情報提供資料 マーケットレポート 市場環境見通し(2016年新春) 国内株式 2016年1月22日作成 内需主導で企業業績は安定。景況感を確認しながら、戻りを試す展開を想定 国内株式市場の動向と見通し 外需の下振れや円高の進行を背景に、企業業績の上振れ期待 は剥落したものの、堅調な内需により企業業績は安定的な推移 が見込まれることや、株主還元姿勢の向上も粛々と進んでいる ことから、足元の景況感を確認しながら、国内の株式市場は戻 りを試す展開とみられます。ただし、北朝鮮の水爆実験や中東 情勢の緊迫化などの、地政学リスクには注意が必要と考えられ ます。 日経平均 株価 実績 2015年 12月末 2016年 3月末 予想 2017年 3月末 19,033.71 19,400 20,500 単位:円 2016年度(※) 16,500~21,750 ※2016/4~2017/3 企業業績は、為替と原油価格が現状の水準での推移となった 場合には、徐々に利益の押し上げ効果が薄らぎ、業績の改善 傾向は減速するものの、世界的な景気の回復による増収傾向 を背景に、2015年度対比での増益が見込まれます。ただし、海 外の主要市場に対する相対的な優位性は低下することから、昨 年までのように業績面から選好されやすい環境ではなくなること には注意が必要と考えられます。 予想範囲 日経平均株価の推移 (円) 日経平均株価 22,000 20,000 18,000 16,000 14,000 12,000 14/3 国内債券 14/9 15/3 15/9 ※期間:2014年3月末~2015年12月末 (年/月) インフレ期待は乏しく、金融緩和姿勢の維持から長期金利は低位安定を想定 原油価格の下落が進行するなど、商品市況の悪化によるインフ 国内債券市場の動向と見通し レ期待の低下から、日銀は金融緩和策の補完措置の導入など 緩和姿勢を維持しており、国内金利は低下基調が継続し、昨年 初めの水準近くまで長期金利は低下。 短期金利は、2%のインフレターゲット達成に向けて、日銀の金 融緩和姿勢は長期的に継続していくとみられ、低位安定が想定 されます。 10年国債 利回り 実績 2015年 12月末 2016年 3月末 0.27 0.35 予想 2017年 3月末 0.60 単位:% 予想範囲 2016年度(※) 0.20~0.80 ※2016/4~2017/3 10年国債利回りの推移 雇用や所得は改善傾向にあるものの、外需の下振れなどから、 製造業の景況感は芳しくなく、全体の景況感に減速感がみられ ます。また、円高の進行や商品市況の低迷、およびインフレ期 待の低下のため、日銀はコアインフレ2%の達成に向けた金融 緩和姿勢を継続することが見込まれることから、長期金利は低 位安定が継続するものと想定されます。ただし、海外の金利に 連動しやすい環境下にあることには注意が必要とみられます。 (%) 10年国債利回り 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 14/3 14/9 15/3 15/9 (年/月) ※期間:2014年3月末~2015年12月末 (出所:BloombergのデータをもとにDIAM作成) ※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※当資料は、DIAMが信頼できると判断した情報に基づき作成していますが、情報の 完全性、正確性を保証するものではありません。※当資料の内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。※巻末のご注意事項等 を必ずご確認ください。 商 号 等 / DIAMアセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 1/4 160121情報市場環境見通し-1 情報提供資料 マーケットレポート 市場環境見通し(2016年新春) 外国株式 企業業績や景況感を確認しながら、下値固めから戻りを試す展開を想定 外国株式市場の動向と見通し 米国は、原油安や米ドル高の影響から、企業業績は冴えないも のの、悪影響は次第に弱まるとみられます。また、企業の手元 資金が潤沢にあり、長期金利の低位安定が継続すると考えられ ることから、景況感の変化を確認しながらのレンジ推移が想定さ れます。 NYダウ 欧州は、商品市況の低迷や新興国経済の減速長期化が影響し、 企業業績は冴えないものの、ユーロ安の浸透により改善傾向が みられます。また、ECB(欧州中央銀行)の金融緩和姿勢が継 続し、金利も低位安定が継続すると考えられることから、景況感 を確認しながら、戻りを試す展開が想定されます。 新興国は、通貨安の進行に伴い、バリュエーションではかなり割 安圏にあります。ただし、中国の製造業での構造的な問題の影 響などにより、本格的な底入れには当局の金融や財政面での 緩和策の実施や効果が現れることが必要とみられます。ただし、 消費関連ではアジアを中心に底堅く推移していることもあり、政 策への不安感が薄れるにつれ、下値固めから戻りを試す展開 が想定されます。なお、商品市況の動向の変化には金融市場 が敏感に反応するため注意が必要と考えられます。 外国債券 実績 2015年 12月末 2016年 3月末 予想 2017年 3月末 17,425.03 17,700 18,250 単位:ドル 予想範囲 2016年度(※) 15,500~19,000 ※2016/4~2017/3 NYダウの推移 (ドル) NYダウ 19,000 18,000 17,000 16,000 15,000 14/3 14/9 15/3 15/9 (年/月) ※期間:2014年3月末~2015年12月末 米国やドイツの長期金利の上昇余地は限定的と想定 米国では、利上げが実施された後、中国経済の減速懸念や中 東情勢の緊迫化を受けてレンジ推移となり、内需は堅調なもの の、賃金の伸び悩みや軟調な商品市況などを受けて、インフレ が加速する兆候はなく、金利正常化の動きは緩やかものに留ま るとみられます。また、FOMC(米連邦公開市場委員会)メンバー と市場参加者との間で、想定している利上げペースにズレが生 じており、当局と市場のズレが波乱材料になることには注意が 必要と考えられます。 ユーロ圏では、金融緩和の効果やユーロ安を通じて緩やかに景 気は持ち直す動きをみせています。ただし、難民問題など域内 の景況感を損なう材料も散見され、原油安に伴う物価の下押し 圧力も無視できず、追加金融緩和への期待は再燃しやすい状 況と考えられます。 米国の長期金利は、中国経済への懸念や米国経済にも減速の 兆候がうかがえることなどから、利上げ局面入りしたものの、上 昇余地は限定的とみられます。ユーロ圏の長期金利は、金融緩 和が続くことや、難民問題および大規模テロの発生を受けて景 況感が高まりにくいことなどから、低位安定で推移すると想定さ れます。リスク要因としては原油価格が反騰し、インフレ期待が 急速に高まった場合、欧米の長期金利が想定以上に上昇する ことが考えられます。 外国債券市場の動向と見通し 予想 2017年 3月末 実績 2015年 12月末 2016年 3月末 米10年国債 利回り 2.27 2.25 2.75 2.00~3.00 独10年国債 利回り 0.63 0.75 1.00 0.40~1.25 単位:% 予想範囲 2016年度(※) ※2016/4~2017/3 10年国債利回りの推移 (%) 米10年国債利回り 独10年国債利回り 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 14/3 14/9 15/3 15/9 (年/月) ※期間:2014年3月末~2015年12月末 (出所:BloombergのデータをもとにDIAM作成) ※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※当資料は、DIAMが信頼できると判断した情報に基づき作成していますが、情報の 完全性、正確性を保証するものではありません。※当資料の内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。※巻末のご注意事項等 を必ずご確認ください。 2/4 情報提供資料 マーケットレポート 市場環境見通し(2016年新春) 為替相場 米国の利上げは緩やかに進み、ドル・ユーロはレンジ相場を想定 為替相場の動向と見通し 米国では、雇用の着実な改善から金融政策正常化に踏み切っ たものの、資源価格の調整などを背景に、インフレ期待は乏しく、 大統領選も控える中、利上げは慎重なペースで行われるとみら れます。日銀は、金融緩和の補完措置を導入したことから、しば らくは効果を見守ると考えられます。 ECB(欧州中央銀行)は、 量的緩和の期限を延長するなどの緩和策を実施したものの、追 加策については模索している状況です。ただし、通貨安競争の 回避の観点から日本やユーロ圏は追加金融緩和には慎重にな らざるを得ず、為替はレンジ相場が長期化すると想定されます。 ドル/円は、米国の金融政策正常化への歩みは極めて慎重に 行われる可能性が高く、日銀の追加金融緩和も拙速には実施さ れないと考えられることから、現水準を挟んだレンジ推移が長期 化するものと想定されます。ただし、新興国景気の底入れや原 油価格の急反発などによる、米国の金融引き締めの加速には 注意が必要とみられます。 (ご参考)コモディティ 2016年 3月末 2017年 3月末 予想範囲 2016年度(※) ドル/円 120.22 119.00 122.50 105.00~130.00 ユーロ/ドル 1.09 1.10 1.12 1.00~1.30 単位:円(上段)、ドル(下段) ※2016/4~2017/3 為替レートの推移 円安 (円) ドル高 ユーロ/ドルについては、金融緩和によるユーロ安の浸透や、雇 用および所得の改善基調から、域内の景況感が緩やかに持ち 直してきており、更なる追加金融緩和は限定的なものに留まる と考えられることから、レンジ推移への移行を想定しています。 ただし中東情勢の悪化による難民問題の深刻化や、英国のEU (欧州連合)離脱などのリスクには注意が必要とみられます。 予想 実績 2015年 12月末 ドル/円(左軸) ユーロ/ドル(右軸) ドル安 ユーロ (ドル) 高 130 1.5 125 1.4 120 1.3 115 1.2 110 1.1 105 1.0 100 円高 ドル安 14/3 0.9 14/9 15/3 15/9 (年/月) ドル高 ユーロ ※期間:2014年3月末~2015年12月末 安 【原油】価格の低迷は継続し、低位でもみあう展開を想定。 【金】米国の利上げは下落圧力となるものの、割安感が下支え。 コモディティ価格の推移 【原油】 (ドル/バレル) 10~12月期は、石油輸出国機構(OPEC)総会での減産見送り WTI原油先物価格 120 や、イランの経済制裁解除後の増産懸念、および中国景気に対 する懸念などを背景に、供給過剰の状況が続くとの観測が強ま り、WTIは軟調に推移し、一時は1バレル=35ドルを下回る展開と なりました。 100 80 60 足元の下落は、行き過ぎ感があるものの、米シェールオイルの 40 産出コストが低下していることや、中東の産油国が本格的な減 産をする気配がないこと、産出技術が高度化することなどから 原油価格は中期的な低迷期に入ったと考えられ、1バレル=20ド ル台~40ドル台と広範なレンジ圏での推移が想定されます。 20 12/3 13/3 (ドル/トロイオンス) 14/3 15/3 (年/月) NY金先物価格 2,000 【金】 1,800 10~12月期は、米国の利上げや、商品価格が低位で推移した ことなどが価格下落圧力となったものの、割安感が下支えとなり ました。 1,600 米国の利上げ継続や景気回復が緩やかな中、商品価格が低位 1,200 1,400 で推移し、インフレ圧力が高まりにくい世界経済情勢などを背景 に、価格は調整圧力が継続するとみられます。ただし、生産総コ ストを考慮すると、下値余地も限定的で割安感も生じやすく、底 堅い展開が想定されます。 1,000 12/3 (年/月) 13/3 14/3 15/3 ※期間:2012年3月末~2015年12月末 (出所:BloombergのデータをもとにDIAM作成) ※当資料は、将来の市場動向等を示唆・保証するものではありません。※当資料は、DIAMが信頼できると判断した情報に基づき作成していますが、情報の 完全性、正確性を保証するものではありません。※当資料の内容は作成時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。※巻末のご注意事項等 を必ずご確認ください。 3/4 情報提供資料 マーケットレポート 市場環境見通し(2016年新春) ◆日経平均株価(日経平均)は、株式会社日本経済新聞社によって独自に開発された手法によって算出される著作物であり、株式 会社日本経済新聞社は、日経平均自体及び日経平均を算定する手法に対して、著作権その他一切の知的財産権を有します。◆ Standard & Poor‘s®並びにS&P®は、スタンダード&プアーズ・ファイナンシャル・サービシーズLLC(以下「S&P」)の登録商標です。 Dow Jones®は、ダウ・ジョーンズ・トレードマーク・ホールディングズLLC(以下「ダウ・ジョーンズ」)の登録商標です。これらはS&P ダ ウ・ジョーンズ・インデックスLLCに対して使用許諾が与えられており、DIAMアセットマネジメント株式会社に対しては特定の目的の ために使用するサブライセンスが与えられています。 NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)はS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス LLCが所有しており、DIAMアセットマネジメント株式会社に対して使用許諾が与えられています。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス 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