Prog. Med. 35(suppl. 1):341, 2015 開 会 の 挨 拶 代表幹事/国際医療福祉大学三田病院病院長 小 川 聡 皆様ご承知のとおり,ここ数年,アミオダロンの代替薬の開発が欧米を中心に進められていますが,あまり よい成果が得られていません.そのため,いまだにアミオダロンは心不全に対して使用できる唯一の治療薬, 世界最強の抗不整脈薬という位置づけになっています. その一方で,開発してから数十年たったいまでも,その作用機序は完全に解明されたわけではなく,基礎系 の研究者が精力的に研究を進めています.当研究会では,長年にわたって様々な知見を蓄積し,情報交換の場 を提供することで,その発展に貢献してまいりました. 記憶に新しいところでは,2010年には心不全に伴う心房細動に,2013年には静注薬が電気的除細動抵抗性の 心室細動あるいは無脈性心室頻拍による心停止に適応拡大されています.心停止に適応が広がったことにより, 救急医療の分野でも手に取る機会が多くなり,不整脈分野だけで使用される薬物ではなくなりました.2013年 6 月に毒薬指定から劇薬指定に変更されたことも,その一助になっていると思われます. このことを踏まえ,第18回の当研究会からは救急科,外科,心不全領域の先生にも研究会幹事としてご参画い ただき,研究会の新しい方向性を模索しているところです.ただ現状では,当研究会も含め,研究者が自由に 情報交換できる場が必ずしも整っているとはいえません.しかし,これにひるむことなく,むしろ内容のさら なる充実化を図り,ご参画いただきました先生方に役立つよう,日常診療に貢献できるようにしてまいりたい と考えております. 本日は,先生方のご協力のもと,当研究会を盛り上げていただくことをお願い申し上げまして,開会の挨拶 とさせていただきます. ──9(341)──
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