アフリカの持続可能な成長に貢献するために 【概要】

アフリカの持続可能な成長に貢献するために
~TICAD Ⅵに向けた経済界のアフリカ戦略~
1.はじめに
2016年1月19日
一般社団法人 日本経済団体連合会
 経済成長や巨大な消費市場など、アフリカ諸国ではビジネス機会が拡大
 一方、資源価格の急落や感染症やテロの発生等を受け、アフリカ事業を縮小、撤退、
新規投資を控える事例も散見
⇒アフリカが持つ将来性と課題を冷静に見極める必要がある
※日本企業の活動を進める上で、平和と安定の確保は最優先の課題
2.TICAD V後の取り組みに対する評価
TICADⅤ後の取り組みについて、PDCAサイクルを効果的に回していく必要
 日本政府の取り組みは全体として高く評価
例:戦略的マスタープランの形成、治安・感染症対策、産業人材の育成 等
 アフリカ自身の取り組みは十分進んでいない。進捗していない課題の解決が急務
例:インフラ整備、公的機関の能力強化、ビジネス環境整備、投資協定締結 等
3.今後の対アフリカ戦略に関する考え方
(1)援助と投資のバランスのとれた戦略の実行
 中長期的には、豊富な資源や巨大な市場を背景に、「援助から投資へ」
 しかし、当面は「援助」と「投資」を車の両輪として進めることが必要
⇒ビジネス環境整備、インフラ整備、人材育成等の継続が不可欠
(2)対アフリカ戦略の重点化
 TICADⅤの実施状況についてのPDCAを踏まえ、日本としての戦略的重点国や
重点領域を定め、成果目標や工程表等の個別戦略を策定することが必要
4.今後の課題
(1)経済活動に資する援助
 農業の大規模化と生産性の向上、加工・流通を含むフードバリューチェーンの構築、
電力と水の安定供給、保健衛生の改善 等
(2)官民連携による質の高いインフラ整備
 産業基盤の形成に資するハードとソフトのインフラ整備を広域で戦略的に実施
 戦略的マスタープランの早期実現とプラン間の有機的な連携
(3)ビジネス環境の整備
 法制度整備、規制緩和・撤廃、公正競争確保、行政手続の簡素化・迅速化
 二国間の官民政策対話の設置、租税条約や投資協定の早期締結、経済連携
協定(EPA)の検討 等
(4)持続可能な成長につながる人材育成
 ABEイニシアティブ、産業人材育成センターの継続と、行政官の育成強化