参考資料 - 国土交通省北陸地方整備局

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参考-1.北陸管外の先進事例
NPO法人 倉敷町家トラスト
団体所在地/岡山県倉敷市東町
倉敷の景観保全の歴史
昭和 24 年に倉敷都市美協会が設立され、
戦後の倉敷の景観保全運動が始まりまし
た。その後、市は昭和 43 年に「倉敷市伝
統美観保存条例」を制定、昭和 44 年「倉
敷川畔特別美観地区」を指定。昭和 53 年
に「倉敷市伝統的建造物群保存地区保存条
例」、さらに昭和 54 年に「重要伝統的建
造物群保存地区」として国の選定を受け、
平成 2 年には全国にさきがけ、背景保全条
例を制定しました。
倉敷町家トラスト事務所
平成 12 年には「倉敷市美観地区景観条例」を制定、平成 17 年には景観法に基づく景
観条例として改正し、市は積極的な保全対策を講じてきましたが、住民団体の活動は消極
的で個人の保全に頼っていました。平成 18 年当団体とほぼ同時期に住民団体「倉敷伝建
地区をまもり育てる会」が設立。景観保全や町家利活用等、地域の活性化が進んでいます。
倉敷町家トラスト設立の目的・経緯
倉敷川を中心に広がる伝統的建築群は、
地域の風土を感じさせる貴重な景観となっ
ています。この貴重な景観は先人の努力で
街並みの保存が図られ、現在も改修、修復
が続いています。しかし路地に目を転じる
と、かつて庶民の生活の場であった民家や
広場に、空き家や駐車場が目立つようにな
り、ときの動きと社会の流れとともに地域
の文化や生活さえ失われつつあります。
倉敷の都市鳥瞰図(鳥瞰図絵師 岡本直樹氏)
また、居住人口も減少し高齢化が進み、
コミュニティ形成や暮らし、風景に影響が
広がっています。
このままでは 30 年後には担い手がいな
くなるのではという不安から、町家の再
生・利活用を通じての地域の生活文化の継
承、育成と創造及び景観の保全を目的に、
平成 18 年 5 月、特定非営利活動法人「倉
敷町家トラスト」を設立しました。
ヒアリングの様子(左:中村泰典代表理事)
資料:NPO法人倉敷町家トラストホームページ、ヒアリングより
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活動内容
倉敷町家トラストの活動は多岐にわたります。メインの活動は使われなくなった町家を
再生・利活用し、町家生活体験・宿泊・地域活動などに利用していくことです。それをよ
り広く行うための空き家・地域調査、再生物件が増えてゆくことで可能になる地域活性化
の活動なども行っています。
本町御坂の家(第一号再生物件)
「御坂の家」は NPO 法人倉敷町家トラ
ストが町家再生第一号として修理、再生を
した町家です。多くの賛同者の資金援助や、
会員、地域住民、ボランティアの手を借り
て平成 19 年 11 月吉日に竣工しました。
私たちの願いは、この再生町家に縁のある
方々が明かりを灯し、語り合い、このまち
の暮らしぶりを楽しんでいただければと思
町家ゲストハウス「御坂の家」
っています。御坂の家は旅館などの宿泊施
設とは異なり、短期の滞在のための賃貸住
宅としてお貸しします。したがって宿泊施
設のようなおもてなしをする施設ではない
ですが、自分流の暮らしを楽しむことがで
きます。
空き家の把握
倉敷市伝統的建造物群保存地区及び旧市
街地区に点在する空き家となっている町家
や不在家屋の調査とデータベースの作成を
倉敷の町並み
通じ、空き家状況を把握していきます。専門家による町家再生建築相談窓口を開設し町家
の利活用を進め、倉敷のまちに灯りを増やしていきます。
世代を超えた対話と交流
再生した町家では、豊かなまちの暮らしを大切にするために伝統的な行事や暮らしをテ
ーマに研修会や講座を開催しています。また、取組や町の暮らしの情報をホームページや
ニュースレターなどを通じて皆さんにお届けしています。そして、地域資産の活用と地域
の振興、人材育成を支援していきます。
<活動のポイント>
◆わかりやすい活動…みんなで直す、かかわる、創る、運営する(「御坂の家」)
◆続けることで見えてくる…歴史を調べる、まちを歩く、調査する
◆求められるものを知る…まちが求められているもの、活動として求められているもの
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参考-1.北陸管外の先進事例
NPO法人 尾道空き家再生プロジェクト
団体所在地/広島県尾道市三軒家町
尾道のまち
瀬戸内海のおだやかな海と山々に囲まれた街、尾道。尾道固有の町並みや建物はそこで
営まれてきた暮らしの歴史であり文化です。その中でも特にユニークな環境をもつ山手地
区ですが、現在、空洞化と高齢化が進み、空き家が数多く存在しています。その中には建
築的価値が高いもの、不思議で個性的なもの、景観が優れているもの等さまざまな魅力を
もったものも含まれていますが、残念ながら住人を失った家々の傷みは年々加速していま
す。尾道空き家再生プロジェクトではそれらの空き家を再生し、この活動を通じてほかに
はない尾道らしいまちづくりを展開することを目指しています。
資料:NPO法人尾道空き家再生プロジェクトホームページより
尾道空き家再生プロジェクトの目的・経緯
空き家の再生や空き家バンクの活性化事業などを通して、古い町並みや景観の保全、移
住者・定住者の促進による町の活性化、そして、新たな文化・ネットワーク・コミュニテ
ィの構築を目的としています。
大学卒業後、旅行添乗員として働いていた豊田雅
子代表は、歴史的な建造物が現代的な町並みの中で
美しく立ち並ぶヨーロッパ各地に感動を覚え、その
後、戦火を免れ、歴史のある町並みを残す尾道に平
成 13 年に帰郷。久しぶりの郷里は、少子高齢化な
どで様々な建物が放置されていました。
「好きな地元・尾道で、今ある古い民家を活用し
て何かしたい」と決意し、平成 19 年 6 月、千光
寺山斜面に建ち、独創的な設計で「ガウディハウス」
の通称で呼ばれる民家を購入し修復を始めました。
その活動は、ブログ等で大きな反響を呼び、翌月賛
同する約 20 人で前身となる市民団体を設立しま
通称「ガウディハウス」
した。
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活動内容
空き家バンク
尾道市が平成 11 年に開設した「尾道市空
き家バンク」。同市への移住希望者などと空
き家のマッチングを行うものです。十分に機
能していなかった同事業をまちづくりに活用
したいと尾道空き家再生プロジェクト側が行
政側に提案したのをきっかけに、平成 21 年
10 月より市から委託を受け、市との協働運営
を行っています。
「三軒家アパートメント」
実績としては、提供数が 56 件から 130 件
くらいまで増えました。借りたい、買いたい
など空き家を探していらっしゃる方が、今ま
でトータル 800 人ぐらい。月 10 人以上は新
規で空き家を探しにこられているような状況
です。そのうち成約したのが 80 件弱ぐらい
です。良いものが出たらすぐ決まります。供
給が足りていないくらいなので、家の状態が
良いときに受け渡していきたいと思います。
このような数字は、「空き家」に関するネ
尾道ゲストハウス「あなごのねどこ」
ットワーク・コミュニティが育っていること
のあらわといえます。
尾道建築塾
尾道の各時代を反映するような建物や尾道
の地形ならではのオモシロ物件などに注目
し、技法や歴史的背景も含めて、広く一般の
方に尾道建築を理解してもらおうという目的
で開催しています。昔の技法や職人の技など
を実際目にすることにより、現代の日本建築
が失いつつあるものを再認識し、これからの
「あなごのねどこ」女性用ドミトリー
尾道の家づくりについても考えるきっかけづ
くりになることが期待されます。
「みはらし亭」H27.3 一部完成を目指す
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活動している中で直面している課題
移住者の働き場不足
尾道に魅力を感じて住みたいという方はい
っぱいいるのですが、その方たちが楽しんで
仕事ができるような仕事がたくさんあるかと
いうとあまりない。そういう中でもせっかく
若いうちに尾道に決めて来られた方には、や
りがいを持った仕事をしてもらいたいという
のもありますし、いろいろと習得してきた人
たちがそれを生かして仕事ができるような状
況をつくりたいということはあります。
ヒアリングの様子(左:豊田雅子代表理事)
支援メニューの充実
移住希望者の若者の多くは、多少であって
も資金面の支援なくては難しいことがわかり
ました。また、登録物件の大多数が屋根や構
造、ライフラインに問題があり、条件不利地
での通常工事では高額になることから、少し
でも移住者の負担が減るような支援メニュー
の必要性が強く感じられました。
特に大型の物件や破損状態がひどいものに
関しては、行政や企業、町内会なども巻き込
んだ活用法を考えていくことも必要です。
今後の展開について
「北村洋品店」
尾道空き家再生プロジェクト事務所
尾道での暮らし方の発信
事業全体を考えると、空き家バンクへの魅力的な空き家情報の登録を増やしていくこと
は重要ですが、一方で、空き家への移住に関する情報、具体的には「暮らし方を見えやす
く」することが大事だと感じます。斜面地での暮らしや日常の買い物等、日々の暮らし方
の情報まで、きめ細やかに発信していくことをこれからの取組にしたいと考えています。
家主の意識改革のための提案
「空き家バンク」に登録されている物件と定住希望者のマッチングが成立すると、どんど
ん紹介できる物件が少なくなっていく。そのため、新たな物件の掘り起こしももちろん必
要となります。中には賃貸に前向きでない家主、所有されている空き家の「価値」が分か
らず賃貸をあきらめている家主の方も。そうした家主の方に情報や提案をさらに行ってい
きたいと考えています。
次世代への教育
長期的には、尾道の将来を担う世代に、住んでいる街の現状について知ってもらう必要
があります。そのためには、教育現場との連携が欠かせません。例えば、小中学校におい
て、道徳の授業で「空き家問題」を扱ってもらう、「街歩き」を小中学生向けに行ったり
する等、次世代の育成に取組みます。
資料:NPO 法人尾道空き家再生プロジェクトホームページ、ヒアリングより
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参考-2.空家等対策の推進に関する特別措置法
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参考-3.建築基準法その他法令による空き家対応
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参考-4.空き家対策に関する国の支援制度
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空き家対策に関する情報発信
※
全国の空き家関連情報については、以下のHPをご覧下さい。
一般社団法人すまいづくりまちづくりセンター連合会HP
(http://www.sumikae-nichiikikyoju.net/akiya/)
※
これまでの「北陸における空き家対策に関する情報交換会」の資料は、
以下の建政部HPで公表しています。
(http://www.hrr.mlit.go.jp/kensei/machi/akiya/index.html)
-問い合わせ-
国土交通省
北陸地方整備局
建政部
都市・住宅整備課
〒950-8801 新潟市中央区美咲町 1-1-1 新潟美咲合同庁舎 1 号館
TEL:025-280-8755(直通)FAX:025-280-8746
E-mail:[email protected]
URL :http://www.hrr.mlit.go.jp/kensei/main.html