なぜ企業はインターンシップ に取り組むのか

キャリア・就職支援ワークショップ
なぜ企業はインターンシップ
に取り組むのか
九州インターンシップ推進協議会
理事・事務局長 古賀 正博
本日の内容
●九州インターンシップ推進協議会とは
●なぜ産業界がインターンシップを推奨するのか
●具体的なインターンシップ実践例
●なぜ個々の企業がインターンシップに取り組むのか
●大学と企業の向き合い方
1
九州インターンシップ推進協議会とは?
産学官でインターンシップの推進を行う地域コンソーシアム
産
主に福岡県内の企業、団体
およそ 300 社
事務局
地域企業連合会 九州連携機構
学
九州大学
福岡大学
西南学院大学
西九州大学
など 29 大学
官
福岡県
福岡市
北九州市
九州経済産業局
福岡労働局など
2
実 績
平成 26 年は 1,000 名以上の学生がインターンシップを実施
春季参加者
240
夏季参加者
900
855
850
215
220
200
231
205
794
800
189
750
180
164
682
700
170
631
650
160
600
585
606
567
550
140
500
120
450
100
400
21年春
22年春
23年春
24年春
25年春
春季受入企業
110
26年春
106
20年夏
21年夏
22年夏
23年夏
24年夏
25年夏
夏季受入企業
200
189
99
100
185
93
26年夏
192
181
172
90
170
160
80
155
72
152
151
22年夏
23年夏
67
70
66
140
60
50
125
21年春
22年春
23年春
24年春
25年春
26年春
20年夏
21年夏
24年夏
25年夏
26年夏
3
なぜ産業界がインターンシップを推奨するのか?
大きな視点として
●産業界のニーズに合った若手人材の育成が必要だ!
●地方からの若手人材の流出、特に中小企業の人材確保は課題だ!
●3年以内に離職する若者が多すぎる!
4
具体的なインターンシップ実践例
5
実践例(1) ~IT関連企業:A社~
事業内容:システム開発 等
ポイント
狙い
・ITベンチャーで社員は 20 名
・急拡大で人手不足
・知名度不足
・若い社員の教育も急務
・社会貢献
・企業PR
・若手社員育成
5つの方針
座学だけではつまらない
座学+実践
達成感を得て欲しい
独自性のあるアウトプット
多くの社員と接してもらう
日替わりで社員とランチ
仕事のきっかけを体験
外部との打ち合わせへの参加
学生に任せる
週末の作業を学生主体に
6
実践例(1) ~IT関連企業:A社~
≪実施スケジュール≫
日
3
初期教育
課題
プログラミングの教育・指導
5
日
日
10
システム開発ツールの使用方法の解説
システムの企画・設計
課題機能
(ログイン機能/アンケート登録・集計機能)
休日を挟む
日
発表
2
プレゼンテーション資料作成
プレゼンテーション指導⇒発表
7
実践例(2) ~製造メーカ:B社~
事業内容:住宅設備機器製造・販売 等
ポイント
・大手企業
・身体障がい者雇用の拡大計画あり
狙い
・社会貢献
・障がい者雇用に向けて
マッチング精度向上
・身体障がい者向け商品開発を実施中
≪実施内容≫
≪学生の感想≫
・ 営業担当者の努力に驚いた
(他社研究/自己啓発)
・商談の現場は厳しかった
・総務課や営業センターでの事務
・商業施設内の設備等見学 (多目的トイレ/ショールーム)
・学んだことをもとに企画書作成
⇒プレゼンテーション(夢のトイレやお風呂について)
・報告会/修了証授与
8
実践例(2) ~製造メーカ:B社~
≪最終日の様子≫
プレゼンテーション
修了証の授与
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実践例(3)~惣菜等の製造・販売:C社~
事業内容:お弁当・惣菜の製造・販売 等
ポイント
・新店舗の開発計画あり
・新商品開発計画あり
・人手不足
狙い
・社会貢献
・新商品開発・販売
≪実施内容≫ 中期実践型
・店舗にて調理・接客 ・POPやチラシの作成
・顧客ニーズのヒアリング
・同業他社の調査・分析
・試作品の作成
・試食会の実施 他
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実践例(3)~惣菜等の製造・販売:C社~
≪実施スケジュール≫
1週間
【座学】オリエンテーション/安全衛生に関して
1週間
【座学】調査・商品企画の仕方
店舗実習
調査
週間
6
試作品作成
試食会の実施/【座学】セールスプロモーション
1週間
店舗実習
【発表】調査結果および弁当企画のプレゼン
1週間
販売促進
週間
2
新商品の販売(予約受付)開始
成果発表会の実施/全体の振り返り
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実践例(4)~人材紹介・開発:D社~
事業内容:リクルーティング、人材紹介、開発 等
ポイント
狙い
・事業拡大基調
・知名度はそこそこ
・優秀人材の確保に苦戦
採用に向けて
企業を知ってもらう機会として
実施
協議会対象外
≪実施内容≫
1Dayインターン
・社長による講演「採用のプロ」による就活セミナー
・主催企業とは別に、異なる業界、業種企業の社長、副社長による講演
【業種例】
「専門店(服飾雑貨・繊維製品・貴金属)」「プラント・エンジニア」
「情報誌・ポータルサイト・専門コンサルタント」「不動産」等
・グループに分かれてディスカッション+社長とのフリートーク
・自己PR、自分プレゼンの実施
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実践例(4)~人材紹介・開発:D社~
≪1日の流れ≫
13:30
14:00
講演
15:00
パネル
ディスカッション
15:10
休憩
イントロダクション・就活について
働くとは?仕事とは?
自己PR、自分プレゼン
プレゼン練習
15:40
座談会
グループワーク+社長
16:20
まとめ
16:30
13
実践例(5)~広告代理店:E社~
事業内容:広告プランニング、ブランディング、マーケティング
ポイント
・組織急拡大中
・地元では人気のベンチャー企業
・大手リクルーティングサイトは活用していない
狙い
・採用選考のた
めの取組み
・絞り込みプロセ
スとして活用
・採用に向けて学生の本気度を確認
※インターンシップ参加者は、採用選考の際、1次免除
協議会対象外
≪実施内容≫
・事前に、会社見学会を実施(インターンシップ参加の必須条件)
・学生が参加しやすいように、実施期間を「2月上旬」「2月中旬」「3月上旬」の
3期間、最大50名の受け入れを実施
・オリエンテーション、グループワーク、(4日目以降)各部署によるOJT 他
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実践例(5)~広告代理店:E社~
≪実施スケジュール≫
別日(1日)
会社見学会
オリエンテーション「業界・会社のことを知る」
1日目~2日目
1~2週間
座学
オリエンテーション/グループワーク
4日目~1週間or2週間
各部署でのOJT
実務実習
広告プランニング
ブランディング
マーケティング
商品開発
映像制作
コールセンター運営
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なぜ個々の企業がインターンシップを実施するのか?
主な狙いと状況を整理すると
●地域の企業として社会に貢献しよう(人材育成活動への貢献)
➡ほぼ全ての企業がベースとして考えている
●社内活性化に役立てよう
➡一度実施した企業の多くはこの狙いを持つようになる
●自社を知ってもらうきっかけにしよう
➡中小企業としては切実な問題
●採用活動につなげよう
ミスマッチを防止しよう
➡採用後ろ倒し問題で少し違う方向で加速気味
●業容拡大に貢献してもらおう
➡今後広がりを見せる可能性あり ※相当な準備とフォローが必要
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大学と企業の向き合い方
どのタイプのインターンシップが良い・悪いではなく双方
の目的の摺合せが重要
企業によって目的は様々
大学(コンソーシアム)として何を目的にしているのか
の整理が必要
企業と大学での目的と実施方法の摺合せが重要
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大学と企業の向き合い方
目的と考え方を整理し関係者で共有することが重要
例 : 九州インターンシップ推進協議会での整理
目的
地域全体で
若手人材育成を行う
結果的に採用につながることは歓迎すべきこと!
企業・学生の双方が本気で育成しよう・学ぼうという姿勢
で臨めば採用にもつながる!
※1DAYは対象としない
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大学としてご確認いただきたいこと
学内でのコンセンサスは十分ですか?
●本当にインターンシップを重要だとお考えですか?
それは何故ですか?
●そのための体制は十分ですか?十分でなければどう改善しますか?
●就職支援との位置関係をどう整理しますか?
●企業、中間支援機関としっかり話ができる専門人材はいますか?
いなければどう育成しますか?
●インターンシップ実施前後のフォローはどうなってますか?
19
私見として・・・
●採用ルール・手法は時代と共に変化する
人材育成(教育)を取り組みの真ん中に置かなければ長続きしない
●企業にとって採用の側面は非常に重要。一方で地域で行う人材育成活動
に反対する経営者もほとんどいない
●インターンシップに限らず学生が日々の学習の目的を見失わないようにす
るためにも社会連携教育はとても重要
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