミラーの申請を受理しました。サンドは、関節リウマチおよび尋常性乾癬
を含む先行品の添付文書に含まれるすべての適応の承認を目指しています。
 サンドがペグフィルグラスチムのバイオシミラーを米国で申請
FDAは、サンドによる遺伝子組み換え型ヒト顆粒球コロニー刺激因子Neulasta®(ペ
グフィルグラスチム)のバイオシミラーの申請を受理しました。今回の申請は、申
請されたバイオシミラーが、乳がん患者さんの好中球減少症に対しNeulasta®と同等
かつ非劣勢の効果を示すことを証明した第III相PROTECT 2試験の結果に基づいて
実施されました。サンドは先行品と同じ適応での承認を目指しています。
重要な臨床試験の結果およびその他のハイライト
 2年間にわたるコセンティクスの第III相試験データでASおよびPsAに対する持続的
効果が示される
コセンティクスのMEASURE 1試験において、AS患者さんの最大80%で2年間にわた
ってX線所見による脊椎炎の増悪が確認されなかったことが明らかになりました。さ
らに、コセンティクスのFUTURE 1試験では、PsA患者さんの84%に2年間にわたっ
て関節損傷のさらなる進行が認められなかったことが証明されました。
 コセンティクスのAS適応の第III相試験の結果がNEJMに掲載される
コ セ ン テ ィ ク ス の MEASURE 1 試 験 お よ び MEASURE 2 試 験 の 結 果が the New
England Journal of Medicine(NEJM)に掲載されました。
 SerelaxinのRELAX-AHF-2試験が中間解析結果を受け継続中
RELAX-AHF-2試験のデータ監視委員会は、中間解析結果を受け、現行のまま本試験
を継続することを推奨しました。試験完了に必要な既定の心血管イベント数を確保
するための最新の計画によると、主要な試験結果は2017年に得られる見込みです。
2015年に“心不全の悪化”が主要評価項目に追加されたことを受け、スケジュール
がわずかに延期されました。
 Surface Oncology社との提携・ライセンシング契約により、ノバルティスはがん免疫
療法分野で引き続きポートフォリオを拡充
2016年1月、ノバルティスは、Surface Oncology社との提携・ライセンシング契約を
締結しました。今回の合意に伴い、ノバルティスは、腫瘍微小環境における制御性T
細胞、抑制性サイトカイン、免疫抑制代謝物質を標的とする4つの前臨床プログラム
へのアクセスを手に入れました。
 ASH(米国血液学会)で再発難治性急性リンパ性白血病適応に関するCTL019の新規
試験データを発表
再発難治性急性リンパ性白血病(r/r ALL)の小児および成人の患者さんを対象に実
施中の第III相試験において、CTL019での治療により93%の患者さん(59例中55例)
が完全寛解を達成したことが明らかになりました。
 5年間にわたるジャカビの第III相試験データで骨髄線維症治療における長期的効果
が示される
COMFORT-II試験において、骨髄線維症(MF)の患者さんに対する5年間にわたる
ジャカビ(ルキソリチニブ)による治療によって、治療開始48週後にbest available
10/18
therapy(現状で利用可能な最善の治療)からジャカビでの治療に切り替えを行った
にもかかわらず全生存率(OS)が改善したことが確認されました。
 COPD治療におけるウルティブロ ブリーズヘラーのSeretide®に対する優位性が証
明される
ウルティブロ ブリーズヘラー(インダカテロール/グリコピロニウム臭化物)が第III
相FLAME試験の主要評価項目を達成し、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪抑制に
関して、治療開始から52週間にわたるSeretide®に対する優位性が証明されました。
 PKC412の第III相試験データで、特定の急性骨髄性白血病患者さんに対する生存率
の改善効果が示される
初発のFTL3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病(AML)の成人患者さんを対象に実施
されている第III相RATIFY試験において、PKC412(midostaurin)と標準的な導入治
療および化学療法を併用した場合に、標準的な導入治療および化学療法のみを行っ
た場合と比べて全生存率が23%改善することが立証されました。
 レボレードの骨髄異形成症候群/急性骨髄性白血病適応の臨床試験を中止
ノバルティスは、SUPPORT試験およびASPIRE試験がintermediate-1、intermediate-2
およびhigh-riskの骨髄異形成症候群(MDS)および/または急性骨髄性白血病(AML)
適応に関するレボレード(エルトロンボパグ)の承認申請を裏付けるものではない
と判断しました。ノバルティスは、これらの適応でのレボレードの開発継続が正当
であるか検討を続けています。
 アルコンが初の個別化LASIK手術システムであるContoura Visionを上市
アルコンは、一つ一つの目で異なる角膜のトポグラフィーに基づいた、手術医のよ
り個別化されたレーザー手術の実施を可能とする画像誘導LASIK治療システムであ
るContoura Visionを上市しました。
ポートフォリオ転換を完了
2015年3月2日のGSKとの事業移管完了の発表、および2015年7月31日のインフルエンザワ
クチン事業のCSLへの売却の発表に伴い、ノバルティスはポートフォリオ転換を完了しま
した。
高パフォーマンス企業の構築
ノバルティスの品質への注力は2015年も引き続き成果を生み出しています。2015年第4四
半期に合計53件の世界各国の保健当局による査察が実施され、そのうち4件はFDAによる
査察でした。53件中51件で優秀または適合との評価を受けました。第3四半期に開始した1
件および第4四半期に開始した2件を含む残り3件の査察については、審査が継続中となっ
ています。2015年通期では合計192件の査察が行われ、そのうち31件がFDAによるもので
した。通期で実施された192件のうち189件で優秀または適合との評価を得ました。
事業部門間の相乗効果の実現
ノバルティスは第4四半期も生産性向上の取り組みを継続し、グループ全体の利益率向上
に貢献しました。
 事業部門横断的な共用サービス部門であるノバルティス ビジネスサービス(NBS)
が、グループ全体の効率化・標準化・簡素化の実現という優先課題を引き続き推進し
ました。NBSは引き続き事務サービスのグローバル サービスセンターへのオフショ
ア化を進めており、異動したフルタイム換算の社員数は第4四半期末時点で約9,500
人となりました。NBSが担当する業務にかかる費用は前年同期比で横ばいとなり、
グループの利益率改善に寄与しました。
11/18
 第4四半期において、ノバルティスは、NBSを通じた企業規模の活用などにより約480
百万米ドルに上る調達面でのコスト削減を実現しました。
 加えて、私たちは引き続き生産拠点の最適化に取り組みました。2015年第4四半期、
私たちは、アルコンのフランス・カイゼルスベルグ工場のRecipharm社への売却を完
了させました。継続事業関連のこれまでに再編・閉鎖・売却された、またはその途中
である生産拠点の総数は25拠点となりました。第4四半期に76百万米ドル、通期に
375百万米ドル、さらに、プログラム開始以降の累計で950百万米ドルの例外的費用
が計上されています。
生産性向上の取り組みにより、第4四半期に合わせて約920百万米ドルに上るコスト節減効
果を実現しました。2015年通期では、売上高の6%に相当する約32億米ドルの生産性向上
によるコスト削減効果を達成しました。
資本構成および純負債額
事業への投資と強力な資本構成、魅力ある株主還元の適切なバランスを保つことは今後も
引き続き優先されます。力強いキャッシュフローと健全な資本構成により、財務面での強
さと統制を反映したAAの格付けを維持しながら、ノバルティスの多様なヘルスケア関連ポ
ートフォリオ全体にわたるイノベーション、成長、生産性向上の推進に向けた注力を続け
ることが可能となっています。
2015年通期において、株式報酬制度に関するオプション権の行使および株式発行が行われ
た結果、3,890万株の自己株式が発行されました。SIXスイス証券取引所のファーストトレ
ーディングラインと社員から、合わせて1,370万株の自己株式が買い戻されました。さら
に、ノバルティスは、2013年11月に2年間にわたり50億米ドルの自社株購入を行うと発表
し、すでに終了した自社株購入プログラムの一環として、4,990万株を2015年通期にセカ
ンドトレーディングラインを通じて買い戻しました。これは株式報酬制度による希釈化影
響を相殺する目的も兼ねています。これらの取引に伴い、2015年通期に発行済み株式総数
が2,470万株減少し、6回目の自社株購入プログラムは完了しました。
ノバルティスは、2015年通期に5種類の社債(スイスフラン建て3種類および米ドル建て2
種類)を合計45億米ドルで発行し、2種類の社債を満期に伴い合計29億米ドル(2010年3
月発行の社債分の20億米ドルおよび2008年6月発行のスイスフラン建て社債分の9億米ド
ル)で償還しました。
2014年12月31日時点で65億米ドルだった純負債額は、2015年12月31日現在では165億米
ドルとなりました。100億米ドルの増加は、GSKからのオンコロジー製品の取得に伴う160
億米ドルの支出、66億米ドルの配当金の支払い、61億米ドルの自社株購入、売却関連の支
払い10億米ドル、その他の現金支出(純額)8億米ドルによる増加が、90億米ドルのフリ
ーキャッシュフロー、ポートフォリオ転換関連の売却益(純額)99億米ドル、オプション
権行使による16億米ドルの収入によって一部相殺されたことによります。
ノバルティスの長期信用格付けは引き続きAA(ムーディーズAa3;スタンダード&プアー
ズAA-;フィッチAA)となっています。
2016年通期のグループ業績見通し
不測の出来事を除く
2016年通期の売上高およびコア営業利益は、ジェネリック医薬品による影響を吸収した上
で、2015年実績とほぼ同等(実質ベース)となると予想されます。ジェネリック医薬品と
の競争による売上高への影響は最大で32億米ドルに上ると予想されます(2015年実績:22
億米ドル)。
12/18
グリベックのジェネリック医薬品による影響を除くと、グループの売上高は一桁台半ば(実
質ベース)、グループのコア営業利益は10数パーセント台半ば(実質ベース)の成長率を
示すと見込まれています。
これらの比較はすべて2015年通期の継続事業に対するものです。
本日発表したアルコン事業のサージカルおよびビジョンケアへの集中、アルコンの眼科用
医薬品の医薬品事業部門への移管、医薬品事業部門の一部のマチュア製品のサンドへの移
管を含め、私たちは2016年通期の事業部門別の売上高(実質ベース)を次のように予想し
ています:
• 医薬品事業部門:2015年実績とほぼ同等からわずかな減少(グリベックのジェネリ
ック医薬品による影響を除くと、一桁台半ばの成長率)
• アルコン:一桁台前半の成長率
• サンド:一桁台前半から半ばの成長率
2016年1月初旬の為替レートが2016年の残りの期間も継続すると仮定した場合、通期での
為替影響は売上高に対してマイナス3%、コア営業利益に対してマイナス5%に上ると予想し
ています。この2015年比の為替影響は、ほとんどの通貨に対し米ドル高が継続しているこ
とによるものです。
13/18
事業部門別業績
継続事業 合計
2015年第4四半期(10~12月)
2015年第4四半期
売上高
営業利益
売上高比(%)
コア営業利益
売上高比(%)
百万米ドル
米ドルベース
実質ベース
12 520
1 677
13.4
3 057
24.4
15 149
2 029
13 075
2 351
18.0
3 229
24.7
-4
-29
4
-12
-5
9
3 699
2015年通期
売上高比(%)
売上高比(%)
49 414
8 977
18.2
13 790
27.9
2014年第4四半期
前年同期比(%)
2
百万米ドル
米ドルベース
実質ベース
59 791
10 862
52 180
11 089
21.3
14 473
27.7
-5
-19
5
-2
-5
10
百万米ドル
コア営業利益
前年同期比(%)
億円1
2015年通期(1~12月)
売上高
営業利益
2014年第4四半期
百万米ドル
億円
16 686
医薬品事業部門
2015年第4四半期(10~12月)
2015年第4四半期
百万米ドル
米ドルベース
実質ベース
7 865
1 471
18.7
2 105
26.8
9 517
1 780
7 860
1 611
20.5
1 977
25.2
0
-9
9
9
6
23
売上高比(%)
コア営業利益
売上高比(%)
2015年通期(1~12月)
売上高比(%)
コア営業利益
売上高比(%)
前年同期比(%)
億円1
売上高
営業利益
売上高
営業利益
2014年第4四半期
百万米ドル
2 547
2015年通期
2014年第4四半期
前年同期比(%)
百万米ドル
億円2
百万米ドル
米ドルベース
実質ベース
30 445
7 597
25. 0
9 420
30.9
36 838
9 192
31 791
8 471
26.6
9 514
29.9
-4
-10
6
5
-1
14
11 398
14/18
アルコン事業部門
2015年第4四半期(10~12月)
2015年第4四半期
2014年第4四半期
前年同期比(%)
百万米ドル
億円1
百万米ドル
米ドルベース
実質ベース
2 349
132
5.6
670
28.5
2 842
160
2 703
365
13.5
895
33.1
-13
-64
-6
-36
-25
-13
売上高
営業利益
売上高比(%)
コア営業利益
売上高比(%)
2015年通期(1~12月)
811
2015年通期
2014年第4四半期
前年同期比(%)
百万米ドル
億円2
百万米ドル
米ドルベース
実質ベース
9 812
794
8.1
3 063
31.2
11 873
961
10 827
1 597
14.8
3 811
35.2
-9
-50
-1
-20
-20
-7
売上高
営業利益
売上高比(%)
コア営業利益
売上高比(%)
3 706
サンド
第4四半期(10~12月)
2015年第4四半期
百万米ドル
米ドルベース
実質ベース
2 306
216
9.4
397
17.2
2 790
261
2 512
290
11.5
416
16.6
-8
-26
0
-18
-5
4
売上高比(%)
コア営業利益
売上高比(%)
480
2015年通期(1~12月)
2015年第4四半期
売上高比(%)
コア営業利益
売上高比(%)
前年同期比(%)
百万米ドル
売上高
営業利益
売上高
営業利益
2014年第4四半期
億円1
2014年第4四半期
前年同期比(%)
百万米ドル
億円1
百万米ドル
米ドルベース
実質ベース
9 157
1 005
11.0
1 659
18.1
11 080
1 216
9 562
1 088
11.4
1 571
16.4
-4
-8
7
1
6
17
2 007
15/18
コーポレート
第4四半期(10~12月)
2015年第4四半期
前年同期比(%)
億円1
百万米ドル
米ドルベース
実質ベース
-142
-115
- 172
- 139
85
-59
―
-95
―
-113
営業利益
コア営業損益
2015年通期(1~12月)
2015年第4四半期
営業損益
コア営業損益
2014年第4四半期
百万米ドル
2014年第4四半期
前年同期比(%)
百万米ドル
億円1
百万米ドル
米ドルベース
実質ベース
-419
-352
- 507
- 426
-67
-423
―
17
―
11
1
日本円は、参考のため表示したもので、1米ドル=121円(2015年10-12月の期中平均レート、小数点第1位を四捨五入)
にて換算したものです。
2 日本円は、参考のため表示したもので、1米ドル=121円(2015年1-12月の期中平均レート、小数点第1位を四捨五入)
にて換算したものです。
免責条項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。従って、その内容
に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、
将来の結果が現在の予想と異なる場合があることをご了解下さい。なお、詳細につきまし
ては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm 20-Fをご参照下さい。
ノバルティスについて
ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケア(眼
科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医薬品など、幅
広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2015年の売上高は494
億米ドル、研究開発費は89億米ドル(減損・償却費用を除くと87億米ドル)でした。スイ
ス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約119,000人の社員を擁しており、世界180カ
国以上で製品が使われています。詳細はホームページをご覧ください。
http://www.novartis.com
16/18
参考資料:2015年第4四半期(10~12月)医療用医薬品の売上上位20製品(無監査)
注)日本円は参考のため表示したもので、1米ドル=121円(2015年10-12月の期中平均レート、小数点第1位を四捨五入)にて換算したものである。
米国
米国以外
前年同期比
百万
米ドル
677
413
合計
前年同期比
億円
実質
ベース
(%)
百万
米ドル
819
8
542
500
27
前年同期比
億円
実質
ベース
(%)
百万
米ドル
億円
米ドル
ベース
(%)
実質
ベース
(%
656
-1
1219
1 475
-1
4
329
398
10
742
898
11
18
499
604
-4
499
604
-15
-4
9
267
323
8
432
523
1
8
グリベック
Business Franchise
オンコロジー
適応症
慢性骨髄性白血病,GIST
ジレニア
中枢神経
多発性硬化症
ルセンティス
眼科
加齢黄斑変性
タシグナ
オンコロジー
慢性骨髄性白血病
165
200
サンドスタチン
オンコロジー
消化管ホルモン産生腫瘍、先端巨大症
205
248
4
208
252
10
413
500
-1
7
アフィニトール / Votubia
オンコロジー
乳がん、結節性硬化症
198
240
-12
184
223
5
382
462
-10
-4
ディオバン / コディオ
Established medicines
高血圧症
46
56
-45
246
298
-8
292
353
-23
-16
Galvus / エクア
循環器・代謝
糖尿病
294
356
12
294
356
0
12
エックスフォージ
Established medicines
高血圧症
9
11
-55
240
290
-3
249
301
-16
-7
エクジェイド
オンコロジー
慢性鉄過剰症
97
117
20
151
183
4
248
300
2
9
製品名
呼吸器
喘息
197
238
12
197
238
-2
12
イクセロン/ イクセロンパッチ
中枢神経
アルツハイマー型認知症
43
52
-64
92
111
-10
135
163
-44
-37
ネオーラル / サンディミュン
免疫・皮膚
移植
12
15
-14
132
160
-3
144
174
-12
-3
ヴォトリエント
オンコロジー
腎細胞がん
87
105
nm
ボルタレン(他事業部門部除く)
Established medicines
炎症/疼痛
Tafinlar/Mekinist
オンコロジー
悪性黒色腫
79
96
nm
Myfortic
免疫・皮膚
移植
30
36
-12
ジャカビ
オンコロジー
骨髄線維症、真性多血症
Promacta/レボレード
オンコロジー
I特発性血小板減少性紫斑病
63
76
リタリン / Focalin
Established medicines
注意力欠如障害/多動性障害
44
53
ゾレア
1
トップ20製品計
その他製品
医薬品売上高計
89
108
nm
176
213
nm
nm
140
169
-9
140
169
-19
-9
68
82
nm
147
178
nm
nm
85
103
5
115
139
-12
0
119
144
59
119
144
42
59
nm
70
85
nm
133
161
nm
nm
-49
36
44
0
80
97
-38
-32
2 168
2623
11
3 988
4825
9
6 156
7449
1
475
575
15
1 234
1 493
6
1 709
2 068
-3
9
8
2 643
3 198
11
5 222
6 319
8
7 865
9 517
0
9
1 ゾレアの収益は、全ての適応症(免疫・皮膚領域が取り扱っている重度の喘息および難治性慢性特発性蕁麻疹)の売り上げを反映している。
17/18
参考資料:2015年通期(1月~12月) 医療用医薬品の売上上位20製品(無監査)
注)日本円は参考のため表示したもので、1米ドル=121円(2015年1-12月の期中平均レート、小数点第1位を四捨五入)にて換算したものである。
米国
米国以外
合計
百万
米ドル
億円
前年比
実質
ベース
(%)
億円
米ドル
ベース
(%)
2 533
3 065
17
2 125
2 571
-5
4 658
5 636
-2
5
1 497
1 811
26
1 279
1 548
17
2 776
3 359
12
21
2 060
2 493
-2
2 060
2 493
-16
-2
慢性骨髄性白血病
661
800
22
971
1 175
12
1 632
1 975
7
16
消化管ホルモン産生腫瘍、先端巨大症
823
996
10
807
976
5
1 630
1 972
-1
7
オンコロジー
乳がん、結節性硬化症
892
1 079
11
715
865
9
1 607
1 944
2
10
Established medicines
高血圧症
254
307
-74
1 030
1 246
-17
1 284
1 554
-45
-40
Galvus / エクア
循環器・代謝
糖尿病
1 140
1 379
8
1 140
1 379
-7
8
エックスフォージ
Established medicines
高血圧症
エクジェイド
オンコロジー
慢性鉄過剰症
グリベック
Business Franchise
オンコロジー
適応症
慢性骨髄性白血病,GIST
ジレニア
中枢神経
多発性硬化症
ルセンティス
眼科
加齢黄斑変性
タシグナ
オンコロジー
サンドスタチン
オンコロジー
アフィニトール / Votubia
ディオバン / コディオ
製品名
ゾレア
1
呼吸器
喘息
イクセロン/ イクセロンパッチ
中枢神経
アルツハイマー型認知症
ネオーラル / サンディミュン
免疫・皮膚
移植
ヴォトリエント
オンコロジー
腎細胞がん
ボルタレン(他事業部門部除く)
Established medicines
炎症/疼痛
Tafinlar/Mekinist
オンコロジー
Myfortic
百万
米ドル
億円
前年比
実質
ベース
(%)
百万
米ドル
前年比
実質
ベース
(%)
67
81
-76
980
1 186
1
1 047
1 267
-25
-15
365
442
19
552
668
3
917
1 110
-1
8
755
914
14
755
914
-3
14
340
411
-30
388
469
-13
728
881
-28
-21
47
57
-15
523
633
-5
570
690
-17
-6
287
347
nm
278
336
nm
565
684
nm
nm
558
675
0
558
675
-12
0
悪性黒色腫
267
323
nm
186
225
nm
453
548
nm
nm
免疫・皮膚
移植
109
-27
332
402
0
441
534
-19
-8
ジャカビ
オンコロジー
骨髄線維症、真性多血症
410
496
71
410
496
47
71
Promacta/レボレード
オンコロジー
I特発性血小板減少性紫斑病
196
237
nm
206
249
nm
402
486
nm
nm
リタリン / Focalin
Established medicines
注意力欠如障害/多動性障害
-31
139
168
1
365
442
-26
-20
132
226
273
トップ20製品計
8 564
10 362
7
15 434
18 675
7
23 998
29 038
-3
7
その他製品
1 715
2 075
-2
4 723
5 715
4
6 447
7 801
-9
2
10 279
12 438
5
20 166
24 401
6
30 445
36 838
-4
6
医薬品売上高計
1 ゾレアの収益は、全ての適応症(免疫・皮膚領域が取り扱っている重度の喘息および難治性慢性特発性蕁麻疹)の売り上げを反映している。
18/18