週刊穀物

1
週刊穀物
世界の穀物情報がここに凝縮されています。
毎週水曜日夕方発行
トウモロコシと大豆は反発
発行日
:
2015/4/15
4月14日のシカゴトウモロコシ5月限は+3.00セント高の373.50セント。昨日の急落に対する反動で買いが先行したあ
と、ドル高や小麦続落、アルゼンチンの輸出登録追加の噂で前日安値を下回ったが、ドルの急反落や原油急伸、作付け遅れ、
大豆の上値追いで押し目買いが入り、時間外取引の高値を突破した。中心限月の5月限は、時間外取引を371.75~
370.00セントのレンジで推移し、前日比1.00セント高の371.50セントで引けた。5月限は、昨日の急落に対する反動で
買いが先行したあと、ドル高や小麦反落で前日安値(370.25セント)を下回ったが、ドル反落や原油急伸で序盤の高値を
上回った。コーンの作付けが予想を下回ったことや、大豆の上昇も強材料。アルゼンチンが今後2日以内でコーン200万ト
ンの輸出登録を追加発行するとの噂は弱材料。
立会時間は、1.00セント高で寄り付いたあと、370.25セントまで地合いを弱めたが、投機筋の押し目買いが入って時
間外取引の高値を上回り、374.75セント(4.25セント高:1.1%)まで反発した。時間外取引に比べ、ドルが急反落に転
じたことや、原油相場が急伸したことがはやされた。昨日発表された週間作物進度報告でコーンの作付けは2%終了にとど
まり、過去5年平均(5%)及び事前予想(4~6%)を下回ったことや、大豆の急伸も心理的強材料。上昇が一服したあと
は、米期末在庫の上方修正やブラジル生産高見通しの上方修正で後退したが、作付け遅れや大豆への作付けシフト観測で下
支えられ、強地合いを維持した。
14日のシカゴ大豆5月限は+11.50セント高の960.25セント。マイナスに転落したが、中国の景気刺激策や大豆需要増
加期待、ドル安・原油高の加速をはやし、前日高値を抜いた。昨日、年初来安値更新がストップして修正気運が高まったこ
とや、月間圧砕高の史上最高予想も買い戻しを誘った要因。中心限月の5月限は、時間外取引を956.25~948.50セント
のレンジで推移し、前日比7.00セント高の955.75セントで引けた。5月限は、マイナスに転落したが、押し目買いが入っ
て反発に転じ、じりじりと上値を切り上げた。中国の景気刺激策期待で大豆需要が高まるとの見方や、ドル反落や原油急伸
が強材料。中国の圧砕利益は期先物がプラスに転じたが、安価なアルゼンチンの輸入によるもので、市場への影響は限られ
た。
立会時間は、時間外取引の高値を上回って寄り付いたあと、戻り売りで952.25セントまで下押されたが、投機買いが入っ
て朝方の抵抗を突破し、961.50セント(12.75セント高:1.3%)まで値を飛ばした。昨日、年初来安値更新がストップ
したことから、時間外取引は押し目買いが先行して上昇したが、時間外取引に比べてドル安・原油高が加速したことをはや
し、投機買いが続いた。中国の景気刺激策期待が強まったことや中国の圧砕利益が改善したため、中国の米国産大豆輸入が
増えるとの見方が広がった。3月の米油糧種子加工業者協会(NOPA)月間圧砕高が、過去最高の1.56億Buと予想される
ことも強材料。作付面積の増加観測や、南米産大豆の供給増加で後退したが、原油の上値追いで本日の高値圏で引けた。
明日発表される3月の米油糧種子加工業者協会(NOPA)月間大豆圧砕高の事前予想平均は1億5620万Buで、2月の1億
4700万Buを上回っている。予想レンジは1.552億~1.574億Bu。大豆油在庫の予想平均は14億3800万ポンドで、2
月の13億2200万ポンドを上回っている。予想レンジは13億5200万~15億ポンド。(つづく)
2
今日の材料
・ブラジル産地は、おおむね大豆の収穫に適した天気が続く。
・アルゼンチン産地は、生育に適した天気が続くが、降雨で収穫遅れが予想される。
・3月のNOPA月間大豆圧砕高の事前予想平均は1億5620万Bu。
14日のシカゴ小麦5月限は▲5.25セント安の497.00セント。5月限は、作柄悪化(「良」以上は2ポイント低下の
42%)で買いが先行し、506.25セントまで上昇したが、戻り売りをあびて前日安値(501.50セント)を下回った。米プ
レーン中部・南部の降雨や降雨予報が引き続き市場を圧迫、輸出低迷やドル高も足かせとなった。昨日、50日移動平均
(513.20セント)を下回って引けたこともテクニカル売りを誘い、3月16日以来の安値となる496.50セントまで値を消
した。ドル反落や原油急伸、大豆・コーンの反発で持ち直したが、今週末のプレーン南部の降雨予報で496.25セントまで
値を消した。ファンドは6000枚の売り越し。
今日の材料
・コーンの作付けは2%(前週発表なし、前年3%、平年5%)。
・春小麦の作付けは17%(前週発表なし、前年5%、平年11%)。
・冬小麦の出穂は6%(前週発表なし、前年5%、平年8%)。
・冬小麦の作柄は「良以上42%(前週44%)、「劣」以下19%(前週16%)。
・ブラジル産地は、おおむね大豆の収穫に適した天気が続く。
・アルゼンチン産地は、生育に適した天気が続くが、降雨で収穫遅れが予想される。(日本先物情報ネットワーク)
TOPICs
Crop
Progress
冬小麦
トウモロコシ
Planted(作付)
前年度
4月5日
4月12日
0%
3%
18州
2015年度 過去5年平均
0%
2%
Headed
前年度
4月5日
4月12日
0%
5%
NA
5%
18州
2015年度 過去5年平均
0%
6%
NA
8%
冬小麦
米国では4月12日の週からトウモロコシの作付が始まって
いる。まだ全体の2%が作付されたに過ぎない。
冬小麦は6%がHeadedとなり、作柄は優と良が42%であ
るが、前年の34%よりは良い。春小麦の作付は17%完了して
いる。
18州
作柄
Very Poor
Poor
Fair
Good
Excellent
優と良
4月5日
4月12日
前年度
4%
5%
12%
12%
14%
20%
40%
39%
34%
37%
35%
30%
7%
7%
4%
44%
42%
34%
春小麦
Planted(作付)
前年度
4月5日
4月12日
0%
5%
4月の米国農務省需給報告(トウモロコシ)
6州
2015年度 過去5年平均
0%
17%
NA
11%
4月のトウモロコシの需給報告は、米国内の飼料その他の需要が▲5000万ブッシェル下方修正され、その分だけ期末在
庫が増加し、期末在庫は12.98%から13.39%に増加した。
/10
11年
度
/11
12年
度
/12
13年
度
/13
14年
度
2014/15年度
前月比 前月比% 前年比 前年比%
15年1月 15年2月 15年3月 15年4月
百万エーカー
作付面積
収穫面積
88.2
81.4
91.9
84.0
97.3
87.4
95.4
87.5
90.6
83.1
152.8 147.2 123.1 158.1
171.0
90.6
83.1
90.6
83.1
90.6
83.1
171.0
171.0
1,232
14,216
25
15,472
5,300
6,595
5,200
11,895
1,800
13,695
1,777
12.98%
1,232
14,216
25
15,472
5,250
6,595
5,200
11,845
1,800
13,645
1,827
13.39%
+0.0 +0.0%
+0.0 +0.0%
▲4.8 ▲5.0%
▲4.4 ▲5.0%
ブッシェル/エーカー
単収
171.0
+0.0 +0.0% +12.9 +8.2%
百万ブッシェル
期初在庫
生産
輸入
供給合計
飼料その他
食品・種子・工業用
1,708 1,128
989
821
12,447 12,360 10,755 13,829
28
29
160
36
14,182 13,517 11,904 14,686
4,795 4,557 4,315 5,036
6,426 6,428 6,038 6,501
5,019 5,000 4,641 5,134
エタノール等
国内消費合計 11,221 10,985 10,353 11,537
1,834 1,543
730 1,917
輸出
13,055 12,528 11,083 13,454
需要合計
1,128
989
821 1,232
期末在庫
8.6% 7.9% 7.4% 9.2%
在庫率
1,232
14,216
25
15,472
5,275
6,570
5,175
11,845
1,750
13,595
1,877
13.81%
1,232
14,216
25
15,472
5,250
6,645
5,250
11,895
1,750
13,645
1,827
13.39%
+0.0
+0.0
+0.0
+0.0
▲50.0
+0.0
+0.0
▲50.0
+0.0
▲50.0
+50.0
+0.4%
+0.0%
+0.0%
+0.0%
+0.0%
▲0.9%
+0.0%
+0.0%
▲0.4%
+0.0%
▲0.4%
+2.8%
+3.2%
+411
+387
▲11
+786
+214
+94
+66
+308
▲117
+191
+595
+4.2%
+50.1%
+2.8%
▲30.6%
+5.4%
+4.2%
+1.4%
+1.3%
+2.7%
▲6.1%
+1.4%
+48.3%
+46.2%
3
大豆の4月の需給報告
10/11 11/12 12/13 13/14
年度
年度
年度
年度
13年4月 15年4月 14年7月 15年4月
14/15年度
15年1月
15年2月
15年3月
15年4月
前月比 前月比% 前年比
前年比
百万エーカー
作付面積
収穫面積
77.4
76.6
76.8
76.3
84.8
84.1
76.8
76.3
単収
43.5
44
45.2
44.0
83.7
83.1
83.7
83.1
83.7
83.1
83.7
83.1
+0.0 +0.0%
+0.0 +0.0%
+6.9 +9.0%
+6.8 +8.9%
47.8
47.8
47.8
+0.0 +0.0%
+3.8 +8.6%
92
3969
25
4086
1795
1790
92
24
3701
385
10.4%
92
3969
25
4086
1795
1790
92
24
3701
385
10.4%
92
3969
30
4091
1795
1790
98
38
3721
370
9.9%
ブッシェル/エーカー
47.8
百万ブッシェル
期初在庫
生産
輸入
供給合計
圧砕
輸出
種子
その他
需要合計
期末在庫
在庫率
151
3329
14
3495
1648
1501
87
43
3280
215
6.6%
141
140
3358 3800
72
15
3570 3955
1734 1755
1647 1675
97
92
0
19
3478 3541
92
415
2.6% 11.7%
141
3358
72
3570
1734
1647
97
0
3478
92
2.6%
92
3969
15
4076
1780
1770
92
24
3666
410
11.2%
+0.0
+0.0
+5.0
+5.0
+0.0
+0.0
+6.0
+14.0
+20.0
▲15.0
▲0.5%
+0.0% ▲49.0 ▲34.8%
+0.0% +611.0 +18.2%
+20.0% ▲42.0 ▲58.3%
+0.1% +521.0 +14.6%
+0.0% +61.0 +3.5%
+0.0% +143.0 +8.7%
+6.5% +1.0 +1.0%
+58.3% +38.0 +0.0%
+0.5% +243.0 +7.0%
▲3.9% +278.0 +302.2%
▲4.4% +7.3% +275.9%
大豆の4月の需給報告は、供給サイドでは輸入が+500万ブッシェル増加し、需要サイドでは種子が+600万ブッシェル、
その他が+1400万ブッシェル合計2000万ブッシェル増加したため、期末在庫は▲1500万ブッシェル減少し期末在庫率
は▲0.5%減の9.9%となっている。
小麦の4月の需給報告
小麦の4月の需給報告は、供給サイドでは輸入が▲1500万ブッシェル減少し、需要サイドでは種子が+200万ブッ
シェル、飼料その他が+1000万ブッシェル合計+1200万ブッシェル増加したため、期末在庫は▲700万ブッシェル減
少し期末在庫率は▲0.2%減の32.9%となっている。
/2010 /2011 2012 /2013
14/15年度
11年度 12年度 13年度/ 14年度
13年4月 14年4月 15年4月 15年4月 15年1月 15年2月 15年3月 15年4月 前月比 前年比% 前年比 前年比%
百万エーカー
作付面積
収穫面積
54
48
54.4
45.7
55.3
48.8
56.2
45.3
単収
46
43.7
46.2
47.1
56.8
46.4
56.8
46.4
56.8
46.4
56.8
46.4
+0.0 +0.0%
+0.0 +0.0%
+0.6 +1.1%
+1.1 +2.4%
43.7
43.7
43.7
+0.0 +0.0%
▲3.4 ▲7.2%
ブッシェル/エーカー
43.7
百万ブッシェル
期初在庫
生産
輸入
供給合計
食糧
種子
飼料その他
国内需要合計
輸出
総需要
期末在庫
在庫率
976
862
743
718
590
590
590
590
2,207 1999 2252 2135 2026 2026 2026 2026
97
112
123
169
180
160
160
145
3,279 2974 3118 3021 2796 2776 2776 2761
926
941
945
955
960
960
960
960
71
76
73
77
74
74
75
77
132
162
370
223
150
150
150
160
1,128 1180 1388 1255 1184 1184 1185 1197
1,289 1051 1012 1176
925
900
900
880
2,417 2231 2400 2431 2109 2084 2085 2077
862
743
718
590
687
692
691
684
29.9% 33.3% 29.9% 24.3% 33.1% 33.2% 33.1% 32.9%
+0.0
+0.0
▲15.0
▲15.0
+0.0
+2.0
+10.0
+12.0
▲20.0
▲8.0
▲7.0
▲0.2%
+0.0%
+0.0%
▲9.4%
▲0.5%
+0.0%
+2.7%
+6.7%
+1.0%
▲2.2%
▲0.4%
▲1.0%
▲0.6%
▲128.0 ▲17.8%
▲109.0 ▲5.1%
▲24.0 ▲14.2%
▲260.0 ▲8.6%
+5.0
+0.0
▲63.0
▲58.0
+0.5%
+0.0%
▲28.3%
▲4.6%
▲296.0 ▲25.2%
▲354.0 ▲14.6%
+94.0 +15.9%
+8.7% +35.7%
4
TOPICs ブラジルの飼料穀物
ブラジルの14/15年度のトウモロコシ生産量は▲5%減の7600万トンだった。
2014/15年度のトウモロコシ収獲値域は1500万ヘクタールと前年より▲80万ヘクタール減少し、生産量は▲400万
トン、▲5%減の7600万トンだった。ただ、二期作目のSafrinhaトウモロコシの生産が順調で当初予想よりは少し上回っ
た。当初は二期作目のSfrinhaトウモロコシが大豆の生産が遅れて3月中旬までに完了させる必要のある作付が減少するの
ではないかと危惧された。しかし、二期作目の90%は、予定通り作付が完了している。
ブラジルの14/15年度のトウモロコシ消費量は▲5%減の7600万トンだった。
2014/15年度のトウモロコシの消費量は5,650万トンと+270万トン、約+3%増加した。主にハムや豚肉用であ
る。ただ経済の伸びが鈍化しており、豚肉やハムの輸出が伸び悩んでいるため、飼料用トウモロコシ消費の伸びは減速して
いる。
ブラジルの14/15年度のトウモロコシ輸出量は2100万トンで前年並みだった。
2014/15年度のトウモロコシの輸入量は80万トンと変わらず、輸出量も2100万トンと前年と変わらずであった。主
なブラジル産トウモロコシの輸入国はイラン、ベトナム、韓国であった。2月下旬に発生したトラック業者のストライキに
より、大豆、豚肉、ハム、家畜の出荷に影響が出た。しかし、トウモロコシの輸出は6月に始まり、ピークが10月~11月
になるため、ストライキの影響は無かった。ただ、トラック業者は、政府がディーゼル燃料のコストを引き下げない限り、
4月22日から再びストライキに入るとしている。
千トン・千ヘクタール 10/11年度 11/12年度 12/13年度 13/14年度
収穫面積
期初在庫
生産
輸入(穀物年度)
輸入(暦年)
供給合計
輸出(穀物年度)
輸出(暦年)
飼料用その他
食料用需要
国内需要合計
期末在庫
生産+輸入(①)
国内消費+輸出(②)
需給バランス(①-②)
13,800
9,989
57,400
791
287
68,180
8,404
11,583
42,500
7,000
49,500
10,276
58,191
57,904
287
15,178
10,276
72,731
800
942
83,807
21,500
12,685
45,000
7,500
52,500
9,807
73,531
74,000
-469
15,800
9,212
81,500
886
871
91,598
24,948
26,044
44,500
8,000
52,500
14,150
82,386
77,448
4,938
15,800
14,150
80,000
800
846
94,950
21,000
22,041
46,000
9,000
55,000
18,950
80,800
76,000
4,800
前年比 14/15年度 前年比 前年比% 15/16年度 前年比 前年比%
+622
+3,874
+7,269
+0
▲96
+11,143
▲500
+9,356
+1,000
+1,500
+2,500
+9,143
+7,269
+2,000
+5,269
15,000
18,950
76,000
800
800
95,750
21,000
22,000
47,500
9,000
56,500
18,250
76,800
77,500
-700
▲800 ▲5.1%
+4,800 +33.9%
▲4,000 ▲5.0%
+0 +0.0%
▲46 ▲5.4%
+800 +0.8%
+0 +0.0%
▲41 ▲0.2%
+1,500 +3.3%
+0 +0.0%
+1,500 +2.7%
▲700 ▲3.7%
▲4,000 ▲5.0%
+1,500 +2.0%
▲5,500 ▲114.6%
15,000
18,250
75,000
800
800
94,050
20,000
21,000
48,000
9,000
57,000
17,050
75,800
77,000
-1,200
+0 +0.0%
▲700 ▲3.7%
▲1,000 ▲1.3%
+0 +0.0%
+0 +0.0%
▲1,700 ▲1.8%
▲1,000 ▲4.8%
▲1,000 ▲4.5%
+500 +1.1%
+0 +0.0%
+500 +0.9%
▲1,200 ▲6.6%
▲1,000 ▲1.3%
▲500 ▲0.6%
▲500 +71.4%
ブラジルの15/16年度のトウモロコシ作付面積は前年と同じと予想される。
2015/16年度のトウモロコシのブラジルに於ける作付面積は14/15年度と同じと予想される。土地価格が主要耕作地
のMato Grosso州やParana州で高いため農家は作付面積を拡張することを困難にしている。ブラジル経済の伸びが鈍化
してて信用収縮が生じていることも拡張がない一因である。北部のAmapa州、Para州、Roraima州等の土地が安い地域で
は今後4年間を見れば耕作地の拡大があり得る。この地域の農業環境は整備されているので、近隣の港湾設備や道路が整備
さえすれば安いコストの生産が可能となるだろう。
ブラジルの15/16年度のトウモロコシ生産量は▲100万トン減の7500万トンと予想される。
2015/16年度のブラジルのトウモロコシ生産量は▲100万トン減の7500万トン。ブラジルの為替レアルは3.2レア
ル/ドルと前年同期に比べ3割のレアル安となっている。そのため輸出すればそれだけ多くの売上高となるが、同時に
15/16年度の生産コストも引き上げる。生産者は生産コストを削減するため、化学肥料や殺虫剤等の輸入量を控えるであ
ろう。あるいは第二・第三のバイオテクノロジーを利用するであろう。為替レート以外に、運送コストが上昇し続けてい
る。皮肉なことに原油価格が安くなっているのに、ブラジル政府の財政健全化政策のためにエネルギー補助金が削減され
ているためブラジル国内のエネルギーコストは上昇している。
5
ブラジルの15/16年度のトウモロコシ消費量は+1%増の5700万トンと予想される。
ブラジルのトウモロコシ消費料は+1%増の5700万トンと予想され、ハムや豚肉用飼料用の増加による。ブラジルでは
3970万トンの飼料需要の約6割がトウモロコシで、主に豚肉やハムの生産用に使用されている。この数字にはサイロに入
れた貯蔵用は含まれていない。肉牛や乳牛はほとんどが牧草で育っておりトウモロコシの飼料を使っているのは約5%に過
ぎない。5月~9月の乾燥期に牧草が多くの地域で枯れてしまうためトウモロコシが使用される。すでに家畜の値段は高く、
投資額も大きくなっているので、この割合はそれほど変わらないと思われる。
Mato Grosso 州や中西部地区におけるトウモロコシを使ったエタノール生産は、多くのメディアに取り上げられている。
国立開発銀行(BNDES)が4つのトウモロコシを使った工場に融資を行ったことが報道され、二期作目のトウモロコシ
Safrinhaを利用すると言われている。しかし、政府の規制により製造されたエタノールは消費者に販売する前に生産地域の
販売業者に売られる必要がある。こうした販売業者は通常生産地から遠く離れた地域にあり、輸送コストがかさむという問
題がある。地域によってはFlex Plantsなる改造工場があり、そこでは砂糖とトウモロコシの加工を同時に行っている。通
常サトウキビのエタノール工場は年間で9ヶ月しか稼働しないが、こうした改造工場では残りの3ヶ月をトウモロコシを
使ってエタノールを製造することができる。しかし、政府や公共の金融支援があったとしても、ブラジルにおけるトウモロ
コシのエタノール用需要はエタノール生産量の1%以下である。
ブラジルの15/16年度のトウモロコシ輸出量は▲5%減と見込まれる。
2015/16年度のトウモロコシのブラジルの輸入量は80万トンと前年と同じと見込まれている。一方輸出は、生産が減
少するため▲5%減少して2000万トンになると思われる。新たな港湾設備が完成間近で道路も改良されているため、運送
面での支障は少なくなるだろう。ブラジル政府は輸出コスト削減のための規制改革法案を通過させ、港湾設備の近代化と拡
張工事を行っているため、2013年に生じたような混乱は起きないだろう。港の浚渫工事により水深が深くなり、公共港湾
設備とともに規制の少ない民間の港湾設備も整備され、官僚的な対応も改善された。Northern Arcプロジェクトと呼ばれ
る新らしい港もアマゾン河流域と北西部沿岸に建設され、輸出能力が増強されつつある。
6
TOPICs
ファンドの建て玉
トウモロコシのファンドの建玉
までの週
取組高
1月6日 1,633,720枚
1月13日 1,685,156枚
1月20日 1,716,624枚
1月27日 1,689,411枚
2月3日 1,758,303枚
2月10日 1,768,289枚
2月17日 1,778,873枚
2月24日 1,621,404枚
3月3日 1,610,985枚
3月10日 1,642,332枚
3月17日 1,778,928枚
3月24日 1,806,955枚
3月31日 1,807,763枚
4月7日 1,809,465枚
+1,702枚
前週比
2ヶ月前比 +51,162枚
買い残
売り残
ネット買い残
増減
価格
436,179枚 129,180枚 306,999枚 ▲12,468枚
435,138枚 152,697枚 282,441枚 ▲24,558枚
¢405.0
433,185枚 164,316枚 268,869枚 ▲13,572枚
410,722枚 162,384枚 248,338枚 ▲20,531枚
¢390.3
402,871枚 203,021枚 199,850枚 ▲48,488枚
¢385.8
378,486枚 185,866枚 192,620枚
▲7,230枚
362,857枚 189,511枚 173,346枚 ▲19,274枚
359,908枚 205,950枚 153,958枚 ▲19,388枚
353,336枚 221,264枚 132,072枚 ▲21,886枚
¢388.0
344,752枚 235,982枚 108,770枚 ▲23,302枚
348,889枚 312,778枚 36,111枚 ▲72,659枚
¢382.3
350,489枚 282,438枚
68,051枚 +31,940枚
¢393.3
335,392枚 257,724枚
77,668枚
+9,617枚
¢376.3
325,185枚 255,420枚 69,765枚 ▲7,903枚
▲10,207枚 ▲2,304枚 ▲7,903枚
▲77,686枚 +52,399枚 ▲130,085枚 +40,585枚
¢383.0
¢385.8
¢381.3
¢389.5
¢377.5
¢382.0
¢371.0
+¢6.8
▲¢2.8
トウモロコシのネット買い残は2週増加した後再び減少し6万9,765枚となっている。1月初めの30万枚からは大幅に減
大豆のファンドの建玉
までの週
1月6日
1月13日
1月20日
1月27日
2月3日
2月10日
2月17日
2月24日
3月3日
3月10日
3月17日
3月24日
3月31日
4月7日
前週比
2ヶ月前比
取組高
買い残
売り残
803,171枚 187,731枚 130,314枚
ネット買い残
増減
価格
+4,990枚
34,641枚 ▲22,776枚
12,914枚 ▲21,727枚
¢1,051.0
925,371枚 161,457枚 178,921枚 -17,464枚 ▲30,378枚
¢973.8
958,275枚 165,644枚 172,234枚
¢987.0
842,371枚 183,742枚 149,101枚
908,821枚 180,195枚 167,281枚
57,417枚
-6,590枚 +10,874枚
995,015枚 155,492枚 183,427枚 -27,935枚 ▲21,345枚
¢1,000.0
¢982.0
¢969.0
950,537枚 164,186枚 172,983枚
-8,797枚 +19,138枚
¢1,007.8
884,614枚 173,054枚 158,041枚
15,013枚 +23,810枚
¢1,016.0
896,551枚 186,324枚 151,688枚
¢1,008.8
913,568枚 170,948枚 159,335枚
34,636枚 +19,623枚
11,613枚 ▲23,023枚
990,121枚 170,270枚 178,577枚
-8,307枚 ▲19,920枚
¢954.5
¢980.0
982,456枚 175,657枚 174,701枚
956枚
+9,263枚
¢981.8
996,400枚 180,165枚 183,270枚
-3,105枚
▲4,061枚
¢973.3
985,276枚 175,886枚 182,183枚
▲11,124枚 ▲4,279枚 ▲1,087枚
-6,297枚
▲3,192枚
¢971.0
+293枚 ▲14,066枚
▲¢16.0
+27,001枚 +10,242枚
+9,949枚
▲3,192枚
▲¢2.3
大豆のネット買い残は2週減少し、▲3,192枚と売り長になっている。
小麦のファンドの建玉
までの週
1月6日
1月13日
1月20日
1月27日
2月3日
2月10日
2月17日
2月24日
3月3日
3月10日
3月17日
3月24日
3月31日
4月7日
前週比
2ヶ月前比
取組高
買い残
売り残
ネット買い残
増減
価格
477,441枚 125,789枚 110,535枚
15,254枚
▲7,794枚
¢591.8
482,791枚 119,057枚 106,465枚
12,592枚
▲2,662枚
¢548.0
507,512枚 114,469枚 111,762枚
2,707枚
▲9,885枚
500,478枚 109,855枚 118,551枚
-8,696枚 ▲11,403枚
553,352枚 112,232枚 138,232枚 -26,000枚 ▲17,304枚
¢537.0
548,718枚 108,733枚 133,316枚 -24,583枚
+1,417枚
¢521.8
535,012枚 111,440枚 136,267枚 -24,827枚
▲244枚
¢534.8
▲1,802枚
507,390枚 115,393枚 152,443枚 -37,050枚 ▲10,421枚
544,748枚 114,169枚 164,635枚 -50,466枚 ▲13,416枚
¢505.8
557,266枚 116,857枚 163,770枚 -46,913枚
+3,553枚
¢503.5
561,353枚 105,027枚 158,319枚 -53,292枚
▲6,379枚
¢523.5
552,428枚 100,486枚 158,110枚 -57,624枚
▲4,332枚
¢511.8
569,645枚 103,992枚 157,579枚 -53,587枚
+4,037枚
¢526.0
+4,037枚
▲8,240枚 +19,347枚 ▲27,587枚 +21,341枚
+¢14.3
489,298枚 118,678枚 145,307枚 -26,629枚
+17,217枚
+16,293枚
+3,506枚
▲531枚
¢519.0
¢513.8
¢508.8
¢496.5
+¢12.3
小麦ののネット買い残は4,037枚増えたが、1月末からネット売り長となっている。
7
今後の予想
1月に下落して以来ほぼ横ばいだったシカゴ穀物価格は4月に入ってさらに頭を下げている。トウモロコシの作付が6%
完了しただけのこの時期は、大雨でも降れば作付が遅れることはあるとしても、あまり天候に左右されることはない。穀物
自体の話題に事欠く状況であるため、大きな動きは出にくいものと思われる。ブラジルの収獲は完了しているが、トウモロ
コシの二期作目は作付が90%終わったところであり、ブラジルでは4月22日にトラック業者がディーゼル燃料の値下げが
無い場合はストライキに入るといっているが、大豆の出荷は最盛期は終わり、トウモロコシは6月以降であるため、それほ
ど影響は無いだろう。当面は静かな相場が続くものと思われ、6月以降の天候相場が待たれる。
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