平 成 27年 度 連続講座 「私」 と 源 氏 物 語 千年の時を超え、私たちを魅了する『源氏物語』。『源氏物語』とは、どのような存在なのでしょ うか。作者の紫式部はもとより、人びとがどのように『源氏物語』と向き合い、読み継ぎ、何か新た に生み出していったのか。『源氏物語』の求心力とその魅力に迫ります。 ① ② ③ ④ ⑤ 5月20日 (水) 6月18日 (木) 7月24日 (金) 8月20日 (木) 9月15日 (火) ⑥ 11月19日 (木) ⑦ 12月12日 (土) ⑧ 平成28年 1月21日 (木) ⑨ (木) ⑩ 2月18日 3月16日 (水) 締切 今を 生きる私 たち と源氏物語 福嶋昭治さん 『源 氏物語 』 で生きる 安藤徹さん 4月30日 (木) 京都橘大学教授 ―御子左家の「女あるじ」 阿仏尼の場合― 5月31日 (日) 龍谷大学教授 『源 氏物語 』 にあこ が れて う つ つ 野口孝子さん 中世 の歌人 と 『源氏 物 語』 植木朝子さん 紫式 部と『 源 氏物語 』 山本淳子さん ―『更級日記』にみる夢と 現 と― ―俊成・定家・正徹を中心に― 6月30日 (火) 同志社女子大学非常勤講師 7月31日 (金) 同志社大学教授 8月30日 (日) 京都学園大学教授 描か れた『 源 氏物語 』 龍澤彩さん ―源氏絵を読む 10月31日 (土) 金城学院大学准教授 『源 氏物語 絵 巻』がつくられた時代 栗山圭子さん 11月29日 (日) 金春 禅竹の 『 源氏物 語 』 12月27日 (日) 神戸女学院大学専任講師 大山範子さん 東山 時代の 一 縉紳が 見 た源 氏物 語 ―三条西実隆の日記より― 作家 と『源 氏 物語』 ―与謝野晶子と田辺聖子の場合― 神戸女子大学古典芸能研究センター 非常勤研究員 五島邦治さん 京都造形芸術大学教授 中周子さん 平成28年 1月31日 (日) 2月28日 (日) 大阪樟蔭女子大学教授 田辺聖子文学館副館長 ※講座の日時・内容等をやむをえず変更する場合がございます。 ※10月は源氏物語セミナーの開催を予定しています。 ◆会 場 宇治市源氏物語ミュージアム 講座室 ◆募集人数 80名(多数の場合は抽選) ◆時 間 ◆参加費 午後2時~3時30分 (受付は1時30分から) 各講座 500円 ◆応募方法 往復はがきに「連続講座 第○回」、住所、氏名(ふりがな)、電話番号をご記入の 上、締切日必着で源氏物語ミュージアムまでお申し込みください。持参の場合は、 返信用はがきだけで可。1枚のはがきにつき1人まで。 ※講座当日に限り、展示室に無料でご入館いただけます。受講票をご提示ください。 宇治市源氏物語ミュージアム 〒 611-0021 京 都 府 宇 治 市 宇 治 東 内 45-26 TEL 0774-39-9300 URL http://www.uji-genji.jp/ 京 阪 宇 治 駅 よ り 徒 歩 約 8分 ・ J R 宇 治 駅 よ り 徒 歩 約 15分 公共の交通機関をご利用くださ い 。 ① 今を生きる私たちと 源氏物語 福嶋昭治さん ② 『源氏物語』で生きる ―御子左家の「女あるじ」 阿仏尼の場合― 安藤徹さん ③ 『源氏物語』にあこがれて ―『更級日記』にみる 夢と現と― 野口孝子さん ④ 中世の歌人と『源氏物語』 ―俊成・定家・正徹を 中心に― 植木朝子さん ⑤ 紫式部と『源氏物語』 山本淳子さん ⑥ 描かれた『源氏物語』 ―源氏絵を読む 龍澤彩さん ⑦ 『源氏物語絵巻』が つくられた時代 栗山圭子さん ⑧ 金春禅竹の『源氏物語』 大山範子さん ⑨ 東山時代の一縉紳が見た 源氏物語 ―三条西実隆の日記より― 五島邦治さん ⑩ 作家と『源氏物語』 ―与謝野晶子と田辺聖子の 場合― 中周子さん 今 を 生 き る 私 た ち に と っ て 、 千 年 前 に 書 か れ た 源 氏 物 語 を 読 む こ と に 、 ど の よ う な 意 味 が あ る の で し ょ う か 。 源 氏 物 語 の 原 文 の 何 カ 所 か を 味 読 し つ つ 考 え ま す 。 源 氏 物 語 は 、 「勉 強 す る た め に 」 読 む も の で は あ り ま せ ん 。 読 ん で 「楽 し い 」 も の な の で す 。 だ か ら 「古 典 」 な の で す 。 そ ん な 源 氏 物 語 を 実 感して頂きます。 『 う た た ね 』 や 『 十 六 夜 日 記 』 の 作 者 で あ り 勅 撰 歌 人 で も あ っ た 阿 仏 尼 は 、 藤 原 為 家 と 結 婚 し 、 冷 泉 家 の 祖 と な る 為 相 を 生 み 育 て ま し た 。 ま た 、 『 乳 母 の ふ み 』 を 書 き 、 娘 に 向 け て “ 女 の 生 き 方 ” を 説 き ま し た 。 彼 女 の こ う し た 人 生 を 彩 っ た の が 『 源 氏 物 語 』 で す 。 阿 仏 尼 に と っ て 『 源 氏 物 語 』 と は 何であったかを考えます。 多 感 な 少 女 時 代 を 「 あ づ ま 路 の 道 の 果 て よ り も 、 方」 で 過ご し ていた 孝標 の 娘は 、義母 や姉の 影 響 語 に 夢中 に なっ てし ま い ま す 。都 市 と 鄙 の 明 暗 が 裏 と な る よ う に 、 『 源 氏 物 語 』 は 光 芒 と なっ て 鄙 の を 貫 き ま し た 。 し か し 、 い ざ 都 に 来 て み る と 、 そ こ という現実があるばかりでした。 な で 色 少 に ほ 都 濃 女 は 奥 の い の 日 つ 物 表 胸 々 『 源 氏 物 語 』 は 後 世 の 文 学 、 美 術 、 芸 能 な ど に 大 き な 影 響 を与えまし た。ここ では、「源氏 見ざる歌詠 みは遺憾の事な り 」 と い う 有 名 な 言 葉 を 残 し た 藤 原 俊 成 と そ の 子 ・ 定 家 、 室 町 時 代 の 歌 人 で 多 く の 古 典 籍 の 書 写 を 行 っ た 正 徹 を 中 心 に 、 中 世 の 和 歌 の 世 界 に お け る 『 源 氏 物 語 』 享 受 を 考 え ま す。 夫 を 喪 っ た 傷 心 の 一 女 性 か ら ア マ チ ュア 作 家 へ 、 そ し て 今 上 天 皇 の 中 宮 に し て 権 力 者 藤 原 道 長 の む す め 彰 子 の 侍 女 へ 。 『 源 氏 物 語 』 は 、 作 者 ・ 紫 式 部 の 人 生 を 大 き く 変 え ま し た 。 で は 紫 式 部 自 身 は 、 こ の 物 語 を ど の よ う に 見 つ め て い た の で し ょ うか 。 紫 式部 の 「 光 源氏 の 物 語」 に 込 めた 思い 、 そして「宇治十帖」に込めた思いを読み解きます。 『 源 氏 物 語 』 は 、 平安 時 代 以降 、 現 代 に 至 るま で 、 さ ま ざ ま に 絵 画 化 さ れ て き ま し た 。 各 時 代 の 絵 師 た ち が 工 夫 を 凝 ら し て 描 い た 源 氏 絵 は 、 物 語 の 世 界 を 生 き 生 き と 想 像 さ せ て く れ ま す 。 今 秋 、 徳 川 美 術 館 で 全 面 公開 が 予 定 さ れ て い る 国 宝 「 源 氏 物 語 絵 巻 」 を は じ め と す る 源 氏 絵 の 魅 力 を 、 作 品の画像をご覧頂きながらお話します。 『源氏物語』を絵画化した現存する最古の遺例は、国宝『源 氏 物 語 絵 巻 』 で す 。 現 在 、こ の 絵 巻 の 作 成 年代 は 、 物 語 本 体 の 執 筆 か ら 約 100年 下 っ た 12世 紀 前 半 に 比 定 さ れ て い ま す。時は、白河院・鳥羽院が院政を行った時代。そして、当 時 の 最 高 権 力 者 で あ る 彼 ら が 、 国 宝 『 源 氏 物 語 絵 巻 』 作 成 に 深 く 関 わ っ た と い う 可 能 性 が 指 摘 さ れ て い ま す 。 講 座 で は 、 『 源 氏 物 語 絵 巻 』 が つ く ら れ た 時 代 の 天 皇 家 の 人 々 や 皇位継承の問題に迫ります。 中世には、大部な『源氏物語』の原文を手にすることができ る 人 は 限 ら れ て い ま し た 。 能 楽 シ テ 方 金 春 流 の 祖 で あ り 、 世 阿 弥 の 教 え も 受 け た 金 春 禅 竹 は 、 そ の 数 少 な い 一 人 で す 。彼 は 、 藤 原定 家 を崇 拝 し 、 古典 文 学 作 品に 通暁 して い た 人 物 と し て 知 ら れ て い ま す 。 禅 竹 が ど の よ う に 『 源 氏 物 語』をとらえ、また、そこから何を創り出したのか、伝書や能 の詞章を検討しながら、考えてみたいと思います。 室 知 た い 受 町 時 代 の 公 家 三 条 西 実 隆 は 、 当 代 一 流 の 文 化 人 と し て ら れ ます。 彼は『 源氏 物語』 の 愛読者であり、 同好のひと ち と 源 氏 の 勉 強 会 を も ち 、 何 度 か 校 訂 し て 写 本 を 作 っ て ま す 。 彼 の 日 記 『 実 隆 公 記 』 を 通 し て 、 室 町 時 代 の 源 氏 容のようすを探ります。 『 源 氏 物 語 』 は 世 界 中 で 翻 訳 さ れ 、 日 本 で も 数 多 く の 現 代 語 訳 や 翻 案 が 行 わ れ て い ま す 。 生 涯 に 何 度 も 現 代 語 訳 に 挑 戦 し た 作家 も いま す 。 『 源 氏物 語 』 は 何 故人 々 ( こ と に 作 家達)を魅了するのでしょうか。最初の口語訳である与謝野 晶 子 訳 、 平 明 さ で 群 を 抜 く 田 辺 聖 子 訳 を読 み 、 作 家 達 を も 虜にする『源氏物語』の魅力の根源を解明します。
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