平成22年度中国四国地方鉱山保安協議会中国部会 質疑応答概要 ○ 管内鉱山等の保安状況について (委員) ・一部の鉱山で災害が多発する根本的な原因の分析と指導状況はどうか。 (事務局) ・保安に対する取り組みについては、鉱山毎に個性があり差があるが、災害が多発する鉱 山は保安意識レベルに問題があると考える。 ・現場の保安意識向上のため、努力している鉱山も多くあるので、当鉱山も他鉱山を模範 とし、自主的にやるよう指導している。 ・採掘から焼成までの多くの工程がある鉱山は、採掘のみ行っている鉱山に比べてリスク 要因が多く、災害が発生する可能性が高いため、トップがより一層保安を意識するように 指導している。 (委員) ・改正法でリスクマネジメントが導入されたが、リスクマネジメントの概念は、現場にす ぐには浸透しないと考える。従前に行っていた手法と、リスクマネジメントの擦り合わせ はどのように行われているのか。 (事務局) ・旧法下では、規制法令やヒヤリハット、危険予知トレーニング、指差呼称により、災害 件数は減ってきたが、重篤災害はそれほど減らなかった。 ・改正法ではリスクマネジメントの考え方を導入し、重篤な災害の起きる危険箇所を重点 的に改善することで、災害の発生を減少させようとしている。 ・鉱業労働災害防止協会での研修プログラムのほか、当部主催でリスクマネジメント研修 を行っており、今年度は現場担当者向けの同研修も行った。 ○ 鉱山保安法の施行後5年レビューについて (委員) ・旧法では細かな規定どおり実施すればよかったが、改正法の性能規定化は自らが考えて 安全にする必要があり、それぞれの事業者において自主的なリスクマネジメントを定着さ せることが必要となる。 ・小規模な鉱山が多く、どこまで自主管理ができるかが課題と思うが、今後はどう進めて いくのか。 1 (事務局) ・法改正5年レビューでも、小規模鉱山について、いかにして現場までリスクマネジメン トを定着させるかが課題となり、導入、普及の方法を模索している。 ・リスクマネジメント定着に向けて、各種研修を行っている。 (委員) ・リスクマネジメントの導入では、理解はできても自主的に規定を作ることは大変だと思 う。その基本は、自らがリスクを評価し対策を実施することで、自らの保安レベルを高め ていくことであるが、過渡的な段階においては、お手本的なものが必要だ。 (事務局) ・リスクマネジメントは、危険箇所へ近づく頻度、危険箇所に近づいた場合に災害に結び つく可能性、ケガの程度を数値化して評価し対応するものではあるが、小規模な鉱山には 人的にも負担が大きい。状況に応じて、ヒヤリハット等で見つけた危険箇所を1つずつ無 くす指導もしている。 ・また、保安規程については、より現場に合わせた見直しを行うよう指導している。 (委員) ・従来の規制法で規定されたままでは自由度が無く、新技術の導入が阻害されるなどの理 由で性能規定化が導入されているが、事業者自らが考えて安全性を証明する必要がある。 (以上) 2
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