北陸経済調査 - 北陸財務局

平 成 2 8 年 1 月 2 7 日 発 表
北陸経済調査
【総括判断】
〔管内経済の概況〕
北陸財務局管内(石川、富山、福井県)の最近
の経済動向をみると、回復している 。
(総括判断のポイント)
個人消費及び生産は、回復している。
雇用情勢は、着実に改善している。
また、観光等を中心に、北陸新幹線開業に伴う効果が
続いている。
【先行き】
○ 企業収益や雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の
効果もあって、着実に回復を続けていくことが期待される。
○ 海外景気の下振れなどが景気を下押しするリスクとなっている
ことから、その動向に留意が必要。
○ 北陸地域における人手不足に伴う企業活動への影響が懸念。
項 目
27年11月
総括判断 回復している。
28年1月
前回との
比較
回復している。
【主要項目の判断】
項 目
27年11月
28年1月
個人消費 回復している。
回復している。
住宅建設 回復しつつある。
回復しつつある。
公共事業 前年を下回っている。
前年を下回っている。
生
産 回復している。
雇用情勢
回復している。
着実に改善している。
着実に改善している。
一部では、人手不足感が強まっている。 一部では、人手不足感が強まっている。
平成28年 1月
財務省 北陸財務局
お問合せ先
財務省 北陸財務局 経済調査課
TEL (076) 292-7858
FAX (076) 292-7953
前回との
比較
1.個人消費
・・・ 回復している
(1) 百貨店・スーパー販売
11月の百貨店・スーパー販売は、気温が高めに推移し、衣料品等の動きが鈍いなど一部に弱さがみられるものの、
引き続き高品質商品に動きがみられるなど飲食料品が増加していることから、回復している。
(注1)pは速報値。
(注2)調査対象事業所の見直しにより、販売額については、平成27年6月以前と平成27年7月以降で連続性がなくなっている。
(資料)経済産業省、中部経済産業局
1
(2) コンビニエンスストア販売等
11月の
・ コンビニエンスストア販売は、カウンターフーズや惣菜等に動きがみられることから、順調となっている。
・ ドラッグストア販売は、品揃えの拡充により飲食料品等に動きがみられることから、順調となっている。
・ ホームセンター販売は、暖房器具や灯油等の季節商品の動きが鈍いことから、弱含んでいる。
・ 家電量販店販売は、テレビ等に動きがみられるものの、暖房器具等の動きが鈍いことから、持ち直しに
足踏みがみられる。
(3) 新車販売
12月の新車販売台数は、普通乗用車は前年を上回っているものの、小型乗用車、軽乗用車は前年を下
回っており、弱含んでいる。
(資料)日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会、各県自動車販売店協会、
軽自動車協会(石川県、福井県)、軽自動車検査協会(富山県)
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( 消費者物価 )
11月の消費者物価(金沢市、生鮮食品を除く総合)は、前年を下回っている。
(資料)総務省、石川県
(4)北陸経済に係る生の声
個人消費関連
・暖冬で冬物衣料などの季節商品が上向いてこないものの、食料品や高額品の売行きは堅調で、消費者マインドに変化はみられない。(百貨店)
・鍋物食材の動きが鈍いものの、引き続き国産食材などの高品質商品や惣菜等に動きがみられる。(スーパー:大企業)
・カウンターフーズや惣菜等に引き続き動きがみられるほか、高単価商品の売行きが良い。また、12月はクリスマスケーキの売行きが好調だった。
(コンビニ:大企業)
・テレビは売上台数については前年並みとなっているものの、4Kテレビの構成比が高まっており、売上高は前年を上回っている。一方、気温が
高めに推移していることから、暖房器具の動きが鈍い。(家電量販店:大企業)
・高価格帯の人気車種に加えて、新型車販売の数値目標も達成できておりショールームの来場者も増加している。1月以降は、新型車を中心に
順調に推移する見込み。(自動車販売店:中堅企業)
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(5) 観光・旅行関連
①主要観光地
12月の主要観光地の入込客数は、北陸新幹線開業等の効果がみられることから、高水準で推移しており、
好調となっている。1月も引き続き高水準を維持しているとの声を聞いている。
27.4-12
前年同期比
247.2万人 +85.1万人(+52.5%)
(注)外国人客は無料入園者を除く。
27.4-12
前年同期比
68.8万人 +15.0万人(+27.9%)
(資料)石川県金沢城・兼六園管理事務所
27.4-12
21.7万人
(資料)輪島市観光課
前年同期比
+9.3万人(+74.6%)
(資料)瑞龍寺
27.4-12
前年同期比
49.6万人 +11.1万人(+28.8%)
(注)入込客数は、参拝者数と参籠者数を合算したもの。
(資料)大本山永平寺
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②主要温泉地
11月の主要温泉地の宿泊客数は、北陸新幹線開業等の効果によって高水準で推移しており、好調となっている。
12~1月については、北陸新幹線開業等の効果がみられることから、関東方面を中心に県外客が引き続き
大幅に増加しているとの声を聞いている。
27.4-11
前年同期比
286.1万人 +48.2万人(+20.2%)
(資料)北陸観光協会
( 旅行取扱状況 )
12~1月の旅行取扱状況は、
・ 国内旅行は、引き続き北陸新幹線開業の効果により、東京方面に加えて、アクセスが向上した東北方面にも
動きがみられるとの声を聞いている。
・ 海外旅行は、引き続き欧州方面の動きが鈍いとの声を聞いている。
( 参考 )北陸新幹線利用状況(上越妙高-糸魚川間)
利用者数
前年比
11月
12月
(12月14日まで)
86.7万人
319%
28.7万人
309%
3/14~11/30
709万人
308%
(注1)速報値。
(注2)前年比は在来線特急「はくたか・北越」(直江津-糸魚川間)の利用実績との比較。
(資料)西日本旅客鉄道㈱
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2.住宅建設
・・・ 回復しつつある
11月の住宅建設を新設住宅着工戸数でみると、持家が7か月連続で前年を上回っていることなどから、
回復しつつある。
(資料)国土交通省
3.公共事業
・・・ 前年を下回っている
12月の公共事業を前払金保証請負金額でみると、前年を下回っている。
(資料)東日本建設業保証㈱ほか
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4.生産
・・・ 回復している
引き続き、高水準で推移している。
(資料)経済産業省、中部経済産業局
(注1)pは速報値。
(注2)北陸(3か月平均)は当局試算。
(資料)経済産業省、中部経済産業局
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業種別にみると、
電子部品・デバイスは、自動車関連向けが横ばいとなっているも
のの、スマートフォン向けが増加していることから、全体では高水準
の生産を続けている。
化学は、大宗を占める医薬品が、後発医薬品を中心に高水準の
生産を続けている。
はん用・生産用・業務用機械は、金属工作機械が弱含んでいるほ
か、土木建設機械が減少していることなどから、全体では弱い動きと
なっている。
繊維は、婦人衣料向けが減少しているものの、自動車内装材向け
が持ち直していることなどから、全体では横ばいとなっている。
金属製品は、大宗を占めるアルミ建材が、住宅用を中心に持ち直
しつつある。
【参考】企業収益及び設備投資
(注)pは速報値。
(資料)中部経済産業局
(資料)北陸財務局「北陸3県の法人企業景気予測調査」
(注1)売上高は「電気・ガス・水道業」を除き、金融業・保険業は調査対象外。経常利益は「電気・ガス・水道業、金融業、保険業」を除き、設備投資は「電気・ガス・水道業」を除く。
(注2)25年度及び26年度は当該年度の1-3月期調査、27年度は27年10-12月期調査時の計画。
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5.雇用情勢
・・・ 着実に改善している。一部では、人手不足感が強まっている
11月の有効求人倍率は、上昇している。
新規求人数は、前年並みとなっており、新規求職者数は、前年を上回っている。
なお、サービス業、販売業を中心に、人手不足感が強まっている。
また、雇用保険受給者実人員は、前年を下回っている。
(資料)厚生労働省
(注) 北陸は、当局において石川県、富山県、福井県の有効求人数、有効求職者数(季節調整値)を
合算して試算したもの。
(資料)厚生労働省
(注) 当局において石川県、富山県、福井県の新規求人数(パートを除く一般、原数値)、新規求職者数
(パートを除く常用、原数値)を合算し、北陸として試算したもの。
(資料)厚生労働省
(注) 北陸は、当局において石川県、富山県、福井県の有効求人数(正社員)、有効求職者数(パート
タイムを除く常用)を合算して試算。
(資料)厚生労働省
(注) 北陸は、当局において石川県、富山県、福井県の雇用保険受給者実人員を合算して試算。
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(注)パートタイムを含む。
(資料)金沢公共職業安定所
(資料)各県労働局
(注1)北陸は、当局において石川県、富山県、福井県の有効求人数、有効求職者数
(パート含む常用、原数値)を合算して試算したもの。
(注2)構成する福井県の「生産工程」には、一部職種が含まれていない。
(注)パートタイムを含む。
(資料)富山公共職業安定所
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6.金融
・・・ 預金、貸出金ともに前年を上回っている
(1) 預金
11月末の金融機関の預金は、前年を上回っている。
(2) 貸出金
11月末の金融機関の貸出金は、前年を上回っている。
(資料)日本銀行、信金中央金庫
(資料)日本銀行、信金中央金庫
(参考)法人・個人別貸出金
(参考)貸出約定平均金利
(資料)日本銀行
(注)北陸3県内に本店を置く地方銀行・第二地方銀行の貸出金利を加重平均したもので、当座貸越を
含め、金融機関向け貸出を除いたもの。全国は地方銀行。
(資料)日本銀行
(注)北陸3県内に本店を置く地方銀行および第二地方銀行。
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7.企業倒産
・・・ 前年を上回っている
12月の企業倒産(北陸3県)は、件数、負債総額ともに前年を上回っている。
(資料)東京商工リサーチ
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