教員養成に対する理念・構想・養成する教員像 【情報科学専攻】

教員養成に対する理念・構想・養成する教員像
【情報科学専攻】
情報科学専攻は、重要な社会インフラである情報技術の研究開発と応用に関して、高度な専門能力を発揮できる人材の養成を目的
としている。特にネットワークを含めた情報システムや情報処理などの高度情報技術の専門家の養成を目的とする。人間の知的活動を
支援するコンピュータとネットワーク環境についての基礎教育を重視する。
上記の目的を達成するため、情報科学専攻の教育課程は、「計算機科学セミナー」等の計算機システム科目群 10 科目、「ソフトウェア
開発論セミナー」等の情報処理システム科目群 8 科目、「画像処理論セミナー」等の画像情報処理科目群 16 科目、「知能情報論セミナ
ー」等の知能情報処理科目群 8 科目、「機械制御論セミナー」等の機械情報科目群 10 科目、「人間科学論セミナー」等の人間工学科目
群 10 科目、「計算機システム基礎特論」等の情報科学基礎科目群 12 科目という、情報科学の基礎から応用まで、また中枢から周辺技
術までを幅広くカバーする多彩な科目群を配置している。
学生は、情報システムの基本構成と基本要素について理解し、数理と情報に精通し,プログラミングとソフトウェア開発、情報処理環
境の機能と運用、情報処理技法の設計と評価、情報と計算に関する形式的記述と論理的思考、ハードウェアやソフトウェアの設計と製
作、分散システムの設計や開発および数理モデルとハイパフォーマンス・コンピューティングに関する専門知識を身に付ける。本専攻
は、これらのカリキュラムを通して,数学と情報が融合し、数理と情報に関する知識を工学分野でどのように利用するかの見識を持った、
実践的な数学、情報の指導ができる教員を養成することを目的の1つとしている。
なお、本専攻の母体となる情報システム工学科、機械情報工学科の教職課程においては、数学全般にわたる学識を備えた教員を養
成することを目的としており、専門科目においても数学の威力を活かして問題を解決することに力点を置いた授業科目を多く配置してい
る。本専攻の教職課程は、その延長にある。
数学の学習指導要領では、中学、高等学校とも、数学の基礎を理解すると共にその知識を積極的に活用することを目標としている。
情報システムへの応用を目標として基礎数学を広く学習する本専攻の方針は、学習指導要領とよく整合しており、本課程を修了した学
生は、様々な応用例など幅広い知識を背景に、活きた基礎数学の教育が可能になると期待する。
また、情報の学習指導要領では、現代社会における情報の意義や役割を理解させるとともに、高度情報通信社会の諸課題を主体
的、合理的に解決し、社会の発展を図る創造的な能力と実践的な態度を育てることを目標としている。これはまさに情報科学専攻が目
指す教育の目標である。
上述の通り、本専攻の教育方針は、学習指導要領の目標とよく整合しており、本専攻は、数学及び情報の基礎を幅広く修得し、その
知見を情報科学に応用できる力を身につけた数学及び情報の教員の養成を重要な目標の 1 つとしている。
教職課程の設置趣旨(専攻等ごと)
【情報科学専攻】
特に情報科学専攻に数学と情報の教育課程を設置する趣旨は、ICT 化された社会に適応でき、高い情報リテラシーを持つ次世代育
成である.情報科学専攻は、計算機システム科目群、情報処理システム科目群、画像情報処理科目群、知能情報処理科目群、機械情
報学科目群、人間工学科目群、情報科学基礎科目群の 7 分野にわたる科目を手厚く配置することによって、既に学士課程及び教職課
程で学び、中学校・高等学校教諭一種免許状を取得した学生に対して、より高度な専門的知識と技術を修得させることによって、本専
攻の教育研究上の理念・目的である、ネットワークを含めた情報システムや情報処理などの高度情報技術の研究開発と応用に関して、
高度な専門能力を発揮し、実践的な数学・情報の指導ができる人材の養成を達成しようとするものである。
数学的基礎および最新の情報理論に裏付けされた情報システムに関する知識を修得するカリキュラムを備えた専攻教育を通じて、情
報リテラシーの背景となる数学および情報科学の分野で、最新の理論と実践力を有する教員を養成することが可能となる。これら時代の
要請に即した修士課程を修めた学生は、本専攻が掲げる教育研究上の理念・目的を体現し、学習指導要領が求める、数学の基礎を理
解すると共にその知識を積極的に活用すること、及び、現代社会における情報の意義や役割を理解させるとともに、高度情報通信社会
の諸課題を主体的、合理的に解決し、社会の発展を図る創造的な能力と実践的な態度を育てることに、十分に寄与することができる有
為な人材として教育界に貢献できるものと考える。
≪中学校教諭専修免許状:数学の設置趣旨≫
中学校学習指導要領は、数学の目標に、「数量、図形などに関する基礎的な概念や原理・法則の理解を深め、数学的な表現や処理
の仕方を習得し、事象を数理的に考察する能力を高めるとともに、数学的活動の楽しさ、数学的な見方や考え方のよさを知り、それらを
進んで活用する態度を育てる」ことを掲げている。本専攻の修士課程は、免許法施行規則に定める中学校数学の教科に関する科目区
分に指定される科目をより深く学ぶための科目を厚く配置しており、学生は情報システム工学の観点から、数学の威力を活かして問題を
解決することに力点を置いた授業科目を通じて、具体的に事象を数理的に考察する能力を高めるとともに、まさに、数学的活動の楽し
さ、数学的な見方や考え方のよさを知り、それらを進んで活用する経験を重ねる。
このように本専攻における教育は、学習指導要領の目標を実現できる人材の養成に適合しており、本課程を修了した学生の中学校
教育(数学)に対する貢献は大きいと期待できる。よって、本専攻の人材育成の重要な柱のひとつとして中学校教諭専修免許状(数学)
の養成課程を設置する。
≪高等学校教諭専修免許状:数学の設置趣旨≫
高等学校学習指導要領は、数学の目標に、「数学における基本的な概念や原理・法則の理解を深め、事象を数学的に考察し処理す
る能力を高め、数学的活動を通して創造性の基礎を培うとともに、数学的な見方や考え方のよさを認識し、それらを積極的に活用する
態度を育てる」ことを掲げている。本専攻の修士課程は、免許法施行規則に定める高等学校数学の教科に関する科目区分に指定され
る科目をより深く学ぶための科目を厚く配置しており、学生は情報システム工学の観点から、数学の威力を活かして問題を解決すること
に力点を置いた授業科目を通じて、具体的に事象を数学的に考察し処理する能力を高めるとともに、まさに、創造性の基礎を培い、数
学的な見方や考え方のよさを認識し、それらを積極的に活用する態度を育てる。
このように本専攻における教育は、学習指導要領の目標を実現できる人材の養成に適合しており、本課程を修了した学生の高等学
校教育(数学)に対する貢献は大きいと期待できる。よって、本専攻の人材育成の重要な柱のひとつとして高等学校教諭専修免許状
(数学)の養成課程を設置する。
≪高等学校教諭専修免許状:情報の設置趣旨≫
高等学校学習指導要領は、情報の目標に、「情報の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ、現代社会における情
報の意義や役割を理解させるとともに、高度情報通信社会の諸課題を主体的、合理的に解決し、社会の発展を図る創造的な能力と実
践的な態度を育てる」ことを掲げている。本専攻の修士課程は、免許法施行規則に定める高等学校情報の教科に関する科目区分に指
定される科目をより深く学ぶための科目を厚く配置しており、広く情報に関する学識を備えた教員を養成する。特に、コンピュータ、情報
システムの威力を活かし問題を解決することに力点を置いた授業科目を多く配置することにより、知識を実際の問題解決に適用できる
活きた知識と技術を持つ人材を育成する。
このように本専攻における教育は、学習指導要領の目標、各科目の内容を実現できる人材の養成に適合しており、本課程を修了した
学生の高等学校教育(情報)に対する貢献は大きいと期待できる。よって、本専攻の人材育成の重要な柱のひとつとして高等学校教諭
専修免許状(情報)の養成課程を設置する。