講座内容

講 座 内 容 一 覧
●必修領域(計12時間、12,000円)
●A 学校教育の最新事情:平成27年8月1日(土)、3日(月)
講習の概要
「教職についての省察」「子どもの変化」「教育政策の動向」「学校の内外における連携協力についての理解」に関して、教育行政の実務経験者及び学校教育・現場研修
の実務経験者、教育学・教育心理学・教育工学等の関連専門領域の研究者といった多様な講師陣と受講者の現場教諭という特色を生かし、教育現場の直面している諸
問題について見識を深める。
対象
担当講師
全教員
早川操
宮川充司
坂本德弥
梶田正巳
深谷和義
対象
担当講師
◆選択領域(各6時間、6,000円)
◆B1 学校音楽教育における現状と今後の展望:平成27年7月25日(土)
講習の概要
到達目標
【渡邉】コンピューター楽譜ワープロを使用した楽譜教材制作の実習。生徒の実情をふまえた編曲楽譜制作
の工夫について講義する。音楽試験などでは、楽譜に文字テキストを挿入したり、非定型の楽譜を制作する 【渡邉】コンピューター楽譜ワープロの基礎的使用法から移調譜制作、学校
必要性があるが、それらの方法について講義する。
教材楽曲のクラスの実情に合わせた簡便な編曲法ができることを目標にす
る。
中高音楽科
教諭
【兼平】はじめに、音楽科で育成する学力について、(1) 知覚・感受、(2) [共通事項]、の2点から、その概
要について解説する。そのうえで、学力育成のための音楽科の学習方法として、
【兼平】音楽科で育成する学力についての考え方、および、それを育成するた
(1) 「知覚・感受する力」はどのように育成されるのか、
めの学習方法について、両者をリンクさせながら理解しすることができる。ま 小学校教諭
(2) 実践例をもとに、どんな学習活動が考えられるか、について考察していく。最後に、音楽科の評価とし た、それに伴う評価として、実際の子どもの実際の活動からどのように見とる
て、これらの活動についてどのように評価していくのか、(1) 評価の観点について、(2) 評価をどのように ことができるのかについて、指導内容とのかかわりから説明できる。
評定に結びつけるか、の2点から解説する。
渡邉康
兼平佳枝
◆B2 食と健康の最新事情:平成27年7月25日(土)
講習の概要
【間瀬】私達の食生活を取り巻く環境は、食料自給率の低下や生活習慣病の蔓延、食品廃棄物など、多くの
問題を抱えている。最初に、食べ物や食事が社会生活や心身の健康に及ぼす影響を俯瞰する。次に、摂取
すべき食品の種類や量が、人の健康維持だけでなく、成長段階や体の状態でも異なることを理解する。更
に、食品と栄養成分の関係、栄養成分相互の関連性の基本を学び、栄養が心身に及ぼす作用を理解する。
食品の調理や加工がもたらす栄養成分の変化にも注視し、健康生活に繋がる食品と栄養を、最新の研究成
果を交え、総合的に学ぶ。
【大木】 更年期からの食生活や健康づくりについて、豊かに年を重ねるsuccessful agingの観点から、厚生
労働省で提唱されている健康づくりのキャッチフレーズや食事バランスガイドを紹介する。ライフステージに
おける更年期の課題を男女別に挙げる。更年期の不快症状の対処については、一般更年期女性を対象と
したセルフケアの実態を明らかにした。地域住民の健康教育介入効果や身体活動の効果の報告も紹介す
る。高齢期においては、健康増進に日々励む日常活動レベル保持者から精神や身体の疾病などにより要介
護状態まで、年齢に因らない個人差の幅が大きいことが特徴である。加齢に伴う臓器の委縮や生理機能の
低下、とくに視覚、味覚などの感覚機能の衰え、身体的機能低下による日常生活動作の低下などが生じてく
る。さらに、認知症や脳血管障害に合併する摂食・嚥下障害も見られる。咀嚼や嚥下機能の低下は、誤嚥性
肺炎を引き起こし、高齢者の生死にかかわっていく問題となっている。
【石井】食品業界は景気の好不況に大きく左右される業界ではなく、電子や自動車産業などと比べて技術開
発や新製品開発において熾烈な競争の渦中にあるわけではない。しかし、企業の発展のためには環境変化
に的確に対応し、戦略や組織の変革は必要である。ここでは食鶏業界において全国で唯一、最も川上側の
養鶏から、加工、卸売、小売店舗展開、料理店経営、贈答用商品開発・製造、通信販売(主にインターネット
利用)までを手掛ける長いサプライチェーンを垂直統合した、さんわグループの事例を中心に検討する。
到達目標
対象
担当講師
【間瀬】現在の食生活の問題点を挙げ、その原因がどこにあるかの自論を挙
げられ、それら問題点の解決方法として、いくつかの提案が出来る。食品の
種類と含有する栄養成分の種類とその生理機能性が理解でき、食品摂取に
よる心身への効用が把握でき、正しい食品摂取方法を指導できる。特に子供
達の在るべき食生活と実際の食生活のギャップを埋められる指導と啓蒙が
出来る。
【大木】ライフステージに応じた健康増進の概要を知り、日本がこれから迎え 中高家庭科
る超高齢社会を乗り切る方策を考察する。介護に至る時期をいかに遅らせる
教諭
か、フレイリティ・サルコペニア・ロコモティブシンドローム予防を理解し、健康
増進の対策をまとめる。
養護教諭
【石井】垂直統合の利点を活かし、インフレキシブルという問題点を可能な限
り払拭し統合を成立させている企業の事例により、ドメインを絞ったことによる
専門性と独自の柔軟性を有していることが繁栄の要因となっていることを理
解する。この講座では、第1に中堅企業でありながらドメインの幅を鶏肉ビジ
ネスに絞った専門性、第2に、垂直統合が長くとも、第3の軸として考察した資
源投入の厚みを増すことが可能であること、第3に、垂直統合における問題点
としての硬直性を和らげる市場取引による調整機能が存在することなどか
ら、現実の食品ビジネスについて理解を深める。
栄養教諭
到達目標
対象
間瀬民生
大木和子
石井圭介
◆B3 家庭科の課題と最新研究:平成27年8月4日(火)
講習の概要
【戸部】住分野を教える上で、日常的に教師が意識しておくべきこと及びその
【戸部】家庭科は衣・食・住の3分野で構成されるが、とりわけ住分野は教えにくい、あるいは授業時間が足り 実践法がわかります。そして、最新の住宅設計及び住まい方を知ることがで
ないという声が聞こえる。前半は、家庭科をめざした4年生の卒業研究をもとに、なぜそう感じるのか、問題 き、生徒に教えるべき現代の住まいと住まい方のポイントも理解できるように
はどこにあるのかを解説し、このことの克服のための課題を解説する。後半は、最近の住宅設計や住まい なるでしょう
方の動向を示し、生徒たちに新しい認識を持たせるテーマ・キーワードを解説する。
【滝澤】主に部分縫いを行っていくが、次の点を到達目標とする。講義内容を
【滝澤】昨今、衣食住の「衣」に関わる被服教育、とりわけ実習に関する内容が簡略化され、ウェイトが低く
理解し、実際の実習を通して、これまで以上に効率よく短時間で美しく縫い上
なってきている。大学に入るまでミシンに触れてこなかったという学生が年々増加しているが、人の営みの中 げる事が出来るか。縫い代の処理や最後の仕上げ等、細部に至るまで意識 中高家庭科
で毎日着用される「衣」に関する知識は、基本であり重要な分野である。この講座では、被服実習で活用で し作業を完遂できるか。美しい被服製作のための視点がプラスされたか。
教諭
きる、効率と美しさを兼ね備えた縫い方や処理法について、解説と実習(部分縫い)を行う。主に綺麗に付け
るのが難しいとされるファスナー付け(コンシールファスナーを含む)等を行っていく。
【東】①消費者教育が消費者市民社会の形成を目標とするに至った背景につ 小学校教諭
いて説明できる。
【東】消費者教育推進法の成立(平成24年8月)を契機に、消費者教育の総合的・体系的な推進が社会的な ②学校教育における消費者教育と家庭科教育との関係を理解し、それに関
課題となり、家庭科教育もその重要な役割を担うこととなった。推進法に基づく新しい消費者教育では、単に する自分の意見を明確に示すことができる。
消費者問題から身を守る能力を育むだけでなく、一人一人が、自分自身の消費行動が社会や環境に影響を ③消費者市民社会の理念を理解し、消費者市民に相応しい具体的な行動様
及ぼすことを自覚して消費生活を営む「消費者市民社会」の担い手を育成することが求められている。本講 式を多面的に提示することができる。
義では、消費者市民社会の形成に家庭科教育がどのように寄与できるかについて追究する。
④家庭科教育を通して生徒たちに消費者市民に求められる能力をどのように
育成すべきかについて、具体的な方法を提案できる。
担当講師
戸部栄一
滝澤愛
東珠実
◆B4 現代数学から見る学校数学:平成27年8月4日(火)
講習の概要
学校数学において現在扱われている教育内容には,古くギリシャに遡る古典的な内容が多いが,その背景
にある考え方や理解の仕方は,むしろ近代から20世紀になって得られた現代的な内容を数多く含んでい
る.このような精神を教養として身に付けることは,数学科の学習指導を担う者にとって大変重要である.本
講座では,現代数学的な概念がどのような理解を生み出し,どのように学校数学につながるのかを紹介し,
生徒の学びにどう関わり得るかを考察する.
到達目標
対象
中・高等学校で扱われている教育内容の背景にある現代数学としての知識
や考え方を知り,それらを習得する.その上で,中・高等学校数学科における 中高数学科
学習指導での活用方法を知るとともに,今後,推進・継続されるであろう更な
教諭
る教材研究の基礎となる素養を身につける.
担当講師
浪川幸彦
竹内聖彦
白井朗
高橋 聡
◆B5 ICTの活用と教育メディア:平成27年8月5日(水)
講習の概要
到達目標
対象
担当講師
情報や情報手段を主体的に選択し活用できる能力は、非常に重要な要素であり、学校教育において教育
メディアの活用は必要不可欠なものとなっている。また、教育へのICTの活用は、教科等を横断して改善す
べき事項として挙げられ、ICT環境整備の必要性も指摘され続けている。本講座では、授業設計や学習スタ
イル等について考え、ICTをどのように活用すれば、児童・生徒とのインタラクティブな授業を生み出し、効果
を上げることが出来るのか、授業実践事例を紹介するとともに、アプリケーションソフトやインターネットを単
に利用するだけでなく、コンピュータを利用して情報を作り出すことや様々な問題を自ら解決していく力をつ
けさせるための授業づくりを考える。
情報や情報手段を主体的に選択し、活用できる能力や学校における教育
の情報化の状況やその必要性について考えるとともに、授業設計の基本的
な考え方や学習スタイル等についての視点を知る。また、ICTを活用した児
童・生徒とのインタラクティブな授業の事例やICTの活用した学習の事例を体
験することで、様々な問題を自ら解決していく力をつけさせるための授業づく
りについて考察する。
教諭
鳥居隆司
松山智恵子
亀井美穂子
宮下十有
到達目標
対象
担当講師
◆B6 食育を巡る最新事情:平成27年8月5日(水)
講習の概要
【加賀谷】平成25年12月、日本の和食がユネスコの無形文化遺産に登録された。日本では近年さまざまな食
文化が混在し、日本本来の食文化は薄れつつある。一方、外国では近年、日本食ブームが起こるなど、日
【加賀谷】我が国の食文化、諸外国の食文化、食文化の良さ・継承すべき食
本の食文化についての関心が高い。そこで、我が国の食文化、諸外国の食文化、食文化の良さ、継承すべ
文化について考える。児童・生徒の発達段階に応じた教材について、数種の
き食文化などを児童・生徒に理解させる手段として、学齢に応じた教材の工夫すべき点などについて、グ
教材見本を基にグループディスカッションで意見をまとめ、問題点、改善点に
ループ活動を通して考える。
ついて発表を行い、今後の食文化継承のあり方についての考えを深める。
【加藤】近年、朝食の欠食や肥満・痩身傾向などが見られ、食育の推進は待ったなしの重要課題である。栄
【加藤】学校と家庭・地域が連携することにより、食育がよりよく推進できること
養教諭は、食育推進者として、学校における推進役と家庭・地域におけるコーデイネーター役となることが使
を具体的に理解する。
命であり課題である。ここでは、栄養教諭として取り組んできた経験を踏まえて、学校と家庭・地域が一体と
なり子どもを育む食育の実践について問題点を明らかにする。
中高家庭科
教諭
加賀谷みえ子
加藤和代
栄養教諭
◆B7 発達障害の最前線:平成27年8月6日(木)
講習の概要
到達目標
【中島】子どもの発達に関して、最近、特に自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如多動性障害(ADH
D)、学習障害(LD)などいわゆる発達障害が話題となっている。これらの障害がある子どもは、二次障害が
発生しやすいこともあり、早期に気づかれ、適切に対応されることが重要であることから、障害の特徴や対
応の基本的な考え方などについて、主として小児神経学の観点から解説する。
【中島】自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如多動性障害(ADHD)、学
習障害(LD)などいわゆる発達障害等がある子どもは、幼稚園・小学校など
集団の場で気づかれやすいことから、これらの障害に関する現時点の知見に
ついて理解することにより、早期に気づき、二次障害の発生の予防を含め適
切に対応できる。
【中西】発達障害を持つ子どもへの支援/保護者への対応の実際 発達障害を持つ子どもへの学校場面 【中西】ASD、ADHD、LDについて、またそれぞれのグレーゾーンの子どもの
での支援の実際についてタイプ別に講義をする予定である。 ①ASDの子どもの理解と支援 ②ADHDの 状態像についての理解を深め、教室での支援の実際(学習の支援やソーシャ
子どもの理解と支援 ③LDの子どもの理解と支援 ④保護者への対応
ル・スキルの支援、教材の工夫について等)、対応の仕方のアウトラインを身
につけることを目標とする。
対象
教諭
養護教諭
担当講師
中島正夫
中西由里
◆B8 子どもの食生活と生活習慣病:平成27年8月7日(金)
講習の概要
到達目標
対象
【阪口】近年、生活習慣病の低年齢化が注目されている。生活習慣病の発生と関係の深い食・運動習慣など
のライフスタイルは小児期に形成されることを考えると、子どもやその家族に対して小児期から予防的介入
を行うことは社会的にきわめて重要な課題である。この講座では、中学生を対象に行った身体測定、血液生
化学検査、生活習慣の質問紙調査結果に基づいて中学生の生活習慣病の実態を紹介し、子ども・家族、地
域社会・学校を含めた予防的介入への取り組みなどを考えていきたい。また、成人病胎児期発症説など最
近の学説にもふれて講義する。
【阪口】小児期の生活習慣病の予防には、子どもへの教育も必要だが、家族
(保護者)、学校の取り組み方が重要である。小児期の生活習慣病の実態と
その発症要因、予防法を知って受講された方々がそれぞれの立場で予防行
動がとれるようになることを目標とする。
中高家庭科
教諭
【及川】食生活の乱れや、ダイエット志向の低年齢化などが子どもの成長にど
【及川】近年、子どもの食と健康に関する問題として、偏食や朝食の欠食、肥満・痩身傾向がみられる。本講 の様な影響をおよぼすか理解し、子ども達に身体の発達に見合ったバランス
座では、最初に最近の学童期、思春期の子どもの食生活の実態について学習する。また最近は、食品中の の良い食事の大切さを伝えてもらいたい。また、食に関する情報が氾濫する
放射性物質や食中毒、食品における異物混入など、食に関する事案は大きな社会問題となっている。本講 中で、正しい情報をいかに適切に選別し活用するか、その方法を知って子ど
座では、最近の食の安全性に関する問題についても概説し、子どもたちが食生活や健康に関する正しい知 もたちに伝えてもらいたい。
識を持ち、将来自らの判断で食を選択できるようになるためどのように教育していけばいいか考える。
養護教諭
担当講師
阪口しげ子
及川佐枝子
栄養教諭
◆B9 P4C(子どもの哲学)の紹介とその実践-「教室」を「探究の共同体」へと変えるために-:平成27年8月7日(金)
講習の概要
1970年代にアメリカの哲学者であり教育者でもあったマシュー・リップマンによって推進され、現在、世界各
国で実践されるとともに、日本でも徐々に注目されだしている「子どもの哲学(Philosophy for Children、略し
てP4C)」とはどのような教育方法なのかを、「探求の共同体」というキーワードを中心にしつつ、日本での実
践例をも交えながら紹介するとともに、この哲学的対話法を実際におこなってみることで、教室において生徒
の対話力と思考力を育てていくにはどのような工夫が必要なのかを受講者とともに考える。
到達目標
対象
中社会科
P4Cの歴史的背景と理論的側面を理解するとともに、この哲学的対話法を学
教諭
校現場で実践するうえで必要とされる工夫などについて考察できること。そし
て「教室」を「探求の共同体」へと変えるために教師としてどのような役割が果 高(公民科)
たせるのかを理解し、それを実際に教育方法として実践してみようとする態度
教諭
を養うこと。
小学校教諭
担当講師
三浦隆宏
◆B10 社会科(地理・歴史領域)最新研究:平成27年8月8日(土)
講習の概要
到達目標
歴史教科書の記述は不変ではなく、基本事項ととらえられてきた事柄でさえ、新たな史料の発見や史料のと
らえ方の違い、多面的な見方が加わることにより、常に修正されてきている。
本講座では、近年見方が大きく変化したといわれる江戸時代の鎖国を取り上げ、時代により、教科書の記述
がどのように書き換えられてきたのか、特に新情報により、従来定説とされてきた説のどの部分がどう変化
したかに注目してみていく。
1.基本事項ととらえられてきた事柄でさえ、研究の進展により、教科書記述
が修正される場合があることを知る。
2.同じ年に出された教科書でも、記述が違う場合があるという事実を知ると
ともに、なぜ、そんなことが起こっているのか、その理由を理解する。
対象
担当講師
中社会科
教諭
高(地歴科)
教諭
小学校教諭
稲垣知子