平成26年度スマートコミュニティ構想普及支援事業 成果報告書(要約版) 1.補助事業者名 静岡鉄道株式会社、鈴与商事株式会社、静岡瓦斯株式会社 2.調査対象地域 静岡県静岡市(JR東静岡駅周辺地区) 3.補助事業の名称 水素ステーションを核としたスマートコミュニティ(静岡型水素タウン)事業化調査 4.内 容 ①目 的 水素ステーションにおいては、FCVへの水素燃料供給 だけではなく、太陽光発電による水素エネルギーの蓄エ ネや燃料電池への水素供給を行い、周辺施設においては、 太陽光・蓄電池電力利用や水素エネルギーを利用した燃 料電池由来の電力・熱利用を行い、平常時はEMS導入に よるピークカット、ピークシフト、CO2排出量削減に寄 与し、災害時には電源分散による防災拠点としての役割 を担う街づくりの検証を行う。 また、水素利用用途の拡大により、水素ステーション の早期事業性確立モデルを検証する。 ②スマートコミュニティの特徴 水素を活用したエネルギー供給方式 として、対象地区へ水素を供給する ケース1、水素を利用した燃料電池の 発電電力・熱を供給するケース2を想 定する。対象地区の一部には、太陽光 発電・蓄電池を設置し、太陽光発電は 燃料電池からの供給電力と合わせて地 区内で活用、蓄電池は地区全体の負荷 平準化に活用する。地区全体及び各施 設は地域エネルギーマネジメントで制 御する。 ■ケース1(図1):水素供給 ・水素を導管により施設へ供給 ・施設では純水素型燃料電池を設置し、 電力と熱を施設内で活用。 ■ケース2(図2):電気・熱供給 ・水素ステーションに隣接して純水素 型燃料電池を設置し、その電力と熱を 対象地区内の施設へ供給 地域系統電力 地域内エネルギーマネジメント 商業施設 病 院 業務施設 集合住宅 水素ステーション H2 冷暖房給湯 システム※1 電力 システム 水素貯蔵装置 発電 発電 太陽光発電 蓄電池 純水素 燃料電池 太陽光発電 給湯 住棟内 セントラル 電力 システム 一括受電 給湯 システム※2 電力 システム 太陽光発電 蓄電池 排熱 太陽光発電 給湯 システム※2 電力 システム 排熱 蓄電池 純水素 排熱 燃料電池 (貯湯槽付) 排熱 水素 水素供給配管ネットワーク(地中埋設) ※1:ガス吸収冷温水機+ボイラ ※2:ボイラ方式(冷暖房はパッケージ) 【図1】 ケース1 水素供給システムイメージ 地域系統電力 商業施設 病 院 集合住宅 業務施設 水素ステーション H2 電力 システム 水素貯蔵装置 冷暖房給湯 システム※1 電力 システム 給湯 システム※2 電力 システム 一括受電 給湯 住棟内 セントラル 電力 システム 給湯 システム※2 水素 太陽光発電 太陽光発電 純水素 燃料電池 排熱 蓄電池 太陽光発電 蓄電池 太陽光発電 蓄電池 自営線電力ネットワーク(架空・一部埋設) 発電 地域内 一括受電設備 ※1:ガス吸収冷温水機+ボイラ ※2:ボイラ方式(冷暖房はパッケージ) 熱供給導管ネットワーク(埋設・温水) 貯湯槽/温水供給設備 地域内エネルギーマネジメント 【図2】 ケース2 電気・熱供給システムイメージ ③導入効果(省エネ性/環境性評価/防災機能) ・ケース1では1.4~2.5%の省エネ率で、年間305t~687t-CO2のCO2削減が可能 ・ケース2では1.6~2.8%の省エネ率で、年間331t~735t-CO2のCO2削減が可能 ・防災機能としては、非常時に病院に対し、集中して水素または電力(通常時の50%電力相当)を供給した 場合、ケース1では平均3.2日間、ケース2では平均4.2日間供給が可能能 ④事業性評価 水素ステーションを含む各ケースの投資回収期間(補助金1/2適用)は約22年~33年となり、更なる補助金 の活用など初期投資額の圧縮を図ることが必要であることが示された。 ⑤課題・今後の見通し 事業化においては、水素ステーションの整備や自営線・水素/熱導管の敷設などハード面以外にも、タウン 事業環境整備(電気事業法、熱供給事業法等の法規制への対応や家庭用純水素型燃料電池の技術開発等)が必 要となる。今後は周辺地域の行政とも連携し、課題解決に向けた検討を続ける。
© Copyright 2024 ExpyDoc