カタログ

床版取替え 工法
輸送動脈を止めることなく、床版取替えが行える
「SBパネル工法」は時代のニーズから生まれた工法です。
近年、交通量の増大、車輛の大型化などが 原因となる橋梁コン
クリート床版の損傷が多くなってきました。
これらの中には損傷がひどく、床版の取替えを必要とする橋梁
も多く見られます。
しかし、橋梁床版の取替え工事においては、現在の交通事情か
ら施工条件が大変厳しくなっており、
●工事により発生する交通渋滞を最小限とする「急速施工」
●う回路の確保が困難なことから「片側交通開放による施工」
●
「品質の高い施工」
が求められています。
これらの要望から開発されたのが、工場製作によるプレキャスト
床版「SBパネル」
です。
このSBパネルの開発により、
●工事期間の短縮
●片側車線開放下での施工
●現場における施工管理の簡略化
●高品質で均一な製品の提供
が可能になりました。
そして、
「SBパネル工法」は、
❶既設床版の安全で迅速な解体、
撤去
▼
❷工場で分割製作されたSBパネルを桁上に架設
▼
❸分割敷設されたSBパネルの一体化
▼
❹一体化したSBパネルと桁との連結あるいは合成
などの一連の作業をシステム化し、急速施工にお応えできる
工法として確立いたしました。
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工法の特徴
1. 道路橋示方書に準拠
道路橋示方書に準拠しており、床版損
●SBパネル本体の設計は、
傷の要因となっている押し抜きせん断に対して、非常に大きな
抵抗力があります。
2. 工期が短縮
●SBパネルは、
ハンチも含め工場で製作されたプレキャスト床版
であり、
また、パネル相互の継手は乾式継手となっています。
●そのため、架設直後の版上に重機の乗り入れが可能となり、
パネ
ルの連続施工ができ、工期の短縮がはかれます。
SBパネルの敷設時に、作業ヤードの
関係でクレーンの旋回ができない場
合や、
トラス桁内のようにヘッドクリ
アランスがとれない 場合には『可搬
型テルハクレーン』で、安全か つ 迅
速な対応が可能です。
3. 安全、迅速な既設床版の解体・撤去
●既設床版をブロック切断し、特殊な床版引きはがし機(特許取
ブロックのまま撤去します
得済)で版と桁とを引きはがした後、
ので、安全で迅速な作業が 行えます。このためコンクリートの
斫りガラの発生を最小限におさえられます。
なお、本工法はブレーカー等をほとんど使用しないため騒音
規制を受ける場所においては絶大な威力を発揮しています。
4. キャンバー調整が容易
●SBパネルの 架設時に路面高の調整も同時に行いますので、
舗装厚による調整は不要です。
5. 急速施工と省力化
●現場における配筋、型枠、
コンクリート打設の作業は、桁端と車
線間のみとなるため、施工の省力化がはかれ、工期が短縮でき
ます。
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SBパネル タイプI
<1方向PC床版>
●橋軸方向における版の結合は、
プレストレスの導入によ
り連続性を確保しています。
●充分な管理のもとで工場製作され たパネルは 、地覆、
ハンチ、歩道等を一体製作できますので、架設の効率化
が図れ、
また、施工の安全性が向上します。
SBパネル タイプI
I
<2方向PC床版>
シース
PC鋼より線
●タイプI
Iは 、工場製作時に 、橋軸直角方向にプレテン
ションで、現場施工時にポストテンションで橋軸方向にプ
レストレスを導入する2方向PCタイプです。
●両方向をPC構造としているため 、床版にひび 割れ が
発生しにくい高耐久性の床版であるうえ、最低床版厚を
16cmにすることが可能です。
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1. SBパネル本体の設計
<例:タイプIの場合>
●版本体の設計は、
道路橋示方書に準じて行います。
(床版厚の決定、設計曲げモーメントの計算、鉄筋量および
プレストレス量の算出など)
●幅員方向の寸法は、
現橋に合わせます。
また、橋軸方向は、
陸送が可能な幅2.
5m以下を原則とします。
●地覆部と一体化した製作が可能です。
●ハンチ部も含めた一体打設
(工場にて)
が基本です。
断面図 [①-①断面]
平面図
2. SBパネル相互の継手
[②-②断面]
3. 配力筋方向の連続性の確保
●橋軸方向継手は、
現場打ちコンクリートを使用しない乾式継手構
造です。目地部には、原則として無収縮モルタルを充てんします。
●床版の連続性を確保する方法としては、
原則としてプレストレス
を導入するPCタイプを採用しています。
■PCタイプ
橋軸方向全長にわたりPC鋼線を挿入し、プレストレス
を導入して床版の連続性を確保します。
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4. SBパネルと桁との締結
●SBパネルと桁との取付には、
2種類の方法があります。
■ 板バネ方式
主として、
プレキャスト版を架設後に、交通を仮開放
する場合の仮締結として用います。
[桁との締結効果は実験により確認されています。]
● 特許取得済
■スタッド方式
合成桁、その他の場合。
5. SBパネルと桁との締結の充てん材
●SBパネルはハンチも含め工場製作されるため、基本的には桁との間隙
に現場打ちコンクリートは使用しません。
版と桁との隙間に、
無収縮モルタルを充てんします。
6. 橋軸直角方向継手
(車線間継ぎ手)
●分割施工を行う場合の橋軸直角方向継手の基本構造は下図のと
おりです。施工条件、構造条件により、
下図以外の構造
(ループ継手、
PC継手)
も可能です。
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SBパネル工法
床版取替え工法 /SBパネル<タイプI・タイプI
I>
施工フローチャート
既設床版の
解体・撤去
SBパネルの
架設
❶既設床版の解体・撤去
❹車線間継手部打設
緊 張
車線間継手部
打設
❷SBパネルの架設
❺舗装
舗 装
完 成
❸緊張
❻完成