Taylor 展開

Taylor 近似に ついて
接線によ る 近似
連続曲線は 狭い範囲 で 直線 (接線) で近似でき る 。
y
1.4
1.2
sin x
1
0.8
x
0.6
0.4
0.2
0
0
0.5
1
1.5
x
sin x と 接線 x
y = x は x = 0 に け る y = sin x の接線であ る 。
数値解析
2
2.5
3
接線と は何か
y = f (x) の接線と は, そ の点に おいて , 関数値と 導関数値が等し い 直線であ る 。
関数値と そ の導関数値
y=x x = 0 に おけ る 関数値
0
x = 0 に おけ る 導関数値
1
y = sin x
0
1
接線 (関数値と 導関数値が等し い直線) に よ る 近似は狭い範囲ではう ま く 行っ た 。
こ れを さ ら に 発展さ せ, 関数値, 導関数値だけ でな く , 2 階の導関数値, 3 階の
導関数値, · · · と 一致さ せて いく と ど う な る か。
1
で実験し て みる 。
y = log 1−x
数値解析
y = log
1
1−x
では (1)
• y(x) = log
1
1−x
のと き
y(0) = 0, y ′ (0) = 1, y ′′ (0) = 1, y (3) (0) = 2
y (4) (0) = 3 · 2, y (5) (0) = 4 · 3 · 2, · · ·
• y = c0 + c1 x + c2 x2 + c3 x3 + c4 x4 + c5 x5 のと き
y(0) = c0 , y ′ (0) = c1 , y ′′ (0) = 2 c2 , y (3) (0) = 3 · 2 c3 ,
y (4) (0) = 4 · 3 · 2 c4 , y (5) (0) = 5 · 4 · 3 · 2 c5
両者を 一致さ せる に は
c0 = 0,
数値解析
c1 = 1,
1
c2 = ,
2
1
c3 = ,
3
1
c4 = ,
4
1
c5 =
5
y = log
1
1−x
では (2)
y = log (1/(1 − x)) の x = 0 近辺に おけ る 近似曲線
導関数ま で一致
y=x
2 階の導関数ま で一致
y =x+
3 階の導関数ま で一致
y =x+
4 階の導関数ま で一致
y =x+
5 階の導関数ま で一致
数値解析
y =x+
x2
2
x2
2
x2
2
x2
2
+
+
+
x3
3
x3
3
x3
3
+
+
x4
4
x4
4
+
x5
5
y = log
1
1−x
と そ の x = 0 近辺におけ る 近似曲線
y
3
4
5
2
y = x + x2 + x3 + x4 + x5
3.0
2.5
y = log
1
1−x
3
4
2
y = x + x2 + x3 + x4
2.0
2
3
y = x + x2 + x3
1.5
2
y = x + x2
1.0
y=x
0.5
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
y(0), y ′ (0), . . . , と 一致さ せる ほど 良い近似に な っ て いく !
数値解析
x
一般の関数では (1)
x = 0 に おいて , y = f (x) と n 階の導関数ま でま で一致する 多項式 P (x) は
x3
xn
x2
(3)
(n)
+ f (0)
+ · · · + f (0)
P (x) = f (0) + f (0) x + f (0)
2
3!
n!
′
′′
であ る 。 こ れを n 次の Taylor 近似多項式 と 呼ぶ。
問
上に 示し た P (x) が
P (0) = f (0),
P ′ (0) = f ′ (0), · · · , P (n) (0) = f (n) (0)
を 満た し て いる こ と を 示せ。
問
数値解析
sin x の x = 0 に おけ る 3 次の Taylor 近似多項式を 求めよ 。
一般の関数では (2)
x = a に おいて f (x), f ′ (x), . . . , f (n) (x) ま で一致する 多項式は
✓
x = a に おけ る n 次の Taylor 近似多項式
(x − a)2
P (x) = f (a) + f (a) (x − a) + f (a)
2
(x − a)n
(x − a)3
(n)
(3)
+ · · · + f (a)
+ f (a)
3!
n!
′
✒
′′
n 次の Taylor 近似多項式の誤差は
f (n+1) (ξ)
(x − a)n+1
f (x) − P (x) =
(n + 1)!
と な る 。 こ こ で ξ は x と a の間に あ る 未知の数
数値解析
✏
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