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管理番号
5
研究内容の説明文
研究課題名
末梢血中のエフェクターおよび制御性リンパ球の迅速測定法の開発
研究期間
平成 27 年 4 月-平成 28 年 3 月
研究機関名
シスメックス株式会社
研究責任者職氏名
取締役常務執行役員 渡辺 充
研究の説明
〔本研究の意義〕
現在,輸血や骨髄・臍帯血移植療法が,癌や血液腫瘍などを含む多くの患者さんに行わ
れています。しかし,他人の血液を輸血・移植することにより,時には拒絶・免疫反応が
生じたり,移植片対宿主病 (GVHD)や免疫異常などが生じて,患者さんの予後や病態に大
きく影響することがあります。これに対して,対症療法的な治療が行われますが,各患者
さん毎に適切な薬剤の投与量や種類を明瞭に示す検査指標がありません。本研究では,患
者さんの血液を測定して免疫の状態を迅速かつ的確に測定する技術を確立し,上記の治療
に役立てたいと考えています。
〔目的〕本研究では,当社(シスメックス社)の血液計測装置と独自のフローサイトメー
ター(FCM)技術を用いて,患者さんの末梢血中にある,各種の免疫細胞を迅速かつ正確に
測定する技術の開発を目指します。
〔方法(献血血液の使用方法)〕本研究では,日赤献血検体の中の検査残余血液と白血球
除去フィルターの白血球を回収し,免疫細胞の解析に使用させていただきます。
血液計測装置とフローサイトメーター装置(いずれも血液細胞を個別に分類する計測
器)を用いて,白血球に含まれる各種の免疫細胞(活性化された免疫細胞,免疫反応を抑
制する細胞,恒常的に病原体や異物を排除している細胞など)を分類し計測します。
献血検体は,これらの測定を正確かつ迅速・簡便にするための様々な測定条件の検討の
ために使用させていただきます。
〔予想される研究の結果〕本研究の成果により,患者さんの末梢血検体の検査から迅速か
つ簡便に免疫細胞の数と活性化状態が分かるようになります。それにより医師が個々の患
者さんの状態に応じて,様々な免疫抑制剤や抗癌剤などの処方や治療を行うことを支援で
きる可能性が開けます。使用させていただく献血検体は匿名化されているため,献血者に
は直接に結果をお返しできませんが,輸血・移植医療の安全性と効果の向上に貢献します。
〔血液の廃棄と保管等〕
本研究に使用する献血検体は当社の研究室の鍵のかかる保管庫にて保管します。基本的
には全量を研究に使用し,測定を完了した検体は滅菌処理をした後に,医療用廃棄物とし
て適切に廃棄いたします。
受付番号
本研究に関する問い合わせ先
所属
シスメックス株式会社 ヘマトロジー事業ユニット
担当者
小林民代
電話
078-991-1911
Mail
[email protected]
27J0023