U.S.Indicators マクロ経済指標レポート 米国 ドル高による物価押し下げ圧力が強まる(1 ドル高による物価押し下げ圧力が強まる(15 (15年3月輸出入物価 輸出入物価) 物価) 発表日:2015 2015年4月15日 15日(水) ~川上からの低下圧力は今後川下に波及 川上からの低下圧力は今後川下に波及~ は今後川下に波及~ 第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト 桂畑 誠治 0303-52215221-5001 輸出入物価 輸入物価 輸出物価 産業資材 14/03 14/04 14/05 14/06 14/07 14/08 14/09 14/10 14/11 14/12 15/01 15/02 15/03 +0.50 (▲0.5) ▲0.57 (▲0.4) +0.29 (+0.5) +0.29 (+1.2) ▲0.28 (+0.9) ▲0.79 (▲0.3) ▲0.79 (▲1.4) ▲1.38 (▲2.1) ▲1.84 (▲3.1) ▲2.55 (▲5.6) ▲3.15 (▲8.9) +0.16 (▲9.7) ▲0.32 (▲10.5) 除石油 +0.4 ▲0.3 ▲0.1 ▲0.2 +0.0 ▲0.1 ▲0.1 ▲0.2 ▲0.3 +0.0 ▲0.7 ▲0.3 ▲0.4 (+0.0) (▲0.3) (▲0.1) (+0.1) (+0.7) (+0.8) (+0.7) (+0.4) (+0.1) (▲0.1) (▲1.2) (▲1.8) (▲2.7) +0.9 ▲1.6 +0.7 +0.8 ▲0.7 ▲2.3 ▲2.3 ▲4.3 ▲5.6 ▲8.5 ▲10.5 +1.2 ▲0.6 石油 +0.6 ▲1.1 +1.9 +1.7 ▲1.5 ▲3.6 ▲3.7 ▲7.2 ▲9.7 ▲16.4 ▲21.2 +5.2 +0.8 資本財 自動車 +0.0 ▲0.1 +0.3 +0.1 +0.0 ▲0.1 ▲0.1 ▲0.1 ▲0.1 ▲0.1 ▲0.3 ▲0.3 ▲0.1 +0.1 +0.2 +0.0 +0.0 ▲0.6 +0.1 ▲0.2 +0.0 +0.0 +0.0 ▲0.7 ▲0.3 ▲0.3 消費財 カナダ EU 日本 NIES +1.7 ▲2.7 ▲0.3 +0.7 ▲0.6 ▲2.4 ▲1.0 ▲1.7 ▲3.2 ▲5.9 ▲5.6 ▲1.4 ▲0.6 +0.1 +0.5 +0.4 +0.1 +0.1 +0.2 ▲1.6 ▲0.3 +0.4 ▲0.4 ▲1.5 ▲1.1 +0.0 +0.2 ▲0.2 ▲0.1 +0.0 ▲0.3 +0.0 ▲0.1 +0.0 ▲0.1 ▲0.5 ▲0.6 ▲0.2 ▲0.1 ▲0.2 ▲0.4 +0.0 +0.0 +0.0 ▲0.1 +0.1 ▲0.1 ▲0.2 ▲0.2 ▲0.9 +0.0 ▲0.8 実効ドル レート (除く自動車) +0.0 +0.2 +0.0 +0.1 ▲0.1 +0.0 +0.0 ▲0.2 ▲0.1 ▲0.1 ▲0.4 +0.3 ▲0.3 +0.9 ▲1.0 +0.1 ▲0.5 +0.1 ▲0.5 ▲0.4 ▲0.9 ▲0.9 ▲0.9 ▲1.8 ▲0.2 +0.1 (+0.4) (▲0.1) (+0.6) (+0.2) (+0.4) (+0.4) (▲0.4) (▲0.7) (▲1.7) (▲3.0) (▲5.0) (▲5.9) (▲6.7) ▲0.1 ▲0.3 ▲0.2 ▲0.6 +1.2 +0.2 +2.8 +0.4 +2.0 +2.3 +3.1 ▲0.0 +1.4 (注)括弧内は前年同月比 月の輸入物価 輸入物価は前 3月の 輸入物価 は前 月比▲ 0.3% 月比 ▲0.3 %と再下落 15年3月の輸入物価(総合)は、前月比▲0.3%(2月同+0.2%)と下落に転じた。 除く石油が同▲0.4%(2月同▲0.3%)とマイナス幅を拡大したうえ、石油が同+ 0.8%(同+5.2%)とプラス幅を縮小した。 財別の内訳をみると、資本財が前月比▲0.1%(2月同▲0.3%)と下落幅を縮小した 一方で、自動車・同部品が同▲0.3%(同▲0.3%)と同率の下落となったほか、食料・ 飲料品が同▲1.1%(同+0.0%)、産業資材が同▲0.6%(同+1.2%)、自動車を除く 消費財が同▲0.3%(同+0.3%)と下落に転じた。特に、産業資材では、天然ガスが同 ▲7.5%、燃料が同▲0.8%とマイナス幅を縮小したが、原油が同▲1.8%(同+8.4%) と下落に転じたほか、特殊建設資材、耐久財向け非最終鉄材が下落幅を拡大した。また、 自動車を除く消費財では、耐久財製品、非製造消費財がマイナスに転じた。 国別の輸入物価では、欧州が前月比0.0%(2月同▲1.1%)、カナダが同▲0.6% (同▲1.4%)、日本が同▲0.1%(同▲0.2%)と下落幅を縮小した一方で、ラテンア メリカが同▲0.7%(同+0.3%)と下落幅を拡大した。 一方、輸出物価は前月比+0.1%(2月同▲0.2%)と8ヶ月ぶりのプラスとなった。 農産物が同▲1.7%(同▲2.1%)とマイナス幅を縮小したうえ、農業品を除く輸出物価 (非農業品)が同+0.2%(2月同+0.1%)と加速した。非農業品では、資本財が同 0.0%(同+0.2%)と鈍化したが、食料・野菜が同▲1.2%(同▲2.2%)とマイナス幅 を縮小し、産業資材が同+0.7%(同+0.1%)と加速、自動車が同+0.1%(▲0.2%)と プラスに転じた。 3月に川上である輸入物価が下落幅を拡大しており、川下の消費者段階の財価格への 抑制圧力が強まっている。 本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内 容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。 1 輸入物価には下振れ圧 力 輸入物価のモメンタムをみると、3月の輸入物価は3ヵ月前対比年率▲19.9%(前月 ▲22.5%)と大幅なマイナスを維持した。また、除く石油では3ヵ月前対比年率▲ 4.5%(前月▲3.2%)とマイナス幅を拡大しており、コアインフレの下落モメンタムが 強まっている。さらに、ドル実効レートが3月に+25.2%と大幅に上昇していることか ら、当面輸入物価の下落モメンタムが強まることを示唆している。 (%) 40 輸入物価の推移(3ヵ月前対比年率) (%) 15 実効ドルレートと輸入物価の推移 (%) -30 (注)3ヶ月移動平均、 3カ月前対比年率伸び率。 30 -20 10 20 -10 10 5 0 0 0 10 -10 20 -20 -5 輸入物価 30 -30 除原油 輸入物価(除原油、左) ドル実効レート(右、軸反転) -10 -40 40 -50 -15 50 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 9091929394959697989900010203040506070809101112131415 前年比では3 前年比では 3月の総合 指数が▲10.5 10.5% 指数が▲ 10.5 % 前年比での3月の輸入物価動向をみると(以下、前年同月比)、総合が▲10.5%(2 月▲9.7%)、農産物を除く輸入物価は、▲2.7%(同▲1.8%)とマイナス幅を拡大し た。内訳をみると、資本財が▲29.5%(2月▲28.5%)、自動車・同部品が同▲1.8% (同▲1.4%)、産業資材が同▲29.5%(同▲28.5%)、自動車を除く消費財が同▲ 0.6%(同▲0.3%)と下落幅を拡大したほか、食料・飲料品が同▲2.9%(同+1.8%) と下落に転じた。 産業資材では、天然ガスが▲59.1%(2月▲51.2%)、燃料が▲52.4%(同▲ 45.2%)、原油が▲46.6%(同▲45.2%)と下落幅を拡大した。自動車を除く消費財で は、耐久財製品が下落幅を拡大し、非工業品消費財がマイナスに転じた。 総合、除く石油ともに下落幅を拡大しており、インフレ環境は下向きの圧力を強めて いる。以上より、モメンタム、前年比でも川下である消費者段階の財価格への下落圧力 が少なくとも年央にかけて強まることを示唆している。 (%) 25 輸入物価(前年同月比) 20 輸入物価 除く石油 15 10 5 0 -5 -10 -15 -20 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内 容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。 2
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