第4章 第6期計画の基本理念及び基本目標

第4章
第6期計画の基本理念及び基本目標
1.基本理念
第4章 第6期計画の基本理念及び基本目標
1.基本理念
第6期計画においては、団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年(平成 37 年)に向け
て、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、その有する能力に応じて自立した日常生活を
営むことができることや、高齢者自身が、健康で生きがいを持って日々いきいきと暮らし、
介護予防や社会参加に努めることが重要になります。
これらのことを踏まえて、医療・介護・介護予防・住まい及び日常生活の支援が包括的
に確保される体制(地域包括ケアシステム)を実現するために、在宅医療と介護の連携や
認知症の早期診断・早期対応等の取り組みを本格化していくことを目的として、以下の基
本理念を定めます。
<基本理念>
地域の中で支えあい、安心して健やかに暮らせる
医療と介護が充実したまち
おおつ
■地域包括ケアシステムの姿
病気になったら…
介護が必要になったら…
医療
病院:
急性期、回復期、慢性期
介護
通院・入院
日常の医療:
・かかりつけ医、有床診療所
・地域の連携病院
・歯科医療、薬局
通所・入所
住まい
■在宅系サービス
・訪問介護・訪問看護・通所介護
・小規模多機能型居宅介護
・短期入所生活介護
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・看護小規模多機能型居宅介護
■介護予防サービス
・地域包括支援センター
・ケアマネジャー
相談業務やサービスの
コーディネートを行います。
・自宅
・サービス付き高齢者向け住宅等
いつまでも元気に暮らすために…
生活支援・介護予防
老人クラブ・自治会・ボランティア・NPO 等
75
■施設・居住系サービス
・介護老人福祉施設
・介護老人保健施設
・認知症対応型共同生活介護
・特定施設入居者生活介護 等
第4章 第6期計画の基本理念及び基本目標
2.基本目標
2.基本目標
大津市の高齢者を取り巻く現状を踏まえ、基本理念の実現に向けて、高齢者施策を推進
するうえで重要な6つの視点を基本目標として設定します。
基本目標1
医療福祉サービスが途切れなく利用できるまち
(在宅医療・介護連携の推進)
疾病を抱えても、自宅等の住み慣れた生活の場で療養し、自分らしい生活を続けるため
には、地域における医療・介護の関係機関が連携して、包括的かつ継続的な在宅医療・介
護の提供を行うことが必要です。
高齢者の地域生活を支えるために、関係機関が連携し、多職種協働により在宅医療・介
護を一体的に提供できる体制を構築するため、在宅医療連携拠点を設置し地域包括支援セ
ンターとともに、地域の関係機関の連携体制の構築を図ります。
基本目標2
認知症になっても地域の中で安心して生活できるまち
(認知症施策の推進と高齢者の権利擁護)
高齢化の進展に伴い、2025 年には認知症の人は、約 700 万人前後に達すると見込ま
れており、65 歳以上の高齢者に対する割合は、約5人に1人まで増加します。
このため、いわゆる団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年に向けて、「認知症施策推
進総合戦略(新オレンジプラン)~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~」が
平成 27 年1月に策定されたことから、本市もこれに基づき、認知症施策を推進します。
具体的には、認知症の人やその家庭を訪問し、受診勧奨や家族支援等の初期の支援を包
括的・集中的に行う「認知症初期集中支援チーム」を設置し、認知症の可能性がある人へ
の「早期診断・早期対応」に向けた支援体制を構築します。また、認知症の人やその家族
が認知症とわかる症状が発生した場合に、いつ・どこで・どのような医療や介護サービス
を受ければよいかわかるよう、標準的な認知症ケアパスの普及と充実に努め、認知症の人
やその家族への支援を包括的かつ継続的に実施する体制を構築します。
さらに、地域において多様な主体、関係機関が連携して認知症の人や家族を支える仕組
みづくりに取り組むとともに、児童や青年期をはじめ、地域住民や事業者等幅広い層に対
し、認知症についての正しい知識と理解の啓発活動の強化に努め、認知症になっても本人
の意志が尊重され、できる限り住み慣れた地域の良い環境で自分らしく安心して生活でき
るまちをめざします。
76
第4章
基本目標3
第6期計画の基本理念及び基本目標
2.基本目標
高齢者等が健やかに生活し、社会参加ができるまち
(生活支援・介護予防サービスの基盤整備の推進)
高齢単身世帯や高齢者のみの世帯、75 歳以上の高齢者等、支援を必要とする高齢者が増
加し、生活支援の必要性が高まっています。
多様な主体が活動しやすい仕組みや環境を整備することで、増加する生活支援のニーズ
に対応することができます。特に、生活支援の担い手として高齢者が参加することは、社
会的役割を持つこととなり、生きがいや介護予防につながります。各主体による生活支援
サービスの提供を本市がサポートするとともに、ボランティア等の担い手の養成・発掘や、
生活支援サービスの主体同士のネットワーク化等を担う「生活支援コーディネーター(地
域支え合い推進員)
」の配置を進めます。
基本目標4
安心して暮らし続けることができる住まいが整っているまち
(高齢者の居住安定に関わる施策との連携)
高齢者への適切な住まいの提供や、住まいにおける生活支援サービスの提供等、高齢者
が安全で快適な生活を送ることができるよう、地域包括ケアシステムの実現に向け、住み
やすい生活環境づくりに取り組みます。
基本目標5
地域の中で安心していきいき暮らせるまち
(地域包括支援センターの機能強化)
地域包括ケアシステムを確立するためには、その体制づくりと地域におけるネットワー
クの構築が必要です。このため、地域包括支援センターが、すこやか相談所との併設によ
り、保健、福祉のワンストップ相談窓口として、総合相談、包括的・継続的ケアマネジメ
ント、認知症施策、虐待防止、権利擁護等複雑かつ多様化する問題に速やかに対応できる
よう、地域包括支援センターの機能及び体制の充実を図ります。
また、地域ケア会議や多職種協働による在宅医療・介護の連携事業を通じて、医療・介
護・保健・福祉の関係機関が相互理解を深め、高齢者の状態に応じたきめ細やかなサービ
ス提供をめざします。
さらに、7つの拠点において、地域包括支援センターがすべての活動のコーディネータ
ー役を担い、地域に根ざしたサポート体制を整備します。
77
第4章 第6期計画の基本理念及び基本目標
2.基本目標
基本目標6
適切な介護保険サービスを利用できるまち
(介護保険サービスの充実)
介護が必要になっても、だれもが安心して暮らすことができる環境をつくっていくこと
が大切です。そのため、できる限り住み慣れた自宅で、家族等に支えられながら在宅生活
が継続できるよう、在宅サービスの充実に努めるとともに、在宅での生活の困難な方を対
象とする特別養護老人ホーム等の施設整備を進めます。
各施設の介護人材の確保については、介護サービス事業所で働く職員が「介護職員初任
者研修」を受ける際の研修受講費用の一部を、介護サービス事業所に介護職員資格取得費
用の助成を実施する他、国や滋賀県と連携します。
78
第4章
第6期計画の基本理念及び基本目標
3.施策の体系
3.施策の体系
基本目標
施策の方向
事業・取り組み内容
①医療福祉推進の組織化
②地域の在宅医療推進のための方向性の明確化
(1)在宅医療・介護を
協議する場の設置
と共有
③方向性を確認・決定し、目的に応じた階層的
協議を行う場の設置
①在宅医療・介護の現状(ニーズ)把握のため
(2)地域の在宅医療・
介護実態把握、資源
情報分析
の情報交換、調査分析
②医療介護連携を推進するための医療介護資源
の可視化
(3)切れ目のない在宅医
基本目標1
療・介護提供体制の
①医師間の連携体制の検討
構築に向けた検討と
実施
②多職種協働のチーム医療提供体制の充実強化
研修会
②新たな地域リーダーの養成と活動支援
医療福祉サービ
スが途切れなく
①在宅医療を担う地域リーダー活動のモチベー
ションアップと質の向上
利用できるまち (4)多職種連携のための
(在宅医療・介護
連携の推進)
③多職種理解のための情報交換等
(5)効率的な情報共有の
ための取り組み
①入退院支援のルール化
②医療と介護の情報連携ツールの検討、実践、
評価
( 6 ) 介 護 サ ービ ス 事業
者・ケアマネジャー
への支援
①課題聴取と解決策の検討
②ケアマネジャー等に対する医療的相談への対
応
①在宅医療、介護に関する住民理解の促進と
(7)地域住民への普及・
啓発
相談支援
②自助、互助で支え合う地域づくり
③在宅療養の姿を自らが考え意思表示が行える
ための支援
79
第4章 第6期計画の基本理念及び基本目標
3.施策の体系
基本目標
施策の方向
事業・取り組み内容
(1)認知症の予防対策の推進
①認知症予防対策の推進
(2)早期診断・早期対応の充実
①「認知症初期集中支援チーム」の設置
②認知症ケアパスの普及・充実
③医療機関や医師会との連携体制及び相談業
務の充実
(3)認知症を正しく理解し、地域で支えるサー
基本目標2
ビス体制の構築
認知症になって
1.認知症施策の推進
も地域の中で安
心して生活でき
るまち
(認知症施策の
推進と高齢者の
権利擁護)
①市民への普及啓発活動の強化
②認知症サポーター及び認知症キャラバン・
メイトの養成と地域活動の推進
③医療・介護・地域の連携と見守り体制の構築
④大津市認知症・虐待防止地域支援推進会議
の充実
⑤認知症ケアの質の向上
⑥若年性認知症施策の推進
(4)家族介護者への支援
①認知症の人や家族介護者への支援の強化
(1)高齢者の虐待防止と身体的拘束廃止の推進
2.高齢者虐待の防止と
権利擁護
①高齢者の虐待防止
②身体拘束廃止の推進
(2)高齢者の権利擁護と成年後見制度の利用促進
80
第4章
基本目標
施策の方向
第6期計画の基本理念及び基本目標
3.施策の体系
事業・取り組み内容
(1)一般介護予防事業の
推進
①介護予防普及啓発事業
②地域介護予防活動支援事業
①介護予防・生活支援サービス事業対象者の把握
(2)介護予防・生活支援
サービス事業の推進
②おおつ元気アップ教室(通所型介護予防事業)
③「食」の自立支援事業
④訪問型介護予防事業
⑤家事援助サービス事業
基本目標3
(3)介護予防サービスの
推進
①サービス内容の周知
(4)生活支援サービスの
充実・強化
①生活支援サービスの基盤整備
②サービスの質の確保
②生活支援サービスコーディネーターの設置
(5)介護予防・日常生活
支援総合事業につい ①介護予防・日常生活支援総合事業の取り組み
高齢者等が健や
て
かに生活し、社会
①健康増進事業等健康づくりの推進
参加ができるま
(6)健康づくりの推進
②高齢者スポーツの振興、老人健康広場整備
ち
事業の推進
(生活支援・介護
予防サービスの
基盤整備の推進)
①社会参加の促進
②就労促進、シルバー人材センターの活用・充
(7)高齢者の社会参加及
び生きがいづくりの
推進
実、地域振興
③高齢者クラブ活動の活性化
④生涯学習、世代間交流等の促進
⑤ボランティア活動への支援
⑥健康づくり・生きがいづくりの場の提供
①福祉の意識形成
(8)福祉意識の啓発
②ふれあいのまちづくり
①消費者啓発事業
(9)その他の日常生活を
送るうえでの支援
②家庭ごみふれあい収集
③高齢者等地域見守りネットワーク事業
④はり、きゅう、マッサージ施術に対する施術費助成
81
第4章 第6期計画の基本理念及び基本目標
3.施策の体系
基本目標
施策の方向
事業・取り組み内容
基本目標4
①特別養護老人ホームに代わる入居施設の充実
安 心 し て 暮 ら し (1)大津市の住環境の
整備
続けることがで
きる住まいが整
っているまち
( 高 齢 者 の 居 住 (2)防災・安全対策の
安定に関わる施
推進
②高齢者の住まいの確保
③交通環境の整備推進
①ひとり暮らし高齢者宅安全対策の推進
②防火・防災・防犯事業
策との連携)
(1)チーム数の増設
(2)効果的な運営継続のための評価の実施
1.地域包括支援センタ (3)地域包括支援センター及び生活支援・介護
ーの機能強化方針に
予防サービス情報の公表
ついて
(4)認知症初期集中支援チームの設置
(5)生活支援コーディネーター(地域支え合い
推進員)の配置
基本目標5
地域の中で安心
していきいき暮
らせるまち
(地域包括支援
センターの機能
強化)
2.大津市における地域
包括支援センターの
体制
(1)地域包括支援センターの直営体制のメリット
(2)地域包括支援センターとすこやか相談所
併設のメリット
(3)地域包括支援センター推進体制
(1)地域ケア会議
①地域ケア会議の推進
(2)地域包括支援センターの運営
①介護予防ケアマネジメント
②総合相談
3.地域包括支援センタ
ーの役割や機能
③包括的・継続的ケアマネジメント
④地域づくり
⑤指定介護予防支援業務
(3)健康づくり・生きがいづくりの推進
①健康づくり・生きがいづくりの情報提供
②健康づくり・生きがいづくりの市民活動
の支援
82
第4章
基本目標
施策の方向
第6期計画の基本理念及び基本目標
3.施策の体系
事業・取り組み内容
1.計画対象者の推計
2.要支援・要介護認定者数の推計
(1)居宅サービスの利用量の推計
①居宅サービスの受給者数(延べ人数)
②介護予防サービスの受給者数(延べ人数)
(2)地域密着型サービスの利用量の推計
①地域密着型サービスの受給者数(延べ人数)
②地域密着型介護予防サービスの受給者数
(延べ人数)
(3)施設サービスの利用量の推計
①施設サービスの受給者数(延べ人数)
(4)地域密着型サービスの整備目標
①認知症対応型通所介護及び介護予防認知症
基本目標6
適切な介護保険
サービスを利用
できるまち
対応型通所介護
3.介護サービス・介護
②小規模多機能型居宅介護及び介護予防小規
予防サービスの実績
と見込み
模多機能型居宅介護
③認知症対応型共同生活介護及び介護予防認
知症対応型共同生活介護
(介護保険サー
ビスの充実)
④地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
⑤定期巡回・随時対応型訪問介護看護
⑥看護小規模多機能型居宅介護
⑦夜間対応型訪問介護
⑧地域密着型特定施設入居者生活介護
(5)入所・居住系サービスの整備目標
(6)介護給付サービスの給付費の推計
(7)予防給付サービスの給付費の推計
(8)総給付費の推計
4.地域支援事業の見込み
(1)地域支援事業の費用額推計
(2)地域支援事業の内容
(1)第1号被保険者の介護保険料
5.介護保険料について
(2)保険料及び地域支援事業に要する費用の
負担割合
(3)所得段階別保険料
83