2015 年スタート! 心機一転集中連載 高周波アナログ技術 センスアップ講座 誰でも ワイヤレス 時代! プロの回路をパソコンで体感してみよう! 第4回 (最終回) 2.4 GHz 帯プリアンプの 相互変調ひずみのシミュレーション 川田 章弘 Akihiro Kawata 測定する 解析結果の有効桁数を大きくしておく 電力合成器の抵抗値を設定 電力合成後の出力電力[dBm]を設定 図 1 相互変調ひずみの測 定に使う 2 信号(2 トーン) を作る回路 LNA のひずみシミュレーショ 解析結果が圧縮されるのを防ぐ 信号周波数を設定 2信号の周波数間隔を設定 ンを実行する前に,FFT 解析 を正確に実行できる良好な信 号源となっているかを確認す 2信号の周波数をそれぞれ設定 る 本 連 載 で は, 無 線 LAN や Bluetooth な ど の, チング回路の作り方やシミュレーション手法などは, 2.4 GHz 帯の無線通信機器 / 受信機に利用されるロ ー・ノイズ・アンプ (Low Noise Amplifier:以下, LNA) について,次の内容を解説してきました. 第 1 回:バイアス回路の作り方 第 2 回:インピーダンス・マッチング回路の作り方 第 3 回:雑音指数 NF(Noise Figure)と入出力特性 他の高周波アンプ,ミキサ,周波数ダブラ(逓倍器) にも応用できます. の理想直線領域に対してゲインが 1 dB 落ち たときの出力レベルP 1dB の評価 最終回の本稿では,マルチ・キャリア信号に対す るひずみにくさを表す指標の 3 次インターセプト・ ポイントIP(3rd order Intercept Point) を回路シミ 3 ュレーションと実機で調べます. 本連載を通して紹介してきたインピーダン・マッ 2015 年 4 月号 ● マルチキャリア信号に対するひずみにくさを表す 指標IP 3(1) 相互変調ひずみは,周波数の近接した二つの信号が 同時にデバイスを通過するときに生じるひずみです. 現代の無線通信方式では,高周波 LNA に入力され る信号が単一キャリアであることはまれです.多くの 場合は,本来の入力信号の近傍に他の信号(キャリア) が存在します.また,入力信号がマルチ・キャリアの 変調波のときは,複数の周波数成分を含みます. このようなマルチ・キャリア信号を扱うことの多い 183
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