高齢者が健康で生きがいを持ち

目
総
Ⅰ
Ⅱ
次
論
計画策定の趣旨
1 計画の位置づけ
2
2 計画の期間
2
3 他の計画との関連
2
4 計画策定の背景と趣旨
3
計画策定の基本的な考え方
1 本計画の目指すところ
Ⅲ
各
2
8
8
2 重点項目
10
3 施策の体系
11
計画の推進体制
12
論
Ⅰ
地域包括ケアの推進体制
14
Ⅱ
施策の方向1 高齢者の生きがいと健康づくり
15
1 個別施策1 生きがいづくり
1 生きがい活動への支援
(1)多様な趣味活動や学習機会の提供
(2)発表の場・交流機会の充実
2
社会参加活動の促進
(1)ボランティア活動の推進
(2)地域活動の推進
(3)就業機会の充実
2 個別施策2 健康づくりと疾病予防
1 疾病予防と悪化防止
(1)生活習慣病の早期発見
(2)生活習慣病の発症・悪化防止
(3)感染症の発症・悪化防止
2
17
17
17
18
18
19
22
22
23
23
23
24
24
健康づくり活動の推進
24
(1)健康の維持・増進
(2)生涯スポーツの推進
25
25
Ⅲ
施策の方向 2 高齢者が支え合いながら安心して
生活ができる環境整備
1 個別施策1 地域ネットワークづくり
1 日常生活圏域とほやねっと(地域包括支援センター)
の担当エリアの見直し
(1)日常生活圏域とほやねっとの担当エリアの見直し
2
ほやねっと(地域包括支援センター)機能の強化
(1)ほやねっとの組織体制の強化
(2)ほやねっとの効果的な運営
3
26
30
30
31
34
35
35
地域ケア会議の充実
36
(1)地域ケア会議の充実
36
2 個別施策2 認知症施策の総合的推進
1 認知症施策の検討・推進
(1)認知症施策の検討・推進
2
38
38
38
認知症予防と知識の普及啓発
38
(1)認知症の知識の普及啓発
(2)認知症予防に向けた取組の実施
39
3
39
認知症の早期発見・早期対応
40
(1)認知症の早期発見・早期対応
40
4
認知症ケアの充実・地域づくり
41
(1)認知症ケアの充実・地域づくり
41
5
認知症の人とその家族への支援
42
(1)認知症の人とその家族への支援
42
3 個別施策3 在宅医療・介護の連携強化
1 在宅医療・介護の連携に係る施策の検討・推進
44
(1)在宅医療・介護の連携に係る施策の検討・推進
44
2
44
多職種連携体制の整備
44
(1)多職種連携体制の整備
44
3
在宅医療・介護についての知識の普及啓発
45
(1)在宅医療・介護についての知識の普及啓発
45
4 個別施策4 地域生活支援体制の充実
1 高齢者の見守り体制の充実
(1)緩やかな見守り体制の構築(個人を特定しない見守り)
(2)日常的な見守り体制の構築(個人を特定した見守り)
2
高齢者の在宅生活のための支援
(1)日常生活に不安のある高齢者へのサービス
(2)買い物支援の充実
(3)防犯・防災体制の確立
47
47
47
48
50
51
52
53
3
高齢者の住まい環境と生活環境の整備
(1)居宅住環境の整備
(2)在宅での生活が困難な高齢者に対する住まいの提供
(3)高齢者に配慮したまちづくりの推進
5 個別施策5 権利擁護の推進
1 成年後見体制の整備
(1)成年後見制度と本人への保護・支援
2
高齢者虐待への対策
(1)高齢者虐待防止に向けた普及啓発と早期発見
(2)高齢者虐待への対応
Ⅳ
施策の方向 3 高齢者の介護予防と介護保険サービスの充実
1 個別施策1 介護予防
1 介護予防の推進
(1)すべての高齢者を対象とした介護予防(一般介護予防事業)
54
54
55
55
57
57
57
58
58
58
60
63
63
63
2 個別施策2 介護保険サービス基盤の整備
1 介護保険サービスの利用見込みと供給体制確保
65
(1)介護保険サービスの利用見込みと供給体制確保
66
65
2 新しい介護予防・日常生活支援総合事業の利用見込みと実施体制づくり
73
(1)新しい介護予防・日常生活支援総合事業の利用見込みと実施体制づくり
74
3
事業費の見込みと保険料
76
(1)事業費の見込みと保険料
76
3 個別施策3 介護保険事業の適正な運営
1 要介護・要支援認定の適正化
78
(1)要介護・要支援認定の適正化
2
適正な介護保険サービスの確保
(1)介護保険事業の円滑・適正な運営
(2)介護保険サービス事業者の資質向上
(3)サービス内容及び介護給付の適正化
78
78
78
79
79
利用者負担の適正化
79
80
(1)利用者負担の適正化
80
3
4
低所得者対策
(1)公費による保険料軽減の強化
(2)介護保険サービス利用者負担の軽減
81
81
81
資料編
●計画策定までの経緯
83
●第七次福井市老人保健福祉計画・第 6 期福井市介護保険事業計画策定委員名簿
84
●福井市老人保健福祉計画・福井市介護保険事業計画策定委員会設置要綱
85
●関連用語の解説
86
総論
- 1 -
Ⅰ 計画策定の趣旨
1 計画の位置づけ
本計画は、老人福祉法第 20 条の 8 の規定に基づく老人福祉事業の実施に必要な事項に加えて、
高齢者の健康の増進、疾病の予防といった保健事業を取り入れた「老人保健福祉計画」と、介護保険
法第 117 条の規定に基づく介護保険サービス見込み量や介護保険事業を円滑に実施するために必
要な事項などを定める「介護保険事業計画」を、一体的に策定するものです。
※オアシスプラン
本市の老人保健福祉計画・介護保険事業計画を、
「オ」お互いに、
「ア」安心して、
「シ」幸せで、
「ス」
すこやかに、過ごしていただくための計画として、頭文字をとってオアシスプランと呼称しています。
本計画を計画期間の初年度をとって、
「オアシスプラン 2015」とします。
2 計画の期間
平成 27 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日までの 3 年間
3 他の計画との関連
本市の基本計画である第六次福井市総合計画では、
「すべての市民が健康で生きがいをもち長生き
できるまちをつくる」ことを目指し、これからの超高齢社会に向けて、高齢者が生き生きと安心して
生活できるよう、高齢者がボランティアなどを通して地域社会に参画できる環境の整備や、高齢者の
個々の状況に応じた生活支援を行うこととしています。
また、継続的・効果的な介護予防事業を進めるとともに、必要となった場合には適切な介護が受け
られるよう、介護保険サービスの充実を図ることを掲げています。
本計画は、第六次福井市総合計画はもとより、市が取り組む健康づくりの方向性を示した「健康ふ
くい21(第四次福井市保健計画)※1」
、地域で支え合い、安心して暮らせる福祉サービスの仕組み
※2
づくりを示した「福井市地域福祉計画 」及び障がいのある人の社会参加や住みよいまちづくりの
方向性を示した「福井市障がい者福祉基本計画 ※3」といった、本市の保健・福祉分野の関連計画と
の整合性を図りつつ策定します。
《オアシスプラン2015の位置づけ》
第六次福井市総合計画
(平成24年度~28年度)
基本目標 2「みんなでつくる住みよいまち」
政
策 9「すべての市民が健康で生きがいをもち長生きできるまちをつくる」
施
策 34「高齢になっても生きがいをもち安心して暮らせる社会をつくる」
35「充実した介護の体制づくりをすすめる」 ほか
健康ふくい21【第四次福井市保健計画】
(平成 17年度 ~ 27年度)
第七次福井市老人保健福祉計画
第6期福井市介護保険事業計画
第2次福井市地域福祉計画(平成 24年度 ~ 28年度)
<オアシスプラン2015>
( 平成 27年度 ~ 29年度)
福井市障がい者福祉基本計画(平成 27年度 ~ 32年度)
※1:健康ふくい21(第四次福井市保健計画):市が取り組む健康づくりの方向性を示し、市民一人ひとりがその人らしく豊
かな生活を送るための健康づくり運動を総合的に推進することを目指す計画。
※2:福井市地域福祉計画:誰もが人として尊厳をもって、家庭、地域の中で、いきいきと暮らせる地域社会を実現するため
に、市民、各地域団体、行政等のそれぞれが連携して様々な活動に取り組む目標を示している計画。
※3:福井市障がい者福祉基本計画:障がい者の社会参加、住みよいまちづくりを推進するため、障がいのある人すべてが
地域で安心して生活できるよう、障がい者支援の基本的目標を示す計画。
- 2 -
4 計画策定の背景と趣旨
(1) 全国的な高齢化の現状と今後の見込み
我が国は、急速に長寿命化が進み、日本人の平均寿命 ※1は男性が 80.21 歳、女性が 86.61 歳で、
男女あわせた平均寿命は世界一となっています。また、高齢化率 ※2は、25.6%となっており、日本
の人口の将来推計における高齢者人口の構成 ※3は、2035 年(平成 47 年)には 3 人に 1 人が 65
歳以上となることが予測されています。
特に、75 歳以上の後期高齢者は、いわゆる団塊の世代が 75 歳を迎える 2025 年(平成 37 年)
まで急速に増加し、その後も 2053 年(平成 65 年)まで緩やかに増加することが見込まれていま
す ※3。
要介護リスクの高まる後期高齢者の増加は、介護給付費の増加につながることから、2012 年(平
成 24 年)には 8.9 兆円であった介護給付に係る総費用額が、2025 年(平成 37 年)には 21 兆円ま
で増加することが見込まれています ※4。
(2) 本市の高齢化の現状と今後の見込み
① 高齢化の進展と後期高齢者の増加
本市の高齢化率は、平成 26 年 10 月 1 日現在 26.4%となっており、10 年後の 36 年には、高
齢化率は 30%を超え、その後も上昇していくことが見込まれます。
また、75 歳以上の後期高齢者は、平成 26 年 10 月 1 日現在 35,105 人、全人口に占める割合は
13.1%となっていますが、
全国的な傾向と同じく、
いわゆる団塊の世代が75歳を迎える37年には、
44,412 人、17.6%と大幅な増加が見込まれます。
■ 本市の高齢化の推移(H12~H25)■
300,000人
35%
271,190人 271,294人 271,370人 271,506人 271,131人 270,736人 270,709人 270,562人 270,204人 269,807人 269,194人 268,554人 268,643人 267,509人
30%
250,000人
200,000人
(18.4%)
(19.1%)
(19.6%)
221,195人 219,573人 218,271人
50,000人
0人
(20.7%)
(20.4%)
(21.1%)
(22.4%)
(23.0%)
(23.4%)
(23.6%)
(24.0%)
20%
216,910人 215,931人 214,746人
(10.6%)
(10.8%)
(10.9%)
(11.1%)
(10.9%)
(10.8%)
(9.0%)
(9.5%)
(7.8%)
(8.6%)
(9.9%)
(8.2%)
28,809人
29,401人
29,710人
30,119人
29,431人
29,287人
(11.9%)
(12.3%)
(12.7%)
(13.0%)
15%
(11.6%)
(11.4%)
(11.6%)
(11.2%)
(11.3%)
(11.9%)
10%
30,419人
30,775人
31,163人
30,154人
30,296人
31,948人
31,221人
31,951人
33,103人
33,973人
34,873人
H21
H22
H23
H24
H25
(10.9%)
(11.3%)
(10.3%)
(10.9%)
(11.2%)
29,309人
29,366人
(10.8%)
21,186人
22,320人
23,389人
24,477人
25,769人
26,703人
27,919人
29,553人
30,172人
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
5%
0%
後期高齢者
前期高齢者
65歳未満
高齢化率
前期高齢者の割合
後期高齢者の割合
※各年度4月1日現在
※住民基本台帳による人口推移(H12~H17 は、旧美山町、旧越廼村、旧清水町の人口を合算)
。
※後期高齢者は 75 歳以上の高齢者、前期高齢者は 65 歳以上 75 歳未満の高齢者。
※1
※2
※3
※4
25%
213,481人 211,643人 209,613人 207,811人 206,080人 205,297人 203,837人 200,688人
150,000人
100,000人
(20.1%)
(21.8%)
(25.0%)
厚生労働省「平成 25 年簡易生命表」(平成 26 年 7 月)より
総務省統計局「人口推計 平成 26 年 4 月 1 日現在(概算値)」(平成 26 年 4 月)より
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口 出生中位(死亡中位)推計」(平成 24 年 1 月)より
厚生労働省老健局「介護保険制度の改正案について」(平成 26 年 2 月)より
- 3 -
■ 本市の高齢化の今後の見込み(H26~H41)■
35%
300,000人
261,682人
267,345人 266,228人 265,095人
(30.6%) (30.8%) (31.0%)
263,960人 262,827人
260,166人 258,639人 257,114人 (29.8%) (30.0%) (30.2%) (30.4%)
250,000人
(27.3%) (27.8%)
(26.4%) (26.8%)
250,388人 248,551人 246,719人 244,871人
255,587人 254,040人
(29.3%) (29.5%)
252,220人
(28.3%) (28.8%) (29.0%)
30%
25%
200,000人
196,895人 194,800人 192,693人 190,585人 188,478人 186,364人 184,643人 182,914人 181,186人 179,457人 177,714人 175,962人 174,200人 172,437人 170,675人 168,904人
150,000人
(13.1%)
(18.2%) (18.5%) (18.9%)
(17.6%) (17.9%)
(16.8%) (17.3%)
(16.4%)
(15.5%) (15.9%)
(14.6%) (15.0%)
(13.5%) (13.9%) (14.3%)
100,000人 (13.2%) (13.3%) (13.4%) (13.5%) (13.7%)
(13.8%) (13.6%) (13.4%)
(13.2%) (13.0%) (12.7%)
(12.6%) (12.5%) (12.4%) (12.3%)
(12.2%)
35,885人 36,018人 35,289人 34,559人 33,830人 33,100人 32,367人 31,846人 31,324人 30,802人 30,280人 29,755人
50,000人 35,345人 35,481人 35,616人 35,750人
20%
15%
10%
5%
35,105人 35,947人 36,786人 37,625人 38,464人 39,300人 40,234人 41,166人 42,098人 43,030人 43,959人 44,412人 44,864人 45,312人 45,764人 46,212人
0人
0%
H26
H27
H28
後期高齢者
H29
H30
H31
前期高齢者
H32
H33
65歳未満
H34
H35
高齢化率
H36
H37
前期高齢者の割合
H38
H39
H40
H41
後期高齢者の割合
※コーホート変化率法(H21 年 10 月 1 日と H26 年 10 月 1 日の 2 時点の住民基本台帳による人口)を用いて推計。
■ 高齢化進行の比較表(H26~H37)■
65 歳以上
H26
H37(見込み)
増加率
人口
(高齢化率)
人口
(高齢化率)
福井市 ※1
70,450 人
(26.4%)
76,258 人
(30.2%)
1.08 倍
※2
216,703 人
(27.4%)
233,973 人
(31.8%)
1.08 倍
3,300 万人
(26.0%)
3,657 万人
(30.3%)
1.11 倍
福井県
全国
※3
75 歳以上
H26
人口
H37(見込み)
(後期高齢化率)
人口
(後期高齢化率)
増加率
福井市 ※1
35,105 人
(13.1%)
44,412 人
(17.6%)
1.27 倍
※2
113,191 人
(14.3%)
138,769 人
(18.9%)
1.23 倍
1,592 万人
(12.5%)
2,179 万人
(18.1%)
1.37 倍
福井県
全国
※3
※1:平成 26 年、平成 37 年見込みともに 10 月 1 日現在。
※2:平成 26 年は、福井県政策統計・情報課「福井県の年齢別人口(推計) 平成 26 年 7 月 1 日現在」より
平成 37 年見込みは、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成 25 年 3 月推計)
」より
※3:平成 26 年は、総務省統計局「人口推計 平成 26 年 10 月 1 日現在(概算値)」より
平成 37 年見込みは、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成 24 年 1 月推計)出生中位(死亡
中位)推計」より
② 在宅生活に不安を抱える高齢者(高齢者のみで構成される世帯)の増加
平成 26 年 10 月 1 日現在の高齢者のみで構成される世帯の数は 22,625 世帯、総世帯数に占め
る割合は 22.8%となっています。そのうち、高齢者ひとり世帯数は 12,608 世帯で、総世帯数に占
める割合は 12.7%、また、高齢者複数世帯数は 10,017 世帯で、総世帯数に占める割合は 10.1%
となっています。
高齢者ひとり世帯のうち、約 4 割の高齢者は日常生活に支援が必要と感じており、そのうち後期高
齢者ではその傾向が一層強くなります。
また、後期高齢者になると、約3人に1人は介護が必要になります。高齢者のみで構成される世帯
でも介護保険サービスを受けている人が多くいます。
こうした在宅生活での不安を抱える高齢者が、住み慣れた地域で暮らし続けるためには、50%以
上の人が地域での見守りや助け合いが必要であると考えています。
- 4 -
■ 高齢者のみで構成される世帯の推移(H22~H26)■
総世帯数 ※
高齢者のみで構成される世帯
(総世帯に占める割合)
うち 高齢者ひとり世帯
(総世帯に占める割合)
H22
H23
H24
H25
H26
94,011
94,961
95,646
98,506
99,376
18,444
18,836
19,969
21,390
22,625
(19.6%)
(19.8%)
(20.9%)
(21.7%)
(22.8%)
10,171
10,522
11,186
11,907
12,608
(10.8%)
(11.1%)
(11.7%)
(12.1%)
(12.7%)
前期高齢者
4,003
3,983
4,262
4,595
5,025
後期高齢者
6,168
6,539
6,924
7,312
7,583
うち 高齢者複数世帯
8,273
8,314
8,783
9,483
10,017
(8.8%)
(8.8%)
(9.2%)
(9.4%)
(10.1%)
(総世帯に占める割合)
※各年度 10 月
日現在、平成 24 年度までは外国人世帯を含まない。
■ 要介護認定者の高齢者人口に占める割合 ■
人
前期高齢者
(65 歳~74 歳)
要介護認定者合計
口
要支援1・2
要介護1・2
要介護3~5
(人口に対する割合)
(人口に対する割合)
(人口に対する割合)
1,188 人
(3.4%)
357 人
(1.0%)
420 人
(1.2%)
411 人
(1.2%)
11,250 人
(32.0%)
2,470 人
(7.0%)
4,317 人
(12.3%)
4,463 人
(12.7%)
(人口に対する割合)
35,345 人
後期高齢者
35,105 人
(75 歳以上)
※平成 26 年10月 1 日現在。
■ ひとり暮らし高齢者の日常生活状況等 ■
問.家で⽣活を送る上で、援助や⽀援をしてほしいことがありますか。
0%
20%
ひとり暮らし高齢者
(うち前期高齢者)
40%
60%
37.4%
100%
62.6%
26.8%
73.2%
54.0%
46.0%
(うち後期高齢者)
80%
ある
ない
※福井市日常生活圏域ニーズ調査より(平成 26 年 1 月実施)
問. 今後もひとり暮らしや⾼齢者世帯の増加が⾒込まれますが、住み慣れた地域で暮らしていくため
に、地域ではどのような⽀援が必要だと思いますか。
(いくつでも〇)
0%
20%
40%
60%
52.8%
1.民生委員、自治会等の
声かけ、見守り
50.5%
55.7%
54.9%
2.地域での助け合い
58.7%
50.3%
40.8%
39.7%
42.0%
3.高齢者が集まることの
できる場の充実
32.3%
31.4%
33.3%
4.地域包括支援センターや行政
による定期的な訪問活動
5.緊急通報装置等、自らが
安否表示できる体制の整備
6.その他
全体 (N=2,889)
39.0%
41.8%
35.6%
2.4%
2.2%
2.7%
前期 (N=1,585)
後期 (N=1,304)
※福井市日常生活圏域ニーズ調査より(平成 26 年 1 月実施)
- 5 -
③ 認知症高齢者の増加
平成 26 年 4 月 1 日現在の 65 歳以上の高齢者 69,333 人のうち、日常生活に支障のある認知症
の症状がみられる高齢者 ※は、8,331 人、全高齢者に占める割合は 12.0%となっています。平成
37 年度には、11,329 人まで増加し、全高齢者の 14.9%を占めるようになると推計され、国の推
計値 12.8%と比較すると高い割合であることがわかります。
※要介護認定に係る認定調査票での「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱ以上の高齢者。
■「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱ以上の数の推移と見込み ■
80,000 人
70,000 人
63,257
60,000 人
12.0%
64,269
12.5%
16%
76,258
73,375
72,402
71,428
69,333
66,821
14%
14.9%
12.4%
12%
12.7%
12.3%
12.0%
12.0%
50,000 人
10%
40,000 人
8%
30,000 人
6%
20,000 人
4%
2%
10,000 人
7,602
8,057
8,318
8,331
8,589
8,937
9,297
H23
H24
H25
H26
H27
H28
H29
11,329
0人
0%
∼
Ⅱ以上が65歳以上高齢者に占める割合
Ⅱ以上の数
「認知症高齢者の日常生活自立度」
65歳以上高齢者数
H37
※H26 までは各年度 4月1日現在の実績値。H27以降は介護保険事業計画ワークシートによる10月1日時点での推計値。
■ 全国の「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱ以上の数の推移と見込み ■
将来推計(年)
H22
H27
H32
H37
日常生活自立度Ⅱ以上
280 万人
345 万人
410 万人
470 万人
9.5%
10.2%
11.3%
12.8%
※下段は 65 歳以上人口に占める割合。
※厚生労働省「
「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱ以上の高齢者数について」より(平成 24 年 8 月公表)
④ 要介護認定者の増加
平成 12 年の介護保険制度の創設以来、本市の要介護認定者の数は年々増加しています。
平成 26 年10月 1 日現在の 65 歳以上の要介護認定者数は 12,438 人、認定率 ※は17.7%
となっており、37 年度には 16,935 人、22.2%と大幅な増加が見込まれます。
※65 歳以上の介護保険被保険者数に対する要介護認定者の割合。
■ 要介護認定者数の推移と見込み ■
80,000 人
70,000 人
60,000 人
58,117
16.2%
59,820 61,375
16.0%
16.1%
62,715 63,390 63,328
16.1%
16.6%
50,000 人
15.1%
40,000 人
14.7%
14.9%
15.1%
15.9%
65,532
68,037
76,258
73,375
70,374 71,428 72,402
22.2%
17.2%
17.5%
17.8%
17.9%
17.1%
17.5%
17.7%
16.7%
18.1%
18.6%
25%
20%
19.0%
15%
10%
30,000 人
20,000 人
5%
10,000 人
8,774
8,773
9,140
9,495
H18
H19
H20
H21
13,977
10,081 10,588 11,216 11,887 12,438 12,932 13,448
16,935
0人
0%
H22
被保険者数(65歳以上・福井市)
H23
H24
H25
H26
H27
認定者数(65歳以上・福井市)
H28
H29
∼
認定率(福井市)
※福井市の H18~H25 の被保険者数・認定者数・認定率は、各年度10 月 1 日現在で算出。
※国の H18~H26 の認定率は、各年度 10 月 1 日で算出(ただし、H26 は暫定値による)
。
- 6 -
H37
認定率(全国)
⑤ 介護給付費の増加
平成 25 年度の本市の介護給付費は 19,579 百万円で、要介護認定者の増加に伴い年々増加してい
ます。平成 18 年度と比較すると 1.4 倍に増加しており、37 年度の推計値では 27,206 百万円、
25 年度の 1.4 倍になると見込まれます。
■ 介護給付費(年間)の推移と見込み ■
30,000 百万円
27,206
25,000 百万円
18,877
20,000 百万円
15,000 百万円
19,579
13,799 14,217
14,743
15,818
H20
H21
20,461
21,204
22,048
22,999
17,812
16,824
∼
10,000 百万円
5,000 百万円
0
H18
H19
H22
H23
H24
H25
H26
H27
H28
H29
∼
H37
※H25 までは各年度の実績値。H26 以降は推計値。H29、H37 においては、H29.4月から介護予防訪問介護
と介護予防通所介護が新しい総合事業に移行されるため、訪問型サービス・通所型サービスの見込みを含めた。
(P.73~75 参照)
。
■ 福井市年間介護給付費の内訳 ■
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
5,714
5,774
6,157
6,795
7,348
7,859
8,425
8,878
(41.4%)
(40.6%)
(41.8%)
(43.0%)
(43.7%)
(44.1%)
(44.6%)
(45.3%)
693
945
1,343
1,637
1,997
2,428
2,812
2,981
(5.0%)
(6.7%)
(9.1%)
(10.3%)
(11.9%)
(13.6%)
(14.9%)
(15.2%)
333
(2.4%)
367
(2.6%)
491
(3.3%)
558
(3.5%)
654
(3.9%)
812
(4.6%)
860
(4.6%)
930
(4.7%)
0
-
0
-
166
(1.1%)
237
(1.5%)
404
(2.4%)
587
(3.3%)
653
(3.5%)
653
(3.3%)
居宅サービス
(割合)
単位:百万円
地域密着型サービス
(割合)
うち グループホーム
(割合)
うち 地域密着型特養
(割合)
施設サービス
7,392
7,498
7,244
7,387
7,479
7,524
7,639
7,719
(割合)
(53.6%)
(52.7%)
(49.1%)
(46.7%)
(44.4%)
(42.3%)
(40.5%)
(39.4%)
合
13,799
14,217
14,743
15,818
16,824
17,812
18,877
19,579
計
※百万円単位で四捨五入して表示しているため、各内訳の合計と合計欄の金額が合わない場合がある。
※給付費は各年度の年報の数値
■ 全国 年間 介護給付費の内訳 ■
単位:百万円
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
2,491,359
2,862,578
3,022,819
3,292,266
3,545,554
3,782,828
4,085,299
(48.8%)
(49.1%)
(49.7%)
(50.7%)
(51.9%)
(52.6%)
(53.3%)
348,473
444,990
508,182
568,010
624,012
701,024
802,735
(6.8%)
(7.6%)
(8.4%)
(8.7%)
(9.1%)
(9.7%)
(10.5%)
302,126
362,213
384,382
404,986
427,891
461,642
498,759
(5.9%)
(6.2%)
(6.3%)
(6.2%)
(6.3%)
(6.4%)
(6.5%)
2,368
5,528
12,575
21,140
27,457
43,925
70,881
(0.05%)
(0.09%)
(0.2%)
(0.3%)
(0.4%)
(0.6%)
(0.9%)
施設サービス
(割合)
2,264,924
2,529,300
2,543,114
2,637,259
2,669,997
2,709,726
2,770,379
(44.4%)
(43.3%)
(41.9%)
(40.6%)
(39.0%)
(37.7%)
(36.2%)
合
5,104,755
5,836,868
6,074,116
6,497,534
6,839,564
7,193,579
7,658,414
居宅サービス
(割合)
地域密着型サービス
(割合)
うち グループホーム
(割合)
うち 地域密着型特養
(割合)
計
※百万円単位で四捨五入して表示しているため、各内訳の合計と合計欄の金額が合わない場合がある。
※給付費は各年度の年報の数値(集計区分変更のため、H18のみH18.4~H19.2の集計)。
- 7 -
Ⅱ 計画策定の基本的な考え方
1 本計画の目指すところ
本市の高齢化の現状を踏まえ、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の
最期まで続けることができるよう、地域包括ケアシステム ※1(次頁)を構築する必要があります。
この地域包括ケアシステムは、今般の介護保険制度の改正 ※2(次頁)においても大きな柱として位置づ
けられており、高齢化が加速する中において、高齢者が安心して暮らせるまちづくりのための有効な
仕組みと言えます。
そこで、本計画では、
「高齢者が健康で生きがいを持ち、住み慣れた地域の中で支え合いながら安心
して生活を送れる社会づくり」を基本理念として掲げ、いわゆる団塊の世代が 75 歳を迎える 2025
年(平成 37 年)を見据えて、地域包括ケアシステムを構築します。
さらに、この基本理念を実現するため、次の3つを施策の方向と定めます。
1つ目は、
「高齢者の生きがいと健康づくり」として、元気な高齢者が積極的に社会参加し、支援を
必要としている高齢者を支える仕組みをつくるとともに、できるだけ長く健康で自立した生活が送れ
るよう健康づくりを強化します。
2つ目は、
「高齢者が支え合いながら安心して生活ができる環境整備」として、高齢者が安心して暮
らせる生活支援体制の充実や、
支援を必要とする高齢者を支える見守りネットワークの構築をはじめ、
認知症施策や在宅での医療と介護の連携などに取り組みます。
3つ目は、
「高齢者の介護予防と介護保険サービスの充実」として、効果的・効率的な介護予防の取
組を進める一方で、介護保険サービスの利用ニーズを踏まえて、サービス供給体制の確保に努めると
ともに、質の高いサービスを公平・公正に利用できる環境を整備します。
<基本理念>
高齢者が健康で生きがいを持ち、住み慣れた地域の中で支え合いながら安心して
生活を送れる社会づくり
~地域包括ケアシステムの構築~
◎施策の方向1◎
高齢者の生きがいと健康づくり
◎施策の方向2◎
高齢者が支え合いながら安心して
生活ができる環境整備
◎施策の方向3◎ 高齢者の介護予防と介護保険サービスの充実
- 8 -
※1:地域包括ケアシステム
地域包括ケアシステムとは、住まい・医療・介護・生活支援・介護予防のサービスが、日常生活の圏域で適切に提
供される体制のことで、高齢者が、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることが
できることを目的としています。
《地域包括ケアシステムのイメージ図》
病気になったら・・・
介護が必要になったら・・・
介護
医療
・急性期病院
・亜急性期・回復期
リハビリ病院
通院・入院 日常の医療:
・かかりつけ医
・地域の連携病院
住まい
・ほやねっと
・ケアマネジャー
相談業務やサービスの
コーディネートを行います。
通所・入所
■ 在宅系サービス:
・訪問介護 ・訪問看護 ・通所介護
・小規模多機能型居宅介護
・短期入所生活介護
・24時間対応の訪問サービス
・看護小規模多機能型居宅介護 等
認知症の人
■ 施設・居住系サービス
・介護老人福祉施設
・介護老人保健施設
・認知症対応型共同生活介護
・特定施設入居者生活介護 等
■ 介護予防サービス
・自宅
・サービス付き高齢者向け住宅 等
いつまでも元気に暮らすために・・・
生活支援・介護予防
老人クラブ・自治会・ボランティア・NPO 等
※ 地域包括ケアシステムは、おおむね30
分以内に必要なサービスが提供される日
常生活圏域(具体的には中学校区)を単
位として想定
※「介護保険制度の改正案について」
(平成26年2月 厚生労働省老健局)より
※2:介護保険制度の改正の内容
1 地域包括 ケアシステムの構築
【重点項目】 (1)サービスの充実
①在宅医療・介護連携の推進
医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ高齢者の在宅での暮らしを支えていくため、医療と介護保険サービスを
一体的に提供できるよう多職種による協働・連携の体制をつくります。
②認知症施策の推進
認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けることができる環境を整
備します。
③地域ケア会議の推進
支援が必要な個別ケースを地域住民と専門多職種が集まり支援が必要な個別ケースについて検討し、協働に
よる支援を通じて地域での生活を支えるネットワークを構築します。
④生活支援サービスの充実・強化(H27.4施行)
生活支援の必要な高齢者に対して、ボランティア、NPO、民間企業等の多様な主体がサービスを提供できる
環境を整備します。また、高齢者自身が、社会参加・社会的役割を持つことで、生きがいや介護予防につなげ
ます。
【重点項目】 (2)重点化・効率化
①全国一律の予防給付(訪問介護・通所介護)を市が取り組む地域支援事業に移行(H27.4施行)
要支援1、2が対象となる予防給付のうち、訪問介護と通所介護のサービスについて、平成29年度末まで
に地域支援事業に移行します。既存の事業所に加えて、ボランティア、NPO、民間企業等の多様な主体を活用
して高齢者を支援します。
②特別養護老人ホームの新規入所者を、原則、要介護 3 以上に限定(既入所者は除く)
(H27.4施行)
2 費用負担の公平化
【重点項目】(1) 低所得者の保険料軽減を拡充
①低所得者の保険料の軽減割合を拡大(H27.4施行)
国、県、市町村が新たに公費を投入し、低所得者の保険料を軽減します。
【重点項目】(2) 重点化・効率化
①一定以上の所得のある利用者の自己負担を引き上げ(H27.8施行)
一律1割の利用者負担について、負担能力がある一定以上の所得の者の自己負担割合を2割とします。
②低所得者の施設利用者の食費・居住費を補填する「補足給付」の見直し
(
(ア)H27.8、
(イ)H28.8施行)
施設入所等費用のうち、原則自己負担となる食費及び居住費について、住民税非課税世帯の者に対して行っ
ている補足給付の要件に、
(ア)預貯金、配偶者の所得、
(イ)非課税年金(遺族年金・障害年金)を追加します。
- 9 -
2 重点項目
基本理念及び施策の方向を実現するため、重点的に取り組むべき項目を次の7点としました。
◆重点項目1◆ 社会参加活動の促進(施策の方向1)
高齢者の就労や起業を支援するとともに、元気な高齢者がボランティア活動や、地域活動などに
自発的、積極的に参加できる体制をつくります。
≪具体的に取り組む内容≫
○介護サポーターポイント制度の拡充
○既存団体(老人クラブ・いきいき長寿よろず茶屋)の活動の拡大
○生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)の配置と協議体の設置
○就業機会の充実
◆重点項目2◆
日常生活圏域とほやねっと(地域包括支援センター)の
担当エリアの見直し(施策の方向2)
日常生活圏域とほやねっと(地域包括支援センター)の担当エリアを見直すことで、地域包括
ケアを推進します。
◆重点項目3◆
認知症予防と知識の普及啓発、認知症の早期発見・早期対応、
認知症ケアの充実・地域づくり(施策の方向2)
認知症に対して、正しい理解を地域に広め、早期発見・早期対応で認知機能の低下を遅らせ、住
み慣れた地域で暮らし続けることができる仕組みをつくります。
≪具体的に取り組む内容≫
〇認知症サポーターの養成
〇認知症検診の受診率向上
○認知症初期集中支援チームの利用促進
〇認知症徘徊 SOS ネットワークの構築
◆重点項目4◆ 多職種連携体制の整備(施策の方向2)
介護や医療処置が必要になっても、できる限り住み慣れた自宅で暮らし続けることができるよう、
在宅における医療と介護の連携を強化します。
≪具体的に取り組む内容≫
○在宅医療・介護関係者による多職種連携会議の開催
◆重点項目5◆ 高齢者の見守り体制の充実(施策の方向2)
高齢者のみ世帯を孤立させないため、支援が必要な高齢者のみ世帯の実態把握と、安心して自宅
で生活が送れる見守り体制を構築します。
≪具体的に取り組む内容≫
○多様な事業体による見守りネットワークの構築
○各種福祉団体と連携した日常的見守り体制の強化
○高齢者のみ世帯の実態把握
◆重点項目6◆ 成年後見体制の整備(施策の方向2)
高齢者の権利擁護を推進するため、成年後見等の利用を支援します。
◆重点項目7◆ 介護保険サービスの利用見込みと供給体制確保(施策の方向3)
2025年を見据えて、中長期的な見込みをもとに介護保険サービスの供給体制を計画的に整備し
ます。
- 10 -
3 施策の体系
※ は、
重点項目
個別施策1
施策の方向1
高齢者の生きがい
と健康づくり
生きがいづくり
個別施策2
健康づくりと
疾病予防
1
生きがい活動への支援
2
社会参加活動の促進
1
疾病予防と悪化防止
2
健康づくり活動の推進
1
日常生活圏域とほやねっと(地域包括支援セン
ター)の担当エリアの見直し
2
ほやねっと(地域包括支援センター)機能の強化
3
地域ケア会議の充実
1
認知症施策の検討・推進
2
認知症予防と知識の普及啓発
3
認知症の早期発見・早期対応
4
認知症ケアの充実・地域づくり
5
認知症の人とその家族への支援
1
在宅医療・介護の連携に係る施策の検討・推進
2
多職種連携体制の整備
3
在宅医療・介護についての知識の普及啓発
1
高齢者の見守り体制の充実
2
高齢者の在宅生活のための支援
3
高齢者の住まい環境と生活環境の整備
1
成年後見体制の整備
2
高齢者虐待への対策
1
介護予防の推進
1
介護保険サービスの利用見込みと供給体制確保
2
新しい介護予防・日常生活支援総合事業の利用見
込みと実施体制づくり
3
事業費と保険料の見込み
1
要介護・要支援認定の適正化
2
適正な介護保険サービスの確保
3
利用者負担の適正化
4
低所得者対策
個別施策1
地域ネットワーク
づくり
個別施策2
認知症施策の
総合的推進
施策の方向2
高齢者が支え合い
ながら安心して
生活ができる環境
整備
個別施策3
在宅医療・介護の
連携強化
個別施策4
地域生活支援
体制の充実
個別施策5
権利擁護の推進
個別施策1
介護予防
施策の方向3
高齢者の介護予防
と介護保険サービ
スの充実
個別施策2
介護保険サービス
基盤の整備
個別施策3
介護保険事業の
適正な運営
- 11 -
Ⅲ 計画の推
の推進体制
体制
(1) 「地域包括ケア推進協議会」
(14 ページを参照)において、本計画に掲げる各種施策の実
施状況等について評価します。その結果を踏まえ、必要に応じて施策内容の見直しを行い
ます。
(2) 医療、保健、福祉、介護の関係機関及び地域の各種団体と連携し、計画を円滑に推進しま
す。
地 域 包 括 ケ ア 推 進 協 議 会 (14 ページ参照)
【役割】老人保健福祉計画・介護保険事業計画の進行管理 ほか
意見
提言
報告
情報提供
See
Plan
(評価・改善)
(計画見直し)
第七次福井市老人保健福祉計画
第6期福井市介護保険事業計画
<オアシスプラン2015>
(平成 27 年度∼ 29 年度)
Do
(事業実施)
行 政
支援
協働
参画
協力
医療、保健、福祉、介護の関係機関及び地域の各種団体
- 12 -
各論
- 13 -
Ⅰ 地域包括ケアの推進体制
現在、
「介護保険事業計画」の進行管理を行っている福井市介護サービス運営協議会の機能を拡
充し、
「地域包括ケア推進協議会」を新たに設置します。
この新たな協議会では、2025 年(平成 37 年)に向けて福井市の特性を踏まえた地域包括ケ
アの将来像(ビジョン)を提言します。
また、協議会は 2025 年のビジョンの実現に向けて取り組むべき施策について提案します。市
は、提言のあった施策の実行にあたって、協議会の構成機関をはじめ、関係団体、地域住民等と
緊密に連携・協力しながら、その効果を検証し、問題点の改善を進めるほか、新たな課題につい
ても速やかに対応策を協議し、施策にフィードバックして、地域包括ケアを推進します。
●福井市介護サービス運営協議会
<主な機能>
・「介護保険事業計画」の進行管理
・介護保険制度により提供されるサービスに関する情報の調査分析及び検討
・ほやねっと(地域包括支援センター)の設置、運営、評価等に関する事項その他地域支援
事業の実施に必要な事項
・地域密着型サービス事業等の実施に必要な事項
機能の追加・拡充
●地域包括ケア推進協議会
<追加する機能>
◎平成37年度に向けた福井市の地域包括ケアの将来像を提言。
◎福井市の地域包括ケア推進のための施策を提案。
◎施策を評価し、問題点の改善を行うと共に新たな課題に対応する施策を提案。
◎老人保健福祉計画の進行管理。
- 14 -
《 福井市地域包括ケアシステム 》
地域包括ケア推進協議会(P.14)
①平成37年度に向けた福井市の地域包括ケアの将来
平成37年度に向けた福井市の地域包括ケアの将来
像の提言及び地域包括ケア推進のための施策の提案
②老人保健福祉計画・介護保険事業計画の進行管理
老人保健福祉計画・介護保険事業計画の進行管理
③介護保険により提供されるサービスに関する調査分
介護保険により提供されるサービスに関する調査分
析・検討
④ほやねっとの設置・運営、評価等に関する事項その
ほやねっとの設置・運営、評価等に関する事項その
他地域支援事業の実施に必要な事項
⑤地域密着型サービス事業等の実施に必要な事項
地域密着型サービス事業等の実施に必要な事項
高齢者が健康で生きがいを持ち、住み慣れた地域の中で支え合いながら安心して生活を送れる社会づくり
※地域包括ケアシステムは、おおむね 30 分以内に必要なサービスが提供される範囲(日常生活圏域)を単位として、高齢者が、可能な限り住み慣れた地域で自分らし
い暮らしを人生の最期まで続けることができることを目的として構築するものです。市では、いわゆる団塊の世代が 75 歳を迎える 2025 年(平成 37 年)を見
据えて、地域包括ケアシステムを構築します。
介護サービスの提供
・地域密着型サービスの整備
→認知症対応型共同生活介護(P.66)
→看護小規模多機能型居宅介護
・小規模多機能型居宅介護(P.67)
→定期巡回・随時対応型訪問介護看護(P.67)
→地域密着型介護老人福祉施設(P.67)
→認知症対応型通所介護(P.67)
→地域密着型通所介護(P.68)
①総合相談支援業務 ③包括的・継続的ケアマネジメント支援事業
②権利擁護業務 ④介護予防ケアマネジメント業務
・日常生活圏域とほやねっとの
担当エリアの見直し
→日常生活圏域の見直し(P.31)
→ほやねっとの増設(P.31)
・ほやねっと機能の強化
→ほやねっとを統括する体制の整備
(P.35)
→運営方針の提示と評価の実施(P.35)
→情報共有の推進(P.35)
→活動への支援と周知(P.35)
・居宅サービスの整備
→訪問介護・通所介護(P.68)
→訪問入浴介護(P.68)
→訪問看護(P.68)
→訪問・通所リハビリテーション(P.68)
→特定施設入居者生活介護(P.68)
・地域ケア会議の充実
→認知症対応力の充実(P.35)
→職員の資質向上(P.35)
→地域ケア会議開催の支援(P.36)
→施策への反映(P.36)
→居宅療養管理指導(P.68)
→短期入所生活介護・療養介護(P.68)
→福祉用具貸与(P.68)
→特定福祉用具購入(P.68)
→住宅改修(P.68)
→居宅介護支援(P.68)
・施設サービスの整備
→介護老人福祉施設(P.68)
→介護老人保健施設(P.68)
→介護療養型医療施設(P.68)
・新しい介護予防・日常生活支援総合事業
→訪問型サービス、通所型サービス等の見込み量(P.74)
→専門性が求められるサービス等の提供(P.75)
→従来制度の拡充(P.75)
→新しい担い手づくり(P.75)
・第
第6期の事業費の見込み及び保険料(P.76)
第6期の事業費の見込み及び保険料
・要介護・要支援認定の適正化(P.78)
・適正な介護サービスの確保
→介護保険事業の円滑・適正な運営(P.79)
→介護保険サービス事業者の資質向上(P.79)
→サービス内容の適正化(P.80)
→ケアプランの適正化(P.80)
→給付内容の適正化(P.80)
・利用者負担の適正化(P.80)
・低所得者対策
→公費による保険料軽減の強化(P.81)
→介護保険サービス利用者負担の軽減(P.81)
ほやねっと(地域包括支援センター)
・高齢者の見守り体制の充実
介護予防・疾病予防
・介護予防(介護が必要な状態にならないために)
→自治会型デイホーム(P.63)
→いきいき長寿よろず茶屋(P.63)
→介護サポーターポイント制度(P.64)
→介護予防事業対象者の把握(P.64)
→介護予防教室(P.64)
→地域リハビリテーション活動支援事業(P.64)
→いきいき教室・いきいき筋トレ教室
→見守りネットワークの構築(P.47)
→地域支え合いマップの活用(P.47)
→高齢者のみ世帯の実態把握(P.48)
→高齢者のみ世帯の見守り活動の推進(P.48)
→乳酸菌飲料配付・会食会の開催(P.48)
・高齢者の在宅生活のための支援
・疾病予防(生活習慣病等にならないために)
→特定健康診査、長寿健康審査、がん検診、国保一日人間
ドック(P.23)
→特定保健指導(P.24)
→悪化防止のための健康教育(P.24)
→身近な場所での健康相談(P.24)
→一人ひとりの生活状況に応じた訪問指導(P.24)
→インフルエンザ及び肺炎球菌ワクチン予防接種(P.24)
・健康づくり
→健康づくりや生活習慣病予防のための普及啓発(P.25)
→全国健康福祉祭(ねんりんピック)等の参加者への支援(P.25)
→軽スポーツ大会の開催(P.25)
→生涯スポーツの推進(P.25)
→緊急通報装置のレンタル(P.51)
→福祉電話のレンタル(P.51)
→オアシスキット(救急医療情報キット)の配付(P.51)
→日常生活用具(防火用具)の給付(P.51)
→軽度生活援助事業(えがおでサポート事業)(P.51)
→寝具洗濯サービス(P.51)
→紙おむつ等の支給(P.51)
→屋根雪下ろし費用の補助(P.52)
在宅での医療サービスの提供
高齢者の住まいの提供
・居宅住環境の整備
→住まい環境の整備支援(P.54)
→高齢者世話付き住宅に対する生活援助員派遣(P.55)
→まちなかでの優良賃貸住宅の整備(P.55)
→既存市営住宅の改善(P.55)
→サービス付き高齢者向け住宅の整備(P.55)
・在宅での生活が困難な高齢者に対する住まいの提供
→養護老人ホームへの入所措置(P.55)
→高齢者生活福祉センターへの措置入所(P.55)
・在宅医療・介護の連携に係る施策の
検討・推進(P.44)
・多職種連携体制の整備
→多職種連携関係の構築(P.45)
→情報共有の様式の検討(P.45)
→ケアマネジャーの医療知識の向上(P.45)
・在宅医療・介護についての知識の普及啓発
(P.45)
・高齢者に配慮したまちづくりの推進
→高齢者の外出移動支援の充実(P.55)
→高齢者福祉施設の充実(P.55)
・買い物支援の充実
→高齢者を対象とした交通安全教室の開催(P.56)
→「おたすけ便」による買い物支援(P.52)
→歩行空間の整備(P.56)
→軽度生活援助事業による買い物支援(P.52)
→民間施設バリアフリーの推進(P.56)
→介護保険・障害福祉サービスによる買い物支援(P.52) →公共施設等バリアフリーの推進(P.56)
→地域バスの整備、地域コミュニティバス・コミュニ
→市ホームページバリアフリーの推進(P.56)
ティバスすまいる運行支援(P.52)
→出かけたくなる場の提供(P.56)
・防犯・防災体制の確立
→ひとり暮らし高齢者宅への防火訪問(P.53)
→避難行動要支援者名簿の作成・活用(P.53)
→自主防災組織への支援(P.53)
→消費者教育・相談(P.54)
→各種相談会の開催(P.54)
・権利擁護の推進
→成年後見制度等の利用推進(P.57)
→市民後見の推進(P.58)
→高齢者虐待に関する理解の普及啓発(P.58)
→虐待発生の未然防止(P.58)
→高齢者虐待ネットワークによる対応(P.59)
地域(自宅)で安心して生活を送るための支援
高齢者の生きがいづくり・社会参加
・高齢者の生きがいづくり
→生きがいと健康づくりに関する立案と進行
管理(P.17)
→生きがい講座の充実(P.17)
→生涯学習の推進(P.17)
→取組成果を発表する場の提供(
P.18)
→世代間交流事業の推進(P.18)
・地域活動の推進
→地区敬老事業の充実(P.22)
→老人クラブ活動の活性化(P.22)
・高齢者のボランティア活動の推進
→ボランティア情報の提供とボランティア活動支援(P.19)
→介護サポーターポイント制度の拡充(P.19)
→既存団体によるボランティア活動の推進(P.19)
→生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)の配置等に
よるボランティア活動の促進(P.20)
・就業機会の充実
→就労環境整備(P.22)
→起業支援(P.22)
→シルバー人材センターの充実(P.22)
認知症対策
・認知症施策の検討・推進(P.38)
・認知症予防と知識の普及啓発
認知症予防と知識の普及啓発
→認知症サポーターの養成(P.39)
→認知症サポーターの活動支援(P.39)
→認知症の人にやさしいお店登録(P.39)
→認知症理解普及月間 (P.39)
→認知症予防に向けた取組(P.39)
・認知症ケアの充実・地域づくり
→認知症地域支援推進員の配置(P.41)
→認知症コーディネーターの配置(P.41)
→認知症に関するサービスの整理(P.41)
→認知症徘徊SOSネットワークの構築
(P.41)
・認知症の人とその家族への支援
→認知症カフェへの支援(P.42)
→認知機能低下チェックと関係機関との連携(P.40) →介護者の集いの開催(P.42)
→認知症初期集中支援チームによる支援(P.40)
・認知症の早期発見・早期対応
施策の方向1
高齢者の生きがいと健康づくり
Ⅱ 施策の
策の方向1
向1 高齢者の
者の生きがいと健康
健康づくり
「人生 90 年時代」
(高齢社会対策大綱より)をどのように生きるか、これは超高
齢社会を迎えた今日の高齢者一人ひとりにとって、大きなテーマになっています。
高齢期を自分らしく生きるため、高齢者自らが「生活の質(QOL)」を高め、高齢
期における可能性の実現を目指すことができるよう支援することが重要です。
具体的には、高齢者の生きがいづくりや社会参加を促進し、高齢者の「居場所」
と「出番」をつくる必要があります。特に、就労面においては、年齢に関わらず働
きたい人が働ける環境づくり「生涯現役社会」の実現を目指し、ライフスタイルに
あった多様な就業機会の提供に努めるとともに、意欲と能力のある高齢者には、ボ
ランティア活動への参加を促し、基本理念の「支え合いながら安心して生活を送れ
る社会づくり」を担う社会の支え手として誇りを持って活躍できる環境づくりに努
めます。
健康づくりの総合的推進も欠かせない要素のひとつです。生活習慣の改善に若年
期から取り組み、疾病を予防するとともに、健康的な食生活や口腔ケアによる健康
づくりを推進します。また、寝たきりの危険性が高まるロコモティブシンドローム
※1
を予防するため、日常的な運動習慣を身につけるよう生涯スポーツを推進し、筋
力の維持と心肺機能の強化に取り組める環境を整えます。さらに、ユニバーサルデ
ザイン※2に配慮したまちづくりを推進し、バリアフリー環境の整備を推進するとと
もに、魅力あるイベントを開催するなど、高齢者の外出支援に努めます。
※1:ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは、筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった
運動器のいずれか、もしくは複数に障がいが起き、歩行や日常生活に何らかの障がいをきた
している状態。
※2:ユニバーサルデザインとは、高齢であることや障がいの有無などに関わらず、すべての人が
快適に利用できるよう建造物や生活空間などをデザインすること。
- 15 -
施策の方向1
高齢者の生きがいと健康づくり
個別施策1 生きがいづくり
1 生きがい活動への支援
(1)多様な趣味活動や学習機会の提供
①高齢者の生きがいと健康づくりに関する立案と進行管理
②生きがい講座の充実
③生涯学習の推進
(2)発表の場・交流機会の充実
①高齢者の取組の成果を発表する場の提供
②世代間交流事業の推進
2
社会参加活動の促進
(1)ボランティア活動の推進
①高齢者のボランティア情報の提供とボランティア活動支援
②介護サポーターポイント制度の拡充
③既存団体(いきいき長寿よろず茶屋・老人クラブ)によるボランティア活動の推進
④生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)の配置等によるボランティア活動の
促進
(2)地域活動の推進
①地区敬老事業の充実
②老人クラブ活動の活性化
(3)就業機会の充実
①就労の環境整備
②起業支援
③シルバー人材センターの充実
個別施策2 健康づくりと疾病予防
1 疾病予防と悪化防止
(1)生活習慣病の早期発見
①特定健康診査、長寿健康診査、がん検診、国保一日人間ドックの実施
(2)生活習慣病の発症・悪化防止
①特定保健指導の強化
②悪化予防のための健康教育
③健康相談
④訪問指導
(3)感染症の発症・悪化防止
①予防接種
2
健康づくり活動の推進
(1)健康の維持・増進
①健康づくりや生活習慣病予防のための普及啓発
(2)生涯スポーツの推進
①全国健康福祉祭(ねんりんピック)等の参加者への支援
②軽スポーツ大会の開催
③生涯スポーツ推進事業の実施
- 16 -
施策の方向1
個別施策1
1
個別施策1
生きがいづくり
生きがいづくり
生きがい活動への支援
【現状・課題】
・高齢者の価値観やライフスタイルが多様化している中で、多様なニーズを踏まえた学びの機会や、
趣味、余暇を楽しむ活動の場を提供する必要があります。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
高齢期をどのように過ごしたいかの問いに対し、「趣味や余暇を楽しみたい(62.7%)」「知識や教
養を高め、自分自身の向上に努めたい(32.2%)
」と回答した高齢者が多くいる一方で、実際には「趣
味関係のグループに参加していない(59.2%)」、
「学習、教養サークルに参加していない(77.3%)」
となっており、全く活動に参加していない高齢者も多くいます。
【取組の方向性】
(1)多様な趣味活動や学習機会の提供
・高齢者が自由時間を有効に活用した趣味活動や、自己の充実・啓発や生活向上のため、生涯学習を
通じて自発的に行う自由な「学び」の機会を提供し、充実して過ごせる環境を整備します。
・多様化する高齢者のニーズにあわせた学習機会の提供に努めます。
施 策
①高齢者の生きがい
と健康づくりに関
する立案と進行管
理
②生きがい講座の充
実
内 容
・地域、福祉、体育団体などの各種団体で構成する「高齢者の生きがいと
健康づくり推進会議」において、高齢者の生きがいづくりと健康づくり
についての企画、立案を行います。
・企画・立案した各種事業の進行管理を行い、事業の見直しや改善を行い
ます。
・幅広い市民の参加と協力が得られるよう各種団体と協力し、協働で各種
事業を実施します。
・すかっとランド九頭竜や清水高齢者福祉センターで開催している生きが
い講座を充実します。
・高齢者の多様なニーズに柔軟に対応した講座の開催に努めます。特に、
パソコンやSNS※など、時代に即した講座を積極的に開催します。
※SNS:ソーシャルネットワーキングサービスの略で、友人・知人間のコミュニケー
ションを円滑にする手段や場を提供したり、人と人とのつながりを通じて新たな人間
関係を構築する場を提供するコミュニティ型の web サイトのこと。
③生涯学習の推進
・身近な地域で高齢者のライフスタイルやニーズに応じた趣味や教養、文
化活動が行えるよう、公民館を中心に多様な学習機会を提供します。
・高齢者が長い人生経験の中で培ってきた知恵や技能、地区の伝統行事や
生活文化等の次世代への継承を推進し、高齢者の生きがいづくりと地区
に対する愛着心を醸成します。
・高齢者向け図書や展示物の充実を図るなど、各種文化施設の効用を高め、
高齢者の教養の向上に資するための施設運営を行います。
- 17 -
施策の方向1
個別施策1
生きがいづくり
(2)発表の場・交流機会の充実
・日ごろの趣味・教養活動の励みとなるよう、発表の機会を提供します。
・家庭における世代間の交流が希薄になるなかで、高齢者と幅広い世代とが交流し、お互いの理解を
深める取組を行います。
2
施 策
内 容
①高齢者の取組の成
果を発表する場の
提供
②世代間交流事業の
推進
・高齢者が取り組んでいる趣味や教養活動の発表の場として、すこやか長
寿祭生きがいのつどいや高齢者いきいき展、シルバー囲碁・将棋大会を
開催します。
・老人クラブ、壮年会、婦人会、青年グループ間の各種交流事業を実施し
ます。
・保育園や幼稚園などに通う未就学児が老人施設等を訪問したり、高齢者
を保育園や幼稚園等に招いたりするなど、高齢者との交流を深めます。
・小中学校での総合的な学習の時間や学校行事等を活用し、地域の高齢者
から地域の文化や歴史を学ぶなど交流事業を実施します。
社会参加活動の促進
【現状・課題】
・高齢者のみ世帯の増加に伴い、自宅での生活に支援が必要となるケースが増えています。介護保険
制度の見直しにより、掃除、洗濯、ごみ出しなどの日常生活支援については、シルバー人材センタ
ーや民間事業者、NPO、ボランティアが担い手となることが想定されており、特に元気な高齢者
がボランティアとして社会参加することが期待されます。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
見守りや介護が必要な高齢者を支援するボランティア活動を行っている高齢者の割合は、いず
れも10%未満と少ないのが現状です。
・日常生活支援の担い手を確保するためには、元気な高齢者にボランティアという形で地域や社会に
関わる生きがいづくりがあることを伝える必要があります。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
高齢者の 28.2%が「自分の経験等をボランティア活動に活かしたい」と考えており、その希望する
活動分野は、高齢者を対象とした活動(話し相手、日常生活の手助け等)が 42.9%となっています。
その一方で、高齢者の 67.9%が介護サポーターポイント制度を「知らない」と回答しており、より
制度を周知する必要があります。
・地域でボランティア活動を行っている既存団体の活動範囲や対象を、地域に住む高齢者の日常生活
を支える活動に広げる必要があります。
・在宅で支援を必要とする高齢者の情報が集約され、支援を受けたい人と行う人が的確にマッチング
できる仕組みをつくる必要があります。
・老人クラブや自治会活動など地域活動への参加が年々減少している傾向にあります。高齢者が地域
活動の担い手となることは、地域づくりの観点からも今後ますます重要になります。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
「老人クラブに参加していない(82.1%)」
、
「町内会・自治会に参加していない(45.1%)」と回答し
た高齢者が多くいます。特に老人クラブに関しては、前期高齢者の 91.5%が「参加していない」と回答
しており、その理由の多くは「将来的には参加しようと思っているが、今はまだ早い」となっています。
- 18 -
施策の方向1
個別施策1
生きがいづくり
・就労は、高齢期における生活資金の確保はもとより、健康づくり、生きがいづくり、社会参加などの
大きな役割を果たしており、また高齢者自身の就労意欲も高まっている現状があります。しかし一方
で、高齢者の健康、意欲、体力等には個人差があり、また、家庭の状況等も異なることから、柔軟な
働き方が可能となる就労環境を整備する必要があります。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
前期高齢者の 3 人に 1 人(34.9%)が「収入にはこだわらないが、働くことは継続していきたい」と
考えており、パートタイム・短期的な就業を希望する声が多くあります。
【取組の方向性】
(1)ボランティア活動の推進
・ボランティアについての講習会や研修を行い、高齢者のボランティア参加へ意識の醸成を図ります。
・現在の介護サポーターポイント制度を、在宅での日常生活支援が行える仕組みに見直すとともに、
制度の広報に努めます。
・いきいき長寿よろず茶屋や老人クラブといった既存団体が、地域で見守りや生活支援を担う団体と
して活動できるよう支援します。
・自らの技能や特技を積極的にボランティアに活かそうとする高齢者の活躍の場が広がるよう支援し
ます。
・地域の高齢者の生活を支援する体制をつくるため、多様な団体との連携と協働により、ボランティ
アの発掘、養成、組織化を図ります。
内 容
施 策
①高齢者のボランテ ・日常生活支援ボランティアの担い手を養成していくために、ボランティ
ィア情報の提供と
アについての情報収集・情報提供、研修・講座の開催を行っていきます。
ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 ・市社会福祉協議会や開設予定の市総合ボランティアセンターと連携し、
支援
幅広い分野へ高齢者のボランティア参加が促されるよう、高齢者のボラ
ンティア活動に関わる情報発信やボランティア研修・講座を実施してい
きます。
・福井市ボランティアネットなど市ホームページや市政広報で、地理や歴
史に関する深い知識、畑仕事や生活の節約術など、その特性を「史跡ガ
イド」や「歴史の語り部」
「家庭菜園講師」
「暮らしの知恵袋先生」など
のボランティア活動に活かしている高齢者を広く市民に紹介し、高齢者
の自発的な幅広い分野への活動を奨励します。
②介護サポーターポ ・
「ごみ出し」など在宅での日常生活支援に対応できるように、活動内容
イント制度の拡充
やポイント付与のあり方について制度を見直します。
・「ごみ出し」をはじめとした日常生活支援に取り組めるよう、地域住民
を中心とした介護サポーターのグループ化を図ります。
・日常生活支援に携わる介護サポーターについては、高度な知識と倫理観
を身につけるための研修を実施します。特に個人情報の取り扱いに関し
ては、重点的に行います。
・ポイントを、東山運動公園など健康増進を目的とした施設の入場券(利
用券)にも交換できるよう検討し、制度への参加を促進します。
・介護サポーターとして活動する高齢者の範囲を、要介護認定者まで拡大
することについて検討します。
③既存団体(いきいき長 ・いきいき長寿よろず茶屋や老人クラブにおいて、地域の高齢者の相談相
寿よろず茶屋・老人ク
手や見守り支援、在宅高齢者への簡単な生活支援を行う活動について、
ラブ)によるボラン
支援します。
ティア活動の推進
- 19 -
施策の方向1
個別施策1
生きがいづくり
内 容
施 策
④生活支援コーディ ・平成 27 年度から市全体の生活支援コーディネーター※(地域支え合い推
進員)を配置し、生活支援サービスの担い手となるボランティア等の養
ネーター(地域支え合
い推進員) の配置等
成や活躍する場の確保、関係者間の情報共有や連携の体制づくりなどを
によるボランティ
行います。
※生活支援コーディネーターとは、市及び地域において高齢者の生活支援等サービス
ア活動の促進
の提供体制の構築に向けたコーディネート機能を果たす者。
・生活支援コーディネーターと社会福祉関係団体、協同組合、ボランティア
グループ、民間企業、NPOなど多様な団体との定期的な情報共有や連
携・協働を行います。
- 20 -
施策の方向1
個別施策1
生きがいづくり
今後のいきいき長寿よろず茶屋のイメージ図
現在のよろず茶屋
・地域の元気な高齢者が、気軽に集まり、趣味活動や軽スポーツを行う場所
集う
集う
地域
地域
よろず茶屋
集う
集う
集う場の提供
今後のよろず茶屋
・地域の元気な高齢者が、気軽に集まり、趣味活動や軽スポーツを行う場所
・地域の高齢者の困りごとを相談する場所
・健康管理・介護予防を行う場所
・地域に出て、見守りや生活支援を行うボランティアの拠点
集う
相談
見守り
生活支援
見守り
生活支援
集う
相談
集う場の提供
相談窓口・解決
健康管理・介護予防
見守り・生活支援
- 21 -
見守り
生活支援
集う
相談
地域
地域
よろず茶屋
集う
相談
施策の方向1
個別施策1
生きがいづくり
(2)地域活動の推進
・高齢者が社会参加し、地域との関わりを保ちながら暮らしていくことは、高齢者自身の充実した人
生のみならず、地域社会の活性化にもつながるため、高齢者による地域活動を推進します。
施 策
①地区敬老事業の充
実
②老人クラブ活動の
活性化
内 容
・各地区で特色のある敬老事業が実施できるよう、それぞれの活動内容に
関する情報や意見を交換する機会を提供します。
・活動内容を積極的に発信するなど、広報活動を強化し敬老会への参加を
促進します。
・写真、ウォーキング、パソコン等若手高齢者にも親しみやすい活動のサ
ークルを結成し、多様な趣味や横のつながりを基盤とした活動を創出し、
活動の活性化を図ります。
・老人クラブの地域での活動内容について広報を強化し、老人クラブへの
加入を促進します。
・老人クラブの活動に、介護予防を取り入れ、高齢者の健康づくりを推進
します。
・老人クラブに対する親近感が高まるよう、名称の変更や愛称について検
討します。
(3)就業機会の充実
・商工労働施策と連携しながら、高齢者が就労しやすい環境整備を推進します。また、高齢者の豊富
な職業経験を活用し、高齢者による起業を支援します。
・高齢者の臨時的かつ短期的な就業やその他の軽易な業務に係る就業の機会を確保し、高齢者の雇用
機会の拡大を図るため、シルバー人材センター事業を充実します。
施 策
①就労の環境整備
②起業支援
③シルバー人材セン
ターの充実
内 容
・シルバー人材センターが、高齢者の就労支援組織となるよう業務範囲の
拡大など機能強化を支援します。
・起業家支援セットメニューでの起業相談、起業支援、フォローアップ支
援を通じ、起業に対する支援を行います。
・制度融資の創業支援資金により起業資金の円滑化を推進します。
・広く普及啓発に取り組み、会員の拡大に努めるとともに、営業活動を強
化し就業機会の確保に努めます。
・高齢者のみ世帯など日常生活に不安を抱える高齢者に生活支援サービス
を提供するなど、社会ニーズに対応した事業の開拓に積極的に取り組み、
高齢者の多様なニーズに対応した就業機会の確保に努めます。
- 22 -
施策の方向1
個別施策2
健康づくりと疾病予防
個別施策2 健康づくりと疾病予防
1
疾病予防と悪化防止
【現状と課題】
・できるだけ長く健康で自立した生活を送り健康寿命を伸ばすには、寝たきりや認知症の主な原因で
ある脳卒中をはじめとした生活習慣病を早期発見・予防することが大切です。
そのためには健康に関心を持ち、自分の健康状態を知るために健康診査、がん検診を受けることが
重要です。
・高齢者の医療費を疾病分類で見ると、若い頃からの生活習慣が大きく関わる高血圧性疾患、糖尿病、
心疾患がいずれの年代においても上位を占めています。また、介護が必要となった主な原因として
は、脳血管疾患や認知症が上位を占めており、特に脳血管疾患は生活習慣と大きく関わっています。
《高齢者の疾病状況》
65~69 歳
70~74 歳
75 歳~
1位
悪性新生物
悪性新生物
高血圧性疾患
2位
高血圧性疾患
高血圧性疾患
悪性新生物
3位
糖尿病
筋骨格系疾患
骨折
4位
心疾患
糖尿病
心疾患
5位
腎不全
歯周疾患
糖尿病
※65~74歳:国保連合会 H25年5月分疾病分類統計(疾病中分類)
、福井市分
75歳~:広域連合 H25年5月分疾病分類統計(疾病中分類)
、県全体
・健康診査において、生活習慣が要因となる血圧、血糖などの異常割合は、年齢が上がるほど高くな
る傾向にありますが、生活習慣の改善や適切な治療により、発症及び重症化を予防することができ
ます。受診の結果、生活習慣の改善が必要な人に対しては、一人ひとりの生活状況に応じた支援を
行うことが重要です。
・平成 24 年の人口動態統計によると、65 歳以上の死因順位は肺炎が第 3 位であり、肺炎予防が重
要な課題となっています。また、インフルエンザに感染すると重篤化し肺炎を併発しやすいため、
インフルエンザや肺炎の発症及び重症化を予防することが重要です。
【取組の方向性】
(1)生活習慣病の早期発見
・健康診査、がん検診の重要性を周知し、受診勧奨を拡大します。
施 策
内 容
①特定健康診査、長寿 ・特定健康診査のポスター配布箇所を増やすほか、関係機関と連携しながら
広報を充実します。
健康診査、がん検
・地区での健康教室や自治会型デイホームの場で特定・長寿健診及びがん検
診、国保一日人間ド
診の重要性を周知します。また、案内チラシをコンビニエンスストア等に
ックの実施
設置するなど新たな手段や方法を企画し、積極的に受診を勧奨します。
・医療機関、公民館、保健センターでの受診体制を継続します。
・長寿健診、がん検診の同時実施や、保健センターでの休日健診を実施しま
す。
・未受診の人には電話で受診勧奨を行い、特定健康診査の重要性を伝えます。
・保健衛生推進員による大腸がん検診容器の配付事業を継続します。
※特定健診:メタボリックシンドロームの対象者、予備群を選定し、保健指導を行うこと
で生活習慣病を予防するために、福井市国民健康保険に加入している40~74歳の人
を対象に実施する健診。
※長寿健診:生活習慣病の早期発見により、適切な医療につなげ重症化を予防するために、
後期高齢者医療制度に加入している人を対象に実施する健診。
- 23 -
施策の方向1
個別施策2
健康づくりと疾病予防
(2)生活習慣病の発症・悪化防止
・特定保健指導においては、生活習慣改善の必要性を広報しながら利用者を増やすほか、中断するこ
とのないようサポートしながら、修了率向上を図ります。
・高齢者が相談しやすい身近な会場において相談会を実施し、生活習慣の改善が図れるよう支援しま
す。
・訪問や面接により一人ひとりの生活状況に応じた生活習慣改善の指導を行い、生活習慣病の発症と
重症化を予防します。
施 策
内 容
①特定保健指導の強
化
②悪化予防のための
健康教育
③健康相談
④訪問指導
・特定保健指導の対象者が、自らの生活習慣における課題に気づき、生活
習慣改善を実行し、健康的な生活を維持できるよう支援をします。
・特定保健指導の目的や内容を広く周知します。
・生活習慣改善をサポートし、利用が中断しないよう支援します。
・糖尿病などの生活習慣病の発症を予防するために、血糖値が高めの人な
どを対象に教室を実施し、生活習慣の改善について個別に助言します。
・地区の公民館や集会場など身近な会場において、生活習慣や生活機能に
あわせた個別の健康相談を実施します。
・医師など専門家の指導が受けられる相談会を実施します。
・高血圧や糖尿病などの生活習慣病の発症及び重症化を予防するために、
一人ひとりの生活状況に応じた訪問指導を実施します。
・慢性腎臓病の発症及び重症化予防のための保健指導を強化します。
(3)感染症の発症・悪化防止
・予防接種を実施し、インフルエンザと肺炎の発症及び重症化を予防します。
施 策
内 容
①予防接種
2
・重篤化する恐れのある感染症の発症及び重症化を予防するために、高齢
者インフルエンザ及び高齢者肺炎球菌ワクチンの予防接種を実施しま
す。
健康づくり活動の推進
【現状・課題】
・生活習慣病などの疾病を予防し、いつまでも健康で暮らすためには、常に健康に対する意識を持っ
て、正しい食生活や運動を通じた健康づくりを進めることが必要です。そのため、誰もが手軽に取
り組むことができるスポーツの普及や健康意識の啓発に取り組み、健康づくりを促進していく必要
があります。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
高齢者の多くが「スポーツ関係のグループやクラブに参加していない(71.1%)
」と回答してい
ます。自分に合った運動習慣を身につけ、日頃から健康づくりをしていかなければなりません。
・移動手段が制約され生活が困難になる高齢者が増える中、公共交通利用に係る支援や、道路や公共
施設等におけるバリアフリー化を実施し、出かけやすい環境を整えることが重要です。また、高齢
者の社会参加が進むよう、交流の場の創出など出かけたくなるまちづくりが必要です。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
「外出を控えている(23.9%)」人のうち、「足腰などの痛み」を理由に挙げている人が8割い
ます。交通手段の充実や道路のバリアフリー化などを進め、高齢者が負担を感じず安心して外出でき
るまちづくりを進めていく必要があります。
- 24 -
施策の方向1
個別施策2
健康づくりと疾病予防
【取組の方向性】
(1)健康の維持・増進
・自分の健康に関心を持ち、自ら健康づくりに取り組めるよう、生活習慣が要因となる健康問題や健
康づくりに関する情報を発信します。
施 策
内 容
①健康づくりや生活 ・食生活や運動をはじめ健康づくりのための生活習慣の重要性について、
パンフレットやメディアを利用した普及啓発を進めます。
習慣病予防のため
の普及啓発
・保健衛生推進員と協働し、地区の実態に応じた健康教育を実施します。
・公民館等と連携し、健康づくりのための健康教室を実施します。
・「健康チャレンジ登録事業」の内容の見直しや充実を図るとともに、よ
り多くの市民が、楽しみながら自分の健康を見直し、健康づくりに取り
組める事業を実施します。
※健康チャレンジ登録事業:市民が主体的に健康づくりの取組が実践できることを
目的として、食事、運動などのチャレンジ目標を自分で考え、登録し、実行する
事業。
(2)生涯スポーツの推進
・高齢者向けのスポーツ大会の開催や支援を行い、交流と健康づくりの場を提供します。
・ライフステージごとの身体の状態や運動能力に応じた健康づくりに取り組めるよう、誰でも気軽に
楽しめる生涯スポーツを普及推進します。
施 策
内 容
① 全 国 健 康 福 祉 祭 ・全国健康福祉祭(ねんりんピック)に参加する選手を支援し、高齢者の
スポーツへの関心を高めます。
(ねんりんピック)
等の参加者への支 ・ふくい健康長寿祭の広報や参加者への支援を実施します。
援
②軽スポーツ大会の ・軽スポーツを中心としたすこやか長寿祭健康のつどいを開催します。
開催
・福井市老人クラブ連合会が実施するすこやかフェア(ゲートボール大会・
ペタンク大会・グランドゴルフ大会)や公式ワナゲ大会などのニュース
ポーツ大会の開催を支援します。
③生涯スポーツ推進 ・生涯にわたって市民が健康づくりに取り組むことを目的に、スポーツ教
事業の実施
室やファミリーウォーク等を実施し、生涯スポーツを普及推進します。
・福井市体育協会を通じて、区民体育大会、各種スポーツ大会、レクリエ
ーション協会を支援します。
- 25 -
施策の方向2
高齢者が支え合いながら安心して生活ができる環境整備
Ⅲ 施策の
策の方向2
向2 高齢者が
者が支え合いながら
ながら安心して
生活ができる環境
生活が
環境整備
整備
高齢期になっても健康に配慮しながら、社会参加し、生きがいを持って生活を続
けることで、自分らしく生活することができます。しかし、高齢者は加齢により疾
病等のリスクが他の年代と比べて高まるため、「生活の質(QOL)」の維持には本
人の意志や努力はもとより、介護や医療サービスを含め地域で支える仕組みをつく
ることが重要です。
具体的には、日常生活圏域ごとに設置した地域の高齢者の総合的な相談・支援機
関である「ほやねっと(地域包括支援センター)
」と市が中心となって、医療や介護
などの専門職、民生委員児童委員や福祉委員など地域住民を含めた「顔の見える」
ネットワークをつくり、地域の高齢者の生活を支える基盤とします。
また、認知症高齢者の一層の増加が見込まれることから、認知症施策に重点的に
取り組みます。高齢者本人や地域住民の認知症に関する意識を高め、早期発見・早
期対応につなげるとともに、症状に応じた適切なケアの提供体制を構築します。ま
た、認知症の人やその家族は社会から孤立しがちになるため、心理的なケアを含ん
だ支援も併せて行います。
介護に加え、医療的な処置が必要になると、自宅での生活を希望しながら、家族
への負担など様々な不安から、病院や施設での生活を選択する高齢者もいると思わ
れます。こうした状態になっても、本人や家族が希望すれば、医療と介護のサービ
スを組み合わせて利用することで、自宅での生活を継続できる体制を整備します。
地域のつながりが希薄化している中で、地域の多様な主体が相互に連携しながら、
自宅で生活する上で配慮が必要な高齢者を見守り、日常生活を支援するなど住み慣
れた地域で安心して生活が送れる体制をつくります。さらに、生活の基盤である住
まいについては、個々の状態やニーズに合わせた選択ができるよう整備を進めます。
判断能力が十分ではなくなった高齢者に対して、できる限り本人の意思や希望を
尊重しつつ法的に保護する成年後見制度の支援を行うとともに、市民後見人の育成
支援を検討します。また、家庭や施設における高齢者虐待を防止するため、地域で
の見守り体制を充実するとともに、虐待の発生が疑われる場合の相談・通報体制の
強化に努めます。
- 26 -
施策の方向2 高齢者が支え合いながら安心して生活ができる環境整備
個別施策1 地域ネットワークづくり
1 日常生活圏域とほやねっと(地域包括支援センター)の担当エリアの見直し
(1)日常生活圏域とほやねっとの担当エリアの見直し
①日常生活圏域の見直し
②ほやねっとの増設
2
ほやねっと(地域包括支援センター)機能の強化
(1)ほやねっとの組織体制の強化
①認知症対応力の充実
②職員の資質向上
(2)ほやねっとの効果的な運営
①ほやねっとを統括する体制の整備
②運営方針の提示と評価の実施
③情報共有の推進
④活動への支援
⑤ほやねっとの周知
3
地域ケア会議の充実
(1)地域ケア会議の充実
①地域ケア会議開催の支援
②施策への反映
個別施策2 認知症施策の総合的推進
1 認知症施策の検討・推進
(1)認知症施策の検討・推進
①認知症施策の検討・推進
2
認知症予防と知識の普及啓発
(1)認知症の知識の普及啓発
①認知症の知識の普及啓発
(2)認知症予防に向けた取組の実施
①認知症予防に向けた取組の実施
3
認知症の早期発見・早期対応
(1)認知症の早期発見・早期対応
①認知機能低下のチェックと連携
②早期対応・支援の実施
4
認知症ケアの充実・地域づくり
(1)認知症ケアの充実・地域づくり
①認知症に関する取組の向上
②認知症に関するサービスの整理
③認知症徘徊SOSネットワークの構築
5
認知症の人とその家族への支援
(1)認知症の人とその家族への支援
①認知症の人と家族の集いの場の充実
- 27 -
施策の方向2
高齢者が支え合いながら安心して生活ができる環境整備
個別施策3 在宅医療・介護の連携強化
1 在宅医療・介護の連携に係る施策の検討・推進
(1)在宅医療・介護の連携に係る施策の検討・推進
①在宅医療・介護の連携に係る施策の検討・推進
2
多職種連携体制の整備
(1)多職種連携体制の整備
①多職種連携関係の構築
②情報共有の様式の検討
③ケアマネジャーの医療知識の向上
3
在宅医療・介護についての知識の普及啓発
(1)在宅医療・介護についての知識の普及啓発
①在宅医療・介護についての知識の普及啓発
個別施策4 地域生活支援体制の充実
1 高齢者の見守り体制の充実
(1)緩やかな見守り体制の構築(個人を特定しない見守り)
①見守りネットワークの構築
②地域支え合いマップの活用
(2)日常的な見守り体制の構築(個人を特定した見守り)
①高齢者のみ世帯の実態把握
②高齢者のみ世帯の見守り活動の推進
③各福祉団体による見守り体制の強化
④乳酸菌飲料配付・会食会の開催
2
高齢者の在宅生活のための支援
(1)日常生活に不安のある高齢者へのサービス
①緊急時の体制の整備、火災防止
②日常軽作業サービスの提供
③紙おむつ等の支給
④屋根雪下ろし費用の補助
(2)買い物支援の充実
①「おたすけ便」による買い物支援
②軽度生活援助事業による買い物代行サービスの提供
③介護保険及び障害福祉サービスによる買い物支援
④地域バスの整備・地域コミュニティバス・コミュニティバスすまいる運行支援
(3)防犯・防災体制の確立
①ひとり暮らし高齢者宅への防火訪問
②避難行動要支援者名簿の作成・活用
③自主防災組織への支援
④消費者教育・相談
⑤各種相談の開催
- 28 -
施策の方向2
3
高齢者が支え合いながら安心して生活ができる環境整備
高齢者の住まい環境と生活環境の整備
(1)居宅住環境の整備
①住まい環境の整備支援
②高齢者世話付き住宅に対する生活援助員派遣
③まちなかでの優良賃貸住宅の整備
④既存市営住宅の改善
⑤サービス付き高齢者向け住宅の整備
(2)在宅での生活が困難な高齢者に対する住まいの提供
①養護老人ホームへの措置入所
②高齢者生活福祉センターへの措置入所
(3)高齢者に配慮したまちづくりの推進
①高齢者の外出移動支援の充実
②高齢者福祉施設の充実
③高齢者を対象とした交通安全教室の開催
④歩行空間の整備
⑤民間施設バリアフリーの推進
⑥公共施設等バリアフリーの推進
⑦市ホームページバリアフリーの推進
⑧出かけたくなる場の提供
個別施策5 権利擁護の推進
1 成年後見体制の整備
(1)成年後見制度と本人への保護・支援
①成年後見制度等の利用推進
②市民後見の推進
2
高齢者虐待への対策
(1)高齢者虐待防止に向けた普及啓発と早期発見
①高齢者虐待に関する理解の普及啓発
②虐待発生の未然防止
(2)高齢者虐待への対応
①高齢者虐待ネットワークによる対応
- 29 -
施策の方向2
個別施策1
地域ネットワークづくり
個別施策1 地域ネットワークづくり
1
日常生活圏域とほやねっと(地域包括支援センター)の担当エリアの見直し
【現状・課題】
・本市では、平成18年度に地域密着型サービスが創設されたことに伴い、平成 17 年度まで民生委
員児童委員や福祉委員の協力を得ながら実施していた在宅介護支援センターの担当エリアや人口規
※
模等を参考に設定した日常生活圏域 毎に地域に密着したサービスの整備を進めています。
※日常生活圏域:住民が日常生活を営む地域として、地理的条件、人口、交通事情等の社会的条件、施設の整備状況な
どを総合的に勘案して定める。国では一圏域当たり人口2~3万人程度で、概ね30分以内に必要なサービスが提供
される範囲を想定している。
平成 18 年度当初は市町村合併直後であったため、10 ブロックの圏域を設定したが、平成 21 年度に現在の9ブロ
ックに再編した。
・地域包括ケアを推進するため、日常生活圏域毎にほやねっとを9か所設置し、総合相談支援、権利
擁護、包括的・継続的ケアマネジメント、介護予防ケアマネジメントなど、高齢者に対するきめの
細かい支援に取り組んでいます。
・平成21年度には清水地区・川西地区・美山地区に3か所の相談所(ブランチ)を設置し、高齢者
の相談支援体制の充実を図っています。
《日常生活圏域とほやねっと(地域包括支援センター)一覧》
日常生活圏域
ほやねっと
(地域包括支援
センター)名
所在地
鶉・棗・鷹巣・本郷・ ほやねっと川西
宮ノ下・国見・
大安寺・越廼
あゆかわ相談所
南楢原町 20 字大畑 2
番地
日新・湊・東安居・
安居・一光・殿下・
清水東・清水西・
清水南・清水北
日光 1 丁目 1-22
ほやねっと西
※平成26年10月1日現在
人口
65 歳
以上
(人)
後期
高齢
高齢
化率
(%) 化率
(%)
12,978
4,342
33.5
18.5
35,890
9,680
27.0
13.2
鮎川町 107-2-2
たこお相談所
竹生町 32-48
社南・社北・社西・
清明・麻生津
ほやねっと南
福 1 丁目 1710
43,613
10,260
23.5
10.0
足羽・豊・木田
ほやねっと橋南
木田 1 丁目 3308
31,003
8,098
26.1
13.4
19,177
6,214
32.4
17.8
酒生・一乗・上文殊・ ほやねっと東足羽
文殊・六条・東郷・
美山
すいだに相談所
下六条町 201
椙谷町 12-9-2
中藤島・啓蒙・岡保・
ほやねっと東
東藤島・円山
高木中央3丁目 1701
34,884
8,129
23.3
11.1
森田・河合・西藤島・
ほやねっと北
明新
新田塚 1 丁目 42-1
37,556
8,859
23.6
11.2
春山・松本・宝永
ほやねっと中央北
文京 2 丁目 6-10
24,094
7,308
30.3
16.2
順化・日之出・旭・
和田
ほやねっと中央
手寄 1 丁目 7-23
28,150
7,560
26.9
14.3
- 30 -
施策の方向2
個別施策1
地域ネットワークづくり
・日常生活圏域では、ほやねっとが中心となって地域包括ケアを推進することになりますが、ほやねっと
創設当初における1か所あたりの高齢者人口は約 4,000 人 ~ 7,800 人であったものが、平成26年
では約 4,300 人~10,200 人となっています。
《ほやねっと(地域包括支援センター)活動状況》
平成18年度 平成23年度
高齢者人口(人)
1か所あたり高齢者人口(人)
総合相談数(件)
介護予防給付管理 ※数(件)
平成24年度
平成25年度 平成26年度
58,004
63,295
65,557
68,097
70,450
4,068~
4,102~
4,181~
4,264~
4,342~
7,868
8,715
9,264
9,777
10,260
17,506
19,472
18,388
18,366
15,126
1,496
1,634
1,768
1,970
2,105
※各年10月1日現在
※総合相談件数は年度累計、介護予防給付管理数は各年 3 月末現在。平成26年度は12月末現在。
※介護予防給付管理:要支援1及び要支援2の者に給付される介護保険サービスの調整や請求に関すること
・現在の日常生活圏域は、地域住民の支え合いの基本であり長い歴史的経緯を持つ自治会連合会や中
学校区、地区社会福祉協議会などの福祉関係団体の区域と一致していない状況であり、また、高齢者
人口が増加したことや圏域ごとのばらつきが見られることから見直す必要があります。
・日常生活圏域の見直しに合わせて、地域包括ケアの中心となるほやねっとの担当エリアを見直す必
要があります。
【取組の方向性】
(1)日常生活圏域とほやねっとの担当エリアの見直し
・高齢者が住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、地域住民の支え合いの拡
がりと、適正な高齢者人口規模を考慮した日常生活圏域に見直します。
・日常生活圏域の見直しにあわせて、ほやねっとの担当エリアを見直すとともにセンターを増設します。
施 策
内 容
①日常生活圏域の見
直し
・地域において長い歴史的経緯を持つ自治会連合会、中学校区などの区域
や地区社会福祉協議会など地域で福祉活動を行っている団体の区域と、
中長期の将来人口動向を踏まえた適正な高齢者人口規模を考慮して、日
常生活圏域を見直します。
・新しい日常生活圏域の施行時期については、本計画期間中とします。
・各ほやねっとの業務量とバランスに配慮するとともに、地域包括ケアシ
ステムの基礎となる日常生活圏域に合わせて担当エリアを見直します。
・担当エリアの見直しに伴い、ほやねっとを増設します。
②ほやねっとの増設
- 31 -
施策の方向2
個別施策1
地域ネットワークづくり
《新しい日常生活圏域》
日常生活圏域
(別表)
地区
鶉・棗・鷹巣・本郷・宮ノ下・国見・
見直し前のほ
やねっと拠点
平成27年度
平成28年度
平成29年度
推計高齢者
推計高齢者
推計高齢者
人口(人)
人口(人)
人口(人)
川西
3,800
3,822
3,844
足羽・湊
西
4,759
4,741
4,725
社南・社北・社西
南
6,440
6,605
6,769
橋南
5,913
5,998
6,084
東足羽
6,272
6,325
6,381
中藤島・森田
東
5,405
5,501
5,600
河合・西藤島・明新
北
6,084
6,244
6,398
大安寺
豊・木田
酒生・一乗・上文殊・文殊・六条・
東郷・美山
春山・松本・宝永
中央北
7,292
7,274
7,259
順化・日之出・旭
中央
5,357
5,344
5,336
7,880
8,051
8,216
清明・麻生津
4,089
4,205
4,316
啓蒙・岡保・東藤島
3,944
4,008
4,071
和田・円山
4,193
4,284
4,376
日新・東安居・安居・一光・殿下・
清水東・清水西・清水南・清水北・
越廼
※コーホート変化率法(H21 年 10 月 1 日と H26 年 10 月1日の2時点の住民基本台帳による人口)を用いて推計。
- 32 -
施策の方向2
個別施策1
地域ネットワークづくり
【現在の日常生活圏域】
は現在の「ほやねっと」(地域包括支援センター)
ほやねっと西
ほやねっと川西
ほやねっと北
鶉
宮ノ下
棗
ほやねっと東
森田
河合
松本
宝永
東安居
国見
社北
一光
清水西
岡保
ほやねっと東足羽
和田
旭
足羽
木田
豊
酒生
六条
東郷
文殊
社南 清明
清水北
殿下
円山
湊 順化
社西
安居
ほやねっと中央北
ほやねっと中央
日之出
西藤島
本郷
春山
日新
明新
大安寺
鷹巣
中藤島 東藤島
啓蒙
美山
上文殊
清水東
一乗
麻生津
清水南
越廼
ほやねっと橋南
ほやねっと南
【見直し後の日常生活圏域】
鶉
宮ノ下
棗
森田
河合
明新
大安寺
西藤島
松本
日之出
本郷
春山
日新
鷹巣
東藤島
中藤島
啓蒙
宝永
東安居
国見
社北
一光
安居
清水西
社南
豊
岡保
和田
旭
足羽
社西
清水北
殿下
湊 順化
円山
木田
酒生
六条
清明
文殊
東郷
美山
上文殊
清水東
麻生津
清水南
越廼
- 33 -
一乗
施策の方向2
2
個別施策1
地域ネットワークづくり
ほやねっと(地域包括支援センター)機能の強化
【現状・課題】
・ほやねっとは、包括的支援業務として次の4つの業務を実施しています。
① 総合相談支援業務
介護の問題だけでなく、保健・医療・福祉サービスの利用も含めた様々な相談に対応し、各種サ
ービスや関係機関、制度の利用につなげる等の支援を行っています。
② 権利擁護業務
成年後見制度の活用促進、高齢者虐待への対応、困難事例への対応、消費者被害の防止などの取
組を行い、高齢者の権利を擁護しています。
③ 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務
高齢者が状況や変化に応じて、必要なケアを受けて住み慣れた地域で暮らし続けることができる
よう、サービス調整を行うケアマネジャーをサポートしています。
④ 介護予防ケアマネジメント業務
要介護状態等となるおそれの高い高齢者が、要介護状態等になることを予防するため、介護予防
事業等につながるよう必要な援助を行っています。
・ほやねっとでは、認知症への対応を強化するため、平成23年度から認知症コーディネーターを配
置し、26年度から認知症初期集中支援チームとの連携を行っています。また、在宅医療・介護の
連携を推進するため、在宅医療についての市民への普及・啓発活動も行っています。
・介護保険法改正に伴い、本計画期間中から本市でも新たに介護予防・生活支援サービス事業を開始
するため、要支援者に加え、介護予防・生活支援サービスが必要と判断された者に対してもケアマ
ネジメントを行う必要があります。
・地域包括支援センターの認知度は、3年前の日常生活圏域ニーズ調査時に比べて向上しましたが、
愛称である「ほやねっと」を利用して、引き続き認知度の向上に努める必要があります。また、高
齢者虐待の相談窓口など、認知度の低い担当業務もあるため、全般について周知が必要です。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
「地域包括支援センターを知っていますか。」という設問に対し、地域包括支援センターを「知っている」
もしくは「聞いたことがある」と答えた高齢者は合計で 67.6%(3年前 55.7%)となっています。特
に「知っている」と答えた高齢者は今回 37.7%(3年前 27.8%)で前回と比較して約 10 ポイント上
昇しています。
地域包括支援センターについて「知っている」と答えた人の内、
「地域包括支援センターのどのような
ことを知っていますか」という設問に対し、
「健康教室等の活動」と答えた人が 79.5%、
「介護保険等のサ
ービスを利用するときの窓口」が 59.1%となっていますが、
「高齢者虐待の相談窓口」は 12.5%「高齢
者消費者被害の相談窓口」は 10.0%にとどまっています。
・地域包括ケアを推進するための中心的な機関として、関係機関との連携を強化し、その質の向上を
図る必要があります。
・ほやねっとの業務が複雑・多様化する中で、各ほやねっとの業務運営を統括できるよう、市が基幹
的機能を担える体制の整備が必要です。
- 34 -
施策の方向2
個別施策1
地域ネットワークづくり
【取組の方向性】
(1)ほやねっとの組織体制の強化
・現在の業務に加え、認知症施策の推進や在宅医療・介護の連携を推進する中で、業務内容の拡大や
業務量の増加に応じた組織体制の強化を図ります。
施 策
内 容
①認知症対応力の充
実
②職員の資質向上
・各ほやねっとに専門的な研修を受講した認知症コーディネーターを配置
し、認知症対応力を強化します。
・認知症ケアや在宅医療に関する研修を実施し、地域の事業所への支援機
能を高めます。
(2)ほやねっとの効果的な運営
・運営方針を提示するとともに、先進的な取組を促進し、ほやねっと全体の質の向上につなげます。
施 策
内 容
①ほやねっとを統括 ・市は、各ほやねっとの実態把握や意見集約に積極的に取り組むとともに、
する体制の整備
ほやねっとの基幹的な機能を担えるよう体制を整備します。
②運営方針の提示と ・各ほやねっとは、市が提示する具体的な運営方針に基づいて、事業計画を
評価の実施
作成し実践します。
・各ほやねっとは、市が提示する評価票に基づいて、自己評価を行います。
・自己評価や事業実績、現地調査でのヒアリングを通じて、市は総合的な評
価・指導を行うとともに、評価結果の公表等を通じてほやねっとの業務の
改善につなげます。
・先進的な取組を促す仕組みを検討します。
③情報共有の推進
・センター長会議や定例会、各専門職連絡会を定期的に開催し、各ほやねっ
と職員間で顔の見える情報交換や研修の場を設けます。
・各ほやねっとの取組を発表する活動報告会を開催することで、先進的な取
組を共有し、全体のレベルアップにつなげます。
④活動への支援
・市は、関係部署の連携や、関係機関との連携の強化を図りながら、困難事
例への対応、地域ケア会議の開催などを支援します。
・センター長会議を通じて、ほやねっと運営業務の課題を共有し、解決につ
なげます。
⑤ほやねっとの周知
・介護予防教室や自治会型デイホーム、福祉まつりなど様々な機会をとらえ
て、ほやねっとの取組や役割を周知します。
- 35 -
施策の方向2
3
個別施策1
地域ネットワークづくり
地域ケア会議の充実
【現状・課題】
・地域ケア会議には、個別のケースを解決するものと、個別ケースを積み上げて地域全体の課題を発
見し、解決するものがあります。しかし、地域課題の発見につなげる個別ケースの検討数が確保で
きていない現状です。
《地域ケア会議の実施回数》
平成 21 年度
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
地域課題(回)
4
12
24
23
15
個別課題(回)
なし
なし
3
1
11
【取組の方向性】
(1)地域ケア会議の充実
・個別ケースの地域ケア会議を増やしながら、同時に相談業務など日々の活動を通じて、地域共通の
課題を発見し、地域に必要な社会資源の開発や地域づくりに向けた協議を行い、地域課題の解決に
つなげます。
・地域で解決できない課題については、市全域での解決に向けて、施策に反映させる仕組みをつくり
ます。
施 策
内 容
①地域ケア会議開催
の支援
・個別ケースでの会議開催を円滑にするため、市が関係団体への参加呼びか
けなどを支援します。
・生活圏域毎の多職種連携会議 ※の開催を通じて、
「顔の見える」関係づくり
を支援し、地域ケア会議の円滑な開催につなげます。
・市は、ほやねっとと情報を共有し、連携をとりながら地域課題を抽出し、
解決につなげます。
※生活圏域毎の多職種連携会議:在宅医療や介護に関わる多様な職種が集まり、事例検討
などを通して他職種の役割への理解を深め、協働に向けて「顔の見える」関係をつくる
会議。
②施策への反映
・介護保険事業計画の進捗管理を行っている介護サービス運営協議会の機能
を拡充し、地域包括ケア推進協議会を設置します。協議会では、個別の地
域ケア会議から見えてきた市全体の課題について、認知症施策検討委員会
や在宅医療・介護検討協議会等(次頁イメージ図参照)の意見を聴きなが
ら検討し、その結果を施策に反映します。
- 36 -
施策の方向2
個別施策1
地域ネットワークづくり
<地域ケア会議イメージ図>
市全域での課題解決
地域での課題解決
● 市町村レベル:地域ケア会議
市全体の施策と
地域包括ケア推進協議会
しての協議・検討
在宅医療・介護に
認知症施策
在宅医療・介護検討
協議会
検討委員会
関する課題
認知症に関
する課題
市全域での課題を整理
ほやねっと(地域包括支援センター)
(各圏域に共通する課題など)
センター長会議・定例会等
地域レベルで解決できる課題
地域レベルでは解決できない課題
●日常生活圏域レベル:地域ケア会議(地域型)
地域課題
の検討
地域ケア会議
地域ケア会議
地域ケア会議
(地域型)
(地域型)
(地域型)
地域課題の発見
● 個別レベル:地域ケア会議(個別ケース)
●ほやねっと
個別ケース
地域ケア会議
の積み重ね
(個別ケース)
(地域包括支援センター)業務
・介護予防支援業務
地域ケア会議
地域ケア会議
(個別ケース)
(個別ケース)
- 37 -
・実態把握業務
・相談業務
等
施策の方向2
個別施策2
1
個別施策2
認知症施策の総合的推進
認知症施策の総合的推進
認知症施策の検討・推進
【現状と課題】
・認知症施策の有効な実施には、関係団体の理解と協力を得ながら、一体的に取り組む必要があるた
め、平成26年度に、医療や介護、福祉等の関係団体の代表をメンバーとした認知症施策検討委員
会を設置し、認知症に係る課題の整理と対応策を協議しています。
【取組の方向性】
(1)認知症施策の検討・推進
・認知症に関わる医療や介護、福祉等の関係団体の代表が、施策の進行管理や問題点の検討を行う
ほか、新たな課題についても対応策を協議します。
・委員会を構成する機関など、関係団体との協力体制を構築します。
施 策
内 容
①認知症施策の検討・ ・委員会において、認知症に関する課題の整理と対応策について協議・
推進
検討し、施策に反映します。
・委員会の構成機関をはじめ、関係団体と協力・連携しながら施策を
実行します。
・施策の効果を定期的に検証し、問題点の改善を進めるほか、新たな
課題についても対応策を協議します。
2 認知症予防と知識の普及啓発
【現状・課題】
・高齢者の認知症に対する認知度は、前回(3年前)の日常生活圏域ニーズ調査時と比較して高まってい
ます。今後も、認知症の症状や対応方法、相談窓口等、認知症に関する正しい知識を普及する必要
があります。また、相談先としては「家族」をあげる人が多くを占めているため、広い世代に向け
て普及啓発する必要があります。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
「認知症についてどの程度知っていますか」という設問に対し、「よく知っている(22.1%)」(前回
(13.0%))、
「ある程度知っている(59.5%)」(前回(57.6%))と回答した人は全体で 8 割を超えていま
す。3年前(70.6%)に比べ、認知症に関する知識は高齢者の間でかなり浸透してきています。
「認知症に対する不安を持ったとき、誰(どこ)に相談しますか」という設問に対し、認知症に関す
る相談先として、
「家族(78.3%)」(前回(80.8%))、「かかりつけの医療機関(51.3%)」(前回:
「病院、
診療所」(63.1%))をあげる人が多くなっています。
・認知症サポーターの養成は順調に進んでいますが、講座の受講後、認知症に関わる具体的な活動に
つなげる仕組みが必要です。
《認知症サポーター養成者数》
平成 22 年度
サポーター養成数(人)
平成 23 年度
2,038
2,734
平成 24 年度
4,813
平成 25 年度
9,685
・認知症の大部分を占めるアルツハイマー型や脳血管性認知症は、高血圧、糖尿病、高脂血症などの
生活習慣病と関係があるといわれています。バランスのとれた食事に心がけることや、有酸素運動
を生活の中に取り入れるなど、日頃の生活習慣の重要性を周知する必要があります。
- 38 -
施策の方向2
個別施策2
認知症施策の総合的推進
【取組の方向性】
(1)認知症の知識の普及啓発
・認知症の人が住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、地域住民の認知症に対する理解を
深め、認知症の人や家族を温かく見守り、支援が行われる地域をつくります。
・ほやねっとが認知症の相談窓口であることを広く周知します。
施 策
内 容
①認知症の知識の普 ・子どもから大人まで幅広い年齢層に対して認知症サポーター養成講座を
及啓発
開催します。また、高齢者と接する機会の多い企業等(宅配業や薬局な
ど)に対しても、受講を働きかけます。
・養成講座受講者が、認知症の人への支援活動を希望する場合は、活動内
容や活動場所に関する情報を提供します。
・認知症サポーターとキャラバン・メイト ※で構成される団体が行う、認
知症に関するボランティア活動を支援します。
・従業員の半数以上が認知症サポーター養成講座を受講したお店や事業所
を「認知症の人にやさしいお店等」として認定し、市ホームページで周
知します。
・9月を本市独自の「認知症理解普及月間」と位置付け、街頭キャンペー
ンやパネル展示等により、認知症に関する理解と関心を高めます。
・自治会型デイホームやよろず茶屋等の高齢者が集まる場所や、認知症サ
ポーター養成講座の受講者に対して、ほやねっとが認知症の相談窓口で
あることを周知します。
※キャラバン・メイト:キャラバン・メイト養成研修を受講し、認知症サポーターの
育成など認知症になっても安心して暮らせるまちづくりのためにボランティアで活
動します。
(2)認知症予防に向けた取組の実施
・高齢期を迎える前からの生活習慣病予防が、認知症の予防に効果があるため、適切な生活習慣の普
及啓発に努めます。
・認知症予防の視点から、効果的な介護予防教室等の実施に努めます。
施 策
内 容
① 認知症予防に向け ・高齢期前の生活習慣に問題のある予備群に対して、生活習慣病の予防が
た取組の実施
認知症予防につながるという観点から助言を行います。
・自治会型デイホームやいきいき教室では、効果的な認知症予防プログラ
ムを実施します。
- 39 -
施策の方向2
3
個別施策2
認知症施策の総合的推進
認知症の早期発見・早期対応
【現状・課題】
・認知症の専門医療機関への受診状況を見ると、徘徊・妄想・暴言などの周辺症状が出現し、認知症
が進行した段階で受診することが多い現状です。
《第1回認知症施策検討委員会より》
・嶺北認知症疾患医療センター
「限界まで介護してからの相談が多く、急を要しての入院依頼が多い」
・早期に適切な治療を受けることで、認知機能の低下を抑えることができる場合もあるため、早期に
気づいて受診につなげることが重要です。
・認知症の身近な相談先であるかかりつけの医療機関では、認知症の適切な相談対応を行い、必要が
あれば、専門の医療機関へとつなげることが必要です。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
「認知症に対する不安を持ったとき、誰(どこ)に相談しますか」という設問に対し、認知症に関
する相談先として、「かかりつけの医療機関(51.3%)」(前回:「病院、診療所」(63.1%))をあげる人
人が2番目に多くなっています。
「認知症対策として、どのようなことを望みますか」という設問に対し、認知症対策として求める
ものは、
「早期発見のための診断の充実(54.4%)」が最も多くなっています。
【取組の方向性】
(1)認知症の早期発見・早期対応
・高齢者が、認知機能をチェックする機会をもち、その結果認知機能低下の疑いがあれば、二次検診
を受診するという流れを浸透させます。
・身近なかかりつけの医療機関が、認知症に対する理解を深め、適切な医療と介護保険サービスにつ
なげられるよう、認知症に関する専門医療機関との連携を図ります。
・認知症が疑われる症状が出現した時点で、本人や家族が適切な支援を受けられる体制をつくります。
施 策
内 容
①認知機能低下のチ ・高齢者の生活機能低下を判断する基本チェックリストに、認知症に関す
ェックと連携
る県下統一の5項目を追加して認知症検診を行います。
・「認知機能の低下の疑いあり」と判断された二次検診対象者に対して、
通知にて受診を勧奨します。また、未受診者へのフォローも行います。
・二次検診受診者に対して、必要に応じて専門医療機関への受診勧奨を行
い、経過観察が必要な場合には、ほやねっと等の関係機関と連携して支
援します。
・医師会と連携して、医師に対する二次検診実施にかかる研修受講を勧奨
します。
・医師会と連携して、かかりつけの医療機関と、専門医療機関との連携を
強化します。
②早期対応・支援の実 ・医師、看護師、精神保健福祉士等の3名で構成する認知症初期集中支援
施
チームが、ほやねっとと連携しながら、訪問による実態把握やアセスメ
ント等を通じて、早期診断・早期対応に向けた支援を行います。
- 40 -
施策の方向2
4
個別施策2
認知症施策の総合的推進
認知症ケアの充実・地域づくり
【現状と課題】
・認知症は病気の進行によって、症状が変化し、その症状によって必要な医療・介護保険サービスが
異なってきます。症状の変化に応じて、適切なサービスにつながるように、インフォーマルサービ
スも含めた、医療、介護、福祉などのサービスについて整理し、わかりやすく提示する必要があり
ます。
・認知症が原因の徘徊行動は、行方不明や大きな事故につながる危険性が高まるため、地域が協力し、
早期に発見、保護することが重要です。
・認知症は高齢者に多い病気ですが、65歳未満で発症する場合、若年性認知症といわれます。若年
性認知症は本人や配偶者が現役世代であることから、経済的な問題や、子どもの進学や結婚等、高
齢者と異なる課題も多いため、ケースに即して的確に対応する相談体制を整える必要があります。
【取組の方向性】
(1)認知症ケアの充実・地域づくり
・認知症に関わる介護職の対応力を向上させるため、専門職による研修やアドバイスを行います。
・認知症の症状に対応してサービス等を整理し、広く地域で共有します。
・徘徊により行方不明になった場合に、徘徊高齢者の情報を地域の様々な団体や民間事業者で共有し、
対象者の早期発見と早期保護ができる体制を整備します。
・若年性認知症の人向けの社会資源について整理し、相談窓口を設置します。
施 策
内 容
①認 知 症 に 関 す る 取 ・認知症地域支援推進員を配置し、各ほやねっとに設置した認知症コーデ
組の向上
ィネーターと連携しながら、市全体の認知症に関する取組を推進しま
す。
・推進員とコーディネーターは認知症に関わる介護職の対応力向上のた
め、研修会の実施や、個別事例へのアドバイスを行います。
・推進員とコーディネーターは若年性認知症に関する相談を行い、関係機
関との連携を図ります。
②認知症に関するサ ・認知症の症状に応じて必要な介護や医療サービス、見守りや配食等のイ
ービスの整理
ンフォーマルサービスを含めて、地域のサービスの情報を整理した一覧
表を作成します。
③認知症徘徊SOS ・警察や消防、高齢者とかかわりの深い福祉関係団体、民間事業者との見
守りネットワーク(47 ページ)を構築し、行方不明となった徘徊高齢
ネットワークの構
者を早期発見する仕組みづくりを進めます。
築
・警察が運営するメール配信システム「ふくい安全情報ネットワークシス
テム」
(通称:リュウピーネット)への登録をネットワーク協力事業者
に広め、認知症高齢者が徘徊し行方不明になった場合の早期発見と早期
保護につなげます。
・市内の介護保険サービス事業者の協力を得ながら、徘徊高齢者を早期に
捜索できる体制をつくります。
- 41 -
施策の方向2
5
個別施策2
認知症施策の総合的推進
認知症の人とその家族への支援
【現状と課題】
・認知症になると、本人や家族が好きなことを楽しめなくなったり、閉じこもりがちになるため、精
神的な負担の軽減が大切です。
・認知症対策として、「本人や家族が気軽に集える場所をつくる」ことが必要です。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
「認知症対策として、どのようなことを望みますか」という設問に対し、認知症対策として求める
ものは、
「本人や家族が気軽に集える場所をつくる(35.5%)」が 2 番目に多くなっています。前回調査
時の選択肢「支えるための家族会(15.4%)」と比較して、
「本人や家族が気軽に集える場所」を望む人
が約 20 ポイント伸びています。
・男性介護者は、悩みを一人で抱え込んだり、家事が不得手など男性特有の問題があり女性介護者と
は異なる支援が必要です。
【取組の方向性】
(1)認知症の人とその家族への支援
・認知症の人が、気軽に集って交流や相談ができる場を充実させます。
・同じ立場の介護者同士の交流を支援します。
・男性介護者が悩みを一人で抱え込まないように集える場所を提供し、仲間づくりを進めます。
施 策
内 容
① 認知症の人と家族 ・認知症の人やその家族、地域住民などが気軽に集まり、情報交換や、専
の集いの場の充実
門スタッフに相談できる交流の場を広めるため、認知症カフェを実施す
る団体に対し、実施者間の交流や運営等を支援します。
・介護者同士が同じ立場で話し合って悩みを共有したり、介護に関する情
報や技術などを習得するため、介護者のつどいや男性介護者のつどいを
開催します。
- 42 -
- 43 -
地域づくり
健康
・認知症相談
中期
・認知症初期集中支援チームとの連携
・医療と介護、地域の社会資源のネットワーク構築
重度
・認知症カフェ
・地域づくり
・市民後見人養成
・男性介護者の集い
・成年後見制度支援事業
・介護者のつどい
初期
・居宅サービス ・施設サービス
・地域密着型サービス
介護サービス事業所
居宅介護支援事業所
介 護
・理解普及の取組 ・介護従事者への認知症対応力向上研修 ・地域包括支援センター、居宅介護事業所、施設での相談、支援の推進
【市全体の課題把握・ネットワーク構築】
・認知症サポーター養成講座
【各エリア内での課題把握・ネットワーク構築】
・理解普及の取組
介護者支援
気づき
かかりつけ医
サポート医
認知症初期集中支援チーム
・ 高齢者虐待防止ネットワーク運営事業
・いきいき教室
・健康教室
認知症検診
・認知症コーディネーター2名
・総合相談
・権利擁護
・包括的継続的ケアマネジメント
・介護予防ケアマネジメント
・認知症疾患医療センター
・専門医療機関
・認知症対応病院
早期診断・早期対応、医療
・施策の方向性の検討
・事業報告
・認知症初期集中支援チーム検討委員会
・進捗管理
・認知症ケアパスの作成検討委員会
福井市認知症施策検討委員会
・地域ケア会議(市、警察・消防などの行政、医師、ケアマネ、サービス事業所、社会福祉協議会、民生委員、自治会等)
・福井市あんしん見守りネットワーク事業
協力団体 :医療機関、薬局、新聞配達、電車・バス等交通事業者、運輸・食品等配送事業者、ガス水道事業者、電気事業者等、小売・商店街
様々な地域の団体、介護サービス事業者連絡会(ひとり歩き見守りネットワーク)
・福井市「認知症の人にやさしいお店等」認定事業
・ひとり歩き模擬訓練
・認知症ケアパスの活用
認知症地域支援推進員
相 談
認知症になっても住みなれた地域で安心して暮らせる支援体制
ほやねっと(地域包括支援センター)
権利擁護
介護予防事業
・自治会型デイホーム
・簡易型予防教室
家族
本人
認知症コーディネーター
予 防
市民
・認知症サポーター養成講座
若年層を含む一般市民
・キャラバンメイト連絡会
・認知症理解普及月間
(街頭キャンペーン、パネル展、講座等)
・サポーターステップアップ研修
・認知症サポーター等活動支援事業
普及啓発
<福 井市の認 知症 施 策>
施策の方向2
個別施策3
1
個別施策3
在宅医療・介護の連携強化
在宅医療・介護の連携強化
在宅医療・介護の連携に係る施策の検討・推進
【現状・課題】
・後期高齢者の増加に伴い、在宅で医療と介護を必要とする高齢者の増加が見込まれているため、在
宅医療や介護保険サービスの供給体制を整備する必要があります。
・平成26年度に、医師や歯科医師、薬剤師、ケアマネジャーなど、在宅医療・介護分野の各職種の
代表をメンバーとした在宅医療・介護検討協議会を設置し、在宅医療と介護の連携に関する課題の
整理と対応策を協議しています。
・在宅医療・介護連携を市全体で推進するためには、医師会をはじめとした関係団体の理解と協力を
得ながら取り組む必要があります。
【取組の方向性】
(1)在宅医療・介護の連携に係る施策の検討・推進
・在宅医療・介護検討協議会を開催し、施策の進行管理や問題点の検討を行うほか、新たな課題につ
いても対応策を協議します。
・医師会をはじめとした関係団体との協力体制を構築します。
施 策
内 容
①在宅医療・介護の
連携に係る施策の
検討・推進
2
・在宅医療と介護の連携に関する課題や具体的な対策等について協議・検
討し、施策に反映します。
・医師会との連携により、在宅医療の推進体制を構築します。
・協議会を構成機関をはじめ、関係団体と協力・連携しながら施策を実行
します。
・施策の効果を定期的に検証し、問題点の改善を進めるほか、新たな課題
についても対応策を協議します。
多職種連携体制の整備
【現状・課題】
・在宅医療と介護保険サービスは、家族構成や生活形態などを考慮した上で、一人ひとりに合ったサ
ービスを、長期にわたって提供する必要があります。
・介護保険サービスについては、ケアマネジャーを中心に主に介護職同士が連携してサービスの提供
を行っていましたが、今後は医療関係職と介護職の十分な連携のもと、在宅医療と介護保険サービ
スを組み合わせて提供することが重要です。
・多職種の協働には時間的制約もあり、効率的な情報共有に向けた工夫が必要です。
・ケアマネジャーには、医療職との連携を通して適切な医療サービスをケアプランに組み込めるよう、
医療面の知識の強化が必要です。
【取組の方向性】
(1)多職種連携体制の整備
・医師や歯科医師、薬剤師等の医療職や介護職などの多職種が協働意識を高め、連携を強化できる機
会をつくります。
・日常生活圏域ごとに、地域特性に応じた在宅医療と介護の連携体制を構築します。
- 44 -
施策の方向2
個別施策3
在宅医療・介護の連携強化
・多職種間で、必要な情報が効率よく共有できる仕組みをつくり、協働に伴う負担を軽減します。
・ケアマネジャーを対象に、医療の知識を習得する研修会を開催します。
施 策
内 容
① 多職種連携関係の
構築
②情報共有の様式の
検討
③ケアマネジャーの
医療知識の向上
3
・在宅医療と介護に関する事例検討等を行う多職種連携会議を開催し、お
互いの役割を理解した顔の見える関係づくりを進めます。また、地域包
括ケアシステムの構築を視野に入れて日常生活圏域単位でも開催しま
す。
・利用者の状態など多職種の連携に役立つ情報を共有できるよう、共通の
連絡様式について検討します。
・医療サービスを含めた適切なケアプランの作成や、入退院時を含めた医
療職との連携に欠かせない基本的な医療的知識の修得のための研修会を
定期的に開催します。
在宅医療・介護についての知識の普及啓発
【現状・課題】
・高齢者の多くが、介護・介助に加えて、医療上の処置が必要になったとき、在宅での暮らしを望む
一方で、在宅での生活に不安を感じている人も多い現状です。
・介護・介助と医療上の処置が必要になったとき、希望する在宅での生活をイメージできるよう支援
体制等を周知する必要があります。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
「介護・介助が必要になったときにどこで過ごしたいですか。」という設問に対し、過ごしたい場
所としては、「自宅(53.1%)」が最も多く、「病院などの医療施設(13.5% )」は前回(「長期療養が
可能な病院施設」)に比べて約10 ポイント減少していました。
自宅での暮らしを望む人のなかで、在宅での療養には 49.2 %の人が不安を感じ、40.4 %の人が
「わからない」と答えています。
不安な内容については、「家族への負担(81.9%)」を選択した人が圧倒的に多く、次いで「金銭面
の負担(50.4%)」、また、
「病状急変時の対応(41.7%)」、「自分の望む医療を受けられるか(32.7% )」
について約 3 割~4 割の人が不安に思っています。
【取組の方向性】
(1)在宅医療・介護についての知識の普及啓発
・在宅で医療や介護を受けながら生活することについて、高齢者が容易にイメージし理解できるよう
な情報を提供します。
施 策
内 容
① 在宅医療・介護に
ついての知識の普
及啓発
・在宅での医療と介護について理解を深めるため、概ね日常生活圏域毎に、
定期的な在宅ケア講習会を開催します。
・高齢者が求める情報を収集・整理し、広報紙やリーフレットをはじめ、
ホームページでの掲載等多方面から周知します。
- 45 -
施策の方向2
個別施策3
在宅医療・介護の連携強化
<在宅医療・介護連携体制イメージ図>
在宅医療・介護連携体制
理学療法士
作業療法士
言語聴覚士
訪問看護師
薬剤師
病院医師
看護師
ソーシャルワーカー等
ヘルパー
診療所医師
福祉用具
在宅療養者・家族
圏域
歯科医師
歯科衛生士
多職種の連携強化で
サービス提供体制を強化
介護施設等
栄養士
支援
ケアマネジャー
デイサービス
ほやねっと
医師会
・在宅医療の相談
連携
・各種事業への
医師派遣調整
福井市
・多職種が一堂に
会する会議の開催
・在宅医療・介護の
普及啓発
・ケアマネジャーへの
在宅医療研修
在宅医療・介護検討協議会の開催
- 46 -
施策の方向2
個別施策4
1
個別施策4
地域生活支援体制の充実
地域生活支援体制の充実
高齢者の見守り体制の充実
【現状・課題】
・高齢者のみ世帯(高齢者ひとり及び高齢者複数世帯)の増加といった世帯構成の変化や、自治会加
入率の低下などにより、地域とのつながりが希薄になっており、社会的に孤立する高齢者の増加が
予想されます。そのため、支援を要する高齢者等を地域で見守り、適切な支援にいち早くつなげて
いくための体制づくりが必要です。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
「問:この1か月間、何人の友人・知人と会いましたか」との設問に対し、「0 人」と回答した人
は18.7%と、75 歳以上の高齢者の約2割が交流が乏しい状況にあります。また、
「問:昨年と比べて
外出の回数が減っていますか」の問いに対し、75 歳以上ひとり暮らし高齢者の 42.1%が「はい」と
回答しています。
・個人情報保護制度の下で、福祉に携わる民生委員児童委員や福祉委員であっても支援を必要とする
高齢者の情報や実態把握が円滑に進まない状況です。
・現在に至るまで、民生委員児童委員の見守り活動を中心として、福祉委員の見守りや老人クラブ家
庭相談員による友愛訪問を行ってきましたが、より効果的・重層的に見守りを行うためには、各福
祉団体間の連携が重要です。
≪日常生活圏域ニーズ調査より≫
「問:家で生活を送る上で、援助や支援をしてほしいことがありますか」との問いに対しては、ひ
とり暮らし高齢者世帯のうち 37.4%が「はい」と回答しています。また、
「問:今後もひとり暮らし
や高齢者のみ世帯の増加が見込まれますが、住み慣れた地域で暮らしていくために、地域ではどのよ
うな支援が必要だと思いますか」との設問では、「地域での助け合い」が 54.9 %と一番高く、次いで
「民生委員、自治会等の声かけ」が 52.8%となっており、地域から交流が乏しく孤立に陥りやすい中
で、地域での支え合いが求められています。
【取組の方向性】
(1)緩やかな見守り体制の構築(個人を特定しない見守り)
・民生委員児童委員やほやねっと、社会福祉協議会等の地域の様々な福祉団体や民間事業者と連携し、
高齢者や子どもを重層的に見守るネットワークを構築します。
施 策
内 容
①見守りネットワー
クの構築
・電気、水道、ガスなどのライフライン事業者や新聞販売、宅配事業者など定
期的に各戸訪問を行う事業者をはじめ、様々な民間事業者や関係団体と見守
りに関する協定を締結し、日頃の活動や業務の中でのさりげない見守りと、
異変を察知した場合の連絡体制を整備します。
・対応が困難なケースについては、ほやねっと(地域包括支援センター)や民生委
員児童委員等、関係のある地域団体が参加し支援のあり方を検討する会議を
開催し、適切な支援につなげます。
・構築したネットワークと、徘徊高齢者SOSネットワークを一体的に整備し、
地域で安心して生活できる環境づくりを進めます。
・民生委員児童委員や福祉委員、自治会長等、見守りを行う各関係者が集まり、
自治会単位で見守りが必要な高齢者等の情報を集約した、地域支え合いマッ
プを作成し、関係者間での連携を支援します。
②地域支え合いマッ
プの活用
- 47 -
施策の方向2
個別施策4
地域生活支援体制の充実
(2)日常的な見守り体制の構築(個人を特定した見守り)
・民生委員児童委員に、地域で孤立する恐れのある高齢者のみ世帯の情報を提供し、地域の中で援助
を必要としている高齢者の実態把握を進め、福祉委員と連携して定期的に見守ります。
・閉じこもり等で特に見守りが必要な高齢者のみ世帯に対して、乳酸菌飲料を配付し、異変があった
場合の早期発見につなげます。また、高齢者と地域の人が交流する機会として会食会を実施し、ひ
とり暮らし高齢者の孤立感や閉じこもりの解消を図ります。
施 策
内 容
①高齢者のみ世帯の
実態把握
・住民基本台帳に基づき高齢者のみ世帯の情報を民生委員児童委員に提供し、
戸別訪問等による高齢者のみ世帯の全数把握を進めます。
・住民基本台帳では家族同居となっている場合でも、実際には高齢者のみ世帯
であるケースがあるため、民生委員児童委員が把握した情報をもとにした実
態把握を進めます。
・見守り活動において適切な個人情報の保護と活用を図るため、個人情報保護
に関する研修会を開催し、本人の同意取得や適切な個人情報の管理を徹底し
ます。
②高齢者のみ世帯の ・実態把握をする中で、在宅の日常生活に不安を持つ高齢者のみ世帯を把握し
見守り活動の推進
た場合は、健康状態や緊急連絡先などの情報を市に登録し、緊急時に備える
とともに地区の民生委員児童委員や福祉委員、ほやねっとによる定期的な見
守り活動を行います。
・身体状況の変化に応じ、日常生活用具の給付等必要な福祉サービスを提供し
ます。
③各福祉団体による ・自治会単位に配置されている福祉委員と、民生委員児童委員が連携し、高齢
見守り体制の強化
者のみ世帯の見守り活動を強化します。
・民生委員児童委員と福祉委員の連携を強化するため、合同会議や研修会を開
催します。
④乳酸菌飲料配付・会 ・閉じこもりがち等で特に見守りが必要な高齢者のみ世帯に乳酸菌飲料を週1
食会の開催
回3本配付し、手渡し時の声かけによる安否確認を行います。
・地域の見守り活動の充実につながるよう、70 歳以上のひとり暮らし高齢者
に対して会食会を実施します。
- 48 -
施策の方向2
個別施策4
地域生活支援体制の充実
《見守りネットワークのイメージ図》
介護保険サービス事業所
多様な団体
医療機関
地域の様々な団体
福祉委員
地域
小売店・商店街
薬局
主任児童委員
本人・家族
よろず茶屋
防犯隊
老人家庭相談員
自治会
民生委員児童委員
電車バス等交通事業者
報
運輸・食品等配送事業者
ガス・水道事業者
日常業務の中での異変への気づき、兆しの発見
緊急性あり
緊急性なし
情報収集・対応調整
緊急性あり
福井市
警察・消防
(地域包括支援センター)
情報収集、対応調整、アセスメント
徘徊高齢者情報
身体状況に応じた見守り
立ち入り調査
ほやねっと
専門的対応(入所・入院)
介護・福祉サービス
地域ケア会議等で事例研究
- 49 -
見守り
通報事業者に結果をフィードバック
保健衛生推進員
徘徊
高
齢者
情
地域の多様な主体による緩やかな見守り
電気事業者
新聞配達
施策の方向2
2
個別施策4
地域生活支援体制の充実
高齢者の在宅生活のための支援
【現状と課題】
・ひとり暮らし高齢者は、家族による日常的な安否確認が行えないため、在宅で安心して生活するため
には、急病や事故が起こった場合に、速やかに通報され、また迅速かつ適切な救命活動が行われるよ
う、支援する必要があります。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
「今後もひとり暮らしや高齢者のみ世帯の増加が見込まれますが、住み慣れた地域で暮らしていくた
めに、地域ではどのような支援が必要だと思いますか」との問いに、高齢者の 39.0%が「緊急通報装置
等、自らが安否表示できる体制の整備」と回答しています。
・高齢者は心身機能の低下により、掃除や洗濯、ごみ出し、除雪作業など、日常生活を送る上で必要な
家事等が負担になる場合があります。家族による援助がない場合は、有料のサービスを利用してこれ
らの軽作業を行うことになるため、収入状況によっては利用料金を軽減する必要があります。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
「家で生活を送る上で、援助や支援をしてほしいことがありますか」との問いに対し、高齢者の19.2%
が「ある」と回答しており、そのなかで「援助や支援をしてほしいことは何ですか」の問いに対しては、
「雪下ろし・雪かき」が 62.8%と最も高くなっています。そのほか 37.2%が「掃除」、32.6%が「簡
単な修繕」
、31.7%が「買い物」、27.8%が「ごみ出し」と回答しています。
・家族の支援がないひとり暮らしの高齢者は、健康状態が良好でないときには、食料品など必要な買い
物が困難になります。また、近隣に店舗がなく、自家用車などの移動手段を持たない場合にも、買い
物に対する支援が必要になります。買い物は、高齢者にとって外出を促す機会となるため、地域交通
の整備などが必要です。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
「自ら外出して日用品の買い物をしていますか」との問いには、高齢者の18.5%、75歳以上の高齢
者の 29.1%が「できるけどしていない」または「できない」と回答しています。また「昨年と比べて
外出の回数が減っていますか」との問いに対しては 30.0%が「昨年と比べて外出の回数が減った」と
回答しており、「外出を控える理由は何ですか」に対しては 81.3%が「足腰などの痛み」と回答して
います。
「週に1回以上は外出していますか」との問いに対し 92.0%が「はい」と回答しており、さらに「買
い物で外出する頻度はどのくらいですか」との問いには 73.9%が「週に 2、3 回以上」と回答してい
ることから、高齢者にとって買い物が日々の外出の機会となっていることがわかります。
・災害時に自力での避難が困難な高齢者については、平常時に地域内で情報を共有し、支援方法を決
めておく必要があります。
・強引な訪問販売や送り付け商法等の悪質商法が増加しています。高齢者を悪質な犯罪から守るため
に、消費者教育や防犯意識を啓発する必要があります。
《全体に占める 60 歳以上消費相談の割合(消費者センター)
》
年度
60 歳以上の割合
全体の件数
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
33.9%
36.7%
42.1%
1,725 件
1,655 件
1,674 件
- 50 -
施策の方向2
個別施策4
地域生活支援体制の充実
【取組の方向性】
(1)日常生活に不安のある高齢者へのサービス
・高齢者のみ世帯に、心身の状況や生活状況に応じた福祉サービスを提供し、緊急時の通報や救護体制
を整えるとともに、火災等の事故を未然に防ぎます。
・軽作業に支援を必要とする高齢者のみ世帯に、生活状況に応じた福祉サービスを提供し、在宅での生
活を支援します。
・収入状況によっては、必要な福祉サービスを利用する場合の利用者負担を軽減します。
施 策
内 容
①緊急時の体制の整
備、火災防止
・親族との交流がなく、在宅の日常生活に不安を持つひとり暮らし等高齢者と
して市に登録された人に対して、以下の福祉サービスを提供します。
(1) 緊急通報装置のレンタル
健康上不安がある人に、急病や事故などの事態が発生したときに緊急通報がで
きる装置を貸与します。通報時には、センター職員が相互に会話をしながら迅
速な救護措置を行います。
認知症や常時観察を要する疾患のある高齢者には、赤外線センサーを設置し、
居室内において長時間の移動がない場合に安否確認を行います。
(2) 福祉電話のレンタル
健康上不安があり、電話加入権を持つことが困難な市民税非課税世帯の人に、
福祉電話(電話加入権)を貸与します。
(3) オアシスキット ※(救急医療情報キット)の配付
万が一の緊急事態には、救急隊が医療情報等により迅速かつ適切に救命活動で
きるように「オアシスキット」を配付します。
オアシスキットを備えている高齢者が、定期的に容器に入れた情報を見直し、
更新するよう、市政広報や高齢者向けイベントを通じて周知します。また、医
師会・歯科医師会・薬剤師会と連携し、オアシスキットを利用する医療関係職
に対する認知度の向上に取り組みます。
※オアシスキット:かかりつけ医等の医療情報や緊急連絡先、保険証の写しなどの情報
を筒状の容器に入れ、日ごろから自宅の冷蔵庫に保管しておくもの
(4) 日常生活用具(防火器具)の給付
市民税非課税世帯の人に、電磁調理器、自動消火器、火災警報器を給付し、日
常的に火災を予防し、万が一の失火時に初期消火活動が行えるよう備えます。
②日常軽作業サービ
スの提供
・親族との交流がなく、在宅の日常生活に不安を持つひとり暮らし等高齢者と
して市に登録した人に対して、下記の軽作業サービスを提供します。
(1) 軽度生活援助事業(えがおでサポート事業)
日常の生活に援助が必要な市民税非課税世帯及び均等割課税世帯の人に対
して、軽作業サービスを安価で提供します。
※軽作業の内容:
近隣スーパー等での買い物代行/通院の際の外出援助/屋内の掃除/衣類などの洗
濯/ごみの搬出/生活空間の草取り/玄関から道路までの生活路の除雪/簡易な修
繕/朗読・代筆/その他(簡単な調理補助など)
(2) 寝具洗濯サービス
日常使用している寝具の衛生管理が困難な人に対して、掛け布団や敷き布
団、毛布を洗濯(丸洗い)乾燥するサービスを安価で提供します。
③紙おむつ等の支給
・要支援1以上の認定者に対して、紙おむつなどを支給します。
- 51 -
施策の方向2
施 策
④屋根雪下ろし費用
の補助
個別施策4
地域生活支援体制の充実
内 容
・自力で屋根の除雪が困難で、家族の支援のない非課税世帯の人に対して、
除雪にかかる費用の一部を補助します。
・民生委員児童委員と協力して補助対象者の把握に努めます。
(2)買い物支援の充実
・自ら買い物をすることが困難な高齢者を支援します。
・要介護認定者には、介護保険サービスにおいて、買い物を支援します。
・障がいのある人には、障害福祉サービスにおいて買い物を支援します。
・地域コミュニティバス、地域バス、コミュニティバスすまいるを運行し、高齢者を含めた地域住民
の外出を支援します。
施 策
内 容
①「おたすけ便」に
よる買い物支援
・福井市商店街連合会による買い物宅配サービス「おたすけ便」への補助を
行い、自ら買い物に出かけられない高齢者を含む買い物弱者の支援につな
げます。
・特に家族による支援がなく、日常的な買い物が困難になりやすいと考えら
れる高齢者のみ世帯に、事業を積極的に周知します。
※おたすけ便:市内に住んでいる人であれば誰でも配達料無料で利用できる買い物宅配サ
ービス。利用登録を行うと、毎月商品リストが自宅に届けられ、希望する商品を電話注
文することによって、注文日の翌日に利用者宅に届けられる仕組み。
②軽度生活援助事業
による買い物代行
サービスの提供
③介護保険及び障害
福祉サービスによ
る買い物支援
④地域バスの整備、
地域コミュニティ
バス・コミュニテ
ィバスすまいる運
行支援
・買い物支援が必要な市民税非課税世帯及び均等割課税世帯の高齢者のみ世
帯に対して、利用者宅近隣のスーパー等で食料品や日常生活用品の買い物
を安価で提供します。
・介護保険サービスにおいて、訪問介護又は介護予防・日常生活支援サービス
(本市は平成 29 年度から実施予定)により、ヘルパー等による買い物支
援を行います。
・障害福祉サービスにおいて、本人又は家族等が家事を行うことが困難である
障がいのある人を対象に、買い物、調理などの家事援助を行います。
・地域バスの整備
福井市都市交通戦略に掲げる全域交通ネットワークの構築を目指し、主に
旧合併地区(美山、越廼、清水)において、スクールバス車両等の既存ス
トックを活用しながら、地域内の移動手段の確保・維持とサービス向上を
図ります。
・地域コミュニティバス運行支援
公共交通空白地域・不便地域を解消するため、地域の運行協議会が主体と
なって運行計画を考えた地域コミュニティバスの運行を支援します。地域
住民の移動ニーズにきめ細かく応えることで、地域住民の移動利便性の向
上を図ります。
・コミュニティバスすまいる運行支援
中心市街地へのお買い物バスとして、まちづくり福井㈱が運行するコミュ
ニティバスすまいるの運営を支援し、来街者の利便性の向上を図ります。
※バス路線と料金
路線
地域バス(美山)
料金
美山・羽生地区等
100 円
美山・芦見方面
100 円
美山・味見方面
100 円
- 52 -
施策の方向2
個別施策4
地域生活支援体制の充実
内 容
施 策
路 線
地域バス(清水)
料 金
清水畑平尾線
100 円
笹谷志津ヶ丘線
100 円
越廼~鷹巣地区
100 円
越廼地区
100 円
地域コミュニテ
日新地区等
100 円
ィバス
鷹巣、棗地区等(デマンド型)
200 円
地域バス(越廼)
鶉、宮ノ下、大安寺地区等(デマンド型)
殿下地区等(デマンド型)
200 円
100 円~200 円
酒生地区等
100 円
岡保地区等(2ルート)
100 円
コミュニティバ
北ルート(田原・文京方面)
100 円
スすまいる
西ルート(照手・足羽方面)
100 円
南ルート(木田・板垣方面)
100 円
東ルート(城東・日之出方面)
100 円
(3)防犯・防災体制の確立
・高齢者が住宅火災を起こさないよう、家庭内の防火対策や高齢者自身の防火意識の高揚に努めます。
・高齢者が安全に暮らすことができるよう、災害時に地域内で迅速な避難支援ができる体制を構築す
るとともに、地域の防災力を強化します。
・高齢者が消費生活関連の犯罪等から身を守ることができるよう、消費者教育を行います。また、高
齢者が抱えている生活上の悩みを、気軽に相談できる場を提供します。
施 策
内 容
①ひとり暮らし高齢
者宅への防火訪問
・高齢者住宅の火災を防ぐために、春と秋の火災予防運動期間に合わせ、ひ
とり暮らし高齢者宅を訪問し、火気使用器具等や火気取扱状況等の実態把
握を行うとともに、防火指導を実施し防火意識を高めます。
②避難行動要支援者
名簿の作成・活用
・災害時に高齢者や障がいのある人等の避難行動要支援者 ※が迅速に避難で
きるよう、避難行動要支援者名簿を作成します。
・平常時に避難行動要支援者名簿を提供することに本人の同意を得て、事前
に避難支援等関係者 ※に名簿を提供するとともに、名簿情報に基づいた具
体的な避難方法等についての個別計画を策定し、災害時の避難行動の支援
を実施します。
・発災または発災のおそれがある緊急時には、本人の同意の有無に関わらず
名簿を支援機関等に提供し、避難行動の支援を実施します。
※避難行動要支援者:高齢者や障がいのある人等の要配慮者のうち、発災または発災のお
それがある場合に自ら避難することが困難な人であって、円滑かつ迅速な避難の確保の
ために特に支援を要する人のことです。
※避難支援等関係者:避難支援等に携わる消防機関、警察、自治会、自主防災組織、民生委
員児童委員、福祉委員等のことです。
③自主防災組織への
支援
・自主防災組織 ※の設置や防災資機材の購入に関する補助を行います。
・地域の高齢者の防災意識を高めるため、自主防災組織が行う防災訓練や啓
発事業などの活動を補助します。
※自主防災組織:災害から地域社会を守るため、
「自助」
・「共助」の考え方から自治会又
はその集合体等を母体として住民が自発的に結成し、運営する組織のことです。
- 53 -
施策の方向2
地域生活支援体制の充実
施 策
内 容
④消費者教育・相談
・振り込め詐欺や送り付け商法などの悪質商法の被害にあわないよう、市内
の公民館・集会場等で消費生活に関する最新の情報を提供し、被害を未然
に防ぎます。
・消費者生活相談員によるアドバイスや情報提供を行い、消費生活のトラブ
ル解消に努めます。
・市民ポスト、窓口、電話及びメール等での市政相談や生活相談(フェニッ
クス通信)、相続・契約等法律問題を扱う無料法律相談、高齢者虐待等人権
問題を扱う人権悩みごと相談、生活上の不安などを扱う心配ごと相談など
の各種相談を開催します。
⑤各種相談の開催
3
個別施策4
高齢者の住まい環境と生活環境の整備
【現状と課題】
・高齢になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、高齢者の特性に合わせた住環境
を整備する必要があります。
・今後の高齢者人口の増加に伴い、親族による支援が困難と思われる高齢者のみ世帯の増加が見込ま
れる中で、安否確認や生活相談などのサービスが提供される住宅のニーズが高まっています。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
「サービス付き高齢者向け住宅を知っていますか。」という設問に対し、「知っている」「聞いたこ
とがある」高齢者の割合は、49.2%となっており、高齢者の間でその存在自体が浸透しつつあるこ
とが伺えます。
また、
「介護・介助が必要になったときにどこで過ごしたいですか。
」という設問に対して、過ごし
たい場所として、「サービス付き高齢者向け住宅」を選ぶ人が前回調査では 7.1%であったのに対し、
今回は 10.4%と上がっています。また、「サービス付き高齢者向け住宅」を知っている人に限ると、そ
の割合が 19.7%になっています。
・サービス付き高齢者向け住宅は、共用空間や併設の介護保険サービスを入居者だけでなく広く地域
に開放するなど、地域の高齢者の拠点施設となるよう検討する必要があります。
【取組の方向性】
(1)居宅住環境の整備
・高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、住環境の整備を支援します。
・市営住宅福団地において、高齢者が安全かつ快適に自立した生活を継続できるよう配慮した「シル
バーハウジング」を運営します。
・サービス付き高齢者向け住宅については、居住者だけでなく、その地域の福祉向上につながる取組
を推進します。
施 策
内 容
①住まい環境の整備 ・自宅で暮らす要介護3以上、または要介護1以上でかつ車椅子を利用して
支援
いる高齢者が、在宅生活を長期間継続できるようトイレの拡幅や洗面台の
取替えを行う場合に、その改修にかかる費用の一部を補助し、居住環境の
整備を支援します。
※助成対象となる範囲
①廊下・トイレ・浴室・居室・玄関・ポーチおよび玄関から一般道路までの住宅周辺
部分等の拡幅 ②車椅子使用等による洗面台・流し台・ガス台・調理台の取替え
③レバー式蛇口等への取替え ④階段昇降機、段差解消機の設置
⑤移動改善のための扉の新設 ⑥居室周辺へのトイレの移設
- 54 -
施策の方向2
施 策
個別施策4
地域生活支援体制の充実
内 容
⑦テーブル生活等のための床材、電気スイッチ等の高さの変更
⑧訪問介護員等の出入りのための勝手口の設置
※ただし、介護保険給付対象外の工事が対象
②高齢者世話付き住
宅に対する生活援
助員派遣
③まちなかでの優良
賃貸住宅の整備
④既存市営住宅の改
善
⑤サービス付き高齢
者向け住宅の整備
・市営住宅福団地に、高齢者等の生活特性に配慮したバリアフリーの居室を
設け、安否確認や生活相談を担う生活援助員を派遣します。また、居室に
は緊急時の通報装置やライフリズムセンサーを備え、万が一の事態にも迅
速に対応します。
・まちなか(福井市都市計画マスタープランで位置づけられた 625.2ha 内)
で高齢者世帯、障がい者世帯、子育て世帯等、地域における居住の安定に
特に配慮が必要な世帯に対する良好な賃貸住宅の供給を促進するため、民
間事業者が建設した地域優良賃貸住宅の整備に要する費用の一部、家賃の
減額に要する費用を補助します。
・福井市住宅基本計画に基づき、3階以上の市営住宅の住棟について、エレ
ベーターを設置する改修工事を行います。
・介護保険サービスを併設するサービス付き高齢者向け住宅が、居住者だけ
でなく、地域住民にも活動の場として提供され、積極的な交流を通して、
地域の高齢者等の拠点施設となることを推進します。
・サービス付き高齢者向け住宅に併設される介護サービスが、居住者だけで
なく、地域の高齢者にも提供されるように指導します。
(2)在宅での生活が困難な高齢者に対する住まいの提供
・家族等の支援が受けられない高齢者や低所得高齢者に対して、市が職権をもって養護老人ホーム等
へ措置し、必要なサービスを提供します。
施 策
内 容
①養護老人ホームへ
の措置入所
②高齢者生活福祉セ
ンターへの措置入
所
・おおむね 65 歳以上の身の回りのことができる高齢者で、環境上の理由や
経済的な理由により、居宅での生活が困難な人に対して、必要に応じて養
護老人ホームへの措置入所を行い、生活の場を提供します。
・60 歳以上のひとり暮らしで、自立して生活することに不安のある人に対
して、一定期間の利用を条件に住居を提供し、健全な生活の確保を図りま
す。
(3)高齢者に配慮したまちづくりの推進
・高齢者の移動手段の支援として、交通機関の優遇制度や交通ネットワークについて周知を図り、利
用を促進します。
・安全で快適に生活できるよう、計画的に歩道や公共施設、生活環境面のバリアフリー化を進めます。
・高齢者が参加しやすく、出かけたくなるまちづくりを目指して関係者と連携します。
施 策
内 容
①高齢者の外出移動
支援の充実
②高齢者福祉施設の
充実
・民間バス会社が実施している「いきいき定期」の適用範囲を、市内各地で
運行している地域バスや地域コミュニティバスに拡大することについて検
討します。
・自動車の運転ができない在宅の重度身体障がい者、知的障がい者、精神障
がい者に対して、タクシー助成券を交付します。
・指定管理者制度を導入してるすかっとランド九頭竜や美山楽く楽く亭につ
いて、民間のノウハウを活かしてサービス向上を図ります。
・直営施設のこしの高齢者ふれあいセンター、清水高齢者福祉センターなど
について、高齢者の憩いの場としての機能を充実します。
- 55 -
施策の方向2
個別施策4
地域生活支援体制の充実
施 策
内 容
③高齢者を対象とし
た交通安全教室の
開催
④歩行空間の整備
・高齢者向けの交通安全教室のPRを行い、多くの高齢者が受講するよう努
めるとともに、わかりやすい内容に心がけます。
⑤民間施設バリアフ
リーの推進
⑥公共施設等バリア
フリーの推進
⑦市ホームページバ
リアフリーの推進
⑧出かけたくなる場
の提供
・市民が安全で快適に道路を利用できるよう、段差の解消や視覚障がい者用
ブロックの設置等、計画的な歩道のバリアフリー化に取り組みます。
・不特定多数の人々が利用する一定規模の新築建物について、
「高齢者、障害
者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)」や「福井
県福祉のまちづくり条例」の整備基準に適合した施設になっているかどう
かの審査を行い、バリアフリー化を進めます。
・利用者が多い公共施設について、計画的なバリアフリー化を推進します。
・平成30年の「第73回国民体育大会・第18回全国障害者スポーツ大会」
に向け、国体関連施設等を対象に、バリアフリー化を進めます。
・障がいのある人や高齢者の人が利用しやすいよう、色の変更や文字の大き
さに配慮して、ホームページのバリアフリー化を進めます。
・「いきいき長寿よろず茶屋」の利用促進や、中心市街地の活性化に向けた
事業実施により、高齢者が出かけたくなるまちづくりを進めます。
- 56 -
施策の方向2
個別施策5
1
個別施策5
権利擁護の推進
権利擁護の推進
成年後見体制の整備
【現状・課題】
・認知症高齢者の増加に伴い、日常生活上の判断をすることが難しくなる高齢者が増えることが見込
まれる中、成年後見人 ※の市長申立 ※は増加傾向にあります。
※成年後見人:権利や財産について判断することが難しくなった人を、できる限り本人の意思や希望を尊重しつつ、
法律面や生活面から保護や支援をする人のことです。家庭裁判所が選任した後見人等が高齢者に代わって金銭や財
産の管理をしたり、契約をしたり、あるいは契約を取り消したり、介護保険サービスや医療が受けられるようにし
たりという支援をします。
※市長申立:権利や財産を判断することが難しくなった人を支援していくために、成年後見制度利用の申立てをする
親族がいない場合、市長が家庭裁判所に申立てを行うことです。その後、家庭裁判所にて後見人等の審判を行いま
す。
《成年後見制度利用の市長申立件数》
平成 21 年度
平成 22 年度
7
7
申立件数(件)
《後見人報酬等の助成件数》
平成 21 年度
助成件数(件)
2
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
9
17
7
認知症高齢者のみ
平成 22 年度
平成 23 年度
6
平成 24 年度
平成 25 年度
1
7
5
認知症高齢者のみ
・家庭の事情、又は財産がない人などで後見人をつけられない事案に対応するため、養成研修を受け
て裁判所から成年後見人等として選任された一般市民である「市民後見人」を育成し、地域ぐるみ
で支え合える支援体制を検討する必要があります。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
「成年後見制度を知っていますか」との問いに対し、
「知っている」が 31.3%、
「聞いた事がある」
が 33.6%、
「知らない」が 35.1%の割合であり、3 人に 1 人が制度について知らない状況です。
【取組の方向性】
(1)成年後見制度と本人への保護・支援
・本人の意思を尊重し、高齢者が地域で安心して生活できるように、市民後見人の育成と活用につい
て検討します。
・高齢者の人権を守り成年後見等の利用を支援するため、市長申立や後見報酬助成や日常生活自立支
援事業を実施します。
施 策
内 容
①成年後見制度等の利
用推進
・成年後見制度について、広報紙の掲載やチラシの配布などを行い、市民
への成年後見制度の周知と利用促進に取り組みます。また、申立てをす
る親族がいない場合に行う「市長申立」の仕組みについても、わかりや
すく周知します。
・ほやねっと等の関係機関と引き続き連携し、申立てをする親族がいない
場合に、「市長申立」を支援します。
・市長申立ての後、後見人への報酬支払いが困難な場合には、後見人報酬
等の助成をします。
・福井市社会福祉協議会の日常生活自立支援事業により、判断能力が不十
分な高齢者に対して、福祉サービスの利用援助、日常の金銭管理、書類
等の預かりサービスを提供します。また、判断能力に応じて、日常生活
自立支援事業から成年後見制度への移行を支援します。
- 57 -
施策の方向2
施 策
②市民後見の推進
2
個別施策5
権利擁護の推進
内 容
・成年後見制度利用者の増加に対応するため、市民後見人の育成や活動支
援の体制整備について検討します。
高齢者虐待への対策
【現状と課題】
・本市における養護者等による高齢者虐待の件数は増加傾向ではないものの、ここ数年は一定の件数
で発生しています。虐待を受けている高齢者の多くに認知症の症状があり、今後認知症高齢者の増
加が見込まれることから、高齢者虐待の増加が懸念されます。
《養護者による高齢者虐待件数》
虐待相談件数(新規)
虐待と判断した件数
平成23年度
58
36
平成24年度
57
32
平成25年度
74
36
平成23年度
平成24年度
平成25年度
《養介護施設従事者による虐待件数》
虐待相談件数(新規)
虐待と判断した件数
0
2
1
0
1
0
・虐待の早期発見・早期対応を行うため、ほやねっとに虐待の相談・通報窓口を設置していますが、
十分に周知が進んでいない現状です。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
「地域包括支援センターのどのようなことを知っていますか」の問いに対し、「高齢者の虐待につ
いての相談窓口」であると認識している高齢者は、全体の 12.5%に留まっています。
・高齢者虐待が発生する背景には、高齢者本人と養護者の人間関係、介護負担、認知症への理解不足、
地域社会での孤立など複雑な要因が絡み合っていることが多いため、関係機関との連携を密にし、事
例に応じて柔軟に支援する必要があります。
【取組の方向性】
(1)高齢者虐待防止に向けた普及啓発と早期発見
・市民一人ひとりが高齢者虐待について正しい知識や理解を持ち、虐待の発生が疑われる場合には相
談や通報につながるよう周知します。
・高齢者虐待の発生を未然に防ぐために認知症の理解普及、介護者の負担軽減を図ります。
施 策
内 容
①高齢者虐待に関す ・市民に対して、高齢者虐待についての正しい知識や理解を促し、虐待に関す
る理解の普及啓発
る意識向上を図ります。
・ほやねっとや市の担当課に通報窓口があることや、高齢者虐待を受けたと思
われる高齢者を発見した場合には速やかに相談窓口に相談するよう、市政
広報やチラシを利用して周知します。
② 虐待発生の未然防 ・介護者を抱える家族に対して、介護者のつどいやかたらいの会などにおいて
止
介護者同士の交流や介護方法などについての情報交換を行い、介護負担の軽
減を図ります。
(2)高齢者虐待への対応
・住み慣れた地域における高齢者の安心した生活の確保を目的として、高齢者虐待防止のためのネッ
トワークを形成し、その充実を図ります。また、虐待事例に対して、関係者と相互連携を図りなが
ら、早期に高齢者と養護者に対する支援を行います。
- 58 -
施策の方向2
施 策
個別施策5
権利擁護の推進
内 容
① 高齢者虐待ネット ・高齢者虐待防止ネットワーク運営委員会を開催し、本市における高齢者虐待
ワークによる対応
の実態や虐待防止の取組などについての共通認識を深めながら、連携を強化
します。
・虐待対応は、ほやねっとと市が中心となり、緊急性の判断、事実確認、虐待
の有無の判断を行い、支援計画に沿った援助を実施します。
・保健・医療・福祉分野が横断的な支援体制で対応することはもとより、専門
的な対応が必要とされる場合には、警察や弁護士などとも連携し、高齢者虐
待の重篤化を防ぎます。
- 59 -
施策の方向3
高齢者の介護予防と介護保険サービスの充実
Ⅳ 施策の
策の方向3
向3 高齢者の
者の介護予防と介護
介護保険サービ
ービスの
スの充実
高齢期においても、「生活の質(QOL)」を維持して自分らしく生きるためには、
まずは介護や支援が必要な状態となることを予防する取組みが重要です。しかし、加
齢とともに疾病等により日常生活を送る上で何らかのサポートが必要になる可能性が
高まるため、いわゆる「団塊の世代」が75歳を迎える平成37年に向けて、高齢者
のニーズに対応できる適切な量と質の高い介護保険サービスを計画的に整備すること
も必要です。
具体的には、住民主体で運営する通いの場の充実や地域におけるリハビリテーショ
ンの専門職等を活用した自立支援の取組みを推進し、効率的・効果的な介護予防事業
を実施します。
また、介護保険サービスの整備にあたっては、高齢者ができる限り住み慣れた地域
で自分らしい暮らしを続けることに主眼を置くとともに、認知症高齢者や重度の要介
護状態にある高齢者など自宅での生活が困難なケースにも適切に対応します。
新たな取組みとしては、高齢者の日常生活をきめ細かく支援するため、要支援者が
対象になる介護予防訪問介護・介護予防通所介護を市の新しい介護予防・日常生活支
援総合事業に移行し、柔軟なサービス提供体制を確保するとともに、多様な担い手の
育成を進めます。
介護保険制度の運用面においては、適正な要介護・要支援認定や、事業者に対して
の指導・監督及び資質向上を図る取組により、質の高い介護保険サービスを公平・公
正に利用できる環境づくりを進めます。
また、介護費用の増加が見込まれる中、介護保険法の改正により、保険料やサービ
スの利用に係る負担のあり方が見直されましたが、改正内容と併せて、本市独自に、
保険料段階やサービス利用の面で、所得の低い高齢者の負担軽減策に取り組みます。
- 60 -
施策の方向3
高齢者の介護予防と介護保険サービスの充実
個別施策1 介護予防
1 介護予防の推進
(1)すべての高齢者を対象とした介護予防(一般介護予防事業)
①自治会型デイホームの充実
②いきいき長寿よろず茶屋の拡充
③介護サポーターポイント制度の拡充
④介護予防事業対象者の的確な把握
⑤介護予防教室
⑥地域リハビリテーション活動支援事業の創設
個別施策2 介護保険サービス基盤の整備
1 介護保険サービスの利用見込みと供給体制確保
(1)介護保険サービスの利用見込みと供給体制確保
①地域密着型サービスの整備
②居宅サービスの整備
③施設サービスの整備
2
新しい介護予防・日常生活支援総合事業の利用見込みと実施体制づくり
(1)新しい介護予防・日常生活支援総合事業の利用見込みと実施体制づくり
①訪問型サービス、通所型サービス等の見込み量等
②専門性が求められるサービス等の提供
③従来制度の拡充
④新しい担い手づくり
3
事業費の見込みと保険料
(1)事業費の見込みと保険料
①第6期事業費の見込み及び保険料
個別施策3 介護保険事業の適正な運営
1 要介護・要支援認定の適正化
(1)要介護・要支援認定の適正化
①要介護・要支援認定の適正化
2
適正な介護保険サービスの確保
(1)介護保険事業の円滑・適正な運営
①介護保険事業の円滑・適正な運営
(2)介護保険サービス事業者の資質向上
①介護保険サービス事業者の資質向上
(3)サービス内容及び介護給付の適正化
①サービス内容の適正化
②ケアプランの適正化
③給付内容の適正化
- 61 -
施策の方向3
3
利用者負担の適正化
(1)利用者負担の適正化
①利用者負担の適正化
4
低所得者対策
(1)公費による保険料軽減の強化
①公費による保険料軽減の強化
(2)介護保険サービス利用者負担の軽減
①介護保険サービス利用者負担の軽減
- 62 -
高齢者の介護予防と介護保険サービスの充実
施策の方向3
個別施策1
1
個別施策1
介護予防
介護予防
介護予防の推進
【現状と課題】
・高齢による衰弱や関節疾患などが原因で生活機能が低下した要支援認定者が増加しています。高齢期
を元気で過ごすためには、生活習慣病等の疾病予防に加え、介護予防に早期に取り組むことが重要で
す。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
介護、介助が必要になった理由は前期高齢者で、脳卒中が 15.2%で一番高く、次いで糖尿病が 12.3%
となっており、前期高齢者では生活習慣病により介護・介助が必要になるケースが高いことがわかり
ます。一方、75歳以上の後期高齢者では、高齢による衰弱、骨折・転倒、認知症により介護・介助が
必要となるケースが高く、加齢による「老化現象」によるものが主な要因となっていることがわかり
ます。
・平成 25 年度に介護予防が必要な高齢者を把握するため実施した基本チェックリストの本市の回収
率は約 65%で、また、介護予防教室への参加率は全高齢者の 1.2%と介護予防の重要性が十分浸透
していない状況です。
・これまでの介護予防教室は、心身機能を改善することを目的とした機能回復訓練が中心でした。介
護予防教室終了後に心身機能を維持するための活動や社会参加を促す取組が十分ではありませんで
した。そこで、介護予防教室修了者はもとより、あらゆる高齢者が継続して介護予防に取り組むこと
が出来るよう地域に多様な通いの場を創出し、身近な場所で継続的に体操などを行う環境づくりが重
要です。
・元気高齢者が、生活機能の低下した高齢者を支える担い手となることで、自身の生きがいや社会参
加を通した介護予防につながる仕組みづくりが重要です。
【取組の方向性】
(1)すべての高齢者を対象とした介護予防(一般介護予防事業)
・高齢者が元気で活動的な生活を続けることができるよう、地域のボランティア等の資源を活かしな
がら健康づくりから介護予防まで一貫性のある事業として幅広い高齢者を対象に実施します。
・元気な高齢者が支援を必要とする高齢者の支え手になるとともに、さらに自身の介護予防にもつな
がるよう、介護サポーターポイント制度を見直します。
・地域の高齢者の生きがいと健康づくりの拠点である自治会型デイホーム事業の内容を充実するとと
もに、住民主体のいきいき長寿よろず茶屋への支援を拡大します。
・高齢者のQOL(生活の質)を高めるため、地域で展開する介護予防等の取組にリハビリテーショ
ンの専門職等を活用します。
施 策
内 容
①自治会型デイホー
ムの充実
②いきいき長寿よろ
ず茶屋の拡充
・自治会型デイホームでの既存のメニューのほかに、対象者の身体状況に
応じた、多彩な介護予防プログラムを実施します。
・介護予防メニューを取り入れるなど、身近な通いの場として設置数を増
やしながら、地域の介護予防の拠点となるよう支援します。
・介護予防に関するノウハウのある介護保険事業所に併設された地域交流
スペース等を、よろず茶屋の活動場所として活用します。
・元気な高齢者のほか、介護が必要な高齢者や認知症高齢者、その家族な
どが気軽に集える場所となる取組を支援します。
・介護予防教室修了者が、自主グループとしてよろず茶屋を開設できるよ
う立ち上げを支援します。
- 63 -
施策の方向3
施 策
③介護サポーターポ
イント制度の拡充
④介護予防事業対象
者の的確な把握
⑤介護予防教室
⑥地域リハビリテー
ション活動支援事
業の創設
個別施策1
介護予防
内 容
・元気な高齢者がゴミ出し等日常生活支援を必要とする高齢者を支える仕
組みづくりを進めるため、介護サポーターポイント制度を見直し、活動
の場を施設等から在宅に拡大します。
・基本チェックリストに認知機能のチェック項目を追加した元気度調査を
通して、生活機能の低下に不安がある高齢者を早期に発見します。
・基本チェックリストの結果から、機能低下が見られる場合には、新しい
介護予防・日常生活支援総合事業(本市は平成 29 年度から実施予定)の利
用につなげます。
・元気度調査に回答のあった高齢者に対して、健康に関する助言などを掲
載した個人結果表(アドバイス表)を送付し、健康への意識を高めます。
・転倒予防のための運動や口腔機能向上などに関する介護予防のポイント
について普及啓発を進めます。
・機能低下が見られない高齢者には、介護予防の習慣を継続できるよう自
治会型デイホームやいきいき長寿よろず茶屋の利用につなげます。
・リハビリテーションの専門職が自治会型デイホームやよろず茶屋を訪問
し、リハビリテーション技術等の助言や指導をします。
・自治会型デイホームやよろず茶屋のスタッフ、ボランティアを対象に、
リハビリテーションの理念や介助方法等に関する講座を行い、ボランテ
ィアやスタッフの育成を支援します。
- 64 -
施策の方向3
個別施策2
介護保険サービス基盤の整備
個別施策2 介護保険サービス基盤の整備
1
介護保険サービスの利用見込みと供給体制確保
【現状・課題】
・平成 26 年度からいわゆる団塊の世代が 75 歳を迎える 37 年度にかけて、65 歳以上の第 1 号被保
険者数は 8%増加するのに対して、要介護リスクの高まる75歳以上の後期高齢者は 26%増加する
ことが見込まれます。
・介護保険給付費の財源の 28%を担う第 2 号被保険者は、平成 26 年度から 37 年度にかけて、5%
減少することで第 1 号被保険者の負担の増加が見込まれます。
《被保険者数実績及び見込み》
単位(人)
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
平成 37 年度
65,532
68,037
70,374
71,428
72,402
73,375
76,258
65~74
31,082
33,159
35,263
35,481
35,616
35,750
31,846
75 以上
34,450
34,878
35,111
35,947
36,786
37,625
44,412
90,078
88,911
87,944
87,515
87,082
86,648
83,862
155,610
156,948
158,318
158,943
159,484
160,023
160,120
※1
第1号
第2号
※2
総 数
※平成27年度以降は平成 21 年 10 月 1 日と26年10月 1 日の住民基本台帳(外国人含む)の人口をもとにコ
ーホート変化率法により推計。
※1 第 1 号被保険者数:65 歳以上の被保険者 各年度 10 月 1 日現在。
※2 第 2 号被保険者数:40 歳~64 歳の被保険者 各年度 10 月 1 日現在
・認定者数は、後期高齢者の増加に伴い平成 26 年度から 37 年度にかけて、第 1 号被保険者数の増加
率を上回る 36%の増加が見込まれ、また同時に要介護3以上の中重度者も増加が見込まれます。
《要介護(要支援)認定者数実績及び見込み》
第1号
単位(人)
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
平成 37 年度
要支援 1
1,122
1,341
1,394
1,434
1,492
1,550
1,842
要支援 2
1,202
1,371
1,433
1,489
1,546
1,604
1,968
要介護 1
2,064
2,330
2,353
2,366
2,377
2,386
2,786
要介護 2
2,315
2,219
2,384
2,540
2,704
2,875
3,521
要介護 3
1,666
1,701
1,955
2,207
2,473
2,750
3,533
要介護 4
1,499
1,605
1,649
1,675
1,701
1,725
2,006
要介護 5
1,348
1,320
1,270
1,221
1,155
1,087
1,279
(第1号小計)
11,216
11,887
12,438
12,932
13,448
13,977
16,935
※1
17.1%
17.5%
17.7%
18.1%
18.6%
19.0%
22.2%
第2号
251
238
230
223
216
212
207
合 計
11,467
12,125
12,668
13,155
13,664
14,189
17,142
認定率
※各年度10月1日現在。要介護(要支援)認定者数は、平成 26 年9月末までの実績をもとに、介護度別、男女別、
5歳ごとの年齢階層別の認定者数を国から提供された介護保険事業計画ワークシートにより推計。
※1 要介護(要支援)認定者を 65 歳以上の第 1 号被保険者数で除した率。
- 65 -
施策の方向3
個別施策2
介護保険サービス基盤の整備
《認定率の変化と介護度軽重別の認定者数の変化》
18,000人
16,935
25%
16,000人
17.1%
17.5%
17.7%
13,448
12,000人
11,887
10,000人
18.6%
18.1%
14,000人
12,438
13,977
4,000人
2,000人
20%
19.0%
12,932
要支援
15%
11,216
要介護1・2
要介護3∼5
8,000人
6,000人
22.2%
6,818
5,103
4,513
4,626
5,329
4,549
認定者数
5,562
4,874
認定率
6,307
4,906
4,379
10%
5,081
5,261
3,038
3,154
H28
H29
4,737
2,324
2,712
2,827
2,923
H24
H25
H26
H27
3,810
5%
0%
0人
H37
・増加が見込まれる中重度者に対して、できる限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることが
できるよう、特に医療依存度の高い在宅生活者をケアするサービスの整備を重点的に進める必要があ
ります。
・日常生活に何らかの支障がある認知症の高齢者 ※2は、平成 26 年度から 37 年度にかけて、8,331 人
から 11,329 人、65歳以上高齢者に占める割合では 12.0%から 14.9%に大幅な増加が見込まれる
ため、認知症に対応したサービスの充実が必要です。
※国から提供された介護保険事業計画ワークシートで推計。
※2 要介護認定に係る認定調査票での「認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上」
【取組の方向性】
(1)介護保険サービスの利用見込みと供給体制確保
・地域密着型サービスは、増加する認知症高齢者や中重度要介護者の高齢者のニーズに対応できる体
制を整備します。
・居宅サービスは、要介護・要支援認定者の増加に対応できるよう、県と協議しながら必要なサービ
ス供給体制の確保に努めます。
・広域型の施設サービスは、県と協議しながら必要に応じたサービス供給体制の確保に努めます。
施 策
内 容
① 地 域 密 着 型 サ ー ・認知症高齢者の増加に対応するため、認知症対応型共同生活介護を重点的
に整備し地域での認知症ケアの拠点とするため、計画的に整備を進めま
ビスの整備
す。
《(予防)認知症対応型共同生活介護利用見込みと整備数》
平成 27 年度
利用見込数(人/月)
整備ユニット数
平成 28 年度
平成 29 年度
369
396
423
2(41)
3(44)
3(47)
※認知症対応型共同生活介護は、認知症高齢者に対して、共同生活住居で家庭的な環
境の下、日常生活上の世話と機能訓練を行うサービス。
※平成 26 年度 定員 351 人、39 ユニット、1 ユニット=9 人
※( )内は当該年度末における設置総数。
- 66 -
施策の方向3
施 策
個別施策2
介護保険サービス基盤の整備
内 容
・中重度要介護者の増加に対応するため、看護小規模多機能型居宅介護を計
画的に整備を進めます。小規模多機能型居宅介護については、看護小規模
多機能型居宅介護への転換も視野に入れながら柔軟に整備します。
《看護小規模多機能型居宅介護・
小規模多機能型居宅介護利用見込みと整備数》
平成 27 年度
平成 28 年度
582
620
639
1(32)
2(34)
1(35)
利用見込数(人/月)
整備箇所数
平成 29 年度
※小規模多機能型居宅介護は、通所や短期間の宿泊、訪問介護を組み合わせて、日常
生活上の世話と機能訓練を行うサービス。
※看護小規模多機能型居宅介護は、小規模多機能型居宅介護に加え、訪問看護を利用
できるサービス。
※平成 26 年度 小規模多機能 30 箇所、利用定員 680 人
複合型サービス 1 箇所、利用定員 25 人
(平成27年度以降「看護小規模多機能型居宅介護」に名称変更)
※( )内は当該年度末における設置総数。
・中重度要介護者の増加や高齢者のみ世帯等の在宅生活に不安を抱える高齢
者に対応するため、定期巡回・随時対応型訪問介護看護を計画的に整備を
進めます。夜間対応型訪問介護は、定期巡回・随時対応型訪問介護事業所
との連携を視野に入れながら整備します。
《定期巡回・随時対応型訪問介護看護利用見込みと整備数》
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
75
108
140
1(5)
1(6)
1(7)
利用見込数(人/月)
整備箇所数
※定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、利用者の自宅を定期的もしくは随時に訪れ、
日常生活の世話や医療上の必要な処置を行うサービス。
※平成26年度 4 箇所
※( )内は当該年度末における設置総数。
・地域密着型介護老人福祉施設は、在宅での生活が困難な中重度の要介護者
の増加に対応するため、計画的に整備を進めます。
《地域密着型老人福祉施設利用見込みと整備数》
平成 27 年度
平成 28 年度
279
308
337
0(10)
1(11)
1(12)
利用見込数(人/月)
整備箇所数
平成 29 年度
※地域密着型介護老人福祉施設は、定員29人以下の特別養護老人ホーム。
※平成26年度 10箇所、定員 279 人
※( )内は当該年度末における設置総数。
・認知症対応型通所介護は、認知症高齢者の増加に対応できるよう、継続し
て整備を進めます。
《(予防)認知症対応型通所介護利用見込み》
平成 27 年度
平成 28 年度
365
395
利用見込数(人/月)
※平成 26 年度
定員数 231、24 単位
- 67 -
平成 29 年度
427
施策の方向3
施 策
個別施策2
介護保険サービス基盤の整備
内 容
・平成 28 年 4 月から定員数 18 人以下の小規模デイサービスが地域密着
型通所介護に転換されます。
《地域密着型通所介護利用見込み》
平成 27 年度
利用見込数(人/月)
平成 28 年度
―
平成 29 年度
517
548
※居宅サービスの通所介護の利用見込み人数に移行率 15.6%
(18 人以下の定員数/全通所介護事業所の定員数)をかけて算出
※市内における 18 人以下の事業所は、平成 26 年 4 月現在 29 箇所、定員数は
321 人
・地域密着型サービスを行う事業所に対しては、地域の高齢者の拠点となる
よう、利用者だけでなく広く地域の高齢者に開かれた取組を促します。
② 居 宅 サ ー ビ ス の ・要介護・要支援認定者が増加する中、県と協議しながら利用見込み量に応
じて必要なサービス供給体制の確保に努めます。
整備
《居宅サービス(予防含む)利用見込み》
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
1,872
50
868
186
533
4,432
1,448
916
1,935
51
923
188
554
4,233
1,519
980
1,638
52
980
190
576
3,751
1,594
1,048
94
96
98
41
251
3,876
92
78
7,610
42
277
4,207
100
84
8,128
44
308
4,555
109
90
8,686
訪問介護
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
居宅療養管理指導
通所介護
通所リハビリテーション
短期入所生活介護
短期入所療養介護(老健)
短期入所療養介護(病院等)
特定施設入居者生活介護
福祉用具貸与
特定福祉用具購入費
住宅改修費
居宅介護支援
③施設サービスの
整備
※利用見込数(人/月)
・県と協議しながら必要に応じたサービス供給体制の確保に努めます。
《広域型施設サービス利用見込み》
平成 27 年度
※利用見込数(人/月)
平成 28 年度 平成 29 年度
介護老人福祉施設
1,389
1,389
1,392
介護老人保健施設
851
851
848
介護療養型医療施設
194
194
194
※平成26年度 福井市内の定員数
- 68 -
介護老人福祉施設 1,484 人
介護老人保健施設
957 人
介護療養型医療施設 232 人
施策の方向3
個別施策2
介護保険サービス基盤の整備
(参考資料)
(1)地域密着型サービス利用見込み(※各圏域住民の利用見込み)
○(予防)認知症対応型共同生活介護利用見込み
(単位:人/月)
日常生活圏域 地区
鶉・棗・鷹巣・本郷・宮ノ下・国見・大安寺
足羽・湊
社南・社北・社西
豊・木田
酒生・一乗・上文殊・文殊・六条・東郷・美山
中藤島・森田
河合・西藤島・明新
春山・松本・宝永
順化・日之出・旭
日新・東安居・安居・一光・殿下・清水東・清水西・清水南・清水北・越廼
清明・麻生津
啓蒙・岡保・東藤島
和田・円山
合計
介護予防(人/月)
介護(人/月)
平成 27 年度
20
25
33
31
32
28
31
38
28
40
21
20
22
平成 28 年度
21
26
36
33
34
30
34
40
29
45
23
22
23
平成 29 年度
22
27
39
35
37
32
37
42
31
48
25
23
25
1
368
1
395
1
422
○看護小規模多機能型居宅介護・(予防)小規模多機能型居宅介護利用見込み
日常生活圏域 地区
鶉・棗・鷹巣・本郷・宮ノ下・国見・大安寺
足羽・湊
社南・社北・社西
豊・木田
酒生・一乗・上文殊・文殊・六条・東郷・美山
中藤島・森田
河合・西藤島・明新
春山・松本・宝永
順化・日之出・旭
日新・東安居・安居・一光・殿下・清水東・清水西・清水南・清水北・越廼
清明・麻生津
啓蒙・岡保・東藤島
和田・円山
合計
介護予防(人/月)
介護(人/月)
平成 27 年度
31
39
52
48
52
44
49
59
44
65
33
32
34
平成 28 年度
33
40
56
51
55
47
53
62
46
70
36
34
37
平成 29 年度
33
41
59
53
56
49
56
63
47
71
38
35
38
73
509
86
534
100
539
平成 27 年度
4
5
7
6
8
6
6
8
6
平成 28 年度
6
7
10
9
9
8
9
11
8
平成 29 年度
7
9
13
12
12
11
12
14
10
7
4
4
4
13
6
6
6
16
8
8
8
75
108
140
○定期巡回・随時対応型訪問介護看護利用見込み
(単位:人/月)
日常生活圏域 地区
鶉・棗・鷹巣・本郷・宮ノ下・国見・大安寺
足羽・湊
社南・社北・社西
豊・木田
酒生・一乗・上文殊・文殊・六条・東郷・美山
中藤島・森田
河合・西藤島・明新
春山・松本・宝永
順化・日之出・旭
日新・東安居・安居・一光・殿下・清水東・清水西・清水南・清水北・越廼
清明・麻生津
啓蒙・岡保・東藤島
和田・円山
合計
(単位:人/月)
介護(人/月)
- 69 -
施策の方向3
個別施策2
○地域密着型老人福祉施設利用見込み
(単位:人/月)
日常生活圏域 地区
鶉・棗・鷹巣・本郷・宮ノ下・国見・大安寺
足羽・湊
社南・社北・社西
豊・木田
酒生・一乗・上文殊・文殊・六条・東郷・美山
中藤島・森田
河合・西藤島・明新
春山・松本・宝永
順化・日之出・旭
日新・東安居・安居・一光・殿下・清水東・清水西・清水南・清水北・越廼
清明・麻生津
啓蒙・岡保・東藤島
和田・円山
合計
介護保険サービス基盤の整備
平成 27 年度
15
19
25
23
25
21
24
28
21
31
16
15
16
平成 28 年度
16
20
28
26
27
23
26
31
23
35
18
17
18
平成 29 年度
18
22
31
28
29
26
29
33
25
37
20
19
20
279
308
337
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
平成 27 年度
218.3
19
275.9
24
370.6
33
341.8
30
362.4
32
313.0
28
350.0
31
420.0
37
308.9
27
452.9
41
234.7
21
226.5
20
243.0
22
平成 28 年度
236.4
21
298.8
26
401.4
36
370.2
33
392.5
34
339.0
30
379.1
34
454.9
40
334.5
29
490.5
44
254.2
23
245.3
22
263.1
23
平成 29 年度
256.1
22
323.8
27
435.0
40
401.1
35
425.3
37
367.3
32
410.8
37
493.0
43
362.5
31
531.7
49
275.5
25
265.8
23
285.1
26
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
18.6
4
4099.4
361
23.2
5
4436.7
390
29.1
6
4803.9
421
介護(人/月)
○(予防)認知症対応型通所介護利用見込み
日常生活圏域
地区
鶉・棗・鷹巣・本郷・宮ノ下・国見・大安寺
足羽・湊
社南・社北・社西
豊・木田
酒生・一乗・上文殊・文殊・六条・東郷・美山
中藤島・森田
河合・西藤島・明新
春山・松本・宝永
順化・日之出・旭
日新・東安居・安居・一光・殿下・清水東・清水西・
清水南・清水北・越廼
清明・麻生津
啓蒙・岡保・東藤島
和田・円山
介護予防
合計
介護
- 70 -
施策の方向3
個別施策2
介護サービス基盤の整備
○地域密着型通所介護利用見込み
日常生活圏域
地区
平成 27 年度
鶉・棗・鷹巣・本郷・宮ノ下・国見・大安寺
足羽・湊
社南・社北・社西
豊・木田
酒生・一乗・上文殊・文殊・六条・東郷・美山
中藤島・森田
河合・西藤島・明新
春山・松本・宝永
順化・日之出・旭
日新・東安居・安居・一光・殿下・清水東・清水西・
清水南・清水北・越廼
清明・麻生津
啓蒙・岡保・東藤島
和田・円山
合計
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
(回/月)
(人/月)
平成 28 年度
312.2
27
394.6
35
530.1
47
488.9
43
518.3
45
447.6
39
500.7
44
600.8
53
441.8
39
647.9
57
335.7
29
324.0
28
347.5
31
平成 29 年度
332.3
29
420.1
37
564.3
49
520.4
45
551.7
48
476.5
42
532.9
47
639.5
56
470.2
41
689.5
61
357.4
31
344.8
30
369.9
32
(回/月)
(人/月)
5890.1
517
6269.5
548
平成 28 年度
671
21,089.3
1,264
4.0
1
246.9
50
1,022.5
166
5,838.1
757
298.8
28
1,825.1
160
35
519
1,434
31,867.1
2,799
279
13,050.7
1,240
平成 29 年度
361
21,367.6
1,277
4.0
1
258.5
51
1,214.0
193
6,081.7
787
300.9
28
1,842.6
162
36
540
785
33,919.7
2,966
292
13,914.6
1,302
(2)居宅サービス利用見込み
サービス種別
訪問介護
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
居宅療養管理指導
通所介護
通所リハビリテーション
介護予防(人/月)
介護(回/月)
介護(人/月)
介護予防(回/月)
介護予防(人/月)
介護(回/月)
介護(人/月)
介護予防(回/月)
介護予防(人/月)
介護(回/月)
介護(人/月)
介護予防(回/月)
介護予防(人/月)
介護(回/月)
介護(人/月)
介護予防(人/月)
介護(人/月)
介護予防(人/月)
介護(回/月)
介護(人/月)
介護予防(人/月)
介護(回/月)
介護(人/月)
- 71 -
平成 27 年度
621
20,678.9
1,251
4.0
1
238.8
49
846.5
140
5,603.5
728
295.5
28
1,815.8
158
34
499
1,304
35,335.3
3,128
267
12,248.3
1,181
施策の方向3
サービス種別
短期入所生活介護
短期入所療養介護(老健)
短期入所療養介護(病院等)
特定施設入居者生活介護
福祉用具貸与
特定福祉用具購入費
住宅改修費
居宅介護支援
個別施策2
平成 27 年度
137.7
17
12,057.2
899
16.0
4
659.8
90
3.1
1
275.0
40
40
211
862
3,014
38
54
37
41
2,290
5,320
介護予防(日/月)
介護予防(人/月)
介護(日/月)
介護(人/月)
介護予防(日/月)
介護予防(人/月)
介護(日/月)
介護(人/月)
介護予防(日/月)
介護予防(人/月)
介護(日/月)
介護(人/月)
介護予防(人/月)
介護(人/月)
介護予防(人/月)
介護(人/月)
介護予防(人/月)
介護(人/月)
介護予防(人/月)
介護(人/月)
介護予防(人/月)
介護(人/月)
介護保険サービス基盤の整備
平成 28 年度
145.6
18
12,937.3
962
22.1
5
668.1
91
5.0
1
285.8
41
45
232
1,014
3,193
44
56
42
42
2,542
5,586
平成 29 年度
156.2
19
13,888.6
1,029
29.7
6
672.4
92
7.2
2
299.4
42
51
257
1,175
3,380
51
58
47
43
2,821
5,865
(3)平成37年度のサービス見込量(単位:人/月)
※今後、社会情勢の変化や施策の進捗状況により見込量は変動します。
地域密着型サービス
サービス種別
(予防)認知症対応型共同生活介護
平成 37 年度
サービス種別
567
訪問介護
看護小規模多機能型居宅介護・
(予防)訪問入浴介護
平成 37 年度
1,383
60
803
(予防)訪問看護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
260
(予防)訪問リハビリテーション
209
地域密着型介護老人福祉施設
395
(予防)居宅療養管理指導
692
(予防)認知症対応型通所介護
516
地域密着型通所介護
709
居宅サービス
(予防)小規模多機能型居宅介護
通所介護
3,836
(予防)通所リハビリテーション
1,998
(予防)短期入所生活介護
1,330
(予防)短期入所療養介護(老健)
(予防)短期入所療養介護(病院等)
(予防)特定施設入居者生活介護
(予防)福祉用具貸与
施設サービス
- 72 -
1,210
110
52
385
5,855
(予防)特定福祉用具購入費
135
(予防)住宅改修費
109
介護予防支援・居宅介護支援
10,508
介護老人福祉施設
1,392
介護老人保健施設
848
介護療養型医療施設
194
施策の方向3
2
個別施策2
介護保険サービス基盤の整備
新しい介護予防・日常生活支援総合事業の利用見込みと実施体制づくり
【現状・課題】
・介護保険法の改正により、これまで全国共通の基準で提供されていた介護予防訪問介護と介護予防通
所介護が、市が実施する新しい介護予防・日常生活支援総合事業(以下、新しい総合事業)に移行さ
れることになり、新たなサービス供給体制を整備する必要があります。
・75 歳以上の後期高齢者が増加する中で、援助や支援を必要とする高齢者が増加することが見込まれ、
その援助や支援の内容については介護保険対象サービスのほか、
「雪かき」や「外出時の付添い」
、
「簡
単な修繕」など介護保険対象外のサービスのニーズも高くなっています。
《日常生活圏域ニーズ調査より》
「家で生活を送る上で、援助や支援をしてほしいことがありますか」という問いに対し、
「はい」と答え
た割合は前期高齢者では 10.2%ですが、後期高齢者では 30.3%と高くなっています。また「はい」と
答えた人の援助してほしい内容については次のグラフの通りとなっています。
0%
20%
1.話し相手
24.0%
18.2%
26.4%
2.ゴミだし
14.5%
40%
60%
27.8%
33.3%
37.2%
3. 清掃
23.9%
42.6%
22.0%
10.7%
4.洗濯
26.6%
26.0%
5. 食事の準備
13.8%
31.0%
31.7%
6.買物
14.5%
38.8%
62.8%
59.1%
64.3%
7. 雪下ろし・雪かき
27.3%
8.通院
12.6%
33.3%
9.外出時の付き添い
21.4%
7.5%
27.1%
27.1%
10. 外出時の移動手段
11.3%
33.6%
32.6%
28.3%
34.4%
11. 簡単な修繕
12. 預貯金の出し入れ
15.6%
4.4%
全体(N=546)
20.2%
13. 公共交通の充実
14. その他
15.6%
17.0%
15.0%
前期(N=159)
7.9%
10.1%
7.0%
後期(N=387)
・新しい総合事業のうち、住民主体で提供されるサービスは、十分な担い手が確保されていない状況で
す。
・住民主体で提供される訪問型サービスや生活支援サービスの十分な提供には、元気な高齢者が生きが
いをもってボランティアに参加するなど、多くの地域住民が気軽にボランティアとして活動できる仕
組みをつくる必要があります。
- 73 -
施策の方向3
個別施策2
介護保険サービス基盤の整備
《日常生活圏域ニーズ調査より》
見守りや介護が必要な高齢者を支援するボランティア活動を行っている高齢者の割合はいずれも
10%未満と少ないのが現状です。
高齢者の 28.2%が「自分の経験等をボランティア活動に活かしたい」と考えており、その希望する
活動分野は、高齢者を対象とした活動(話し相手、日常生活の手助け等)が 42.9%となっています。
その一方で、高齢者の 67.9%が介護サポーターポイント制度を「知らない」と回答しており、制度
を周知する機会を増やすことで、これらの高齢者の中から介護サポーターとして活動する人たちを創
出できる可能性があります。
・住民主体で提供されるサービスの内、通いのサービスには、介護予防の機能をもったいきいき長寿よ
ろず茶屋がありますが、市全体の高齢者を対象とするためには、活動内容や回数、箇所数の面で十分
とはいえないことから、活動内容の充実や回数・箇所数を拡大する必要があります。
・ほやねっとへの調査によれば、現行の介護予防訪問介護の利用者のうち約90%が身体介助を伴わな
い生活援助中心のサービスを利用しており、また予防通所介護の利用者のうち約25%が専門性を伴
わない交流等が中心のサービスを利用しています。
・現在、基本チェックリストで心身の機能や生活機能の低下が確認された高齢者を対象に、通所型の介
護予防の事業(いきいき(筋トレ)教室)と訪問型の介護予防事業を行っていますが、参加率が非常
に低い状況です。また、いきいき(筋トレ)教室の参加後に継続して通える介護予防の場がない状況
です。
【取組の方向性】
(1) 新しい介護予防・日常生活支援総合事業の利用見込みと実施体制づくり
・平成 29 年 4 月から介護予防訪問介護、介護予防通所介護の新しい総合事業への移行を開始し、平
成 30 年 3 月末に完了します。
・移行当初は、介護予防訪問介護、介護予防通所介護の見込み量を、新しい総合事業における訪問型
サービス、通所型サービスの見込み量とします。
・要支援者や基本チェックリストで心身の機能や生活機能の低下が確認された高齢者については、ほ
やねっと(地域包括支援センター)のアセスメントを経た上で、現行の介護予防訪問介護・介護予
防通所介護相当のサービスとそれ以外の多様なサービスの利用につなげます。
・新しい総合事業については、移行当初は現行の介護予防訪問介護及び介護予防通所介護の事業所が
主な担い手となりますが、並行してボランティア等住民主体の新たな担い手の発掘・育成に取り組
みます。
・機能が低下した高齢者を対象にした訪問型の介護予防事業や通所型介護予防事業(いきいき(筋ト
レ)教室)の実施の方法を検討し、参加率を高めるとともに、教室参加後の介護予防の場を整備し
ます。
施 策
内 容
①訪問型サービス、通 ・新しい総合事業で実施される訪問型サービス、通所型サービスの見込量
所型サービス等の
は、現行の介護予防通所介護、介護予防訪問介護サービス量をもとに算
見込み量等
定しています。
《利用見込み》
訪問型サービス
通所型サービス
※利用人数(人/月)
平成 29 年度
361
785
※平成29年度は、利用者が順次移行するため 1 年分の約半分を見込んでいます。
- 74 -
施策の方向3
施 策
個別施策2
介護保険サービス基盤の整備
内 容
・基本チェックリストで心身の機能や生活機能の低下が見られる高齢者に
ついては、ほやねっとのアセスメントを経た上で、新しい総合事業の適
切なサービスの利用につなげます。
・訪問型サービス、通所型サービス以外のその他の生活支援サービスにつ
いては、必要なサービスの種類や量を調査・検討します。
②専門性が求められ ・現行の介護予防に相当する専門性の高いサービスや一部基準を緩和した
るサービス等の提
サービスについては、現在の指定介護予防サービス事業者を「みなし事
供
業者」に位置づける方向で、事業所へのヒアリングを行った上で運営基
準・単価等事業の実施に必要な事項を規定します。
③従来制度の拡充
・住民主体で提供される通所型サービスの一つであるいきいき長寿よろず
茶屋について、箇所数を増やすとともに介護予防プログラムの充実を図
ります(再掲 63 ページ)
。
・介護サポーターポイント制度を拡充し、元気な高齢者がゴミ出し等日常
生活支援を必要とする人を支える仕組みづくりを進めます(再掲 64 ペ
ージ)
。
・いきいき長寿よろず茶屋や老人クラブにおいて、地域の高齢者の相談相
手や見守り支援、在宅高齢者への簡単な生活支援を行う活動について、
支援します。
(再掲 19 ページ)
。
・シルバー人材センターでは、生活支援サービスを提供するなど、社会ニ
ーズに対応した事業の開拓に積極的に取り組みます(再掲 22 ページ)
。
・いきいき(筋トレ)教室の潜在的な利用者を掘り起こすため、利用しや
すい仕組みづくりなど事業実施の方法を検討します。また、教室終了後
の介護予防の場所として、いきいき長寿よろず茶屋の活用を進めます。
④新しい担い手づく ・元気な高齢者等が、ボランティアグループやNPOなどを組織し、生活
り
機能の低下した高齢者を支える取組を支援します。
・平成 27 年度から市全体の生活支援コーディネーター※(地域支え合い推
進員)を配置し、生活支援サービスの担い手となるボランティア等の養
成や活躍する場の確保、関係者間の情報共有や連携の体制づくりなどを
行います(再掲 20 ページ)。
※生活支援コーディネーターとは、市及び地域において高齢者の生活支援等サービ
スの提供体制の構築に向けたコーディネート機能を果たす者。
・生活支援コーディネーターと社会福祉関係団体、協同組合、ボランティ
アグループ、民間企業、NPOなど多様な団体は定期的な情報共有や連
携・協働を行います(再掲 20 ページ)。
(参考資料)
(1)平成37年度サービス見込量
単位:
(人/月)
平成 37 年度
訪問型サービス
873
通所型サービス
1,899
※今後、社会情勢の変化や施策の進捗状況により見込量は変動します。
- 75 -
施策の方向3
3
個別施策2
介護保険サービス基盤の整備
事業費の見込みと保険料
【現状・課題】
・認定者数の増加に伴い介護保険事業費と保険料は増額となり、第3期事業期間1年目の平成 18 年度
と第5期事業期間1年目の 24 年度を比較すると、事業費で 1.38 倍、保険料では 1.26 倍になってい
ます。
・国では、平成24年度の総事業費 8.9 兆円が平成37年度には21兆円程度、また保険料は現在の月
額全国平均 4,972 円が 8,200 円程度になると見込んでおり、本市でも高齢者特に後期高齢者の増加
に伴い介護保険事業費及び保険料の増加が見込まれます。
・介護保険制度が今後も持続可能な制度であり続けるためには、適切な負担と効果的なサービスの利用
に基づき、制度を運用する必要があります。
《介護保険事業費と保険料の変遷》
平成18年度
平成21年度
居宅サービス給付費
5,714,337 千円
6,795,093 千円
8,425,028 千円
施設サービス給付費
7,391,720 千円
7,386,705 千円
7,639,439 千円
地域密着型サービス給付費
692,708 千円
1,636,517 千円
2,812,338 千円
地域支援事業費
261,042 千円
380,535 千円
413,972 千円
その他の事業費
603,063 千円
669,410 千円
884,633 千円
14,662,867 千円
16,868,257 千円
20,175,408 千円
4,400 円
4,400 円
5,560 円
(参考 ※1)全国の事業費
6.4 兆円
7.4 兆円
8.9 兆円
保険料全国平均(月額)
4,090 円
4,160 円
4,972 円
合計額
保険料(月額)
平成24年度
※ 千円未満を切り上げで表示しているため、各内訳を足した額と合計額の金額は異なる。
※1 厚生労働省老健局「介護保険制度の改正案について」
(平成26年2月)より
【取組の方向性】
(1)事業費の見込みと保険料
・新しい総合事業に積極的に取り組む中で、住み慣れた地域で高齢者を含めた住民が支え合いながら暮
らすことのできる地域包括ケアシステムを構築し、介護予防の推進や費用の効率化など介護保険事業
の持続性を高めます。
施 策
①第6期事業費の見込
み及び保険料
内 容
《第6期事業費の見込み及び保険料》
平成 27 年度
単位:(千円)
平成 28 年度
平成 29 年度
居宅サービス給付費
9,796,708
9,836,410
10,074,651
施設サービス給付費
7,746,051
7,721,317
7,722,780
地域密着型サービス給付費
3,660,926
4,489,850
4,805,188
地域支援事業費
474,673
602,432
1,012,159
その他の事業費
1,037,984
1,126,072
1,193,022
22,716,342
23,776,081
24,807,800
合計額
保険料基準額(月額)
6,100 円
- 76 -
施策の方向3
個別施策2
介護保険サービス基盤の整備
(参考資料)
(1)地域支援事業費内訳
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
140,872 千円
145,418 千円
546,783 千円
※2
※3
包括的支援事業 ・任意事業
333,801 千円
457,014 千円
465,376 千円
合計額
474,673 千円
602,432 千円
1,012,159 千円
介護予防・日常生活支援総合事業
※1
※1主に、Ⅳ施策の方向3 個別施策1介護予防 1介護予防の推進、個別施策2新しい介護予防・日常生活支援総合
事業の利用見込みと実施体制づくりに関する事業。
※2主に、Ⅲ施策の方向2 個別施策1地域ネットワークづくり、個別施策2認知症施策の総合的推進、個別施策3在
宅医療・介護の連携強化、Ⅳ施策の方向3 個別施策2新しい介護予防・日常生活支援総合事業の利用見込みと実
施体制づくりの内 ④新しい担い手づくりに関する事業。
※3主に、Ⅲ施策の方向2 個別施策5権利養護の推進、Ⅳ施策の方向3 個別施策3介護保険事業の適正な運営に関
する事業。
(2)その他の事業費内訳
特定入所者介護(予防)サービス費
高額介護(予防)サービス費
※1
※2
高額医療合算介護(予防)サービス費※3
審査支払い手数料
合計額
※4
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
617,883 千円
620,693 千円
649,439 千円
340,115 千円
51,746 千円
421,110 千円
454,800 千円
54,334 千円
57,051 千円
28,240 千円
29,935 千円
31,732 千円
1,037,984 千円
1,126,072 千円
1,193,022 千円
※1特定入所者介護(予防)サービス費:特別養護老人ホームやショートステイ等を利用する場合に、所得等に応じて
食費・居住費等の負担の上限額を設けて利用者負担を軽減する制度。
※2高額介護(予防)サービス費:介護保険サービス利用時に1か月の利用者負担額(世帯合計額)が所得に応じた上
限額を超えた場合、超えた金額が支給される制度。
※3高額医療合算介護(予防)サービス費:医療保険ごとの世帯を単位とし、1年間に支払った医療保険と介護保険の
利用者負担額を合計した金額が、規定の限度額を超えた場合、超えた金額が支給される制度。
※4審査支払い手数料:介護給付費請求書の審査支払い業務を国保連合会に委託しており、1件の処理につきかかる手
数料。
- 77 -
施策の方向3
個別施策3
1
個別施策3
介護保険事業の適正な運営
介護保険事業の適正な運営
要介護・要支援認定の適正化
【現状と課題】
・介護保険サービスを受けるためには、要介護・要支援認定を受ける必要があります。要介護・要支
援認定にあたっては、医療・保健・福祉の専門職で構成される介護認定審査会の調査員が、対象者
の心身の状態を調査・記載する「認定調査票」と主治医が病歴や心身の状態について記載する「主
治医意見書」をもとに、審査・判定します。
・認定調査は、指定事務受託法人のほか、居宅介護支援事業所やほやねっと(地域包括支援センター)
、
介護保険施設のケアマネジャーが担当しています。
・認定審査は、25 合議体※125 名の委員が担当しています。
※合議体とは、介護認定審査会において、要介護・要支援の審査・判定を合議によって行う組織のことで、医療、
保健、福祉の専門職により構成されます。
《認定審査件数》
平成23年度
審査件数(件)
平成24年度
11,766
平成25年度
10,836
11,579
・対象者の状態を適切に評価し、適正で公平な認定を行うためには、認定調査を公平で客観的に実施
することと、認定審査会委員の審査・判定を平準化する必要があります。
【取組の方向性】
(1)要介護・要支援認定の適正化
・公平で客観的な認定調査を行うため、調査員に対して効果的な研修を行います。
・認定審査への理解を深めるため、認定審査会委員に対して効果的な研修を行います。
・認定審査会委員や審査を行う合議体間での情報共有を進めます。
施 策
①要介護・要支援認定
の適正化
2
内 容
・新規の認定調査員に対して、調査の留意点や調査票の記述方法に関
する統一した研修を行います。
・調査票の精査を行い、疑義がある場合には調査員に確認・指導を行
います。
・認定審査会委員に対して、審査業務に関する研修を行います。
・合議体長の連絡会を開催し、事例検討等を通して合議体間での情報
を共有し、審査・判定の平準化を行います。
適正な介護保険サービスの確保
【現状・課題】
・介護サービス運営協議会では、医療・保健・福祉・介護等の専門的な知識や経験を有する委員によ
り、介護保険事業の円滑・適正な運営に資する事項について審議しています。今回の法改正で介護
保険事業は更に多様化するため、地域包括ケアを積極的に推進する観点で審議を重ねる必要があり
ます。
・介護従事者に対して求められる専門的な知識やスキルは拡大しています。介護保険サービスの質の
向上のためには、介護従事者に対して介護技術や対人スキルの研修など多様な学びの機会を提供し、
その資質の向上を図る必要があります。
・介護保険サービス提供の現場では、利用者が直接事業者に伝えにくいことがあるため、利用者の声
や市民目線での気付きを介護従事者に提供しながら、サービスの改善につなげる必要があります。
- 78 -
施策の方向3
個別施策3
介護保険事業の適正な運営
・介護保険サービスの提供に際しては、法令等の遵守はもとより、高齢者の尊厳の保持と自立支援に
つながるための配慮が必要です。安全、安心で高齢者の立場に立った介護保険サービスの実現に向
けて、事業者に対するきめ細かい助言や指導を行う必要があります。
・一部のデイサービス事業所等では、昼間の保険適用となるサービスに引き続き、夜間も泊まりがで
きるいわゆる「お泊まりデイサービス」を実施していますが、県に届け出て補助事業として取り組
んでいる事業所以外では、設備・運営基準が未整備の状態でサービスが提供されている場合があり
ます。
【取組の方向性】
(1)介護保険事業の円滑・適正な運営
・介護サービス運営協議会の機能を拡充し、地域包括ケア推進協議会を新たに設置します。
施 策
内 容
① 介 護 保 険 事 業 の 円 ・介護サービス運営協議会に代えて、地域包括ケア推進協議会を新たに
設置し、地域包括ケアを積極的に推進するという観点から、将来ビジョ
滑・適正な運営
ンの提言をはじめ、ビジョン実現に向けた施策の提案等を行い、円滑な
介護保険事業の運営につなげます(再掲 14 ページ)。
(2)介護保険サービス事業者の資質向上
・介護従事者に対して研修等の多様な学びの機会を提供して、資質向上につなげます。
・介護保険サービスの質の向上につながるよう、介護相談員が介護保険サービス事業者を訪問します。
施 策
内 容
①介護保険サービス事 ・介護サービス事業者連絡会を支援して、介護や医療に関する先進的なテ
ーマの研修等を開催し、介護従事者の資質向上につなげます。
業者の資質向上
・ほやねっとの職員に対して認知症ケアや在宅医療に関する研修を実施
し、ほやねっとによる地域の事業所への支援機能を高めます(再掲 35
ページ)
。
・認知症地域支援推進員と認知症コーディネーターは、認知症に関わる介
護従事者の対応力向上のための研修会の実施や、個別事例に関する相談、
アドバイスを行います(再掲 41ページ)。
・ケアマネジャーを対象に、医療サービスを含めた適切なケアプランの作
成や、入退院時を含めた医療職との連携に欠かせない基本的な医療的知
識を修得する研修会を定期的に開催します(再掲 45 ページ)。
・地域密着型サービス事業所への実地指導時には、事業者が人材育成につ
ながる研修機会を確保するよう、指導します。
・介護相談員が、利用者から聴いた声を市民目線の声として事業者に伝え
ることで、サービスの質の向上を図ります。
・介護相談員を全国研修に派遣するほか、相談員同士の情報共有や意見交
換を目的とした定例会を開催し、介護相談員の資質向上につなげます。
・介護相談員の年間活動記録誌を事業者に提供します。
(3)サービス内容及び介護給付の適正化
・地域密着型の事業所に対して、定期的な指導を行うとともに、必要に応じて随時の指導を行います。
また、介護保険外の「お泊まりデイサービス」についても、適切なサービスが提供されるよう、留
意します。
・地域密着型サービス事業所のほか、県と連携して居宅介護支援事業所への実地指導により、ケアプ
ランを点検します。
・県の介護給付費適正化計画に合わせて、給付内容に関する調査を実施します。
- 79 -
施策の方向3
施 策
個別施策3
介護保険事業の適正な運営
内 容
①サービス内容の適 ・地域密着型事業所に対して、法令等を遵守したサービスが提供されてい
正化
るか確認するため、実地指導や集団指導を行います。
・
「お泊まりデイサービス」について、法令遵守のほか、劣悪なサービス
提供とならないよう、県と連携しながら、点検と指導を行います。
②ケアプランの適正 ・地域密着型サービス事業所に対して、個別性に着目したケアプランの作
化
成を徹底するため、ヒアリングや現場確認を重視した指導を行います。
・居宅介護支援事業所に対して、個別性に着目したケアプランの作成を徹
底するため、県と連携しながら、ケアプラン点検マニュアルに基づく点
検と指導を行います。
③給付内容の適正化 ・住宅改修や福祉用具の購入・貸与については、自立支援につながるサー
ビス提供となるよう、事業者やケアマネジャーへの確認と指導を行いま
す。また、必要に応じて訪問調査を行います。
・国民健康保険団体連合会と連携し、医療情報との突合や、複数の請求明
細書の確認など、介護保険の請求内容を点検します。
・利用した介護保険サービスの内容と料金が確認できるよう、利用者に対
して介護給付費通知を年2回発送します。
3
利用者負担の適正化
【現状と課題】
・介護保険制度の創設以来、介護保険サービス利用時の利用者負担割合及び1か月の利用者負担の上
限となる高額介護(予防)サービス費の限度額をいずれも据え置いています。
・高齢化の更なる進展に伴い介護費用の増加が見込まれる中で、介護保険サービス利用時の利用者負
担割合を負担能力に応じたものに見直す必要があります。
・住民税非課税世帯の利用者が特別養護老人ホーム等に入所した場合、食費・居住費の一部を補助す
る特定入所者介護(予防)サービス費を支給しています。
・特定入所者介護(予防)サービス費は、在宅で生活する高齢者との公平性を図る観点で、配偶者の
所得状況や預貯金等実質的な負担能力に応じたものに見直す必要があります。
【取組の方向性】
(1)利用者負担の適正化
・一定以上の所得のある高齢者は、介護保険サービス利用時に2割の利用者負担とします。
・高額介護(予防)サービス費の支給に際して、同一世帯にいる高齢者の所得の状況を勘案して上限
額を引き上げます。
・特定入所者介護(予防)サービス費の支給に際して、配偶者の所得や預貯金等の資産を勘案します。
施 策
内 容
①利用者負担の適正化 ・平成 27 年 8 月から、市民税課税者で合計所得金額が 160 万円以上の
高齢者については、原則介護保険サービス利用時の利用者負担割合が1
割から2割に引き上げられます。
・平成 27 年 8 月から、同一世帯内の第1号被保険者に現役並み所得者
(課税所得 145 万円以上)がいる場合は、原則高額介護(予防)サー
ビス費の世帯負担の上限額が 44,400 円に引き上げられます。
・平成 27 年 8 月から、本人が市民税非課税世帯であっても、世帯や住
所が別の配偶者が市民税課税者の場合は、原則特定入所者介護(予防)
サービス費の支給対象外となります。
- 80 -
施策の方向3
施 策
個別施策3
介護保険事業の適正な運営
内 容
・平成 27 年 8 月から、本人が市民税非課税世帯であっても、単身の場
合は 1,000 万円超、夫婦の場合は 2,000 万超の預貯金等がある場合
は、特定入所者介護(予防)サービス費の支給対象外となります。
・平成 28 年8月から、特定入所者介護(予防)サービス費支給対象者の
判定基準となる年金収入額に非課税年金(障害年金・遺族年金)の額も
含めて判定されます。
4
低所得者対策
【現状と課題】
・更なる高齢化に伴い、介護費用の増加と保険料負担水準の上昇が見込まれています。
・介護保険制度を持続可能な制度とするためには、低所得者も負担能力に応じて保険料を支払う仕組
みをつくる必要があります。
・誰もが公平に介護保険サービスを利用するためには、低所得者に対するサービス利用者負担を軽減
する必要があります。
【取組の方向性】
(1)公費による保険料軽減の強化
・介護保険法改正により、公費を投入して、低所得者の保険料を軽減します。
施 策
内 容
① 公費による保険料
軽減の強化
・平成27年4月から、国・県・市が負担して、低所得者の保険料を軽
減します。
(2)介護保険サービス利用者負担の軽減
・全国統一の制度や本市独自の施策により、低所得者が介護保険サービスを利用するときの負担を軽
減します。
施 策
内 容
① 介護保険サービス ・特別養護老人ホームやショートステイ等を利用する場合に、所得等に応
じて食費・居住費等の負担の上限額を設けて利用者負担を軽減します。
利用者負担の軽減
・社会福祉法人が、介護保険サービスの提供にあたり、一定の生活困窮者
に対し、1割の利用者負担分等について原則25%軽減します。
・介護保険サービス等の利用時に1か月の利用者負担額(世帯合計額)が
所得に応じた上限額を超えた場合、超えた金額を支給します。
・医療保険ごとの世帯を単位とし、1年間に支払った医療保険と介護保険
の利用者負担額を合計した金額が、規定の限度額を超えた場合、超えた
金額を支給します。
・本市独自の制度として、対象となる居宅サービス利用時に、一定の要件
を満たした低所得者の利用者負担額を軽減します。
・要介護・要支援認定時の被保険者証を送付する際、各種負担軽減にかか
るチラシを同封して制度の周知を図ります。
・ケアマネジャーや施設に対して、介護保険サービス利用者への負担軽減
制度の周知徹底を働きかけます。
- 81 -
資料編
- 82 -
●計画策定までの経緯
年
内
月
容
平成 26 年
1月
14 日~31 日 日常生活ニーズ調査の実施
対象:
内容:
回答:
平成 25 年 12 月末現在、65 歳以上の市民(要介護 3
以上の方を除く。)のうち、5,000 名を無作為抽出
生活状況や健康状態など 11 項目(質問数 142)
回答数 3,266 通(回答率 65.3%)
2月
10 日~28 日 策定委員市民公募(6 名応募)
3月
20 日
公募委員の選定
4月
1日
策定委員会の設置
5月
15 日
第1回策定委員会
【協議事項】
・スケジュール
・現プランの進捗状況報告
・日常生活圏域ニーズ調査結果報告
・総論
6月
26 日
7月
24 日
第 2 回策定委員会
【協議事項】
・施策の方向1「高齢者の生きがいと健康づくり」
第 3 回策定委員会
【協議事項】
・施策の方向2「高齢者が支え合いながら安心して生活ができる環境整
備」
8月
21 日
10 月
23 日
12 月
1 日~26 日 パブリックコメント実施(提出者 5 人、意見数 14 件)
第 4 回策定委員会
【協議事項】
・施策の方向3「高齢者の介護予防と介護保険サービスの充実」
第 5 回策定委員会
【協議事項】
・施策の方向2及び施策の方向3の一部
・パブリックコメント及び市民説明会の実施
16 日~20 日 市民説明会実施(市内 4 会場)
開催日
会 場
16 日(火)
ユー・アイふくい(福井県生活学習
館)
福井市きらら館
すかっとランド九頭竜
福井県自治会館
合
計
17 日(水)
19 日(金)
20 日(土)
1月
29 日
第 5 回策定委員会
【協議事項】
・パブリックコメントの結果
・市民説明会の結果
・計画(案)
2月
10 日
市長報告
3月
公表
- 83 -
参加者数
18 名
23 名
13 名
46 名
100 名
●第七次福井市老人保健福祉計画・第 6 期福井市介護保険事業計画策定委員名簿
(◎は委員長、○は副委員長)
団 体 名
学識経験者
(2名)
役 職
福井県立大学(看護福祉学部・社会
氏
名
教授
◎奥西
栄介
教授
日下
幸則
福井市医師会
副会長
安川
繁博
福井市歯科医師会
副会長
齊川
玲子
福井市薬剤師会
会長
篠田
秀幸
福井県看護協会
専務理事
吉川
ゆき江
福祉学科)
福井大学(医学部・医学科・国際社
会医学講座・環境保健学)
医療関係
(4名)
(※第1回策定委員会まで) (寺尾
保健福祉関係
洋子)
嶺北認知症疾患医療センター
所長
松原
六郎
福井市介護サービス事業者連絡会
部会長
中川
寿美江
福井市社会福祉協議会
副会長
○野口
福井市介護サービス事業者連絡会
会長
米田
尚
福井市老人福祉施設協議会
副会長
滝波
正興
福井市老人クラブ連合会
副会長
重久
博子
福井市自治会連合会
副会長
奥村
清治
福井市民生児童委員協議会連合会
副会長
下田
須榮子
瀬戸
百合子
(3名)
(第5部会ケアマネージャー)
事業者
つぎ代
(2名)
市民代表
(4名)
一般公募
15名
- 84 -
●福井市老人保健福祉計画・福井市介護保険事業計画策定委員会設置要綱
(設置の目的)
第1条 本市の高齢社会に対応した施策づくりのための基本計画を明らかにするとともに、介護保険事
業に係る保険給付の円滑な実施に関する計画を定めることを目的として、第七次福井市老人保健福祉
計画・福井市第6期介護保険事業計画(以下「計画」という。)を策定するため、福井市老人保健福祉
計画・福井市介護保険事業計画策定委員会(以下「委員会」という。
)を設置する。
(検討事項)
第2条 委員会は、次に掲げる各号の事項を検討する。
(1) 計画案の策定に関すること
(2) その他計画案の策定に関して必要なこと
(組 織)
第3条 委員会は、委員15名以内で組織する。
2
委員会に委員長1名と副委員長1名を置く。
3
委員長は、委員の互選により定める。
4
副委員長は、委員の中から委員長が指名する。
(任 期)
第4条 委員の任期は、委嘱の日から平成27年3月31日までとする。
(委員長及び副委員長)
第5条 委員長は、委員会を総括し、会議の議長となる。
2
副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるときは、その職務を代理する。
(会 議)
第6条 委員会の会議は、必要に応じ委員長が招集する。
2
委員会が必要であると認めるときは、委員以外の者の出席を求め、意見を聞くことができる。
(成果等の報告)
第7条 委員長は、第2条に定める検討事項の審議が終了したとき、その成果を速やかに市長に報告し
なければならない。
(庶 務)
第8条 委員会の庶務は、福祉保健部長寿福祉課において処理するものとする。
(その他)
第9条 この要綱に定めるもののほか委員会の運営に必要な事項は、委員長が別に定める。
附
則
この要綱は、平成26年4月1日から施行する。
- 85 -
●関連用語の解説(50 音順)
新しい介護予防・日常生活支援総合事業(新し
介護相談員
利用者から介護保険サービスに関する苦情や不満等を聞
い総合事業)
平成 26 年の介護保険法改正により、これまで全国共通
の基準で提供されてきた要支援者を対象にした介護予防訪
き、サービス提供者に伝えるなど、問題解決に向けた手助
けをするため、福井市から委嘱を受けた者。
問介護と介護予防通所介護が市町村が実施する地域支援事
介護認定審査会(認定審査)
業に移行し、この新しい総合事業の中で提供される。
また、これまで健康な高齢者を対象にした一次予防事業
介護の必要度合い(要介護、要支援)を審査する機関。医
と生活機能の低下が見られる高齢者を対象にした二次予防
療・保健・福祉の専門家で構成され、認定調査員による心
事業が統合され、全ての高齢者を対象とする一般介護予防
身の状態を調査した認定調査票と主治医等が記載した意見
事業となる。
書をもとに審査・判定を行う。
福井市では平成 29 年 4 月から実施。
介護保険施設(施設)
アセスメント
介護保険法による施設サービスを行なう施設。①介護老
事前評価、初期評価。援助対象者が直面している問題や
状況の本質、原因、経過、予測を理解するために、援助活
人福祉施設、②介護老人保健施設、③介護療養型医療施設
の 3 種類がある。
動に先立って行われる一連の手続きをいう。
介護予防
アルツハイマー型認知症
介護が必要な状態になることをできる限り防ぐ(遅らせ
脳の細胞がゆっくり死んで小さくなることで発症する認
知症で、高度の知力低下や人格変化が起こる。認知症全体
の約
る)こと、また介護が必要な状態にあってもその悪化をで
きる限り防ぐこと、さらには軽減を目指すこと。
5 割を占める。
介護予防教室(いきいき教室)
インフォーマルサービス
基本チェックリストの実施結果により、要介護状態にな
介護保険や医療保険の制度によって公的な機関や専門機
るおそれの高い高齢者に対し、介護予防全般を目的に地区
関から提供されるサービス (フォーマルサービス)以外のサ
単位で開催する「いきいき教室」、筋力向上トレーニング
ービスや支援のこと。
を行う「いきいき筋トレ教室」、教室に参加できない高齢
家族や近所の人による見守りや、NPOやボランティア
などが行う家事援助、民間企業による配食サービスなど幅
者に保健師などが自宅を訪問する「訪問型介護予防事業」
を実施している。
広い。
介護予防通所介護
介護給付費
要支援者を対象に提供される通所介護サービス(デイサ
介護保険サービスが提供されたときにかかる費用は、原
ービス)。
則 1 割(高所得者の場合は 2 割)が利用者の負担で、
9 割(高
所得者の場合は 8 割)が介護保険から支給されるが、その
事業所に通って、食事や入浴の支援、体操などの機能訓
練を受ける。
保険から支給される費用のこと。
22%が第 1 号被保険者の保険料、28%が第 2 号被保険
者の保険料、残りの 50%が公費(税金)で賄われる。
介護予防訪問介護
要支援者を対象に提供される訪問介護サービス。
ヘルパー等が自宅等を訪問して掃除や調理、入浴や排泄
介護保険サービス
の手助けなど日常生活の世話を行う。
介護給付に係るサービス(居宅サービス、地域密着型サ
ービス、居宅介護支援、施設サービス、住宅改修)及び予
防給付に係るサービス(介護予防サービス、地域密着型介
護予防サービス、介護予防支援、介護予防住宅改修)のこ
と。
介護療養型医療施設
長期療養のための病床である療養型病床等を持つ病院・
診療所の介護保険が適用される部分に入院する要介護者に
対し、①療養上の管理、②看護、③医学的管理下の介護等
の世話、④機能訓練等の必要な医療を行うことを目的とす
介護支援専門員(ケアマネジャー)
る介護保険施設。病状が安定期にある長期療養患者が対象
要介護者又は要支援者からの相談に応じ、これらの人の
心身の状況に応じ適切な居宅サービス事業者及び介護保険
施設等との連絡調整を行なう援助者。
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介護老人保健施設
高齢化率
要介護者に対し、①看護、②医学的管理下の介護等の世
話、③機能訓練等の必要な医療を行うことを目的とする介
老年人口(65 歳以上人口)が総人口に占める割合をい
う。
護保険施設。
病状が安定している者が対象で、在宅への復帰を目指し
てサービスが提供される。
コーホート変化率法
コーホートとは、同年(または同期間)に出生した集団
のことをいい、コーホート法とはその集団ごとの時間変化
基本チェックリスト(元気度調査)
を軸に人口の変化を捉える方法をいう。
身体や心の状況、日常生活動作などに関する全 29 項目
を自己診断するチェック表で、判定結果に基づき必要な方
コーホート変化率法は2時点におけるコーホートの変
化率を用いて推計していく。
を介護予防事業に繋げる。
平成 26 年度からは、認知症検診 5 項目を追加し、実施
している。
在宅医療
通院困難な患者が病院外の、患者の自宅など生活の場で
受ける医療のこと。訪問診療、訪問看護、訪問歯科診療、
虐待(高齢者)
訪問リハビリテーションなどがある。
高齢者の基本的人権を侵害し、高齢者の心身に深い傷を
負わせ、時に犯罪上の行為をいい、身体的・性的・心理的・
経済的な虐待や世話の放棄などの種類がある。
在宅ケア
自宅等の生活の場において状態に応じ、必要な医療や介
護保険サービスを受けること。
居宅介護支援
在宅の要介護者に対して、介護支援専門員が行うケアマ
ネジメントのこと。
サービス付き高齢者向け住宅
平成 23 年の高齢者の居住の安定確保に関する法律(高
齢者住まい法)の改正により、創設された登録制度で、居室
居宅サービス
の一定の広さや設備、バリアフリー構造の条件を満たし、
在宅での要介護者の生活を支える介護サービスのこと。
訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーシ
ケアの専門家による安否確認と生活相談サービスが必須で
提供される。
ョン、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーシ
ョン、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入
居者生活介護、福祉用具貸与及び特定福祉用具販売をいう。
施設サービス
介護福祉施設サービス、介護老人保健施設サービスおよ
び介護療養施設サービスをいう。「施設サービス計画」と
ケアプラン
は介護老人福祉施設、介護老人保健施設または介護療養型
要支援、要介護に認定された者が介護保険サービス等を
医療施設に入所している要介護者について、これらの施設
適切に利用できるように、本人や家族の心身の状況や生活
がサービスを提供する際に作成されるサービス計画であり、
の環境などにから課題を明らかにし、利用する介護保険サ
施設の介護支援専門員が計画作成の主要な過程を担当する。
ービス等の種類や内容を定めた介護保険サービス等の利用
計画のこと。
指定介護予防サービス事業者
ケアマネジメント
介護保険サービス事業者の中で、要支援者を対象にした
生活課題(ニーズ)を有している要支援・要介護者に対し、
予防給付に係るサービスを提供する事業者のこと。
介護保険サービス等の社会資源を活用しながら住み慣れ
た地域で生活ができるように支援すること。
指定事務受託法人
市町村の介護保険事務の一部を実施する法人として、都
健康寿命
道府県知事が指定した法人。
健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のこ
福井市では要介護認定調査事務について福井市ふれあい
とで、
「平均寿命-不健康・要介護期間」で計算される。
公社に委託している。
口腔機能の向上
効果的な口腔内の衛生管理を図り、生活習慣として定着
市民税均等割世帯
市民税の税額は、所得に応じて計算される「所得割」と、
できるようにする。
また、食べる楽しみが長続きできるような意識改革を図る。
定められた額で一律に課せられる「均等割」を合算した額
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となるが、一定の所得以下の世帯であるため均等割だけが
の援助や、社会参加に向けての支援活動を行っている。
課せられている世帯のこと。
成年後見制度
市民税非課税世帯
判断能力の不十分な成年者(認知症の高齢者、知的障害
市民税の税額は、所得に応じて計算される「所得割」と、
者、精神障害者など)は、自分で財産を管理したり契約を
定められた額で一律に課せられる「均等割」を合算した額
結ぶことが困難であり、また、不利な契約により損害を受
となるが、一定の所得以下の世帯であるため所得割も均等
ける恐れがある。
割も課せられていない世帯のこと。
成年後見制度は、こうした判断能力の不十分な方を支援
し保護する制度で、
「法定後見制度」と「任意後見制度」
がある。
主任児童委員
民生委員・児童委員のなかから指名され、児童福祉に関
する事項を専門的に担当する者のことで、区域を直接担当
措置入所
措置権者(行政)が公的責任において、ニーズの判定、サ
している児童委員と適宜連携を図り、児童委員の活動に積
ービス提供内容、費用負担等を決定して、施設へ入所させ
極的に援助・協力を行う。
ること。
シルバーハウジング
入居者が安心して自立した生活が継続できるように、高
団塊の世代
齢者の生活特性に配慮したバリアフリーの居室を備え、生
一般的には第一次ベビーブーム時代の 1947 年から
活援助員が常駐して入居者向けに生活相談・安否の確認等
1949 年までの 3 年間に出生した世代のことを言う。
の必要な援助を提供している公営住宅のこと。
地域課題
身体介助
地域ケア会議において検討する地域に共通する課題の
訪問介護サービスのうち、利用者の身体に直接接触して
こと。
行う介助等と日常生活に必要な機能の向上等のための介
個別課題の検討を積み上げていくことにより、地域課題
助・専門的な援助のこと。
の発見につなげることが期待されている。
入浴や排泄の介助、リハビリなどがこれにあたる。
地域ケア会議
生活援助
地域包括支援センターや市町村が主催する会議で、以下
訪問介護サービスのうち、日常生活に支障が生じないよ
うに行われる調理・洗濯・掃除等の家事援助のこと。
の目的を持つ。
①医療、介護等の多職種が協働して高齢者の個別課題の解
決を図るとともに、介護支援専門員の自立支援に資する
ケアマネジメントの実践力を高める。
生活援助員
「シルバーハウジング」において、入居者が安心して自
②個別課題の課題分析等を積み重ねることにより、地域に
共通した課題を明確化する。
立した生活を継続できるように、生活相談・安否の確認等
③共有された地域課題の解決に必要な資源開発や地域づ
の必要な援助を提供するために配置している者のこと。
くり、さらには介護保険事業計画への反映などの政策形
成につなげる。
生活支援サービス
生活を支えるための家事援助や軽作業などのサービス。
公的機関だけでなく、民間企業やボランティア、NPO
地域支援事業
地域で生活する高齢者が、要支援状態、要介護状態とな
などによって提供されるものもある。
らないように介護予防を行うとともに、要介護状態になっ
た場合でも、可能な限り地域で自立した日常生活を営むこ
生活習慣病
加齢に注目した病気の概念で、食習慣・運動習慣・休養・
喫煙・飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾
とができるよう支援することを目的とする事業。
①新しい 介護予防・日常生活支援総合事業(必須事業:福
患群。
井市では平成 29 年 4 月開始)
○介護予防・生活支援サービス事業
・訪問型サービス
精神保健福祉士
・通所型サービス
精神保健福祉領域のソーシャルワーカーの国家資格を
・その他の生活支援サービス
取得した者。
・介護予防ケアマネジメント
精神障害者の抱える生活問題や社会問題の解決のため
○一般介護予防事業
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② 包括的支援事業(必須事業:福井市では平成 27 年 4 月
から実施)
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
老人福祉法に規定する特別養護老人ホームのうち、入所
○地域包括支援センターの運営
定員が 30 人以上の介護保険施設。
○在宅医療・介護連携の推進
要介護者に対し、①入浴・排泄・食事等の介護などの日
○認知症施策の推進
常生活上の世話、②機能訓練、③健康管理、④療養上の世
○生活支援の体制整備
話を行う。入所対象者は、平成 27 年 4 月からは、身体上・
○地域ケア会議の推進
精神上著しい障害があるため常時介護を必要とし、在宅介
③ 任意事業
護が困難な原則要介護 3 以上の者となる。
○介護給付費適正化事業
○家族介護支援事業など
二次検診(認知症)
元気度調査で、認知機能の低下の疑いがあると判定され
地域密着型サービス
た人が、かかりつけ医で受診できる、より専門的な認知機
住み慣れた地域での生活を支えるため、身近な市町村で
能に係る検査。
提供されることが適当なサービス類型として地域密着型サ
ービス・地域密着型介護予防サービスが平成 18 年に創設
された。
市町村が指定・監督権限を持ち、原則として、その市町
村の被保険者のみをサービスの対象とする。
認知症カフェ
認知症の人やその家族、地域住民などが気軽に集まり、
情報交換を行ったり、専門スタッフに相談できるカフェ。
認知症コーディネーター
超高齢社会
認知症に関する専門的な研修を受講し、各ほやねっと(地
65 歳以上の高齢者の占める割合が全人口の 21%を超
域包括支援センター)に配置され、地域において認知症の相
えた社会のこと。
ただし、用語の定義について、世界的な合意はまだ行わ
れていない。
談対応を行ったり、理解普及を進める。
認知症地域支援推進員と連携し、市全体の認知症に関す
る取組を推進する。
長寿健康診査(長寿健診)
長寿医療制度加入者(75 歳以上の方または一定の障がい
のある 65 歳以上の方)に対する健康診査。
糖尿病等の生活習慣病の早期発見により、適切な治療に
つなげ重症化を予防し、加入者の健康の保持増進及び地域
における自立した生活の支援を目的として、平成 20 年度
から実施。
認知症サポーター
認知症サポーター養成講座を受講した人で、認知症につ
いて正しく理解し、認知症の人ができるだけ長く住み慣れ
た地域で暮らし続けることができるよう、本人やその家族
を温かく見守り、支援する応援者。オレンジリングがサポ
ーターの印である。
認知症地域支援推進員
通所型サービス
要支援者に対する介護予防通所介護サービスが地域支援
事業に移行することによって新しい介護予防・日常生活支
援総合事業の中で提供される通所サービス。
従来の通所介護に相当する専門性の高いサービスとそれ
以外の多様なサービスからなる。多様なサービスは、緩和
された基準で事業所が行うサービスや住民主体のボランテ
ィア等によって提供されるサービスなどを想定している。
認知症の医療や介護に関する専門的知識及び経験を有す
る者で、福井市の地域包括支援センターに 1 名配置され、
①認知症の人にその状態に応じた適切なサービスが提供さ
れるよう、地域包括支援センター、認知症専門医療機関、
介護保険サービス事業者等の地域における関係者の連携を
図る、②認知症の人やその家族を支援する。認知症コーデ
ィネーターと連携して市全体の認知症に関する取組を推進
する。
福井市では平成 29 年 4 月から開始。
認知症の専門医療機関
認知症の鑑別診断ができる医療機関で、認知症に関する
特定保健指導
40 歳~75 歳未満の医療保険加入者を対象とした特定
健康診査の結果から、生活習慣の改善による生活習慣病の
医療相談、保健・医療・福祉サービスに関する情報提供も
行っている。
予防効果が多く期待できる人に対し、専門の医師・保健師
等が生活習慣を見直すサポートをする。
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認定調査
訪問型サービス
要介護認定・要支援認定の申請が行われた後、市町村職
要支援者に対する介護予防訪問介護サービスが地域支援
員もしくは市町村から委託を受けた指定事務受託法人や介
事業に移行することによって新しい介護予防・日常生活支
護保険施設等の介護支援専門員が行なう認定に必要な調査。
援総合事業の中で提供される訪問サービス。
認定調査員
以外の多様なサービスからなる。
従来の訪問介護に相当する専門性の高いサービスとそれ
要介護・要支援の認定申請が行われた後、申請者の心身
多様なサービスは、緩和された基準で事業所が行うサー
の状況を把握するために、申請者の所に赴き、調査項目に
ビスや住民主体のボランティア等によって提供されるサー
基づいて要介護・要支援の認定に必要な調査を行う者。
ビスなどを想定している。
福井市では平成 29 年 4 月から開始。
福井市では指定事務受託法人や居宅介護支援事業所、地
域包括支援センター、介護保険施設の介護支援専門員が調
査員となっている。
保健衛生推進員
脳血管性認知症
助及び普及啓発、地域における健康づくり活動の企画と実
市からの委嘱を受け、市の保健衛生各種事業の業務の補
脳の血管がつまったり、切れたりしたために、脳の細胞
践等を行い、市民の自主的な健康づくりを支援する者。
の一部が死ぬことで突然発症する認知症で、発症後階段状
ほやねっと(地域包括支援センター)
に進行することが多い。
公正・中立な立場から、地域における①総合相談・支援、
徘徊
②介護予防マネジメント、③包括的・継続的マネジメント、
④権利擁護事業を担う中核機関。
認知症の人が目的もなく、歩き回ること。
ただし、場所の認識力が低下しておこり、本人にとって
は目的地や理由があると考えられている。
みなし事業者
福井市都市計画マスタープラン
介護予防通所介護に係る指定を受けている事業者は、平成
平成 27 年 3 月 31 日において、介護予防訪問介護又は
1992 年の都市計画法改正により規定された「市町村の
都市計画に関する基本的な方針」のことで、福井市では、
27 年 4 月 1 日において新しい介護予防・日常生活支援総
合事業の指定事業者としてみなされる。
「歩く」視点に立ったこれまでの都市づくりの考え方を継
承しつつ、
「暮らしの豊かさを実感できる『歩きたくなる』
民生委員児童委員
まち」を理念として都市づくりを進めることとしている。
社会福祉の増進を任務とし、地域住民の生活状態調査や
要保護者への保護指導、社会福祉施設への連絡・協力など
福井市住宅基本計画
を行う。
1948 年(昭和 23)制定の民生委員法により、都道府
市民一人一人が真に豊かさを実感でき、全国に誇れる魅
力ある住生活を実践するために、福井市の住宅・住環境に
県知事が推薦し厚生労働大臣が委嘱する。
関する政策の基本目標やそれを達成するための方針・施策
要介護者
で、平成 21 年 3 月に策定。
介護保険において、保険給付を受ける対象者のひとつで、
福祉委員
以下のいずれかの者。
福井市社会福祉協議会及び各地区社会福祉協議会におい
て昭和 62 年から委嘱している地域福祉向上のためのボラ
①要介護状態にある65歳以上の者
②要介護状態にある40歳以上65歳未満の者であって、
その原因なった心身の障害が老化に起因する特定疾病に
ンティア。
よるもの。
ブランチ(相談所)
ほやねっと(地域包括支援センター)の担当エリアが広域
要介護状態
になる場合などに、住民の利便性を考慮して身近なところ
身体または精神の障害のために、入浴・排せつ・食事等、
で相談を受け付け、ほやねっとにつなぐために設けられた
日常生活での基本的な動作について、6 か月にわたり継続
相談窓口。
して、常時介護を要すると見込まれる状態。
要介護認定
要介護状態区分の審査と状態の維持又は改善可能性の審
査。
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養護者
在宅で高齢者を養護、介護する家族、親族、同居人。
養護老人ホーム
「経済的理由」及び「環境上の理由」により在宅での生
活が困難な高齢者向けの入所施設。
入所者は、自立した生活を営むことができるよう支援、
社会復帰の促進に資する助言・指導を受けることができる。
要支援者
介護保険において、保険給付を受ける対象者のひとつで、
以下のいずれかの者。
①要介護状態となるおそれのある65歳以上の者。
②要介護状態となるおそれのある40歳以上65歳未満の
者であって、その原因なった心身の障害が老化に起因す
る特定疾病によるもの。
利用者負担(割合)
介護保険サービスを利用する際にかかる費用に対して
利用者が負担する割合のこと。
原則 1 割の負担となるが、平成 27 年 8 月から一定以
上の高所得者は 2 割負担となる。
老人家庭相談員
在宅寝たきり高齢者やひとり暮らし高齢者等の家庭を訪
問し、生活上の相談、指導、助言を行うため、福井県から
委嘱を受けた者。
老人クラブ会員から選出され、各老人クラブごとに1名
ずつ設置されている。
老人クラブ
同じ地域の仲間が、教養の向上、健康の増進、社会奉仕
活動、レクリエーションなどの活動を通して、自らの生き
がい・健康づくりと、互いの親睦を図る自主的な組織。
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第七次福井市老人保健福祉計画・
第6期福井市介護保険事業計画
平成27年3月発行
編集:福井市福祉保健部
長寿福祉課
TEL 0776-20-5400
FAX 0776-20-5426
E-mail:[email protected]
介護保険課
TEL 0776-20-5715
FAX 0776-20-5766
E-mail:[email protected]
この冊子は、障がいのある方が働く施設で印刷したものです。