02 抜き型 主査 森 茂樹 先生 (職業能力開発総合大学校) Press Tool Making プレス金型を仕上げる、ミクロ感覚の手わざ。 製造業では高精度で複雑な機械部品を製造するために、金属の薄板を打ち 抜く工程があります。 「抜き型」は、この薄板を打ち抜くためのプレス金型 の一種です。精度の高いプレス製品を作るには、この抜き型の性能が大切で す。現在、そうした金型は高精度な NC 工作機械などで製造されていますが、 ミクロ精度のプレス製品を大量に生産できる、より高精度な機能を備えた抜 き型の製造には、 最終的には人の手による仕上げや調整作業が欠かせません。 第51回技能五輪 競技課題例 魅 力 高精度な手作業が、 産業を支え社会に役立つ。 抜き型の製造は NC 工作機械によ るものがほとんどですが、手作業の 経験はその合理的な加工を可能にし ます。また、抜き型製作で培った技 能は他の機械加工でも役立ちます。 さらに、抜き型で加工された部品は、 生活に欠かせない自動車、電化製品、 携帯電話などあらゆる工業製品に多 数組み込まれ、ときには 100 万個 単位の製品を生むこともあるなど、 産業や社会への貢献度の高い技能と いえます。 第51回技能五輪 競技風景 競 技 の ポ イ ン ト 手の感覚を研ぎ澄まし、機械を越える高精度に挑む。 「抜き型」製作に関する加工・調 機械工作、ヤスリ仕上げ、組立て調 整技能の優秀さがポイント。与えら 整の精密かつ総合的な技能が問われ れた金型素材に対しフライス盤等の ます。 工作機械で中仕上げ程 度の加工をした後、ヤ スリや汎用測定器等を 用いて最終の仕上げ加 将 来 性 り打抜き金型を製作し 日本を活性化する、 世界トップレベルの金型産業。 ます。選手は主要部品 日本の金型産業は世界のトップレ の加工精度をミクロン ベル。抜き型は、まさに技術立国日 単位(0.001㎜)で調 本を支える金型産業の基本技能とし 整しなければならず、 て、これからの日本を活性化させる 短い競技時間の中で、 大切な役割を担い続けます。 工、組立調整作業によ The 52th National Skills Competition 21
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