ー. 研究の目的と概要 生ラーメ ンは日配品として市場が地域内に限定

生 ラー メンの保存性向上に関する研究
H12)
lH10∼
加工食品部農産食品科 山 本一史 中 野敦博 田 中彰 槙 賢治
研究の 目的 と概要
生 ラー メンは 日西己
品 として市場 が地域内に限定されてお り、保存温度などについ
ても大 きな注意は払われていなか った。 しか しながら、近年流通 システムの変化 に
よ り北海道の生ラー メンは販売環境 が多様化 し、全国へ の出荷 の他 に贈答品、お土
産品 として市場 が拡大 したため、保存性 に一層 の向上が求められてい る。そ こで、
本研究では生 ラー メンの保存性改善を目的として、流通における生ラー メンを取 り
巻 く様 々な要因を包装材料や販売環境などの視点 から検討 を行 う。
今年度は昨年度に引き続 き、店頭において商品価値を下げてい る生 ラー メンの包
装袋内結露 について、品質改良剤などの添加物による効果 の検討を行 つた。
予定される成果
(例)。保存性 の優れた生 ラー メンの開発
2.
試験研究の方法
以下の試験は、すべてA社 の協力を得 て実施 した。コン トロールにはA社 の通 常
品を用 いた。
(1)結 露防止剤 に よる改良試験
結露防止 に効果 があ るとい われ る
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添加 物 3 種 類 、 た ん ば く分解 物 系
15
一端
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に配置 し、強制的に結露を発生させる
1 設 定温度条件
図
環境 に保存 した (図 1)。 保存期間は 40日 間と し、麺の水分 と袋内に結露 した水
分量、さらに袋内の上部 と下部の麺についても水分 を淑1定した。
(2)調 合水 の配合変更による改良試験
麺線中の 自由水 を減 らす目的で、 _
調合水中の配合 を変更させたサンプ
表
試 験 2の 条件
サンプル
No 4
ルを3種 類用意 した (表)。いずれも
No 5
総加水量は変更せず水の量を減 らし
て調整 した。これ らのラー メンにつ
No 6
]ント
ロル
条件
ソ
゛
ルヒ トル2イ音
ソ
ルビ トル2倍 、酒精 約 25%減
゛ー
ソ ルヒ ト
ル2倍 、増粘系改良剤 2%添加
通
常品
いて も、 (1)と 同様 の 40日 間の保存試験 を行 つた。
3。 実験結果
(1)試 験の結果を図 2、 3に 示す。いずれの試験区においても保存 日数が経過するにつ
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れ、麺の水分は減少 した。結露は保存期間中ず つと発生 し、保存 21日 目にビニ クを
迎えた。No.2、No.3は 保存期 間を通 じて比較的結露の発生 が弱いため、結露防止 に
は若干の効果 があるもの と考えられるが、No.1は ほ とんど効果 がみ られなかった。
(2)試 験 の結果を図 4,5に 示す。こちらの試験は、わずかにば らつ きがあるが麺の水
分はほぼ一定であ った。しか しながら、
結露はいずれの試験区において も発生 し、 (1)
の試験 と同様に保存 21∼ 30日 目にかけてピー クを迎えた。No.6は 比較的良好であ
り、増粘系改良剤の効果は確認 出来 るのだが、麺が乾燥気味であ った。
0.20
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10
20
30
40
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21
30
40
経過 時間 (日)
時間経過 (日数)
図 2 麺 の水分の変化 ( 試験 1 )
図3
結露水量 の 変化 ( 試験 1 )
0
5
5
4
0
4
5
3
0
3
5
2
0
2
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5
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時間経過 ( 日)
50
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14
21
30
40
経過時間 (日)
図 4 麺 の水分の変化 (試験2)
図 5 結 露水量 の 変化 ( 試験 2 )
4。 平成 12年 度計画
包装袋内の結露発生の条件について、水 とアル コールの影響を検討する。また、
包装形態や保存環境の見直 しなど総合的な見地 か ら、袋内結露防止策 について検討
を行 う。
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