太陽通信 - 社会福祉法人 太陽の家

Japan Sun Industries
太陽通信
挑戦!自分と未来に
創立 50 周年
2016(H28)1
社会福祉法人太陽の家広報紙 http://www.taiyonoie.or.jp/
320
No.
2016年 年頭 所 感
理事長 中
村
太 郎
新年明けまして
おめでとうございます
一方で、50年前の創設時の太陽の家には、ストーク・
マンデビル病院、ルードヴィッヒ・グットマン卿、さら
には欧米という具体的なお手本や目標がありました。
日本は経済のみならず、社会保障の面でも「欧米に追い
つき追い越せ」というキャッチアップモデルの時代で
した。平均実質成長率7%という高度成長が40年近く
続く高度成長、人口増加社会の中で、太陽の家は障がい者
就労と、障がい者スポーツの分野で、規模を拡大し発展
してきました。
しかし、現在の日本は成長が止まり、人口減少、高齢化、
2015年10月4日太陽の家創立50周年記念式典
天皇皇后両陛下御出発
国家財政の悪化という現実の中で、お手本はありません。
昨年、太陽の家は創立50周年を迎えることが出来ま
ピック・パラリンピック」開催国となりますが、その
した。50周年記念事業として7月8日の記念シンポ
理念は、はっきりしないといわれています。
2020年には、日本は世界で最初の2度目の「オリン
ジウムから始まり、10月4日の記念式典には天皇皇后
両陛下にご臨席を賜るという栄誉をいただきました。
51年目を迎えた太陽の家は、時代が変わったことを、
オムロン、ソニー、ホンダ、三菱商事、デンソー、富士通
はっきりと認識し、しっかりと自ら考え、新しい太陽の家
エフサスなど関連企業の方々、そしてOBの方々にも多数
を世界と未来に向けて発信していくその第一歩の年に
集まっていただき、太陽の家の歴史の重みをあらためて
したいと考えています。
実感することが出来ました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
こうして、50周年を盛大に迎えることが出来ました
のも、関連企業の方々、支援者、地域の方々、行政、
そして、なにより強い意思と共に懸命に頑張ってこられた
障がいを持った方達による多大な努力によるものだと
思います。あらためて感謝を申し上げます。
Japan Sun Industries
職業リハビリテーション研究・実践発表会
11月12日、13日に、東京ビッグサイトにおいて、「第23回
職業リハビリテーション研究・実践発表会」が開催され
ました。これは、職業リハビリテーションの発展に資する
ことを目的に開催され、今年は過去最高の118題の研究発表
が行われました。
発表会の2日目には、デンソー太陽株式会社の岩崎正社長
が「障がい者の自立による特例子会社の運営に向けた取り
組み」
(愛知事業本部共同)と題して、自社の障がい者雇用
の取り組みを発表いたしました。モットーの「よい品質が
我らの仕事を確保する!」に表された「品質第一主義」を
軸に、一人でも多くの障がい者が自信と誇りを持って就労
できるように取り組み、自ら指導者になり、「キチンと決め
キチンと守る」風土を醸成し、自律した運営を目指して
取り組んだ活動と仕組みの内容と、取り組んだ結果として
本体から信頼される品質実績と障がい者の職制(課長以下
喫茶と母とフェスピック
太陽の家は10月に天皇皇后両陛下のご
臨席を賜り創立50周年記念式典を開催し
ました。そこで、1966年に太陽の家印
刷部として創業した「株式会社電子印刷セン
ター」の杉本邦弘会長が思い出を寄せて
くれました。
研修センター「いこいの家」がオープンしたのが1972年
10月。この年、身体障害者福祉工場が創設され、太陽の家も
町工場から近代化の道を歩むようになった。
ただ「働き、寝起きする」だけでは、障がい者にも申し訳
ない。休息の、憩いの時間も必要だ。昼は「喫茶」、夜は
「酒も」との中村先生の要望で、私の義兄が研修センター内
に喫茶「いこい」を開店した。
妹夫婦も宮崎から呼び戻し、料理長には別府市の中華料理店
COM
<上>
活動 別府事業本部ではソニー・太陽株式会社の指導の下、
平成26年7月より「COM活動」と名づけた生産革新の活動を
開 始 し ま し た 。 C O M は 事 業 本 部 内 で つ く っ た も の で、
”Change of M”の略で、MはMind(心)、Man(人)、
Machine(機械)、Material(材料)、Method(方法)
といろいろな意味を含んでいます。COM活動は利用者の
重度化・高齢化が進む中、一人ひとりの作業特性を把握し
作業性の最適化を図ることを目的としています。これにより
作業者の疲労軽減となり、ひいては作業効率の向上や工賃
アップに繋げていきたいと考えています。1年目は作業所
の大規模移転、作業スペースの効率化、電材科の改善に注力
しました。2年目の今年は、毎週木曜日を中心に3つの
COMチームが、それぞれ3ヶ月単位でテーマや改善職場を
18人)登用、継続的なステップアップ(10年で太陽の家から
46人社員採用)を実現した旨を分かりやすく報告しました。
また、成果が出せた一方で、生産の高度化、生産構造の
変化による“仕事”に関する課題と障がい者採用、高齢化、
加齢等による力量低下による“ヒト”に関わる基本的な課題
が露呈していることを報告しました。最後に、「基本“仕事”
に関する課題は“デンソー太陽”が、“ヒト”に関する課題は
“太陽の家”が主体となって解を求め活動しているが、現在
紹介できる段階に
は至っておらず、
参加者の皆さんに
ご意見・提案等頂
ければ幸いです」
と、述べて結びの
言葉に代えて、
発表を終えました。
(愛知事業本部・
長谷孝彦)
東洋軒のベテラン料理人を雇用、昼の定食、夜の料理、酒も
大好評であった。喫茶で結婚式を挙げたカップルも数多くいる。
1975年6月1日、第1回フェスピック大会(現在のアジア
パラ大会)が当太陽の家を主会場に、大分市・別府市で
行われ、6月2日皇太子時代の現天皇陛下が、美智子様と
共に視察された。
休憩には研修センターの一室を使用することとなった。
その途上の喫茶の一隅に、障がいのある母が松葉杖を持ち、
座っていたのであるが、お二人がお声を掛けて下さったので
ある。感激であった。母はただ頭を下げるだけであったが、
ご夫妻を間近に拝見し、その上お声もいただいた。70才を
超えた母にとっては無上の喜びであったろう。
私達夫婦が印刷科を、義兄・妹夫婦が喫茶を営めるのも、
中村先生や太陽の家のお陰。「先生や太陽の家に感謝の念を
持ち続けるのですよ」と言い続けた母も、翌年72才で亡く
なった。あれから40年、月日の経つのは早いものである。
現在は、個人でも社会貢献活動ができるロータリーや
保護司として、残りの人生を楽しんでいる。
替えながら活動しています。治具の作成や作業台の整備、
モノの置き場所を決め小さな動作で作業が出来るように
するなど、環境や作業方法の改善をすすめています。最適化
を図るには、作業をする利用者のみなさんの声がとても大
切になります。普段の作業の中で、みなさんが感じている
「やりづらい」
「しんどい」と思っていることをCOMメンバー
に教えて
くださ い。
次のテーマ
はあなたの
作業になる
かもしれ
ません。
(就労支援課
安部政弘)
電材課のCOM活動
第15回アビリンピック
大分大会開催
11月4日、第15回アビリンピック大分大会が独立行政法人
高齢・障害・求職者雇用支援機構主催のもとホンダ太陽株式
会社で開催されました。競技種目は、「機械CAD」
「電子
機器組立」
「ワードプロセッサ」
「ホームページ」
「ビルクリー
ニング」
「喫茶サービス」という10種目。競技参加者は56名で、
太陽の家からは施設利用者1名、関連企業から25名が参加、
各競技で熱き戦いが繰り広げられました。
施設利用者として唯一参加した別府就労継続支援B型の
八坂健さんは、製品パッキングで出場しました。普段やって
いない作業でもあったため、受賞はできませんでしたが、
「次回出場して頑張りたい」と話していました。結果は、
多くの競技で太陽の家関係者が上位に入りました。受賞
した皆さん、おめでとうございます。
アビリンピック大分大会閉会式
その
ネパールの障がい者福祉の現状 1
2015年8月にネパール大震災
復興支援活動で帰国し、滞在中に
3カ所の障がい者福祉施設を見学
しました。3回にわたってネパール
の障がい者の生活、スポーツの状況
について報告します。ネパールでは
障がい者に対しての理解、接し方、
考え方は50年前太陽の家を設立
したころの日本とあまり変わらない
疾患名の分からない
状況にあります。「障がいのある
障がい孤児
人は前世で悪いことした報いで
障がいを持った」という考え方があり、障がいのある人に
対して悪いイメージが持たれています。そのため、障がいを
持った方たちは外に出て働くことは稀で、家に閉じこもり、
日々苦しく、貧しい生活を送っています。
首都カトマンズには、いくつかの障がい者施設があり
ますが、どこもバリアばかりで、障がい者にとって優しい
環境ではありません。食費などを含めた施設利用料に対して
国からの補助は一切なく、すべて自分か家族の負担になって
います。また、施設の運営に関しても国からの補助はなく、
国内外のNGOによる寄付で賄っています。施設の中では、
競技結果(太陽の家関係者)
種 目
機械CAD
〃
〃
電子機器組立
〃
〃
ワードプロセッサ
〃
〃
ホームページ
〃
〃
製品パッキング
パソコン操作
〃
〃
表
計
算
〃
〃
賞
金賞
銀賞
銅賞
金賞
銀賞
銅賞
金賞
銀賞
銅賞
金賞
銀賞
銅賞
銀賞
金賞
銀賞
銅賞
金賞
銀賞
銅賞
氏 名
前屋 圭佑
川添 優樹
中尾 竜二
稲留 文哉
高倉 陽介
大迫 貴仁
石松 伸隆
冨ヶ原裕司
佐藤 麻衣
赤星 智浩
石和 慎司
三代川政幸
西内 匡甫
赤岩 充
上田 真理
吉田 健志
小倉 鉄郎
桑本 健吾
小田悠一郎
所 属
ホンダR&D太陽㈱
ホンダR&D太陽㈱
ホンダR&D太陽㈱
ソ ニ ー ・ 太 陽 ㈱
ソ ニ ー ・ 太 陽 ㈱
ソ ニ ー ・ 太 陽 ㈱
ソ ニ ー ・ 太 陽 ㈱
富士通エフサス太陽㈱
三菱商事太陽太陽㈱
富士通エフサス太陽㈱
富士通エフサス太陽㈱
ホンダR&D太陽㈱
ホ ン ダ 太 陽 ㈱
三菱商事太陽太陽㈱
ソ ニ ー ・ 太 陽 ㈱
ソ ニ ー ・ 太 陽 ㈱
ソ ニ ー ・ 太 陽 ㈱
富士通エフサス太陽㈱
富士通エフサス太陽㈱
工芸科 八坂さん
軽度から重度までの様々な障がい者がいますが、個々の
障がいに応じた対応は一切なく、同じ食事をとりながら
暮らしています。
国連のデータによると、ネパールでは人口の3%∼4%
(60万∼80万人)の人に何らかの障がいがあり、もっとも
多いのは身体障がい者(30万人)
、次に視覚障がい者(15
万人)です。その原因は、医療水準の低さ、交通事故、
木からの転落事故、1996年∼2006年の間に起きた内戦
だと考えられています。さらに昨年4月25日にネパール
で発生したマグニチュード7.8の大地震により、足や手を
切断した人、脊髄損傷となった人など障がいを持つ人が
1万人以上増えたと言われています。こうした人々にとって
リハビリテーションを受ける機会の確保や障がい者が働ける
環境づくり、
スポーツを通じ
ての社会参加など
がネパール政府
にとっての大きな
課題であり、これ
から解決していか
なければなりま
せん。
(地域事業本部
実際に利用者が使用している居室
カルキ・ビラム)
★2015年度むぎの会大忘年会の開催(京都)★
12月18日に、毎年恒例のむぎの会大忘年会を開催しま
した。今年は昨年よりも多い125名の方に参加していただき
盛大に行いました。オムロン京都太陽の宮地社長への突撃
インタビューや管理職一同による合唱など、例年とは少し
違った企画も行いました。普段見せる仕事の顔とは違う、
管理職の新しい一面を垣間見ることが出来ました。有名人の
合成画像をスクリーンに映し誰と誰かを当てるゲームや、
恒例となっている抽選会も行い大いに盛り上がりました。
ゲームはテーブル対抗で行い、意見を出し合って、みんなで
協力し合いながら答えを考えていました。抽選会では名前が
読み上げられるたびに歓声があがり、自分の名前が呼ばれ
ないかドキドキしながら発表を聞いて
いました。普段あまり関わることの
ない人たちとテーブルを囲み、懇親を
深めるよい機会となったのではないで
しょうか。参加してくださった皆様、
ありがとうございました。
(忘年会実行委員会)
11/16∼12/15
主な来訪者[11/16∼12/15]
別 府
11/16
〃
11/17
〃
11/18
〃
11/19
〃
〃
11/20
11/24
〃
〃
11/25
〃
11/26
〃
〃
〃
11/30
〃
12/ 1
〃
12/ 2
12/ 3
12/ 4
〃
12/ 7
〃
12/ 8
12/15
愛 知
11/27
12/ 3
京 都
11/16
〃
〃
11/17
〃
11/18
〃
〃
11/19
宮崎県諸塚村民生委員児童委員 16人
大分リハビリテーション学院 34人
三瀬地区民生委員児童委員協議会 11人
豊後大野市社会福祉協議会 20人
下関看護学校 39人
日南市民生委員 20人
大分市立舞鶴小学校 63人
公益財団法人 ノーマライゼーション札幌 10人
日南市民生委員 20人
華医療技術専門学校 30人
玉名校区区長会 11人
飯塚市民生委員 16人
糸田町人権同和教育推進競技会 20人
別府市医師会看護専門学校 54人
延岡市推進チーム 17人
別府市立石垣小学校 79人
医療法人 青藍会 社会福祉法人 青藍会 5人
大分県立盲学校
韓国釜山広域市障害者地域法人連合会 42人
NPO法人山田林業福祉会 28人
大分中村病院医療連携室 村上様
ソニー・太陽 加藤様 他3名 4人
アソウヒューマニーセンター 元山常務 三浦氏
大分介護福祉専門学校 17人
宮崎県西都市ボンティア連絡協議会 28人
JOC八田様 久野様 2人
東海職業技術学院 8人
ドラッカー学会 32人
韓国の区役所職員 7人
福岡県宗像市可東地区福祉会 15人
アメリカ領事館 トーマス・ホイットニー政治経済担当領事他 2人
公益財団法人フォーリンプレスセンター 大分県広報広聴課 4人
名古屋市高年大学鯱城学園 20人
中部経済産業局地域人材政策室 室長 柳原様他 7人
長岡病院 2人
オムロン株式会社マイクロデバイス事業推進部 5人
呉竹総合支援学校PTA 30人
府立聾学校高等部1年 15人
宇治支援学校 保護者 6人
サポーターグループ緑の風 30人
OC社員(OHN) 1人
OSS労働組合 16人
岐阜県羽島商工会議所 47人
京 都
11/20
〃
〃
〃
11/24
11/25
11/26
11/27
〃
〃
12/ 1
12/ 2
〃
〃
12/ 3
〃
12/ 4
〃
12/ 7
〃
12/ 8
〃
12/ 9
12/14
〃
12/15
OC社員(OMCP) 4人
日本パートナーシャフト協会 6人
日本能率協会 13人
地域生活支援センター らくなん 4人
陶都多治見十六会 36人
一般財団法人日中経済協会 45人
京都企業市民連絡会 11人
御杖村民生児童委員協議会 13人
東京大学 異業種交流企業メンバー 14人
竹内秀太郎様
京都工業会 35人
京都企業年金基金 情報交換会 18人
OC社員(Adept Technology)
5人
西総合支援学校 9人
日本ITサービスビジネス研究会 19人
東淀川区社会福祉協議会 35人
韓国技術教育大学校 7人
民主党・共同通信社VIP 8人
オプテックス・エフエー株式会社 8人
株式会社アソウ・ヒューマニーセンター 4人
中国大使館VIP 6人
西小学校区暮らしやすい街づくり委員会「さくら」 25人
中央リネンサプライ 9人
OK会 13人
リリオール 5人
キヤノン 5人
在籍者数
区 分
就 労 移 行 支 援
就労継続支援B型
障 害 者 支 援 施 設(ゆ た か)
障 害 者 支 援 施 設(ゆ う わ)
介
護
施
設
施設利用者小計
就労継続支援A型
(サンストア)
就労継続支援A型
(福祉工場)
関 連 企 業
事 務 局
雇用労働者小計
合 計
2015年12月1日現在
別府・大分
8
184
40
0
26
258
22
(6)
41
(8)
513
(260)
140
(130)
716
(404)
974
(404)
日出
0
0
0
78
0
78
0
0
0
0
173
(62)
70
(68)
243
(130)
321
(130)
杵築
0
0
0
0
79
79
0
0
0
0
0
(0)
56
(56)
56
(56)
135
(56)
愛知
0
34
0
0
0
34
0
(0)
88
(15)
81
(6)
23
(21)
194
(43)
227
(43)
京都
0
60
0
0
0
60
0
(0)
91
(26)
37
(19)
23
(21)
151
(67)
211
(67)
計
8
278
40
78
105
509
22
(6)
220
(49)
804
(347)
312
(296)
1360
(700)
1868
(700)
( )
:障がいのない人 再掲
日出はソニー・太陽 ㈱ のみ 川崎は別府に含む。
「太陽通信」
(毎月発行) 発行責任者/中村太郎 編 集/人事・広報課 印 刷/㈱電子印刷センター
発行/〒874−0011 大分県別府市大字内竈1393番2 社会福祉法人太陽の家 TEL:0977(66)0277 FAX:0977(67)0453 E-mail:[email protected]