東京商工リサーチ 特別企画 2015年4月1日 【3月速報値】 「人手不足」関連倒産(3月31日現在) ~ 2014年度は「求人難」型が前年度より2.3倍に増加 ~ 問合先:情報本部 電 話:03(6910)3155 大手企業を中心に業績が好転するなかで、依然として中小企業を中心に人手不足感が解消をみ せていない。東京商工リサーチでは、これまでも「人手不足」関連倒産を集計してきたが、主に 代表者死亡や入院などによる「後継者難」型、経営幹部や社員の退職に起因した「従業員退職」 型が中心だった。だが、最近は「求人難」型の増加が目立つ。 2015年3月の「人手不足」関連倒産は速報値で17件(前年同月28件)だった。これを受けて、 2014年度(2014年4月-2015年3月)の合計が304件(前年度比13.4%増、前年度268件)に達し た。内訳は「後継者難」型が266件(前年度241件)、「求人難」型が26件(同11件)、「従業員 退職」型が12件(同16件)。事業継承の課題が深刻化していることを背景に「後継者難」が圧倒 的だが、「求人難」型が前年度より2.3倍に増加したことが目を引く。「求人難」は景気改善の 制約要因になる恐れもあるため、今後の推移が注目される。 また、最近では、人件費高騰による負担増から資金繰りが悪化し倒産に至るケースも発生して いる。「人件費高騰」関連倒産は、3月が速報値で1件(前年同月3件)だが、2014年度の合計は 29件(前年度比141.6%増、前年度12件)になった。人手不足や人件費高騰は中小企業の重しに なっている。 人手不足関連倒産月次推移 人手不足関連倒産月次推移 年 2012(平成24)年度 2013(平成25)年度 2014(平成26)年度 月 件数 負債総額 件数 負債総額 件数 負債総額 4月 19 2,036 21 6,541 27 3,066 5月 23 4,940 19 2,083 30 3,468 6月 19 2,379 23 3,446 24 3,171 (件) 35 13 1,344 33 3,900 30 3,133 8月 17 1,380 23 3,296 24 2,350 20 7 211 25 4,484 29 2,395 15 7,000 21 3,336 21 1,839 11月 21 2,990 22 3,235 28 9,270 12月 17 1,834 18 2,359 25 1,848 1月 17 2,558 16 1,135 27 4,048 2月 18 1,454 19 1,353 22 2,839 3月 23 2,117 28 4,142 17 1,045 計 209 30,243 268 39,310 304 38,472 90 70 60 50 15 40 30 10 20 5 0 10 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 2012(平成24)年度 2013(平成25)年度 2014(平成26)年度 (負債総額単位:百万円) 2014(平成26) 年度 2014(平成26) 年度 件数 2013(平成25) 年度 前年度比 負債総額 人手不足関連倒産 産業別 件数構成比 人手不足関連 内容別倒産状況(4-3月) 内容 (億円) 100 80 7月 9月 負債総額 30 25 10月 件数 件数 負債総額 後継者難 266 10.37% 33,388 241 34,596 求人難 26 136.36% 3,840 11 1,634 従業員退職 12 ▲25.00% 1,244 16 3,080 人件費高騰 29 141.66% 15,328 12 18,061 (負債総額単位:百万円) 農・林・漁・鉱業 1.64% サービス業他 18.09% 建設業 26.31% 情報通信業 3.61% 運輸業 8.22% 不動産業 2.63% 製造業 15.13% 小売業 9.53% 卸売業 14.80% -1- 0
© Copyright 2024 ExpyDoc