総合理工学研究科 フォトニクス分析の新たなブレークスルー 機械・航空宇宙コース フォトニクス分析の新たなブレークスルー レーザ・電気複合加速機構を利用した宇宙用プラズマ推進機 高パワー密度プラズマによる高速度プラズマ発生 キーワード : 宇宙推進機・レーザ誘起プラズマ・加速機 主研究担当者 :堀澤 秀之 どのような研究課題に取り組むのか Background and Motivation Propellant tape 人工衛星や宇宙探査機の小型化が進む中で,小 型宇宙推進機の開発が急務とされています.レー ザ・電気複合加速は,固体へのレーザ照射でプラズ マを生成し,電気的に加速する方式で,プラズマに 高パワー密度を投入できることから,高速度のプラ ズマビームを生成することが可能です.従来のシス テムに比べて小型化が容易な点,推進力などの制 御性が高い点などから,この利点を宇宙推進機用に 活かすための基礎研究を進めています. Accel. electrode B j + + + + - - Laser 図 1 レーザ・電気複合加速型プラズマ推進機:(a)レーザ・電磁加 速複合モード,(b)レーザ・静電加速複合モード. どのような点が新しいか Originality 従来のプラズマ推進機では困難とされた静電加速 /電磁加速あるいは高比推力/高推力までの幅広 い作動モードを実現でき,これらを実現する新しい推 進機という点に特徴があります.また,この新しい推 進機の加速特性・機構について検討することは,新 型推進機の開発という枠組みのみに捕われない,材 料加工用の新型プラズマ源への応用なども含めた 新しい技術のシーズになり得る点に学術的・工学的 な意義があります. Rotation stage Magnet (dumper) Counter weight Thruster A pair of strings Calibration electrode Displacement sensor 図 2 微小推力測定装置(上図:真空槽内に設置,下図:模式図). 8000 7000 Isp [sec] 6000 研究展望とインパクト Impact and Perspective 5000 4000 3000 2000 1000 1組の推進機・電源で低推力高比推力モードから 近年、環境汚染物質、毒物や爆薬の検知、工 高推力モードまで高推進効率を維持したまま作動条 業プラントでの燃焼ガスの漏洩検知など多くの分 件を変更可能なロバスト性の高い小型・軽量推進シ 野でガスセンサーの需要が高まっています。要求 ステムが実現可能となれば,ミッション運用上の不測 される性能として、高感度、高選択性、実時間計 の擾乱や運用中に新たに追加された軌道・姿勢変更 測などが挙げられ、これらのブレークスルーをめざ の要求などに応じて柔軟に対応可能になります.こ し研究を進めます。 れは,小型衛星に特徴的なフォーメーションフライト 近年、環境汚染物質、毒物や爆薬の検知、工業 などの運用の際に,推進機に要求される理想的な究 プラントでの燃焼ガスの漏洩検知など多くの分野 極の課題といえます. でガスセンサーの需要が高まっていま (198 文字 まで) 0 0.0 2.0 4.0 6.0 Charge energy [J] 8.0 10.0 図 3 各種形状の推進機の比推力測定結果. 研究グループからの論文 H. Horisawa, Y. Sasaki, T. Shinohara, I. Funaki, Trans. JSASS Space Tech. Jpn Vol.8 (2010) Pb_33. C. Phipps, H. Horisawa, et al., J. Propulsion & Power Vol.26 (2010) p609. H. Horisawa, F. Sawada, S. Hagiwara, I. Funaki, Vacuum Vol.85 (2010) p.574. S. Sumida, H. Horisawa, I. Funaki, Trans. JSASS Space Tech. Jpn Vol.7 (2009) Pb_159. T. Ono, Y. Uchida, H. Horisawa, I. Funaki, Vacuum Vol.83 (2008) p213. ◆電子メール:horisawa※tokai.ac.jp(※印は@へ変更してください)
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