鹿島34mのL-bandのRFIと対策

2014年3月10-11日 於 東京大学宇宙線研究所
宇宙線研究所共同利用研究会
鹿島34mのL-bandのRFIと
対策
関戸
衛、岳藤一宏
情報通信研究機構
鹿島宇宙技術センター
時空標準研究室
34m アンテナ受信機周波数
観測バンド
L-band
受信周波数 (MHz)
1405-1440,1600-1720MHz
S-band
C-X band
(改修中)
X-band
2193-2350MHz
6.4-15 GHz
(2.2-18GHz 予定)
7.86-8.36, 8.18-9.08GHz
K-band
Ka-band
Q-band
22 – 24GHz
31.7-33.7GHz
42.3 – 44.9GHz
2011年11月、天頂でTsys~90K
LNA出力では、1480MHzの強力な
信号を確認した。
IF信号に盛り上がりが見つかった
調べると、1480MHzのRFIを確認した。
携帯基地局
1480MHz
LNA出力では、1480MHzの強力な信号を確認した。
2012年10月 EL=7度で10度ごと全方位のIF信号ス
ペクトルを取得。AZ=210-220deg.でGain低下!
LNA
BPF
Post
LNA
スペアナ
AZ=210, 220 deg.
f1
LNA出力
2xf1
f2
3xf1
f3
f1+f2-f3
LNA
2xf2
スペアナ
f1 1480MHz
f1+f2
f1x2
f1x3
f1:携帯 1.48GHz
f2:PHS 1.9GHz
f3: 携帯2.1GHz
RFI対策実施までの経緯
 2011年11月 EL=90でTsys~90K程度となり、LNA出力に
1480MHzのRFIを確認。
 2012年8月:電波周波数保護委員会の電話会合を通じて、ソフトバ
ンクと面識をもち、窓口設定をお願いした。
 2012年10月:34mアンテナで10度毎の全方位についてL-band受信
機出力の周波数特性を取得し、LNA出力で1480MHzの3次高調波ま
でが確認された。
 2012年11月:ソフトバンク窓口を通じて本社を訪問し、1480MHz
の混信による影響について説明し、対策にはLNA前段の低損失冷却
フィルタの設置が必要であり、その費用負担を希望した。
 2012年12月18日:ソフトバンクより予算を確保するとの連絡があ
り、実施方法の相談を開始。
 一般競争入札により、超伝導フィルタを東芝が、設置作業を日本通
信機が落札し、2013年11月にフィルタが納品され、12月9-14日に
設置作業完了。
L-bandの冷却受信機内部と超伝導フィルタ。
超伝導フィルタ
同軸導波管変換
超伝導フィルタ
アイソレータ
LNA
周波数域
挿入損失
@20K
付加雑音
温度[K]
1405-1440MHz
<0.12dB
<0.6 K
1600-1720MHz
<0.08 dB <0.4K
受信機雑音温度Trx
f1
2xf1
f2
3xf1
f3
f1+f2-f3
2xf2
f1+f2
観測室で確認されたIF信号
:HOT/COLD
LNA
BPF
Post
LNA
LPF
PLO
1250MHz
1405-1440MHz
1600-1720MHz
EL=7-90,AZ=220 RHCP,HOT
1480MHzの信号による飽和は解消された。
全方位のTsys,SECZ観測 (EL=90,41,30,..11.5)
Tsysは低いところでは50-60K程度
に復旧!!
しかし、190度、250-350度では300K
程度まで上がる。
方位角 vs Tsys
仰角 vs Tsys
260-340deg.
190deg.
謝辞
電波天文周波数小委員会の会合に参加させていただいたこと
がきっかけになり、ソフトバンク社との窓口を得ることがで
きました。国立天文台の 立澤さん、岡保さん に感謝しま
す。
Thank you for attention