平成 27 年 4 月 16 日報道関係者各位国立大学法人筑波大学福島県双葉町教育委員会震災の記憶・記録を継承する新たな試み～ホームページ「福島県双葉町の東日本大震災関係資料を将来へ残す」を一般公開へ～筑波大学図書館情報メディア系白井哲哉教授らは、福島県双葉町と共同で東日本大震災の関連資料の保全及び調査研究に取り組み、その成果をホームページ「福島県双葉町の東日本大震災関係資料を将来へ残す」として、4 月 16 日（木）より一般公開しました。【ホームページ URL http://www.slis.tsukuba.ac.jp/futaba-archives/】背景と経緯福島県双葉町は、東日本大震災と東京電力（株）福島第一原子力発電所の事故のため、今なお全町民が町外へ避難を強いられています。町域の 96％に及ぶ帰還困難区域の中には東日本大震災当日の避難所の跡が今なお残されており、双葉町では『復興まちづくり計画（第一次）』に基づく事業計画（実施計画）の中で震災の記憶や記録の収集・保全事業に取り組んでいます。2013（平成 25）年 6 月、筑波大学図書館情報メディア系と双葉町教育委員会は、この未曾有の大災害の記憶・記録を未来へ残すため、双葉町が保有する震災関係資料の保全及び調査研究に連携して取り組む協定を締結しました。この協定に基づき、筑波大学図書館情報メディア系では、附属研究機関である知的コミュニティ基盤研究センターの主要活動として、白井哲哉教授を中心に震災関係資料の保全及び調査研究に取り組んできました。この活動は、現在における災害の失われがちな記憶・記録の継承に着眼した点で、従来の文化財の救出保全やデジタルアーカイブ化とは一線を画するものです。重要な記録や情報を評価選別して後世に残すことは、図書館情報学やアーカイブズ学の基本使命であり、筑波大学は、この分野における日本最大の教育・研究機関として、この活動に注力しました。なお、この活動は筑波大学「復興・再生支援プログラム」にも採択されています。このたび、その成果を広く一般に公開する目的で、上記のホームページを開設しました。このホームページは、トップページのほか「事業の目的と経緯」「大震災と双葉町の避難」「現在の双葉町」「保全された資料」「活動の記録」で構成されます。・「大震災と双葉町の避難」：大震災以降の双葉町の避難経過に関する初のまとまった記録です。・「現在の双葉町」：双葉町役場から見た現在の町の風景のほか、2011（平成 23）年 3 月 11 日大震災当日の夜の避難所となった双葉中学校と双葉北小学校に関する現状写真を掲載します。・「保全された資料」：国内外から寄せられた応援・激励の千羽鶴や寄せ書きの写真を掲載します。今後は、画像の追加や新たな情報発信を随時行うとともに、英語版の作成にも取り組む予定です。本ホームページの特徴東日本大震災の情報提供を行うホームページは数多ありますが、下記の 2 つの情報を発信する点で、このホームページは他に例のない内容を有しています。 1) 双葉町の帰還困難区域内に今なお残る、東日本大震災当日夜の避難所跡の現状写真。 2) 2011 年 4 月～2013 年 6 月における、双葉町役場埼玉支所及び旧騎西高校避難所に対して、国の内外から寄せられた支援・慰問・激励の品々の写真。想定する本ホームページの閲覧者 1) 町外に避難されている双葉町民及び関係者の方々。特に、支援・慰問・激励の品々の写真を御覧いただくことで、国内外の多くの人々が双葉町の方々を応援していることを知っていただけます。困難な避難生活の続く双葉町の方々にとって、少しでも心の支えになれば幸いです。 2) 東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故による被害と現在の状況に関心のある国内外の方々。特に、福島県外への避難を経験した双葉町の現在までの動向については、日本国内でも十分知られていません。ホームページを通じ、未だ全容が不明な、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故における被害や支援などの具体相を理解する一助になると期待されます。本ホームページに掲載されたリンク先の各団体・機関茨城文化財・歴史資料救済・保全ネットワーク（茨城史料ネット：代表は高橋修茨城大学教授）をはじめ、双葉町における活動に協力・支援をいただいている関係機関・団体、また東日本大震災の被災地で文化財・歴史資料等の救出・保全活動を展開している機関・団体を掲載しました。問合わせ先白井哲哉（しらいてつや）筑波大学図書館情報メディア系教授（知的コミュニティ基盤研究センター知の環境基盤研究部門） TEL： 029-859-1524（知的コミュニティ基盤研究センター事務室、9:00-17:00）双葉町教育委員会教育総務課 TEL：0246-84-5210 E-mail: [email protected]